「英語を話す人は声が大きい」「中国語は怒っているように聞こえる」と日本人が思う理由とは?

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タカコ

こんにちは、アメリカ在住ライターのタカコです。

先日、「『No one is perfect(完璧な人はいない)』に学ぶアメリカ人のこころ」で、夫が日本人男性から「Be quiet please」と言われたことを書きました。

この件に関して、英語の先生(アメリカ人男性・50代)にどう思うか聞いてみたところ、意外にこの一件は、かなり奥が深かったことがわかりました。

英語の先生に聞いてみたこと

では英語の先生に聞いてみたことをまとめてみます。

状況
飛行機に乗っているとき、自分の席のすぐ近くで、少し大きめの声でしゃべっている人がいる
質問
その人に何か言いますか? もし、何か言うとしたら、何と言いますか?

先生の回答は「黙っておく」

というわけで、こちらが先生の回答です。

「うーーーーん、それは難しい……。僕なら? どうかな……黙っておくかな。

ただ声が少し大きいだけでしょ? ずーっとうるさいわけでもない。もし下手に何か言って『Not your business!!』なんて怒ってきたら嫌だし。

たぶん、何も言わないね。でも、すごく寝たいとか、どうしてもという理由があれば、『Could you please……?』を使って言うかもしれない。

『Be quiet』は『impolite(無礼)』だよ。何か言うなら、別の言い方がよかったね」

言語の特徴にも関係があるらしい

また、先生はこう続けました。

「でも、それは言語の特徴も関係していると思うよ。僕もこういうことがあったんだけど……」

と、あるエピソードを話してくれました。

先生の奥さんはブラジル人なのだそうです。ブラジルで、奥さんの家族や友人とご飯を食べていたとき、すごく楽しくて、調子よくしゃべっていたら、みんなから

「Calm down, calm down(落ち着いて、落ち着いて)」

と言われたそうです。

言語にはそれぞれ音のリズムと抑揚がある

先生が言うには、英語は「ストレスのある部分を強く大きく、音を高く発音する」言語なので、もともと発話に抑揚がある語なのだそうです。

感情とは関係なく、音の強弱や高低で言葉を使い分けるので、その抑揚は、とても重要な役割を持っています。

日本語では、音の強弱で言葉を使い分けることはないので、会話の中での強弱はあまり激しくない言語といえます。

話に力が入ると、その抑揚の幅の広くなります。

英語は「興奮している」ように聞こえる?

英語話者ではない周りの人がそれを聞くと、自分の言語の音の抑揚と比べて、「すごく興奮している」と感じるということです。

ほら、中国人の話す声がすごく大きいとか、怒っているように聞こえると感じたことはありませんか?

もともとの声の大きさもあるかもしれませんが、「少し」話に力が入ると、言葉の使い分けに必要な音の強弱や高低の幅がさらに広くなるので、日本人には「とても」声が大きく感じてしまったり、怒っているように聞こえたりするということです。

これは……深いですね(笑)。まさか、言語の特徴が絡んでいるとは思いませんでした。

慣れない音のパターンは不快に感じる?

私たちには、日本語の音の抑揚パターンが身についています。

その音のパターンからはみ出る発話を「何かおかしい」と感じるんですね。慣れていないので、たいていは不快な感情だと思います。

「うるさい」とか、「怒っているの?」とか、「話に力が入りすぎ」とか。

考えてみると、夫の場合も、まさにこの状況だったと思います。

日本語と英語の音の抑揚パターンと違うので、夫に「Be quiet, please」と言った男性には、夫の声がうるさく感じたのだと思います。

夫が話に力が入ってくると声が大きくなると、私は感じているのですがそのせいもあるでしょうね。

まさに、自分の価値観で線を引いてしまっています。反省……。

そういえば、また思い当たることが……

またまた考えてみれば、私と夫がけんかをするきっかけもほんの小さなことが多いのを思い出しました。

何気ないことを話しているときに、夫の語調が強くなったような気がして……

タカコ
Are you upset?(怒っているの?)
No, I'm not upset!(怒ってない!)
タカコ
I don't think so. You sound upset!!(うそ、言い方が怒っているじゃない!!)

まぁ、虫の居所が悪いと、そこからけんかになったりします。

こんなことを自分で書いていて情けないのですが、このパターン、よくあります。でも、英語話者をパートナーに持つ方、心当たりはありませんか?

また、夫が自分の意見をどんどん言っているときに、言葉がガーッと向かってきているような気分になるときもあります。

あまりの勢いの強さに、「おぉっと」と、ちょっと後ろに下がってしまいそうになります。

夫は「そんなつもりはない」と言うのですが、私はどうしてもそう聞こえてしまいます。

怒っているわけでもなく、一生懸命話しているだけで、この感覚の違いです。これも、英語話者をパートナーに持つ方、心当たりはありませんか?

このようなことも、日本語と英語の持つリズムと抑揚の違いがかなり関わっているように思います。

日本語と英語は違う

先生に聞いただけあって、ちょっと専門的な方面からの話が聞けました。

言語はそれぞれ音の抑揚パターンを持っているので、自分の言語のパターンから大きくずれるほど、その音が気になってしまうんですね。これには納得。

私も、ちょうど発音クラスで英語の抑揚やリズムを勉強しているところですが、たしかに難しいです。

手などを動かしてリズムをとって音の強弱に気をつけたり、文章を見て、どの言葉のどの部分にアクセント(ストレス: 強く発音する部分)があるのか、わざわざ確認してから声に出してみたり……。

慣れるまでは、こういった地道な作業が必要だと先生は言います。それだけ「違う」ということです。

英語と日本語は違う

わかってはいるつもりでしたが、「使う言葉」が違うだけではなく、音声的な体系も大きく違っていて、その違いはこんな風に表れるのだと示してくれたような、飛行機での一件でした。

奥が深いです。

特に英語話者をパートナーに持つ方や、英語話者とよく話す方、参考にしていただけると嬉しいです。

同じ質問をクラスメイトにもしてみて、回答が様々で面白かったので記事にしました。

「静かに!」というときの「シー」について以前書いたものがあります。こちらもぜひ!

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ABOUTこの記事をかいた人

タカコ

日本語教師養成講座修了。英語が苦手だったにもかかわらず、夫となるアメリカ人との結婚を機に渡米。現在は一児の母として英語に囲まれた環境の中で英語を習得中。日本語教育に携わった経験から言語を深く掘り下げる探究心がすさまじく、身近な英語の知識を初心者にもわかりやすく書くよう心掛けている。