英語で身近な昆虫を何と呼ぶ? チョウ、トンボ、セミって?

はつ

執筆者

Google認定教師/Microsoft Innovative Educator。1999年に脱サラしオーストラリアに移住。メルボルンの公立中高一貫校で日本語教師。University of Technology Sydney(シドニー工科大学)卒業、Graduate Diploma(準修士) 取得。→ はつ についてはこちら

寒い冬から暖かくなり、海や山へ出かけたくなる様な陽気。夏と言えば日本だとカブトムシやクワガタを思い浮かべますよね。

今回は身近な昆虫の英語名に焦点を当ててみます。

身近な昆虫の名前を英語では?

私の住むオーストラリアは日本とは季節が逆。すなわち日本が冬休みの時、南半球の国々は夏休みの真っ盛りなのです。

日本での夏休みといえば山に行ってカブトムシやトンボを捕まえたりしたものです。残念ながらオーストラリアには、日本の様なカブトムシやクワガタはいないんです。

日本のカブトムシ
日本のカブトムシ

今思えば、日本は昆虫天国。子どもたちが熱中できるほど色んな種類の虫がいるんですね~。住んでいた時はそんなことはひとつも思いませんでしたが。

ところで「虫」を表現する英語に2種類があることをご存じでしょうか?

「虫」を表す単語

  • insect
  • bug

この2つは何が違うのでしょう。実は日本語と同じ使い分けをします。

使い分け

  • insect …… 昆虫(足が6本ある節足動物)
  • bug …… それ以外の「クモ」なども含め大まかに「虫」

このような使い分けをしています。

そういえば以前、『バグズ・ライフ(Bug's Life)』というCG映画がありましたね。

出典: Amazon「バグズ・ライフ MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー」

登場人物(?)の虫たちはアリやカブトムシ、イモムシなど入り混じっていたので「bug」という表現が一番しっくり来るのでしょうね。

そんなワケで今回は身近な昆虫の英語名をご紹介していきます。

トンボは「dragonfly」

英語でトンボのことは「dragonfly」と呼びます。

「dragon」は竜で「fly」はハエに代表される飛ぶ虫。「dragonfly」の語源は諸説ありますが、その細長い体から竜が連想されるのもうなずけますね。

海外に来てみて初めてわかったのは日本のトンボの種類と数の多さ。それというのも日本には川や池といった水が豊富にあるということが挙げられます。

トンボは英語で「dragonfly」
トンボは英語で「dragonfly」

トンボの幼虫(ヤゴ)は水の中で生息し、成長すると脱皮してトンボになります。

どんな虫に関しても幼虫は「larva(ラーヴァ)」といいます。たとえばヤゴなら「dragonfly larva」ですね。

「larva」の発音は溶岩の「lava」に似ているので要注意です。

チョウは「butterfly」

チョウチョウのことを「Butterfly」というのは、よく考えてみれば変ですよね。

直訳すれば「バターのハエ」ですが、蝶々はバターを食べませんしバターにどう関連付けられるのか不思議です。

蝶は英語で「butterfly」
蝶は英語で「butterfly」

一説によると中世ヨーロッパでは、魔女たちはチョウチョウに化けてはミルクやバターを盗んでいたから、だそうです。

ホタルは「firefly」

日本で田んぼが多い田舎に行った際、夜に月明かりを頼りに夜道を歩いているとホタルの光がフワリと見えて幻想的な風景を見たことがあります。

ホタルは英語で「firefly」と呼びます。これは覚えやすいですね。

ホタルは英語で「firefly」
ホタルは英語で「firefly」

実はアメリカにもホタルは住んでいます。

以前、アメリカに住んでいた時、大学のキャンパスの芝生にたくさんホタルがいたのを見てビックリした記憶があります。

その時、初めて「firefly」という言葉を耳にしました。

セミは「cicada」

オーストラリアにもセミは数種類います。

こちらに来て驚いたのが、一番よく見かけるセミは緑色だということ。鳴き声はジーーーといった感じ。

セミは英語で「cicada」
セミは英語で「cicada」

日本のような蝉の声を聞き分ける感性は、どうやらオーストラリアには無いようで蝉の鳴き声はすべてノイズと言う表現になります。

蝉が鳴くと言う動詞は「chirp」といいます。これは鳥がさえずる、という動詞と同じです。

テントウムシはオスでも「ladybug」

オスとメスと関わらず、テントウムシは「ladybug」と呼ばれています。

てんとう虫は英語で「ladybug」
てんとう虫は英語で「ladybug」

テントウムシの幼虫は野菜などにたかるアブラムシ(aphid)を食べてくれるので、家庭菜園においては益虫として活躍してくれます。

カマキリは「praying mantis」

カマキリの前足の部分が日本では鎌と捉えてカマキリ、英語だと僧侶が祈 りを捧げている姿になぞらえてpraying(祈っている)mantisと呼ばれています。

カマキリは英語で「praying mantis」
カマキリは英語で「praying mantis」

mantisだけでもカマキリという意味になりますが、あえてprayingを付けているトコロに風情があると思いませんか?

カ(蚊)は「mosquito」

私が住んでいるメルボルンは、今年の春は雨が多く気温もなかなか上がらなかったために蚊が大発生しています。

ちょっとした水溜りには「mosquito larva(ボウフラ)」がわいていて、その付近にいると必ず蚊の猛攻を受けるので要注意なのです。

日本でも昔は一般的だった蚊帳(かや)、英語ではmosquito net 。

英語だとnetという表現になるので、まるで虫取り網の様な響きがありますね。でもれっきとした蚊帳のことでオーストラリアでも買えます

ガ(蛾)は「moth」

天空の城ラピュタに出てくる女海賊ドーラの飛行船の名前が「タイガーモス」です。この「モス」は蛾の英語名「moth」から来ています。

カタカナ表記では「モス」ですが、その発音だと「moss(湿った所に生える苔類)」と一緒になってしまいます。

「th」の発音を、しっかり舌を噛みながら発音してみましょう。

アリ(蟻)は「ant」

アリは英語で「ant」と呼びます。

オーストラリアに来てビックリしたのは、キャンプなどに行くとでっかいアリンコに出くわすこと。

体長3cmはある「bullant」という種類のアリがいます。bull( 雄牛)の様な角はありませんが、大きくてギザギザのアゴがあり、見た目からしても十分に恐いです。

体長3cmもある「bullant」という種類のアリ
体長3cmもある「bullant」という種類のアリ

ひるがえって小さい蟻が行列をなして歩いているところの近くに寄ろうものなら、体長5mmもないくらいの小ささなのに果敢に噛み付いて来るんすよ、これが!

総じてオーストラリアのアリ、アグレッシブです。

ちなみにアリを食べる動物「アリクイ」は英語でも「anteater(ant + eater)」と呼びます。

ハチ(蜂)は「bee」

ミツバチは「honey bee」、クマンバチは「bumble bee」と呼ばれています。

beeに共通するのが、花の蜜や花粉を集めて餌にしている事

一方、他の虫やハチを捕食するタイプは「wasp」と呼ばれ、日本でも時々ニュースになるスズメバチは「hornet」と呼ばれています。下記にまとめます。

「蜂」を表す単語

  • bee …… 花の蜜や花粉を集めて餌にするハチ
  • wasp …… ほかのハチや虫を捕食するハチ
  • hornet …… スズメバチ

ホーネットといえばミニ四駆の名前でもあるし、マクドネル・ダグラス(現ボーイング)社の戦闘機にも付けられている愛称ですね。

オケラは「cricket」

『手のひらを太陽に』と言う歌はご存じですか?歌詞はアンパンマンの生みの親であるやなせたかしさんが作ったのですが、その中に登場するのがオケラ。

地中にトンネルを掘って移動しているので普段の生活ではあまり縁がないかもしれませんが、夕方から夜にかけて「ジーー」と言う音を奏でているのはこの虫。

オケラは英語で「cricket」
オケラは英語で「cricket」

オケラは英語で「cricket(クリケット)」と言いますが、コオロギもスズムシもまとめて「cricket」と呼びます。

スポーツのクリケットの語源は別

まったく同じ綴りで同じ名前のスポーツ、クリケットがあります。

ただ、語源自体はまったく別の様です。クリケットはイギリス発祥の野球にちょっと似たスポーツ。

イギリス連邦(コモンウェルス)の国々では人気のあるスポーツです。

「cricket」の使われる表現

「cricket」が使われる表現で面白いのは、コンサートなどで人がぜんぜん入らなかった時に

The opening night was crickets.

静寂の中にオケラだけが鳴いている風景を連想しているからでしょう、日本語の「シーン」と言う表現に似ていますね。

バッタは「grasshopper」

そしてバッタは「grasshopper」です。

「grass(草)」の間で「hop(ぴょんと跳ねる)」しているからですね。覚えやすい。

日本では「トノサマバッタ」や「ショウリョウバッタ」など、バッタの種類の名前が比較的知られていますが、英語だとふつうはぜんぶ一括りで「grasshopper」と呼びます。

ただ、イナゴだけは別扱いで「locust」と呼ばれています。2010年にはメルボルンがあるビクトリア州でもイナゴが大量発生し、ニュースになりました。

カブトムシもクワガタもカナブンもすべて「beetle」

日本は世界的に見てもたくさんの種類の甲虫がいます。

日本は細かく呼び名が違いますが、英語だと一括りで「beetle」と呼びます。後はその特徴と合わせて呼ぶだけ。

たとえば次のように言います。

詳細に言うと……

  • ゲンゴロウ …… water beetle
  • クワガタ …… stag beetle
  • タマムシ …… jewel beetle

日本のカブトムシの正式名称は「Japanese rhinoceros beetle」だそうです。「rhinoceros beetle」は角がある甲虫全般を指します。

クワガタは英語で「stag beetle
クワガタは英語で「stag beetle」

クワガタの「stag」とはオスの鹿の事で、クワがオス鹿の角に似ているからこの名前になりました。

ゴキブリは「cockroach」

日本では忌み嫌われているゴキブリは「cockroach」と呼びます。

ゴキブリですが、オーストラリアの森に住んでいるタイプのものは日本人の想像するものと少し違っています

オーストラリアのクイーンズランド州にはヨロイモグラゴキブリ(Giant burrowing cockroach)という世界最大のゴキブリがいます。動きはノソノソと遅くて飛びません。

ゴキブリの語源は御器かぶり、つまりお椀をかじっている虫という意味ですが、この世界最大のゴキブリは腐った木や葉っぱしか食べません。

画像はあえて入れていませんので、興味がある方はぜひGoogleで検索してみてください。

まとめ

いかがでしたか? 改めて日本の自然を見てみると、地形的にも変化に富み、北から南まで気候の差があるので虫たちも多種多様なものが住み着いています。

似ている虫でも些細な違いを見つけて違う名前をちゃんと付ける、これこそ日本人の観察力と自然に対する敬意の現れではないでしょうか。

外国人の方に日本の昆虫について英語で説明することを考えれば、まだまだ虫について学ぶべきことは多いかもしれませんね!

最後にまとめます。

トンボdragonfly
チョウbutterfly
ホタルfirefly
セミcicada
テントウムシladybug
カマキリpraying mantis
mosquito
moth
アリant
ハチbee
オケラcricket
バッタgrasshopper
カブトムシbeetle
ゴキブリcockroach
虫の名前まとめ

ムカデについてはこちらに書いています!

海の生き物で「fish」が付くまとめはこちら!

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人生の半分をオーストラリアで過ごした経験からネイティブレベルで英語を操る。現在はメルボルンで言語の専門家である日本語教師として生計を立てる。2013年に世界から「グーグル認定教師」として50名のひとりに選出された教育のプロ。>>はつ について詳しくはこちら
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