「カタカナ英語」は日本人の英語の発音をひどくする悪の根源だ!

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ヨス

こんにちは! 元・日本語教師のヨスです。

今回は日本人が英語を勉強し始めたときに立ちはだかってくる大きな壁「カタカナ英語」についてです。

カタカナ英語は英語習得の大きな壁!!

「カタカナ英語」ってご存知ですか? そう。日本人が英語を言おうとするときに言ってしまう「アイ・キャント・スピーク・イングリッシュ・ベリー・ウェル」みたいな英語を無理やりカタカナで言うやつです。

今回はカタカナ語が持つ問題点に焦点をしぼってみます。

一つの言語として流通し日本人にしか伝わらない

まずは、カタカナ英語の持つ最もひどくて問題の部分からです。

それは「カタカナ英語」が完全に1つの言語として確立しきっていることです。つまり「英語」とは違った「カタカナ英語」という新しい言語が独立し、流通しているんです。ここまで聞くと日本人らしい個性ある生きた英語があるのでいいことやん!って風に聞こえますが、そうでもないんです。

というのも、カタカナ英語の最も残念な特性が、日本人にしか通じないということだからです。ええ。日本語のなまりがあるだけで、英語圏の人にかろうじて伝わる……のなら問題ないんですよ。

具体的な例で言うと……

  • lab(研究室)
  • love(愛)
  • rub(こする)
  • rob(奪う)

これをカタカナで書くと全部「ラブ」で、発音も同じく「ラブ」になります。恐ろしいことです。でも本来の発音はすべて違うんですよ。日本語の方がかなり母音も子音も少ないため、こんなことになるんです。

日本人同士でコミュニケーションを取るためにしか役に立たない言語が「カタカナ英語」なんですが、それなら日本語で話した方が効率がいいんですけどね。

でも何かとカタカナ英語を使いたがるんですよね。「スリー・ツー・ワン・ゼロー!!」みたいに。日本語で「さん・にー・いち・ぜろ!」でいいやんって思いますよ。

言語学的に言うと「ピジン(pidgen)」の一種だと言えるかもしれません。ただ、日本人にしか伝わらないので違いますが。

英語の発音をした気になってしまう

「カタカナ」って日本人にとって海外から来たものに使います。そのため、カタカナ表記しているとあたかもそれが外国語の発音になっていると勘違いしやすいんです。

アイ・ドント・ライク・イット(I don't like it.: それ好きじゃない。)

このカタカナ面を見ると、英語っぽく見えますよね? 雰囲気的には?

でもそのまま読んでも通じないと思います。まず、母音介入(すべての子音と子音の間に母音を挟んでいる)、そして「 L 」の発音に代用する子音が日本語にないため、日本語の「ラ行」で強引に代用していること。英語の「ストレス(アクセント)」が日本語にはない。……など、ややこしいけどいろんな要素が、日本語と英語では違いすぎるんです。

リーヴ・ミー・アローン(Leave me alone!: 一人にして!)

たぶん「 v 」を「ヴ」って書きたがりますが、結局日本語に「 v 」の発音はないので、読むときは「 ブ 」なんです。ただ単に英語っぽい雰囲気を字面的に醸し出しているのが「ヴ」であって、音声は完全に日本語であることを覚えておいてください!

日常生活ではカタカナ英語の方が重要

そしてこれが日本の現実なのですが、本当の英語よりも「カタカナ英語」の方が日常生活で重要なんです!

皆さんもご存知のとおり、「カタカナ英語」はあまりにも日本語の中に自然に浸透しすぎています。なので「ガール」とか「キャップ」「カード」「テーブル」など……日常生活で覚えていないと困る言葉がわんさかです。

まぁ、普通に生活していれば普通に「日本語として」覚えますが、覚えたカタカナ語が英語を勉強するときに邪魔になるんですよ。

例えば私は「ガール(girl)」の発音に苦労しましたが、カタカナ英語で「ガール」って覚えると、本来の「girl」の発音をしようとするときに抵抗があるんです。でも何度「ガール」って言っても英語圏の人には絶対に伝わらないほど音声がかけ離れています。

でもね。カタカナ英語に馴染みすぎていると、まるで「カタカナ英語」が本来の発音と錯覚するような感じで、「girl」て発音するのが恥ずかしいようなおかしな感覚になってしまうんです(私の場合は)。

たぶん、ずっと「ガール」って発音しないといけない!……という風にメディアや周りの大人に思い込まされて育ったのが弊害になっているんだと。

本物っぽく発音すると馬鹿にされる

そしてカタカナ英語に市民権がありすぎるために、英語の授業でもカタカナ英語を話さないといけない風潮があります

皆さんも経験ありませんか? 英語っぽく発音すると「なにカッコつけてんの?」的に言われるような。

そういえば、友達から冗談のような話を聞きました。なんと! 英語っぽい発音を先生にカタカナ英語に矯正させられたらしいんですね。

それをユニークなコントにしている動画を発見です。

志村けんさん、面白いですよねー。上手いです。まさに日本の英語の授業です。最近は先生はマシになっているかもしれませんが……どうなんでしょ?

もしかすると日本人のほとんどは英語の発音ができないので、ひがむのかもしれません。なので本物の英語の発音に対するアレルギーがあって、それをカッコ良く話す日本人が許せない……という妙なジェラシーが「出る杭を打つ状態」を作り出しているのかもしれません。特に中学校、高校時代に。恐ろしいー!

そういえば私もそういう経験があります。中学校の英語の時間に「Hello」を思わず「ヘロー」って読んでしまったんです。本来はカタカナ英語で「ハロー」と読まなければならないのに、英語っぽく「ヘロー」と。

するとクラス全員が大笑いですよ。で「いや、ハローやん!」ってツッコミを入れてくる始末。

そうです。「『英語』の授業なのにオマエはなんで『English』を話してんの!?」って言われたようでした。でもそういうことなんでしょうね。

和製英語っていう存在

日本人は海外のものをうまく自文化に取り入れる天才とよく聞きますが、英語に関しても上手に取り入れています。

っていうか上手に取り入れすぎて困っているんですよ(笑)。

  • ガソリンスタンド
  • マイカー
  • イメージアップ
  • ドクターストップ
  • サラリーマン
  • ナイター
  • デパート

ええ。頻繁に聞くような単語って和製英語なんですねー。これらを言っても全然通じません。例えば「ガソリンスタンド」は英語では「gas station(ガスステーション)」というように全く異なる単語です。

「マイカー」に至っては「Do you have my car?(私の車持っている?)」なんて質問すれば泥棒扱いしてしまいますよ。ちなみに、英語では「Do you have your own car?」みたいに言います。

あと、和製英語では本来の単語を使うのですが、意味が大幅に変わる例もあります。例えば「マンション」だと英語では「大邸宅」みたいな意味になるので使うとびっくりされますよ(笑)。日本のマンションだと英語では「condo」って言います。

さらにすごい事実があります。なんと! 和製英語は単語にとどまらず、文法すら作ってしまっています

  • レッツ・シンキング!(レッツ・ミッション!、レッツ・ウェディング!とか)
  • ハウ・トゥー・アート

この「レッツ~」は最近、日本語ですごく見かけます。キャッチーなので使いやすいんでしょうね。「レッツ(Let's)」のあとには「シンキング(thinking)」は来ません。来るのは動詞の原形ですので、本来は「Let's think!」になります。「ハウ・トゥー(How to)」も同じで、「to」の後ろは「動詞の原形」です。

こういう間違った文法が、中学で英語を学ぶときに邪魔するんでしょうねー。そういや、うちの弟は『天才バカボン』の終わりの歌で「お日様は西から東に昇る」と覚えてしまい苦労したようです(← 「西から昇ったお日様が東にぃ~しずぅ~むぅ~♪」ってフレーズがある)。

さて、今回のカタカナ英語ですが、実は私が英語の勉強をするときに最も厄介な問題だと思っていることです。ダントツの一番です。

これがあるから日本人の英語が上達しないと確信しているんです。最低限でも英語の授業ではカタカナ英語ではなく、ちゃんと「English」を教えてほしいものです。

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ABOUTこの記事をかいた人

ヨス

アメリカに留学した経験から言語に興味を持ち、日本語教師に。日本語教育を学んでいたときに自分が「音声学」に猛烈に惹かれることに気づく。一般的には学ばない「日本語の音声」を学ぶことで英語の発音を習得。ヨッセンスという月間に100万回以上読まれている人気ブログも運営。