「meet」と「see」の違いって? 動作があいまいだと「see」を使います!

タカコ

執筆者

WEBライター。2013年にアメリカに渡る。現在はアメリカ人の夫と子ども2人でテキサスに在住。

中学の早い段階で習う「see」という英単語。たぶん習った和訳は「見る」ではありませんか?

この「see」は、日常会話でもよく登場する言葉なのですが、「見る」以外の用法もいくつかあるのです。

今回は、同じ意味に使ってしまいがちな「会う」と訳される「meet」と「see」の違いについて、徹底的に書こうと思います。

  1. 「see・look・watch」の違い
  2. 「see」と「watch」の違い
  3. 「meet」と「see」の違い今ココ

「see」と「meet」はどう違う?

こういう使い方を聞いたことがありませんか?

  1. I met my friend last Sunday.
  2. I saw my friend last Sunday.

「see」は、「会う」という意味でもよく使われます。上記の例文でいうと、両方とも「先週の日曜日、友達と会った」というような和訳になります。

どこがどう違うの? と思いませんか?

「meet」は「顔を合わせる」という動作

「meet」は「会う」という意味ですが、「出会う」という意味が強いです。

初めて会った人に「はじめまして」「お会いできてうれしいです」という意味で使う、「Nice to meet you.」というフレーズがありますよね。

「Nice to meet you」は初めて出会ったときに使う挨拶
「Nice to meet you」は初めて出会ったときに使う挨拶

このイメージが強いので、「meet」という言葉は初対面で「会う」ときだけにしか使わないのかな? と思うかもしれません。

でも日常で待ち合わせをするときなどにも使います。

Let's meet there!(じゃあ、そこで待ち合わせしようよ!)

のように。

「meet」は、顔を合わせて「やぁ!」「こんにちは」「はじめまして」とあいさつするような、具体的な動作をいうんです。

「see」は「一緒に時間を過ごす」という動作の「会う」

ところが「see」はというと、友達と会って、「一緒に時間を過ごすこと」をいうんです。

先ほどの例をもう一度出しますね。

  1. I met my friend last Sunday.
  2. I saw my friend last Sunday.

「see」は「meet」とは違い、ただ「顔を合わせる」だけではないんです。

「see」という短いスペルですが、会ってから行われる一連の動作をひっくるめて、「一緒に過ごした時間」のことを「see」で表現します

例えば友達と会って、「やぁ、こんにちは」と顔を合わせたあと、一緒にいる間に、お茶を飲むかもしれないし、買い物に行くかもしれないし、映画を見るかもしれない。

「see」は抽象的な言葉

会っている間に何をしたのか、具体的な動作は「see」だけでは全然わかりません。

動作でいうと、「会う」というよりは、「一緒にいる」という感じですね。

先ほど見た「meet」に比べて、具体的な動きではなく、とてもぼやけた印象だと思いませんか?

そう、「see」という単語は

ぼやけた印象 = 抽象的

なんです。

それがつかめると、日本語では同じ「会う」と訳されがちなこの2つの例文ですが、

  1. I met my friend last Sunday.
  2. I saw my friend last Sunday.

英語で表現している動作は、実は全く違うものだったというのがわかると思います。

「nice to meet you」「nice to see you」の違い

それがイメージできると、こちらの2つの違いもわかるのではないでしょうか?

  • nice to meet you
  • nice to see you

「はじめまして」や「お会いできてうれしいです」の意味で使う「Nice to meet you.」は、出会ったこと自体を「うれしいです」と言っているのです。

また、

It was very nice to see you the other day.(先日はお会いできてよかったです)

などの場合は、具体的な動作の「出会ったこと」だけではなく、それを含めた、その場で過ごした時間に注目し「ご一緒できてよかったです」という意味合いなのです。

友達同士のパーティーなどの集まりで、帰り際に「Good see you.」と言うことが多いですが、それも同じで、「一緒に過ごせてよかったです」といった感じです。

ちなみに、初めて会った人との別れ際には

「(It was) very nice to meet you.

と言うことがありますが、こちらはやはり「出会えたこと」を喜んだ表現です。仕事の場で使うことも多いのではないでしょうか。

お医者さんに診てもらうのも「see」

話は変わりますが、アメリカでは、かかりつけのお医者さん(general doctor)を自分で見つける必要があります。

医療費が高いので、日本ほどすぐにお医者さんに走ることはありませんが、たいていの場合はまず、そのかかりつけのお医者さんに診てもらいます。

その後、必要があれば、そのお医者さんから専門医(special doctor)を紹介してもらったりします。

さて、そのお医者さんに「会う」というときも

I'm going to see my doctor this afternoon.(今日の午後、お医者さんに会います)

のように「see」を使います(かかりつけのお医者さんに会うので、「my doctor」という表現になります)。

この場合の「see」も、「一緒にいる」という意味の抽象的な動作なのです。

クリニックに行って、お医者さんに会って、帰ってくるまでの一連の動作が「see」で表現されていますね。

細かい動作は不確定な「see」

このときの「see」は、あいまいな(=抽象的な)動作なので、その文だけでは具体的な動作はわかりません。

診てもらってから、検査をしたかもしれないとか、いろいろな細かい(具体的な)動作の可能性があります。

でも、わからないままでもいいのです。もし、具体的な動作を話したければ、そこから付け加えて話せばいいのですから。

先ほどの「meet」を使った例文でいうと、

I saw my friend last Sunday. (先週の日曜日、友達と会いました)
We met at the mall first and had some coffee in the cafe.(まずモールで待ち合わせして、カフェでコーヒーを飲みました)
Then we went shopping.(それから買い物に行きました)

などのように。

1文目は、「友達と会った」という、要約的(=抽象的)な内容で、2文目以降は、そのときしたことを話しています。動作が具体的になっていますよね。

2文目で「met(meetの過去形)」が使われているのは、具体的な動作として「会った」ことを表現しているからですね!

抽象的な動作を表す動詞の注意点

抽象的な動作は、時間的にも長く、その間にいくつかの具体的な動作を含む可能性があります。

そのような性質から「see」は、進行形にして「動作が継続している様子」を表現することはできません

「友達と会っているとき」を「when I was seeing my friend」ということはできないのです。

そんなときは「when I was with my friend(友達と一緒にいたとき)」など、具体的な動作の動詞を使いましょう。

まとめ

いかがでしたか?

実は私もこの記事を書くまで、違いを完全に理解していませんでした。

私の辞書にも「to spend time with somebody; to visit somebody」とあるだけで、動きが抽象的であることまではわからず、言葉通りにしか受け止めていませんでした。

(ネイティブの人は、無意識に理解しています)

いろいろ考えて、やっと具体的な動作との違いにたどり着いたわけですが……

うまくイメージができると、「nice to meet you」と「nice to see you」の違いも、自分の中ですごく納得ができて、最高の気分でした!

「meet」と「see」、何が違うのかわからない方も多いはずです。そんな方々の脱出のヒントになれば幸いです。

さて、抽象的な「see」の用法はまだまだあり、それはまだ別記事で書こうと思います。

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アメリカ人の夫との結婚を機に渡米。現在は二児の母として英語に囲まれた環境の中で生活。日本語教育に携わっていたため言語への視点が鋭く、元・英会話教師の夫とのやりとりから生まれる記事が秀逸。
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