英語の擬音語・擬態語(オノマトペ)ってどんな感じなの?

タカコ

執筆者

WEBライター。2013年にアメリカに渡る。現在はアメリカ人の夫と子ども2人でテキサスに在住。

オノマトペ」という言葉をご存じですか?

日本語では「擬音語」「擬態語」という意味ですが、もちろん英語にもこれらはあります。

本記事では、英語のオノマトペを紹介します。

オノマトペって、どんな言葉?

オノマトペは、擬音語・擬態語の総称として使われる言葉で、音や声、ものの状態を表す言葉です。

日本語は、オノマトペが多い言語で、たとえば、「ドアをドンドンとたたく音がする」の「ドンドン」、「赤ちゃんがにっこり笑う」の「にっこり」がそれにあたります。

実は、私はこのオノマトペが大好きなんです!!
LOVE オノマトペ!!

「ちんぷんかんぷん」とか、「すたこらさっさ」とか、「しょんぼり」とか「がくっ」とか……言葉から音や状態を想像するのがおもしろいんです。

そういえば、このメディアを管理しているヨスとの出会いは日本語教師養成講座だったのですが、お互いオノマトペが好きすぎることで意気投合したという経緯があります。

子ども向けの本に不可欠なオノマトペ

アメリカに来て、英語でのオノマトペがどんなものなのか、すごく気になっていたのですが、なかなかたくさんのオノマトペに出合えずにいました。

長い間、私の中での英語のオノマトペは、時計の針の音「tick-tack (tock)(チクタク)」くらいでした。

ところが、娘に読む本を見ていると、やはり子ども向けの本だけあって、たくさんのオノマトペを見つけることができました。

日本の子ども向けの本も、オノマトペを使った本が多いですよね。

たぶん、音が単純で、聞こえがおもしろいからだと思います。その点は、日本語でも英語でも同じなのではないでしょうか。

オノマトペ好きな私は、うきうき、わくわくしながら読んでいます。

英語の子ども向けの本で出合えたオノマトペ

別記事で「図書館で借りた本を娘がとても気に入った」と書きましたが、その本がまさにオノマトペ満載の本でした。

Karen Katz氏の『The Babies on the Bus』という本です。

なんと、3週間の貸出期間を3回連続で借りました。毎日読んでいるので、無料で借りているのが申し訳ないくらいですね。

さて、この本ですが、『The Wheels on the Bus』という、昔からある子ども向けの歌(下の動画参照)に合わせて歌うことができるようになっています。

Karen Katz氏の本は、絵もカラフルでかわいらしいのですが、娘は、まだ1歳7か月とあってか、絵を楽しむというよりは、歌を楽しんでいます。

本は、バスのタイヤがくるくる回ったり、ワイパーがシュッシュッと動く様子や、赤ちゃんが歌ったり泣いたりする様子を描いた内容になっています。

『The Babies on the Bus』に出てくるオノマトペ

では、絵本『The Babies on the Bus』の中を見てみると。たとえば……

The wheels on the bus go round and round, round and round, round and round. The wheels on the bus go round and round, all through the town

といった感じです。

この「round and round」が「くるくると」というような、タイヤが回っている状態を表すオノマトペになっています。

絵本『The Babies on the Bus』
絵本『The Babies on the Bus』

この本はほかにも同じような流れで、いくつもオノマトペが出てきます。

LA - LA - LA
バスに乗った赤ちゃんが「ラララ~」と歌う声です。よく考えたら、「ラララ~」も声を表す(=擬声語)ので、オノマトペでした。
swish, swish, swish
バスのワイパーが、「シュッ、シュッ、シュッ」と動く音として使われています。
bumpity bump, bumpity bump, bumpity bump
バスの走行中の衝撃(振動)で、赤ちゃんが座席の上で「ガタンガタン、ガタンガタン、ガタンガタン」とはねるような音として使われています。
「bumpity」は、「bump」と接尾語の「ity」がつながった語のようで、「bumpity」という語は辞書には載っていませんでした。
toot, toot, toot
車のクラクションの音として使われています。「プー、プー、プー」とか、「プッ、プッ、プー」というような音です。
waah, waah, waah
赤ちゃんが「うえーん、うえーん、うえーん」というように、泣いている音です。
shush, shush, shush
泣いている赤ちゃんに「しー、しー、しー」と言う音として使われています。
zoom, zoom, zoom
車が「ブーン、ブーン、ブーン(ブルン、ブルン、ブルン)」と走るような音です。車が快調に走る様子を表す言葉です。

補足1: 英語で赤ちゃんに「しー」を言うのは安心させるため

日本では、「静かにして」という時に「しー」としますが、アメリカでは、赤ちゃんを泣きやませたいとき(あやすとき)にもよく言います。

ただ、「しー」の音は、日本語とは少し違います。簡単に言うと、アメリカ人の「しー」は、日本人の「しー」とは違って、かなり勢いがあります。

この音、ホワイトノイズと呼ばれ、赤ちゃんが安心する音なんです。赤ちゃんがお母さんのおなかの中で聞いていた音に似ているそうです。

娘が生まれて間もないときに、義母が娘をあやしながら「シーッ、シーッ、シーッ」と言うので、ちょっとびっくりしたのですが、「静かに(泣きやんで)!!」の「しー」ではなく、安心させるための音だったと知りました。

補足2:「zoom」は「ズーム」ではない

車が「ブーン、ブーン、ブーン(ブルン、ブルン、ブルン)」と走るような音を「zoom」と表現します。車が快調に走る様子を表す言葉です。

数年前、私がまだ日本にいたときに、車のメーカーのマツダがテレビのコマーシャルで「Zoom, zoom, zoom~」という歌詞の歌が使われていました。

「zoom」というと、カメラやレンズを近づけるときに使う言葉だと思っていたので、「変だな」と思っていました。

改めて夫(アメリカ人)に聞くと「車が走る音だよ」と。

車のコマーシャルで使われるのも当然ですね。調べてみると、「ZOOM - ZOOM」は、マツダの企業イメージを表すキャッチコピーだそうです。

音の表現は、人それぞれ

日本語でもそうですが、音の聞こえは人によって違います。……ということは、表現の仕方は、思いっきりその人の主観に左右されるということです。

また、ひらがなやカタカナは、表音文字です。日本語の音の範囲内で、組み合わせは自由自在です。

何が言いたいかというと、多くのオノマトペは、辞書に載っていないということ。

マンガでも、声にならない声(殴られたときの声とか)でも、ひらがなやカタカナで表していますが、その言葉は辞書には載っていません。

私が今回紹介したオノマトペに日本語に置き換えた音を「訳」として書きましたが、私の感覚で言葉にしています。

なので、必ずしもその言葉と元の英語の言葉が一致しないということです。(そういう理由から、「~のような」という説明書きをしています)

「タカコ流に訳した音」という感じなので、別の人が日本語の音に置き換えると違う音になるかもしれませんね。

また、英語でも「bumpity」という言葉が辞書に載っていないように、ある言葉に接尾語を付け加えて言葉を作ることもできるようですね。

そうすることで、「bumpity (bump + pity) bump」は、「bump bump」というよりもリズムがつきますし、何だか聞こえもおもしろいです。

訳するときも、単純に「ガタンガタン」というよりも、「ガタタン、ガタン」などのように、少し音に変化をつけたりした方が、音的には楽しいかもしれませんね。

まとめ

この記事を書いていて、「そういえば、あの言葉もオノマトペだった!」と気づくこともあって、自分でも気づかないうちにオノマトペに触れていたことがわかりました。

先述しましたが、このオノマトペは日本語のほうが発達しています。

日本語のオノマトペを利用することで英語力を向上させるために役立つ書籍『英語でオノマトペ表現』もオススメですよ。

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タカコ
アメリカ人の夫との結婚を機に渡米。現在は二児の母として英語に囲まれた環境の中で生活。日本語教育に携わっていたため言語への視点が鋭く、元・英会話教師の夫とのやりとりから生まれる記事が秀逸。
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