オンライン試験の「CASEC」を受けた感想・よい点・悪い点は?

CASECについて
サト

執筆者

TOEIC990点(満点)。ELSA認定アンバサダー。インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。話せる言語は英語のほかにインドネシア語、中国語。→ サトについてはこちら

英語の試験が大好物なので、「CASECキャセック」という英語のオンラインの試験を受けてみました。

結論からいうと「CASEC」は信頼性・利便性・コスパが高い試験です。

とくに英検のように「級」によって試験が変わる資格の場合、事前のレベルチェック&腕試しとして受けるのもオススメ。

この記事では、「CASEC」の概要よい点悪い点おすすめの活用方法などをシェアします。

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「CASEC」の概要

まず、「CASEC」がどんな試験か、概要をまとめました。次のとおりです。

開発・運営元株式会社 教育測定研究所
方式オンライン
受験料3,667円
日時個人が決める(24時間365日OK)
会場個人が決める(自宅もOK)
試験時間40分〜50分
構成全4セクション
セクション1: 語彙の知識(4択)
セクション2: 表現の知識(4択)
セクション3: リスニング(4択)
セクション4: ディクテーション
問題数セクション1: 16問
セクション2: 16問
セクション3: 17問
セクション4: 11問
合計: 60問
結果が出るまでの時間試験終了後すぐ
「CASEC」の概要

ひとことで言うと、「CASEC」は信頼性・利便性・コスパが高い試験です。

なぜそんなことが言えるのでしょうか。信頼性利便性コスパについて、それぞれ補足しますね。

「CASEC」の信頼性

「CASEC」が信頼できるのは、「試験を作るエキスパート」が開発しているからです。

「CASEC」の開発・運営元は、「教育測定研究所」という会社。

同社について、「CASEC」公式サイトには次のとおり書いてあります(太字はサトによる)。

株式会社 教育測定研究所はテスト理論の専門家が多数所属し、教育分野の効果測定(Educational Mesurement)を専門とする日本でも数少ない企業です。

「CASEC」公式サイト

まさに、試験のエキスパート集団ですね!

同社は「CASEC」だけでなく、「TEAP」という英語の試験のCBT(コンピューターでの試験)化にも関わっています。

「TEAP」を開発したのは、日本英語検定協会上智大学

同社は、「英検」の運営元や有名大学に信頼されていると言ってもいいでしょう。

そんな同社が作った「CASEC」も、信頼できることがわかると思います!

「CASEC」の利便性

「CASEC」の利便性が高い理由は、次のとおりです。

「CASEC」の利便性が高い理由

  • PCとネット環境があればいつでもどこでも受験できる
  • 試験は40分〜50分で終わる
  • 結果は試験終了と同時に出る

わたしは自宅で受験しました。

会場に足を運んで、紙に書いて提出する試験とはわけが違いますね……(そういう試験も好きですが)。

「CASEC」のコスパ

「CASEC」の受験料は3,667円です。

信頼性と利便性を考えると、信じられないほどのコスパ!

わたしの大好きな「TOEIC L&R」の半額以下ですからね。

「CASEC」もTOEICなみの認知度になってほしいなあと思います。

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「CASEC」を受けた結果

わたしが「CASEC」を受けた結果、点数は1000点満点中の896点でした。

「CASEC」を受けた結果
「CASEC」を受けた結果

少し詳しく見てみましょう。「CASEC」は4つのセクションがあり、それぞれの点数は次のとおりでした。

セクション問題形式わたしの点数/満点
語彙ごいの知識4択213/250点
表現の知識4択203/250点
リスニングでの大意把握能力4択230/250点
具体情報の聞き取り能力ディクテーション250/250点
合計896/1000点
CASECの結果

セクション1〜3は4択の問題。セクション4だけはディクテーション(聞いたとおりに入力する)の問題でした。

セクション1と2が特に難しく、意味を知らない・推測もできない選択肢があって「お手上げ」というケースも……。点数も思ったより伸びませんでした。

ここでもう少し点を取りたかった……。

一方、セクション3と4はスムーズに答えられまして、セクション4は満点。この結果には満足しています!

「CASEC」のよい点

「CASEC」を受験して感じたよい点を、次の3点に絞って紹介します。

1点ずつ、見ていきましょう。

料金が安く短時間で終わるので受験しやすい

まず、「CASEC」は料金が安く、短時間で終わるため、気軽に受験できます。

他の試験とどれぐらい違うのでしょうか。受験料と時間を、「TOEIC L&R」や「英検」(1級・5級)と比べてみました。

その結果、「CASEC」は受験料がもっとも安く、試験時間ももっとも短いことがわかりました。詳細は次のとおりです。

試験名受験料試験時間
CASEC3,667円40分〜50分
TOEIC L&R7,810円120分
英検1級11,800円140分
英検5級3,800円50分
CASEC・TOEIC L&R・英検の比較

「英検」には他の級もありますが、3級、2級、1級……と難しくなるにつれて受験料は高く、試験時間も長くなります。

なので、いちばん受験料が高い(時間が長い)1級と、いちばん安い(時間が短い)5級の情報を載せています。

「TOEIC L&R」と「英検」は、個人で申し込む場合についての情報を掲載しています。団体で申し込む場合は受験料が安くなります。

試験時間は「40分〜50分」となっていますが、わたしが受けたときは35分ほどで終了。

お金も時間もかからず英語りょくが測定できて、得した気分でした!

好きな環境で受験できるので集中しやすい

「CASEC」は好きな環境で受験できるので、集中しやすいメリットもあります。

PCとネット環境があれば、どこでも受験できますからね。

わたしは自宅で受けたのですが、次のようにやりたい放題でした。

わたしが「CASEC」を受けたときの環境など

  • いちばん集中できる時間帯に受験
  • エアコンで快適な室温をキープ
  • ノイズキャンセリング機能つきのイヤホン使用

会場で受ける試験では、どれもありえないことです。

会場が寒すぎ・暑すぎて試験に集中できなかった……という悲劇も避けられます!

すぐ結果が出るので次の計画が立てやすい

「CASEC」は、試験終了と同時に結果が出ます。なので、次の計画が立てやすいメリットがあります。

え、どういうこと……?

……と思ったかもしれませんね。

たとえば「TOEIC L&R」の場合、結果が出るまでに2週間ちょっとかかります。

結果を待つ間は自分の英語りょくがわからず、現状がわからないと次の計画も立てようがありません

テキトーになら計画を立てられますが、効果的ではないでしょうね……。

一方、「CASEC」だと自分の英語りょく、もっと言えば弱点がほぼリアルタイムでわかります。

なので、試験が終わってすぐ、次にどんな勉強をすればいいか見えてくるんですよ。

自分で勉強方法を考えるのが難しい場合は、試験結果に「今後の学習に向けてのアドバイス」も載っているので、そちらを参考にする手もあります。

わたしの場合、アドバイスは次のとおりでした。

新聞・雑誌などを読み、十分に内容を理解するだけの語彙力があります。語彙力をさらに豊富にするには、より専門的な単語(医療・経済・政治など)を身につけましょう。1つの単語を覚えるのではなく、同じような 分野の単語の関係を図にして(例: doctor - prescription)、覚えていく"word mapping"(例: article - writer)を実践してみましょう。
表現力日常生活及び社会生活に必要な英語表現は大分身についています。
会話全体の状況を理解し、その場面に相応しい表現を選択できます。より広範囲の分野の話題でも意思疎通をはかれるよう、より専門的な表現も増やしていきましょう
聴解力Native-speakerが速めのスピードで話す日常的・社会的内容の、比較的長い会話を聞き取り理解できます。直接会話で述べられた内容ではなく、そこから推察されるもの、会話の意図や発話者の態度なども理解できています。今後は長い会話でもその真意を捉えるよう心がけ、話題に問わず発話者の意図を理解できるよう心がけましょう。
「CASEC」OFFICIAL SCORE REPORT

「word mapping」で語彙を豊富にしたり、専門的な表現を増やしたりするようアドバイスがありました。

また聴解力については「心がけ」について触れられています。

「心がけ」だけで発話者の意図を理解できるレベルなんやろか……。がんばります。

「CASEC」の悪い点

逆に、「CASEC」の悪い点は次の2つです。

それぞれ、詳しく解説します。

知名度は「TOEIC」や「英検」に負ける

「CASEC」は知名度で「TOEIC」や「英検」に負けてしまいます

たとえばAmazonで「CASEC」の書籍を検索したところ、ヒットしたのはわずか34点……(2023年9月現在)。

一方、「英検」は6,000点以上、「TOEIC」にいたっては9,000点以上がヒットしました。

余裕で100倍以上の差があるんですね……。

とはいえ、「TOEIC」と「CASEC」を採用している団体の数を調べると、1.5倍ほどの差しかありませんでした。次の表のとおりです。

試験名採用している団体の数備考
TOEIC約2,900(2022年度)「TOEIC」公式サイトより
CASEC1,894(2022年3月末)「CASEC」公式サイトより
「TOEIC」と「CASEC」を採用している団体の数

「英検」の採用企業数も調べましたが、わかりませんでした。


「CASEC」を採用している企業は、楽天やホンダなど、上場企業も数多くあります。

費用が安いので、採用しやすいんだと思います。

「CASEC」は広く知られているとは言えません。

でも、通っている学校や、就職したい企業で採用されていれば、まったく問題ありませんよね。うまく活用しましょう。

スマホでの受験は非推奨(実質PCが必要)

「CASEC」はオンライン試験ですが、PCが(ほぼ)必須です。

スマホやタブレットでも条件を満たせば、いちおう受験はできますが……。

公式サイトにも、次のとおり書いてあります。

原則・推奨はパソコンでの受験ですが、どうしても受験環境が揃わない場合は、iPhone/iPadのSafariブラウザからの受験は可能です。(中略)尚、パソコンでの受験に比べ、受験のしづらさを感じる場合があるため、自己責任で受験を行ってください。

「CASEC」公式サイト

やはり画面が小さいと、問題を読んだり解答を入力したりしにくいのでしょう。

英語以外のところで苦労して、スコアに影響が出るのは避けたいところです。

自分でPCが準備できないなら、学校や会社のPCを使うことを検討しましょう。

「CASEC」のおすすめの活用方法

「CASEC」はどのように活用するのがいいのでしょうか。

考えられるのは、次の2つです。

「CASEC」のおすすめの活用方法

  1. 「TOEIC」や「英検」の目標設定
  2. 就職活動

順番に掘り下げていきますね。

「TOEIC」や「英検」の目標設定

「CASEC」のおすすめの活用方法の1つ目は「TOEIC」や「英検」の目標設定としてです。

なぜならCASECを受けると、次の画像のように「TOEIC」のスコアや「英検」の級の目安がわかるから。

「TOEIC」で何点を取るか、「英検」で何級を受けるかといった目標がうまく決められれば、対策もうまくいきます。

スコア別や級別の教材を選ぶのもラクになりますね!

でも、CASECの「目安」って、あてになるの……?

……と心配しているかもしれませんね。ご心配なく。

わたしのTOEICの「目安」は、かなり正確だったので! 次のとおりです。

CASECの「TOEICスコア目安」実際のTOEICのスコアスコアの差誤差
965点980点15点約1.5%
わたしのTOEICの「目安」

わたしがCASECを受けたのは、TOEICの前日でした。

これぐらい正確なら、目標設定にもかなり役立つでしょう。

特に「英検」は、申し込みの段階で何級を受けるか選ばないといけません

かんたんすぎる級も、難しすぎる級も避けたいところ。

CASECを受けることで、現時点での実力がわかり、何級がちょうどいいかが把握できます

うまく活用しましょう!

就職活動でのアピール

「CASEC」の活用方法の2つ目は、就職活動でのアピールです。

知名度は「TOEIC」ほどではないのですが、すでに1,200を超える企業が採用していますからね!

「CASEC」公式サイトには、2022年3月末の情報として、次のとおり書いてあります。

採用団体(企業)

株式会社ECC / 株式会社GABA / 株式会社イーオン / イオン株式会社 / 鹿島建設株式会社 / 第一生命保険株式会社 / 日本電産株式会社 / ファイザー株式会社 / 株式会社ファーストリテイリング / 本田技研工業株式会社 / 三菱商事株式会社 / 楽天株式会社…他 
計1,285社(順序不同)

「CASEC」公式サイト

有名どころばかりですね。

外資系企業であるファイザーも導入しているのには驚きました!

志望する会社が「CASEC」を採用していれば、チャンスです。

「TOEIC」よりも気軽に受けられるので、いいスコアが出るまで何度か受けるのもいいでしょう。

よくある質問

「CASEC」についてよくある質問をまとめました。

「CASEC」の点数を「TOEIC」に換算するとどうなるの?

「CASEC」のスコアレポートには、次の換算表が載っています。

「CASEC」スコア「TOEIC」スコア
951〜1000990〜990
901〜950965〜985
851〜900930〜965
801〜850880〜930
751〜800810〜880
701〜750725〜810
651〜700635〜725
601〜650545〜635
551〜600470〜545
501〜550405〜465
451〜500355〜405
401〜450315〜355
351〜400275〜315
301〜350240〜275
251〜300205〜240
201〜250160〜205
151〜200105〜160
101〜15055〜105
51〜1020〜55
0〜5010〜20
「CASEC」のサンプル問題はあるの?

はい、公式サイトでサンプル問題にチャレンジできます。

4問しかありませんが、試験形式はわかりますし、お使いのPCやネット環境で受験できるかどうかも確認できます。

まとめ

この記事では、「CASEC」の概要やよい点・悪い点、おすすめの活用方法などをシェアしました。

「CASEC」の魅力をひとことで言うなら、やはり「受験しやすい」こと。

受験料が安く、PCとネット環境さえあればいつでもどこでも受験できますからね。

「CASEC」をうまく活用して、英語力のアップや就職などにつなげていきましょう!

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サト
英語びより編集長。独学でTOEIC980点をマーク(2023年9月)。インドネシアで日本語学校を運営している。>>サトについて詳しくはこちら
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