英語の試験が大好物なので、「CASEC」という英語のオンラインの試験を受けてみました。
結論からいうと「CASEC」は信頼性・利便性・コスパが高い試験です。
とくに英検のように「級」によって試験が変わる資格の場合、事前のレベルチェック&腕試しとして受けるのもオススメ。
この記事では、「CASEC」の概要やよい点・悪い点、おすすめの活用方法などをシェアします。
目次
「CASEC」の概要
まず、「CASEC」がどんな試験か、概要をまとめました。次のとおりです。
開発・運営元 | 株式会社 教育測定研究所 |
---|---|
方式 | オンライン |
受験料 | 3,667円 |
日時 | 個人が決める(24時間365日OK) |
会場 | 個人が決める(自宅もOK) |
試験時間 | 40分〜50分 |
構成 | 全4セクション セクション1: 語彙の知識(4択) セクション2: 表現の知識(4択) セクション3: リスニング(4択) セクション4: ディクテーション |
問題数 | セクション1: 16問 セクション2: 16問 セクション3: 17問 セクション4: 11問 合計: 60問 |
結果が出るまでの時間 | 試験終了後すぐ |
ひとことで言うと、「CASEC」は信頼性・利便性・コスパが高い試験です。
なぜそんなことが言えるのでしょうか。信頼性・利便性・コスパについて、それぞれ補足しますね。
「CASEC」の信頼性
「CASEC」が信頼できるのは、「試験を作るエキスパート」が開発しているからです。
「CASEC」の開発・運営元は、「教育測定研究所」という会社。
同社について、「CASEC」公式サイトには次のとおり書いてあります(太字はサトによる)。
株式会社 教育測定研究所はテスト理論の専門家が多数所属し、教育分野の効果測定(Educational Mesurement)を専門とする日本でも数少ない企業です。
「CASEC」公式サイト
まさに、試験のエキスパート集団ですね!
同社は「CASEC」だけでなく、「TEAP」という英語の試験のCBT(コンピューターでの試験)化にも関わっています。
「TEAP」を開発したのは、日本英語検定協会と上智大学。
同社は、「英検」の運営元や有名大学に信頼されていると言ってもいいでしょう。
そんな同社が作った「CASEC」も、信頼できることがわかると思います!
「CASEC」の利便性
「CASEC」の利便性が高い理由は、次のとおりです。
「CASEC」の利便性が高い理由
わたしは自宅で受験しました。
会場に足を運んで、紙に書いて提出する試験とはわけが違いますね……(そういう試験も好きですが)。
「CASEC」のコスパ
「CASEC」の受験料は3,667円です。
信頼性と利便性を考えると、信じられないほどのコスパ!
わたしの大好きな「TOEIC L&R」の半額以下ですからね。
「CASEC」もTOEICなみの認知度になってほしいなあと思います。
「CASEC」を受けた結果
わたしが「CASEC」を受けた結果、点数は1000点満点中の896点でした。
少し詳しく見てみましょう。「CASEC」は4つのセクションがあり、それぞれの点数は次のとおりでした。
セクション | 問題形式 | わたしの点数/満点 |
---|---|---|
語彙の知識 | 4択 | 213/250点 |
表現の知識 | 4択 | 203/250点 |
リスニングでの大意把握能力 | 4択 | 230/250点 |
具体情報の聞き取り能力 | ディクテーション | 250/250点 |
合計 | 896/1000点 |
セクション1〜3は4択の問題。セクション4だけはディクテーション(聞いたとおりに入力する)の問題でした。
セクション1と2が特に難しく、意味を知らない・推測もできない選択肢があって「お手上げ」というケースも……。点数も思ったより伸びませんでした。
ここでもう少し点を取りたかった……。
一方、セクション3と4はスムーズに答えられまして、セクション4は満点。この結果には満足しています!
「CASEC」のよい点
「CASEC」を受験して感じたよい点を、次の3点に絞って紹介します。
1点ずつ、見ていきましょう。
料金が安く短時間で終わるので受験しやすい
まず、「CASEC」は料金が安く、短時間で終わるため、気軽に受験できます。
他の試験とどれぐらい違うのでしょうか。受験料と時間を、「TOEIC L&R」や「英検」(1級・5級)と比べてみました。
その結果、「CASEC」は受験料がもっとも安く、試験時間ももっとも短いことがわかりました。詳細は次のとおりです。
試験名 | 受験料 | 試験時間 |
---|---|---|
CASEC | 3,667円 | 40分〜50分 |
TOEIC L&R | 7,810円 | 120分 |
英検1級 | 11,800円 | 140分 |
英検5級 | 3,800円 | 50分 |
「英検」には他の級もありますが、3級、2級、1級……と難しくなるにつれて受験料は高く、試験時間も長くなります。
なので、いちばん受験料が高い(時間が長い)1級と、いちばん安い(時間が短い)5級の情報を載せています。
「TOEIC L&R」と「英検」は、個人で申し込む場合についての情報を掲載しています。団体で申し込む場合は受験料が安くなります。
試験時間は「40分〜50分」となっていますが、わたしが受けたときは35分ほどで終了。
お金も時間もかからず英語力が測定できて、得した気分でした!
好きな環境で受験できるので集中しやすい
「CASEC」は好きな環境で受験できるので、集中しやすいメリットもあります。
PCとネット環境があれば、どこでも受験できますからね。
わたしは自宅で受けたのですが、次のようにやりたい放題でした。
わたしが「CASEC」を受けたときの環境など
会場で受ける試験では、どれもありえないことです。
会場が寒すぎ・暑すぎて試験に集中できなかった……という悲劇も避けられます!
すぐ結果が出るので次の計画が立てやすい
「CASEC」は、試験終了と同時に結果が出ます。なので、次の計画が立てやすいメリットがあります。
え、どういうこと……?
……と思ったかもしれませんね。
たとえば「TOEIC L&R」の場合、結果が出るまでに2週間ちょっとかかります。
結果を待つ間は自分の英語力がわからず、現状がわからないと次の計画も立てようがありません。
テキトーになら計画を立てられますが、効果的ではないでしょうね……。
一方、「CASEC」だと自分の英語力、もっと言えば弱点がほぼリアルタイムでわかります。
なので、試験が終わってすぐ、次にどんな勉強をすればいいか見えてくるんですよ。
自分で勉強方法を考えるのが難しい場合は、試験結果に「今後の学習に向けてのアドバイス」も載っているので、そちらを参考にする手もあります。
わたしの場合、アドバイスは次のとおりでした。
「CASEC」OFFICIAL SCORE REPORT
語彙力 新聞・雑誌などを読み、十分に内容を理解するだけの語彙力があります。語彙力をさらに豊富にするには、より専門的な単語(医療・経済・政治など)を身につけましょう。1つの単語を覚えるのではなく、同じような 分野の単語の関係を図にして(例: doctor - prescription)、覚えていく"word mapping"(例: article - writer)を実践してみましょう。 表現力 日常生活及び社会生活に必要な英語表現は大分身についています。
会話全体の状況を理解し、その場面に相応しい表現を選択できます。より広範囲の分野の話題でも意思疎通をはかれるよう、より専門的な表現も増やしていきましょう。聴解力 Native-speakerが速めのスピードで話す日常的・社会的内容の、比較的長い会話を聞き取り理解できます。直接会話で述べられた内容ではなく、そこから推察されるもの、会話の意図や発話者の態度なども理解できています。今後は長い会話でもその真意を捉えるよう心がけ、話題に問わず発話者の意図を理解できるよう心がけましょう。
「word mapping」で語彙を豊富にしたり、専門的な表現を増やしたりするようアドバイスがありました。
また聴解力については「心がけ」について触れられています。
「心がけ」だけで発話者の意図を理解できるレベルなんやろか……。がんばります。
「CASEC」の悪い点
逆に、「CASEC」の悪い点は次の2つです。
「CASEC」の悪い点
それぞれ、詳しく解説します。
知名度は「TOEIC」や「英検」に負ける
「CASEC」は知名度で「TOEIC」や「英検」に負けてしまいます。
たとえばAmazonで「CASEC」の書籍を検索したところ、ヒットしたのはわずか34点……(2023年9月現在)。
一方、「英検」は6,000点以上、「TOEIC」にいたっては9,000点以上がヒットしました。
余裕で100倍以上の差があるんですね……。
とはいえ、「TOEIC」と「CASEC」を採用している団体の数を調べると、1.5倍ほどの差しかありませんでした。次の表のとおりです。
試験名 | 採用している団体の数 | 備考 |
---|---|---|
TOEIC | 約2,900(2022年度) | 「TOEIC」公式サイトより |
CASEC | 1,894(2022年3月末) | 「CASEC」公式サイトより |
「英検」の採用企業数も調べましたが、わかりませんでした。
「CASEC」を採用している企業は、楽天やホンダなど、上場企業も数多くあります。
費用が安いので、採用しやすいんだと思います。
「CASEC」は広く知られているとは言えません。
でも、通っている学校や、就職したい企業で採用されていれば、まったく問題ありませんよね。うまく活用しましょう。
スマホでの受験は非推奨(実質PCが必要)
「CASEC」はオンライン試験ですが、PCが(ほぼ)必須です。
スマホやタブレットでも条件を満たせば、いちおう受験はできますが……。
公式サイトにも、次のとおり書いてあります。
原則・推奨はパソコンでの受験ですが、どうしても受験環境が揃わない場合は、iPhone/iPadのSafariブラウザからの受験は可能です。(中略)尚、パソコンでの受験に比べ、受験のしづらさを感じる場合があるため、自己責任で受験を行ってください。
「CASEC」公式サイト
やはり画面が小さいと、問題を読んだり解答を入力したりしにくいのでしょう。
英語以外のところで苦労して、スコアに影響が出るのは避けたいところです。
自分でPCが準備できないなら、学校や会社のPCを使うことを検討しましょう。
「CASEC」のおすすめの活用方法
「CASEC」はどのように活用するのがいいのでしょうか。
考えられるのは、次の2つです。
「CASEC」のおすすめの活用方法
順番に掘り下げていきますね。
「TOEIC」や「英検」の目標設定
「CASEC」のおすすめの活用方法の1つ目は「TOEIC」や「英検」の目標設定としてです。
なぜならCASECを受けると、次の画像のように「TOEIC」のスコアや「英検」の級の目安がわかるから。
「TOEIC」で何点を取るか、「英検」で何級を受けるかといった目標がうまく決められれば、対策もうまくいきます。
スコア別や級別の教材を選ぶのもラクになりますね!
でも、CASECの「目安」って、あてになるの……?
……と心配しているかもしれませんね。ご心配なく。
わたしのTOEICの「目安」は、かなり正確だったので! 次のとおりです。
CASECの「TOEICスコア目安」 | 実際のTOEICのスコア | スコアの差 | 誤差 |
---|---|---|---|
965点 | 980点 | 15点 | 約1.5% |
わたしがCASECを受けたのは、TOEICの前日でした。
これぐらい正確なら、目標設定にもかなり役立つでしょう。
特に「英検」は、申し込みの段階で何級を受けるか選ばないといけません。
かんたんすぎる級も、難しすぎる級も避けたいところ。
CASECを受けることで、現時点での実力がわかり、何級がちょうどいいかが把握できます。
うまく活用しましょう!
就職活動でのアピール
「CASEC」の活用方法の2つ目は、就職活動でのアピールです。
知名度は「TOEIC」ほどではないのですが、すでに1,200を超える企業が採用していますからね!
「CASEC」公式サイトには、2022年3月末の情報として、次のとおり書いてあります。
採用団体(企業)
「CASEC」公式サイト
株式会社ECC / 株式会社GABA / 株式会社イーオン / イオン株式会社 / 鹿島建設株式会社 / 第一生命保険株式会社 / 日本電産株式会社 / ファイザー株式会社 / 株式会社ファーストリテイリング / 本田技研工業株式会社 / 三菱商事株式会社 / 楽天株式会社…他
計1,285社(順序不同)
有名どころばかりですね。
外資系企業であるファイザーも導入しているのには驚きました!
志望する会社が「CASEC」を採用していれば、チャンスです。
「TOEIC」よりも気軽に受けられるので、いいスコアが出るまで何度か受けるのもいいでしょう。
よくある質問
「CASEC」についてよくある質問をまとめました。
まとめ
この記事では、「CASEC」の概要やよい点・悪い点、おすすめの活用方法などをシェアしました。
「CASEC」の魅力をひとことで言うなら、やはり「受験しやすい」こと。
受験料が安く、PCとネット環境さえあればいつでもどこでも受験できますからね。
「CASEC」をうまく活用して、英語力のアップや就職などにつなげていきましょう!