日本語の「見る」を意味する英単語はいくつかあります。
その代表的なものが……
- see
- look
- watch
です。学校では、すべて「見る」という意味で習ったと思います。
この「見る」という動作に関係のある3つの動詞ですが、実はその「見方」によって、言葉を使い分けます。
今回は、この3つの言葉の使い分けの基本を書こうと思います。
- 「see・look・watch」の違い今ココ
- 「see」と「watch」の違い
- 「meet」と「see」の違い
目次
同じ「見る」でも「見方」はいろいろある
冒頭でも触れましたが、この「see」と「look」と「watch」は、「見方」によって使い分けます。

「見方」ってどういうこと? と思うかもしれませんね!
例えば、人は目でいろいろなものを見るわけですが……
- ただ視界に入ってくるだけの「見る」
- 意識して見る「見る」
- 一瞬だけ見る「見る」
- しばらく見続ける「見る」
……のようにいろんな「見る」があります。
日本語では「見る」の一語で言い表せますが、英語では、その見るときの「見る」という動作と、見るときの「自分の意識」の違いで言葉を使い分けるのです。
意識せず視界に入ってくるものは「see」
まずは「see」について。
「see」は、見たいものを意識して見るわけではなく、目を向けたときに、そこにあるもの(起こっていること)が目に入ってくる見方をいいます。
日本語では、「見る」というよりは、「見える(=あるものが目に入ってきた)」といった方がわかりやすいかもしれません。
例えば、
I saw an accident on the freeway.(高速道路で事故を見た)
のように使います。
この場合、高速道路を走っていたら、事故現場を「見た(=目に入った)」というだけです。
特に事故を探していたわけでもありませんし、車を停めてその事故をじーっと見たわけでもありません。
「意識していないのに目に入ってきた」という状況を想像できたら、「see」のイメージはできていると思います。
「look」は意識して「見る」
そして今度は「look」です。「look」は、意識して何かを「見る」ときに使います。
例えば、子どもに「ほら、見て!! 電車だよ!!」と言うように、何か見せたいときに「見て!!」と言いますよね。
そんなときは、指さして、見せたいもののある方向を示したりします。こんな場合、英語では
Look!!(見て!!)
といいます。
意識して見てほしいものがあるときは、「look」を使い、指をさすことで、意識をそこに向けたいことがよくわかります。
ちなみに、「look」の場合は、見る「対象物」を言いたいときは、「look at 〜」という形にします。
Look at him!(彼を見て!)
I looked at the calendar.(私はカレンダーを見た)
「at」には「ある一点に」というニュアンスがあるので「look at」で焦点を当てるという雰囲気を出しているんですね。
「watch」は、あるものを見続ける「見る」
「watch」は、目を向け、見たいものを意識したあと、しばらくそれを見続ける見方をいいます。

日本語でも、観察するようなものを「バードウォッチング」や「人間ウォッチング」と言ったりしますよね。
「バードウォッチング」というと、双眼鏡を手に、ずーっと鳥を見続けるイメージではないでしょうか? 「人間ウォッチング」は、どんな人がいるのか、行き交う人をひたすら見ることをいいますね。
見たいもの(object)を意識して(focus)「見る」ことが「watch」です。
「テレビを見る」は、テレビという機械をただぱっと見るだけなら「look at the TV」ですが、「テレビ(映像)を見る」は、画面をじーっと見続ける動作から、「watch TV」といいます。
さっそく練習してみましょう
いかがですか? なんとなく、イメージがつかめたでしょうか?
せっかくなので、少し練習してみましょう。下の1〜3には、「see」「look」「watch」が入ります。
I【1】around but I didn't【2】 the bird.(私は周りを「見た【1】」が、その鳥を「見る【2】」ことはありませんでした)
I saw a beautiful butterfly, and I 【3】 it until it flew away.(私はきれいな蝶を見ました。それから、それが飛んでいなくなるまで「見ました【3】)」。
答えは……
- looked
- see
- watched
です。
- 周りを意識して「見た」ので「look(ed)」
- 「視界に(鳥が)入ってこなかった」ので「(didn't) see」
- 「一定時間意識して見続けた」ので「watch(ed)」
……です。
追記
先日、夫と「see」の見方のことを話していたときのことです。

ねぇ、「see」は、意識をしなくても「見える」見方を言うんだよね?

そうだよ……(と言いながら少し考える)

あ! でも、「see」でも、「意識をしてみる」ときがあった!!
それは、なんと眼科医(Eye doctor)が「Can you see?」と言うときだそうです。
このときばかりは「see」が「意識して見る」という意味になるとのこと。「何か見えるものはないか」って。
もしここで「No」と答えると「blind(=見えない)」ってことになるので。
……という会話をしましたが、夫もかなり言語に関してマニアックですね。
さすが元・英会話の先生だけあるなーと言語おたくの私から見ても思います(笑)。
まとめ
今回は、「see」、「look」、「watch」の3つに注目しました。
ポイントは、どう意識して見るのか、時間をかけて見るのか、でした。
続きとして、「see」「watch」の違いについて詳しく書きましたので、ぜひこちらもどうぞ。