[書評]『英語独習法』

『英語独習法』のレビュー
サト

こんにちは、英語の勉強マニアのサトです。

英語学習についての本は、山ほど出ていますし、これからも増え続けるでしょう。

著者自身の経験を書いた本ももちろん貴重ですが、それだけだとご自身には合わない可能性もあります。

そこで、科学的に裏打ちされた学習法がわかる本を見つけました。

この記事では、『英語独習法』という本をご紹介します。

『英語独習法』の著者 今井むつみ 氏について

まずは、本書『英語独習法』の著者である今井むつみ氏をご紹介しましょう。

今井氏は、(超名門の)慶應義塾大学の教授です。

これだけでも本書に飛びついてしまいそうですが、同氏の研究室の公式サイトには、専門分野として次の通り書いてあります(太字はサトによる)。

認知科学、特に言語認知発達、言語心理学、問題解決過程教育心理学、特に第二言語獲得と学習

サト

ことばの習得の専門家が書いた本なので、ますます期待が高まりますね!

実際に今井氏は、次のとおり、言語に関する書籍を多数出していらっしゃいます。

今井むつみ氏の著書(例)

  • 『ことばと思考』
  • 『ことばの発達の謎を解く』
  • 『言葉を覚える仕組みーー母語から外国語まで』
  • 『ことばの学習のパラドックス』

そんな今井氏が書いた『英語独習法』は、どんな本なのでしょうか。

『英語独習法』の特徴

ここでは、本書を読んで、わたしが特徴的だと思った点を3点ご紹介します。

本書の特徴

  1. 目標レベルが高い
  2. 認知科学に基づいて合理的な学習方法を解説している
  3. 学習方法の解説だけでなく、実践問題もある

順に詳しくご説明しますね。

目標レベルが高い

まず、目標になっているレベルが高い点。

本書『英語独習法』は、次のような方を対象に書かれています。

本書は主に、仕事の場でアウトプットできるレベル、すなわち自分の考えを的確・効果的に表現し、相手に伝えられるレベルの英語力を目指す人に向けて書かれている。

今井むつみ著『英語独習法』(2021年 岩波書店)より引用しました。

ざっくり言うと「仕事でも使えるレベル」ですが、具体的にはどんなレベルでしょうか。

冠詞の使い分けもできるレベル

例えば今井氏は、冠詞の使い方はことばで説明するのが難しいと書いています。

その上で、きちんと使い分けができるようになる学習法を本書で提案しているんです。

あくまで一例ですが、冠詞の使い分けもできるレベルを想定しているとういうことですね。

サト

わたし自身、TOEICで955点を取ったことはありますが、冠詞を完璧に使い分けられるかというと、全く自信なし……。

かなりレベルの高いところを目指しているんだなあ、と印象に残りました。

認知科学に基づいて合理的な学習方法を解説している

特徴の2点目は、認知科学に基づいて合理的な学習方法を解説している点です。

「認知科学」は、『マイペディア』という百科事典によると、次のとおりです。

広い意味では,動物なかでも人間の脳と心のはたらきを分析し,その仕組みの解明を通して,人間や生物の理解を深める研究領域。

マイペディア(kotobank)より引用しました。

まあ、「認知科学」がよく分からなくても大丈夫です。

サト

この本には、勘や経験ではなく、科学に基づいた学習方法が書いてあるということが分かれば十分ですよ♪

例えば、本書によると英語の「スキーマ」を身につけることが大切で、そのための方法が解説されています。

「スキーマ」とは

「スキーマ」は認知心理学の用語です。どんなものなのでしょうか。

本書『英語独習法』には、次のように説明があります。

スキーマは「知識のシステム」ともいうべきものだが、多くの場合、もっていることを意識することがない。(中略)子どもや外国の人がヘンなことばの使いかたをすれば、大人の母語話者はすぐにヘンだとわかる。しかし、自分が なぜそれをヘンだと思うのか、わからない。

今井むつみ著『英語独習法』(2021年 岩波書店)より引用しました。

これだけだとピンとこないかもしれないので、日本語の例を挙げましょう。

日本語の「は」と「が」

例えば、次のようにあいさつされたら、どう思いますか?

ひより

おはようございます。今日寒いですね。

次のように言いたくなりますよね。

サト

「今日が」じゃなくて「今日」ですよ……。

……と。

でも、なぜ「が」じゃなくて「は」なのか、ことばで説明するのは難しいですよね。

こういう「は」と「が」についての知識も、スキーマのひとつです。

冠詞のスキーマ

英語にも当然スキーマがあります。例えば、わたしが苦手な冠詞も例外ではありません。

英語のネイティブスピーカーは何の苦労もなく冠詞を使い分けていますが、その使い分けをことばでは説明するのは難しいわけです。

本書『英語独習法』では、冠詞も含め、英語のスキーマを身につけるための学習法が提案されています。

サト

かなり本格的な英語を身につける方法ということですね。

なので、もちろん楽ではありません。でも、その分、とてつもない英語力が身につくということです。

例えば冠詞をちゃんと使い分けられる日本人ってかなり少数派なので、貴重な存在になれるのは間違いありません。

スキーマを身につけるステップ

では、そんな「スキーマ」を身につけるためには、どうすればいいのでしょうか。

本書では、スキーマを身につけるためのステップのひとつとして、「コーパス」の活用を提案しています。

「コーパス」は、本書によれば次のとおりです。

コーパスというのは、さまざまなジャンルのテキスト(文章)を集めたものである。(中略)コーパスでは、多くの文例を一覧でき、単語が使われる文脈を見ていくことができるが、それは 英辞郎 などのオンラインの英和辞典でも可能だ。しかし、コーパスの多くは、さらに類義語や共起語の情報を示してくれる。

今井むつみ著『英語独習法』(2021年 岩波書店)より引用しました。

ある単語が実際にどのように使われるか、例文を見ることができて、さらに類義語や共起語(一緒に使われることば)も調べられるわけですね。

サト

コーパスはインターネット環境さえあればアクセスできますし、無料のものもあります(本書でも紹介されています)。

この学習法は、「この単語はこう使いますよ」という理屈を学ぶのではありません。

実際の例を自分で見て、「この単語はこう使うのかな」と自分で考えながら学んでいく方法です。

遠回りではない

ここまで読んで、こう思ったかもしれませんね。

ひより

それって遠回りでは……。それに、単語を調べても文法が学べないんじゃ?

でも、決して遠回りではありませんし、文法もしっかり勉強できます。その理由も本書を読むとクリアになりますよ♪

サト

本書ではコーパスを使った学習法が詳しく書いてありますので、ぜひ手にとって見てくださいね。

学習方法の解説だけでなく、実践問題もある

3点目の特徴は、実践問題もある点です。

しかも、けっこう手強いやつなんですよ。

この問題にはコーパスを使いながら取り組むことが前提になっています。

サト

実際にコーパスに触れながら問題を解くことで、コーパスの使い方を身につけることができそうですね。

例として、1問載せておきます。

次の(1)-(5)をそれぞれ動詞studyかlearnのどちらかを使って英文にしてみよう。

(1) 子どもはことばを覚えるのが速い。
(2) 私は大学で化学を学んだことがある。
(3) 私は経験から多くのことを学んだ。
(4) A:ドイツ語上手だね。どこで覚えたの?
   B:子どものときにドイツに住んでいたので覚えました。
(5) A:中国語を上手に話されますね。どこで覚えましたか?
   B:北京の大学で4年間学びました。

今井むつみ著『英語独習法』(2021年 岩波書店)より引用しました。

かんたんそうで、なかなか難しいですよね。

答えが気になるなら、本書でご確認ください!

【お得情報】本書は「Audibleの無料聴き放題」の対象です!

本書はAmazonのオーディオブックのサービス「Audible」の対象です。

このサービスで、本書を朗読したものをアプリで聴くことができるんですよ。

しかも、30日以内に解約すれば、完全無料で利用できます!

1か月無料で聴き放題!

Audible 無料体験

無料体験が終わっても月額1,500円
いつでも解約できます!

Audibleについて詳しくは、次の記事をお読みください。

この記事では、『英語独習法』という本をご紹介しました。

この本を読むと、仕事で使えるレベルの英語を身につける方法がわかります。

また、個人的に、語学には近道はないという、当たり前のことをあらためて確認できました。

サト

新書でそこまでボリュームもないので、気軽に手にとって見てくださいね♪

オオカミ

なんか、この記事すごく気に入ったんだけどほかにオススメある?

ウサギ

だったら、「英語勉強の書籍のカテゴリ」を要チェックだね♪

執筆者:
インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。独学でTOEIC955点をマークした秘密が受験英語が好きだったという特異体質。オンライン英会話や電子書籍を試すことにハマっている。>>サトについて詳しくはこちら
こちらもフォローしてね!!
Banner instagram account 01
Banner line account 01
英語が苦手なあの人に教えてあげよう♪
この記事の「URL」「タイトル」をコピー
こちらも合わせていかがですか?