語学学習の「インプット」について

語学学習のインプットとは
サト

執筆者

TOEIC980点。ELSA認定アンバサダー。インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。話せる言語は英語のほかにインドネシア語、中国語。→ サトについてはこちら

英語を習得するために、「聞く」「読む」という活動は不可欠です。

「聞く」「読む」という活動はまとめて「インプット」と呼ばれています。

英語学習についての本を読んだり、英会話を受講したりしたことがあるなら、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

この記事では、英語を習得するのに欠かせない活動である「インプット」について解説します。


インプットとは?

まず、「インプット(input)」という言葉についてくわしく紹介しましょう。

すでに「コンピューターに情報をインプットする」のように日本語でも使われている言葉ですよね。

ことばを学習する上での「インプット」というのは、次の活動のことを指します。

インプットとは?

  • 聞く
  • 読む

この「インプット」が、ことばを習得するのに絶対欠かせない活動なんです。

これはわたしが勝手に言っていることではありません。

サト

第二言語習得という研究分野で研究結果として分かっていることです。

どんなインプットが効果的なの? 4つの条件

「インプットが大切」ということは、有名な言語学者クラッシェン氏が提唱したことです。

そして「効果的なインプット」には条件があり、クラッシェン氏は次の動画でも話しています。

このなかで言われている「効果的なインプット」に必要な条件は次の4つです。

順番に見ていきましょう。

理解できるものであること(Comprehensible)

まず、「効果的なインプット」に重要な要素が理解できるものであることです。

書籍『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』にも、次のように書いてあります(太字はサトによる)。

たとえば、SLA的には「音の大量のインプット」が不可欠とされていますが、 そのコンテンツがそもそも学習者に理解可能でなければ意味がないとされています。

斉藤淳 著『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(2017年 ダイヤモンド社)より引用しました

とは言っても、100%理解できる必要はありません

わからないことばや文法があっても、だいたいわかるものを聞いたり読んだりしましょう。

ハマれるものであること(Compelling)

それから、インプットするものがハマれるものであることです。

ハマれるということは、当然おもしろいものである必要がありますね。

クラッシェン氏は、外国語であることを忘れてしまうぐらいおもしろいものを選ぶように言っています。

サト

「ハマれるものを英語で読んだり聞いたりする」というのは想像しにくいかもしれませんが、あとでご紹介しますね!

豊かであること(Rich)

3点目は、インプットの内容が豊かであること。

「豊か」と言われてもピンとこないと思うので、説明しますね。

クラッシェン氏は動画で「rich input」ということばを使い、重要なポイントとして次のように述べています。

rich inputとは

  • まだ知らないことばが自然に含まれる
  • 特定の文法やことばが含まれている必要はない

こういうものが「豊かなインプット」ということですね。

逆に、「豊かではないインプット」も考えてみると分かりやすいかもしれません。

たとえば、教科書を作るときに、学習しないといけないことばや文法のリストがあるとします。

そういうことばや文法を使って、(むりやり)作った文を聞いたり読んだりしても、「rich input」にならないということになります。

サト

勉強のためだけに作られた文って、なんとなく豊かさに欠ける気がしますし(笑)。

大量であること(Abundant)

最後に、インプットの量が大量であること。

書籍からの引用をご覧ください(太字はサトによる)。

大量のインプットをすることで、言葉の習得をより早く進められる。 

船橋由紀子 著『超コーチング式英会話上達法~「学習が続かない」をついに解決!』(2020年 アルク)より引用しました

たとえば、SLA的には「音の大量のインプット」が不可欠とされていますが、 そのコンテンツがそもそも学習者に理解可能でなければ意味がないとされています。

斉藤淳 著『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(2017年 ダイヤモンド社)より引用しました

「大量」というのはどれぐらいでしょうか。

サト

これは、比べるものがあると分かりやすいですよね。

ここでは、「アウトプット」との割合をご紹介します。

「アウトプット」というのは、「話す」「書く」活動のことです。

「インプット」と「アウトプット」の割合について、著名な言語学者であるスティーブ・カウフマン氏は次のとおり述べています。

2つの活動の割合

インプット7

        対
アウトプット1

まあこの割合については、「9対1」とか「7対3」とか、いろいろな説があるのですが。

どの説にしても、インプットがかなり多めになっていることがおわかりいただけると思います。


インプットにぴったりな活動=「多聴」「多読」

前項で、効果的なインプットの条件を4点ご紹介しました。

次の4つでしたね。

この4つのポイントを満たすインプットとして「ぴったりの活動」があります。

それは、「多聴」と「多読」です。

簡単に言うと、それぞれ次のような活動ですね。

「多聴」と「多読」

  • 多聴
    だいたい分かるレベルのものを大量に聞くこと
  • 多読
    だいたい分かるレベルのものを大量に読むこと

わたしの場合、英語の小説を毎日読んでいます。

これ、4つのポイントをすべてクリアしているんですよ。

インプットの条件とわたしの場合
インプットの条件 わたしの場合
1理解できるものであること 7割ぐらい分かる
2ハマれるものであること 続きが気になって仕方がない
3豊かであること 小説なので当然「豊か」(勉強のために作られた文ではない)
4大量であること 毎日20〜30分ぐらい読んでいる

最後の「大量」というのはアウトプットに比べるとどうかですが、わたしの場合は英語でアウトプットする機会があまりないので20分程度でも「大量」と言えます。

サト

でも、アウトプットの機会も作ろう……。

「英語の小説なんて読めない」と思ったかもしれませんが、多読の入り口として絵本もオススメです。

わたしも絵本から学ぶ英語もたくさんありますし!

まとめ

この記事では、英語を習得するのに欠かせない活動である「インプット」について解説しました。

おさらいすると、インプットは次の活動ですね。

インプット

  • 聞く
  • 読む

効果のあるインプットには、次の条件がありました。

また、この4つの条件を満たす学習活動としての「多聴」「多読」ですが、「Amazonプライム」を使い倒すのをオススメします。

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サト
インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。独学でTOEIC980点をマークした秘密が受験英語が好きだったという特異体質。オンライン英会話や電子書籍を試すことにハマっている。>>サトについて詳しくはこちら
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