英語の試験対策はいろいろありますが、そのひとつが本で勉強することです。
せっかくお金を払って買った参考書や問題集は、効率よく使いたいですよね。
実は、問題集→参考書の順で勉強したほうが効率がいいのを知っていましたか。
この記事では、問題集→参考書の順で勉強する方が効率が上がる理由を、わたしの経験や研究結果も交えて解説します。
さらに、問題集→参考書の順の勉強法のデメリットをカバーする方法も紹介します!
先にまとめておくと、次のとおりです。
この記事の結論
- 問題集→参考書の順で勉強すると自分の弱点が把握でき、参考書で集中して読むべきところがわかるため、効率が上がる
- モレが出ないように、数をこなしたり、問題集にない項目を参考書で確認したりするといい
詳しくは、続きをお読みください。
目次
「問題集→参考書」の順でスコアがアップした体験
たとえばTOEICの勉強をする場合、参考書と問題集があったら、どちらから手を付けますか?
参考書でひととおり勉強してから、問題集に取りかかるのがフツーなのでは……?
それもひとつの方法ですが、ここでおすすめしたいのは逆のパターン。
つまり、問題集→参考書という順番です。
わたしは実際に、TOEICの問題集を解いてから参考書で勉強したことがあります。
この「TOEICの問題集」は、本番と同じ形式でスコアも出る優れもの。全部で3回分ありました。
そして、「問題集→参考書で勉強」を繰り返すことで、スコアをコンスタントに上げることができたんです。
スコアアップの経緯をまとめると、次のとおりになります。
スコアアップの経緯
- 問題集(1回目)をやる→スコア930
- 1でわかった弱点をカバーするために参考書(『新TOEICテスト900点突破 20日間特訓プログラム』)で勉強
- 問題集(2回目)をやる→スコア950
- 3でわかった弱点をカバーするために参考書(『キクタンTOEIC』)で勉強
- 問題集(3回目)をやる→スコア960
ご覧の通り、1回目から3回目にかけて、スコアが順調に伸びていますよね!
スコアだけまとめたのが、次の表です。
スコア | |
---|---|
1回目 | 930 |
2回目 | 950 |
3回目 | 960 |
問題集でわかった弱点を、参考書で克服した結果ですね。
狙い通りで、ニヤニヤが止まりませんでした!
問題を先に解いた場合についての研究結果
わたしのスコアアップの体験を紹介されても、次のように思われるかもしれませんね。
それって「問題集→参考書」の順番が、たまたまあんたに合ってただけの話では……?(あと、ドヤ顔ウザい)
……と。
でも実は、「問題を先に解くべき」という結論を出した研究があるんです。
問題を先に解いたほうが成績がよかった
2009年に「問題を解く」のと「教材を読む」のと、どちらを先にすべきかという実験がおこなわれました。
具体的な実験内容は次のようになっています。
76名の学生に、色盲について書かれた医学エッセイを読んでもらい、穴埋めテストで理解度を調べます。参加者は2つのグループに分かれました。
【Aグループ】 教材を読む前に2分間、最後におこなう穴埋めテストを実際に解いてもらいます
望月俊孝著『何歳からでも結果が出る 本当の勉強法』(すばる舎 2023年)
【Bグループ】事前テストはせず、教材を読む時間を2分間オマケします
Aグループが「問題(問題集)→教材(参考書)」の順で、Bグループがその逆の順で勉強したわけですね。
結果は次のとおりでした(太字はサトによる)。
案の定、Aグループの事前テストの正解率は散々なもので、平均6%でした。 しかし、本番のテストの結果は驚くべきものでした。 事前テストが散々だったAグループは、ただ教材を読む時間を増やしたBグループよりも約30%も高く正解していたのです。
望月俊孝著『何歳からでも結果が出る 本当の勉強法』(すばる舎 2023年)
大切なのは事前テストの「結果」ではなく、「事前テストを解く」ことのようです。
問題を先に解くと成績がよくなる理由
問題を先に解いたグループの方が成績が良かったのは、なぜでしょうか。同書では、次のように書かれています(太字はサトによる)。
事前に問題を解くことで、教材に対する仮説が生まれます。 「ここはどうなっているのだろう?」 すると、 その部分に関しては集中的に学ぶようになり、学びの定着が強化されます。 それはただインプットする時間を延長するよりも、効果的です。
望月俊孝著『何歳からでも結果が出る 本当の勉強法』(すばる舎 2023年)
問題を先に解くと、教材(参考書)で集中すべきポイントが見えてくるとも言えますね。
わたしも問題集を解くことで、自分の得意なところ・苦手なところがわかりました。
この状態で参考書を使うと、得意なところはサラッと、苦手なところは時間をかけて読むことができます。
めちゃくちゃ効率よさそうですよね!
でもこの方法、デメリットはないのでしょうか。
問題集→参考書の勉強法のデメリットと対策
どんな勉強法にもメリット・デメリットはあります。
問題集→参考書の順で勉強する場合、デメリットは、モレが出る可能性があること。
試験に出る項目が、すべて問題集に出るとはかぎらないからです。
苦手なところがたまたま問題集に出ない場合は、参考書でも勉強しないままになるかもしれません。
そこで、このデメリットをカバーする方法を2つ提案します。
デメリットをカバーする2つの方法
順に解説しますね。
公式の問題を解きまくる
まず、公式の問題を解きまくることです。
数で勝負……つまりできるだけ数をこなすことで、モレを少なくする戦法といえます。
ここでのポイントは、公式の問題集を選ぶこと。
非公式の問題集でもクオリティが高いものはありますが、やっぱり「公式」には勝てません。
公式の問題集は「中の人」が作っていますからね……。
公式問題集といっても、いろいろあるのでTOEIC公式サイトで見てみてください。
たとえば目標スコア別のものは500点と800点の2種類あります。
こちらは目標スコアが500点の公式問題集。
そして、こちらが目標スコア800点の公式問題集です。
問題集のモレを参考書で補う
いくら問題をこなしても、モレを確実に防げるとはかぎりません。
なので「参考書」の目次を見て、問題集に出てこなかった項目を勉強するのもひとつの手です。
数をこなした上で、参考書でもカバーすることで、モレを最小限に抑えることができるでしょう。
まとめ
この記事では、問題集→参考書の順で勉強する方が効率が上がる理由を、わたしの経験や研究結果も交えて解説しました。
まとめると、次のとおりでしたね。
この記事の結論
- 問題集→参考書の順で勉強すると自分の弱点が把握でき、参考書で集中して読むべきところがわかるため、効率が上がる
- モレが出ないように、数をこなしたり、問題集にない項目を参考書で確認したりするといい
ぜひ、TOEICや英語の試験対策にお役立てください!