参考書は問題を解くまで読むな! 問題集→参考書の順で勉強すると効率が上がる理由とは?

参考書ではなく、まずは問題集を先にやろう
サト

執筆者

TOEIC990点(満点)。ELSA認定アンバサダー。インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。話せる言語は英語のほかにインドネシア語、中国語。→ サトについてはこちら

英語の試験対策はいろいろありますが、そのひとつが本で勉強することです。

せっかくお金を払って買った参考書や問題集は、効率よく使いたいですよね。

実は、問題集→参考書の順で勉強したほうが効率がいいのを知っていましたか。

この記事では、問題集→参考書の順で勉強する方が効率が上がる理由を、わたしの経験や研究結果も交えて解説します。

さらに、問題集→参考書の順の勉強法のデメリットをカバーする方法も紹介します!

先にまとめておくと、次のとおりです。

この記事の結論

  1. 問題集→参考書の順で勉強すると自分の弱点が把握でき、参考書で集中して読むべきところがわかるため、効率が上がる
  2. モレが出ないように、数をこなしたり、問題集にない項目を参考書で確認したりするといい

詳しくは、続きをお読みください。

「問題集→参考書」の順でスコアがアップした体験

たとえばTOEICの勉強をする場合、参考書と問題集があったら、どちらから手を付けますか?

参考書でひととおり勉強してから、問題集に取りかかるのがフツーなのでは……?

それもひとつの方法ですが、ここでおすすめしたいのは逆のパターン。

つまり、問題集→参考書という順番です。

参考書ではなく、まずは問題集を先にやろう
参考書ではなく、まずは問題集を先にやろう

わたしは実際に、TOEICの問題集を解いてから参考書で勉強したことがあります。

この「TOEICの問題集」は、本番と同じ形式でスコアも出るすぐれもの。全部で3回分ありました。

そして、「問題集→参考書で勉強」を繰り返すことで、スコアをコンスタントに上げることができたんです。

スコアアップの経緯をまとめると、次のとおりになります。

スコアアップの経緯

  1. 問題集(1回目)をやる→スコア930
  2. 1でわかった弱点をカバーするために参考書(『新TOEICテスト900点突破 20日間特訓プログラム』)で勉強
  3. 問題集(2回目)をやる→スコア950
  4. 3でわかった弱点をカバーするために参考書(『キクタンTOEIC』)で勉強
  5. 問題集(3回目)をやる→スコア960

ご覧の通り、1回目から3回目にかけて、スコアが順調に伸びていますよね!

スコアだけまとめたのが、次の表です。

スコア
1回目930
2回目950
3回目960
TOEIC模試のスコア

問題集でわかった弱点を、参考書で克服した結果ですね。

狙い通りで、ニヤニヤが止まりませんでした!

問題を先に解いた場合についての研究結果

わたしのスコアアップの体験を紹介されても、次のように思われるかもしれませんね。

それって「問題集→参考書」の順番が、たまたまあんたに合ってただけの話では……?(あと、ドヤ顔ウザい)

……と。

でも実は、「問題を先に解くべき」という結論を出した研究があるんです。

問題を先に解いたほうが成績がよかった

2009年に「問題を解く」のと「教材を読む」のと、どちらを先にすべきかという実験がおこなわれました。

具体的な実験内容は次のようになっています。

76名の学生に、色盲について書かれた医学エッセイを読んでもらい、穴埋めテストで理解度を調べます。参加者は2つのグループに分かれました。  

【Aグループ】 教材を読む前に2分間、最後におこなう穴埋めテストを実際に解いてもらいます
【Bグループ】事前テストはせず、教材を読む時間を2分間オマケします

望月俊孝著『何歳からでも結果が出る 本当の勉強法』(すばる舎 2023年)

Aグループが「問題(問題集)→教材(参考書)」の順で、Bグループがその逆の順で勉強したわけですね。

結果は次のとおりでした(太字はサトによる)。

案の定、Aグループの事前テストの正解率は散々なもので、平均6%でした。 しかし、本番のテストの結果は驚くべきものでした。 事前テストが散々だったAグループは、ただ教材を読む時間を増やしたBグループよりも約30%も高く正解していたのです。

望月俊孝著『何歳からでも結果が出る 本当の勉強法』(すばる舎 2023年)

大切なのは事前テストの「結果」ではなく、「事前テストを解く」ことのようです。

問題を先に解くと成績がよくなる理由

問題を先に解いたグループの方が成績が良かったのは、なぜでしょうか。同書では、次のように書かれています(太字はサトによる)。

事前に問題を解くことで、教材に対する仮説が生まれます。 「ここはどうなっているのだろう?」 すると、 その部分に関しては集中的に学ぶようになり、学びの定着が強化されます。 それはただインプットする時間を延長するよりも、効果的です。

望月俊孝著『何歳からでも結果が出る 本当の勉強法』(すばる舎 2023年)

問題を先に解くと、教材(参考書)で集中すべきポイントが見えてくるとも言えますね。

わたしも問題集を解くことで、自分の得意なところ・苦手なところがわかりました

この状態で参考書を使うと、得意なところはサラッと、苦手なところは時間をかけて読むことができます。

めちゃくちゃ効率よさそうですよね!

でもこの方法、デメリットはないのでしょうか。

問題集→参考書の勉強法のデメリットと対策

どんな勉強法にもメリット・デメリットはあります。

問題集→参考書の順で勉強する場合、デメリットは、モレが出る可能性があること。

試験に出る項目が、すべて問題集に出るとはかぎらないからです。

苦手なところがたまたま問題集に出ない場合は、参考書でも勉強しないままになるかもしれません。

そこで、このデメリットをカバーする方法を2つ提案します。

デメリットをカバーする2つの方法

  1. 公式の問題を解きまくる
  2. 問題集のモレを参考書で補う

順に解説しますね。

公式の問題を解きまくる

まず、公式の問題を解きまくることです。

数で勝負……つまりできるだけ数をこなすことで、モレを少なくする戦法といえます。

ここでのポイントは、公式の問題集を選ぶこと。

非公式の問題集でもクオリティが高いものはありますが、やっぱり「公式」には勝てません。

公式の問題集は「中の人」が作っていますからね……。

公式問題集といっても、いろいろあるのでTOEIC公式サイトで見てみてください。

たとえば目標スコア別のものは500点と800点の2種類あります。

こちらは目標スコアが500点の公式問題集。

そして、こちらが目標スコア800点の公式問題集です。

問題集のモレを参考書で補う

いくら問題をこなしても、モレを確実に防げるとはかぎりません。

なので「参考書」の目次を見て、問題集に出てこなかった項目を勉強するのもひとつの手です。

数をこなした上で、参考書でもカバーすることで、モレを最小限に抑えることができるでしょう。

まとめ

この記事では、問題集→参考書の順で勉強する方が効率が上がる理由を、わたしの経験や研究結果も交えて解説しました。

まとめると、次のとおりでしたね。

この記事の結論

  1. 問題集→参考書の順で勉強すると自分の弱点が把握でき、参考書で集中して読むべきところがわかるため、効率が上がる
  2. モレが出ないように、数をこなしたり、問題集にない項目を参考書で確認したりするといい

ぜひ、TOEICや英語の試験対策にお役立てください!

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サト
英語びより編集長。独学でTOEIC980点をマーク(2023年9月)。インドネシアで日本語学校を運営している。>>サトについて詳しくはこちら
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