[書評] 『がんばりすぎない! おうち英語』

『がんばりすぎない! おうち英語』の書評
サト

執筆者

TOEIC990点(満点)。ELSA認定アンバサダー。インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。話せる言語は英語のほかにインドネシア語、中国語。→ サトについてはこちら

小学校でも、英語が正式な科目になり、「英語ができる / できない」が将来を大きく変える時代になっていきます。

お子さんには、できれば小学校のときから英語にニガテ意識を持ってほしくないですよね。

小学生のうちから、お子さんが英語好きになる方法があれば、知りたいと思いませんか?

この記事では、そんな方法について書かれている『がんばりすぎない! おうち英語』という電子書籍をご紹介します。

著者の鬼英語コーチ☆サヤコ氏について

では、まず本書の著書である「鬼英語コーチ☆サヤコ氏」(以下、「サヤコ氏」)についてご紹介しましょう。

サヤコ氏は本書執筆時点で、中高生を対象に、英語講師やコーチとしてご活躍中です。

そして、こんな経歴をお持ちなんですよ。

サヤコ氏の経歴

  • カナダに1年間滞在
  • オーストラリアに20年間滞在

英語圏に住んでいただけではなく、英語力も、次のとおり。

サヤコ氏の英語力

  • 英検1級
  • TOEIC990点(満点)
  • NAATIオーストラリア翻訳国家資格取得済み

このような素晴らしい英語力を活かして中高生に英語の指導をし、そのノウハウを小学生向けにアレンジしてまとめたのが本書というわけです。

『がんばりすぎない! おうち英語』を読むとわかること

では、本書『がんばりすぎない! おうち英語』を読むとどんなことがわかるのでしょうか。

タイトルから想像できるとおり、自宅で親御さんがお子さんに英語を教える方法がわかります。それも、無理のない形で。

わたし、英語なんて教えられないよ……。

……と思ったかもしれませんが、ご心配なく。

親御さんにもお子さんにも無理のない方法が提案されているので(詳しくは次項でご説明します♪)。

その方法は「『がんばりすぎない! おうち英語』プログラム」として、次の7ステップにまとめられています。

おうち英語のスタート
  • 家族で「ビジョン」を共有しよう(ワーク1)
  • 英語習得に必要な時間を計算しよう(ワーク2)
おうち英語の時間割
  • おうち英語の時間割を作ろう(ワーク3)
  • 習慣化の仕組みを作ろう(ワーク4)
おうち英語の教材
  • おうち英語の教材を選ぼう
おうち英語の振り返り
  • 上達を定期的にチェックしよう(ワーク5)
  • PDCAを回そう(ワーク6)
英語の読み書き
  • アルファベットの教え方を学ぼう
英語の発音
  • 発音矯正は「9つの子音」に絞ろう
英語の資格試験
  • 英検を試してみよう
「『がんばりすぎない! おうち英語』プログラム」7つのステップ

まずビジョンについて話し合うところから始めて、学習の振り返りもしつつ、最後には英検にもチャレンジするという内容ですね。

各ステップの詳細は本書に譲りますが、理にかなった順番だと思います。

「理にかなった順番」だとわたしが思う理由も含め、次項では、本プログラムの特徴を5点ご紹介しますね。

「『がんばりすぎない! おうち英語』プログラム」の特徴

前項でステップをご紹介した「『がんばりすぎない! おうち英語』プログラム」の特徴を、次の5点に絞ってご紹介しますね。

プログラムの特徴

  1. 負担が少ない
  2. ビジョンの共有から始めている
  3. 習慣化の仕組みを提案している
  4. 「音から入る」ことを重視している
  5. 振り返りもプログラムに入っている

順に見ていきましょう。

負担が少ない

まず、負担が少ない点。ここで言う「負担」は、次の2つです。

2つの負担

  1. 金銭的負担
  2. 英語学習の負担

どういうことでしょうか。

【負担1】金銭的負担

まず、金銭的負担については次のとおりで、初期費用は1万円ほどで間に合います。

費用の面でも価格のリーズナブルな市販教材を使うので、初期投資は1万円もあれば十分です。

鬼英語コーチ☆サヤコ著『がんばりすぎない! おうち英語』(2021年)

1万円なら許容範囲ではないでしょうか。

子ども向け英会話スクールの中には、初期費用(入会金+月謝+教材費)だけで3万円を超えるところもありますし。

【負担2】英語学習の負担

それから、英語学習の負担も軽いのです。

これは、お子さんはもちろん、親御さんにとっても同じことが言えます。

お子さんについては、教材を選ぶ際にも、学習する際にも、「お子さんの好みや楽しさを優先するように」と提案されています。

たしかに、楽しいことならがんばらなくても「やる気」が出ますし、続けられますよね。

また、親御さんについては、英語力に自信がないというケースを想定して、次のとおり書いてくれています。

ひらがなやカタカナと同じ感覚で、アルファベットや英単語を教えてあげれば良いのです。スピーキングが苦手でも問題ありません。最近は ほとんどの教材に音声が付いています。なので親が英語を流暢に話せなくても、十分なんとかなるのです。

鬼英語コーチ☆サヤコ著『がんばりすぎない! おうち英語』(2021年)

ひらがな・カタカナと同じ、自分が知っているものを教えることなら、できると思いませんか。

また、スピーキングなどニガテなところは他の方法で補えばいいですし、今はそのためのリソースもかんたんに手に入ります。

もちろん、本書ではサヤコ氏が実際に使った上で効果を感じた教材も紹介されていますよ!

ビジョンの共有から始めている

特徴の2点目は、ビジョンの共有から始めている点。

本書には、次のような質問に答えるワークがあるんです。

問1 :英語が話せるようになったら、どんな自分になれると思いますか? 親子それぞれで考えてください。

例: 親は「海外旅行に行っても困らない自分」。子どもは「英語が得意な自分」。

問2: 英語が話せるようになったら、どんな家族になれると思いますか? みんなで相談してみてください。

例: 英語に対するコンプレックスがない家族。

鬼英語コーチ☆サヤコ著『がんばりすぎない! おうち英語』(2021年)

こういう話し合いをすることで、英語学習が学校の勉強のためだけではなく、もっと夢があり、意味のあるものになると個人的には思います。

お子さんも、より積極的に英語学習に取り組めるのではないでしょうか。

将来的には海外に移住しよう、なんて夢もできるかも?!

サヤコ氏は、このようなビジョンを共有すると、次のようなメリットがあると言います。

そしてこのビジョンを共有することによって、グループの結束を固めることができるのです。

鬼英語コーチ☆サヤコ著『がんばりすぎない! おうち英語』(2021年)

お子さんが英語学習の意義を理解し、親子の結束も固まる。その上で英語学習に取り組めば、効果も上がりそうですよね!

なので、ビジョンを話し合うところから始めるのは、理にかなっていると言えます。

ほかの本にはない視点

ちなみに家庭でお子さんの英語学習をサポートする方法が書かれている良書に『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』があります。

この本は3歳から18歳までの学習方法を網羅していて素晴らしいのですが、学習以前になぜ英語を学習するのか、お子さんと話し合うということは書かれていません

そういう意味でも、ビジョンを話し合うというのは本書の特徴だと思います。 

習慣化の仕組みを提案している

習慣化の仕組みを提案しているのも、本プログラムの特徴的な点です。

英語学習は、始めるのも大切ですが、続けないと効果を上げることはできません

その点、このプログラムでは、教材を買う前のステップに、習慣化の仕組みを作るワークがあるんです。

そもそも「三日坊主」が起こってしまう原因について、本書では次のように説明されています。

原因は、 自分で考えて行動する顕在意識 を使って完璧な計画を立てても、 心の奥底にあって本人も気づいていない潜在意識が邪魔をするからです。 というのも、 潜在意識は変化が大嫌いなのです。 現状維持が何よりも大事なので、本人にとって非常にためになる習慣でさえ、「新しい」というだけで脳内では敵と見なされます。おうち英語という「新しい習慣」をつける時も、この潜在意識を味方につけることを心がけましょう。

鬼英語コーチ☆サヤコ著『がんばりすぎない! おうち英語』(2021年)

潜在意識は、変化を嫌うということですね。

では、潜在意識を味方にするには、具体的にはどうすればいいのでしょうか。

詳しくは、本書をお読みください!

あとで、無料で読む方法もご紹介しますので♪

「音から入る」ことを重視している

本プログラムの特徴、4点目は「音から入る」ことを重視している点です。

アルファベットを学ぶのがステップの5番目になっているのも、「音」を重視しているから。

本書には、次のとおり書いてあります。

最初に慣れていただきたいのは英語を「読む、書く」ことではなく、「聞く、話す」ことだからです。

鬼英語コーチ☆サヤコ著『がんばりすぎない! おうち英語』(2021年)

もちろん、それに合った教材も紹介してくれていますよ!

「第二言語習得」の観点からも理にかなっている

特に「聞く」ことを重視しているのは、「第二言語習得」の観点からも理にかなっています(参考: 「第二言語習得(SLA)」について)。

「第二言語習得」というのは、人間が外国語など習得するプロセスを研究している分野ですね。

誰にでも効果のある学習方法を研究している、とも言えます。

振り返りもプログラムに入っている

本プログラム、最後の特徴は、振り返りもプログラムに入っている点です。

目標を達成するために振り返りが大切なことは、研究でも証明されています

たとえば、心理学の研究をベースに書かれた『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』という本には、次のとおり書いてあります。

どんな目標であっても、達成するために欠かせないことがあります。それは「どれだけ進歩したかをモニタリングする」ということです。目標達成に向けて、 ただがむしゃらに努力するのではなく、日々、どれだけ進歩したのかを確認する必要があるのです。

ハイディ・グラント・ハルバーソン著『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』(2017年 ディスカヴァー・トゥエンティワン)

日々の進歩を確認するのは、「大切」というか「欠かせない」とまで言っていますね。

本プログラムには次のようなワークがあるので、ぜひ活用しましょう。

振り返り用ワーク

  • 上達を定期的にチェックする
  • PDCAを回す

『がんばりすぎない! おうち英語』の注意点

『がんばりすぎない! おうち英語』は素晴らしい本です。

ただ、注意点が次のとおり2つあります。

本書の注意点

  1. 「がんばりすぎない=楽ちん」ではない
  2. 「バイリンガル育児」の本ではない

ちょっと補足しますね。

「がんばりすぎない=楽ちん」ではない

まず、タイトルについている「がんばりすぎない」という表現について。

これは(らく)」ではないということで、本書にも次のように書いてあります。

とはいえ、新しい習慣を続けることは決して簡単ではありません。「がんばりすぎない=楽ちん」ではないことはあらかじめ心に留めておいてください。

鬼英語コーチ☆サヤコ著『がんばりすぎない! おうち英語』(2021年)

ただ、先ほど書いたとおり、本書では習慣化の仕組みも提案されています。

「楽ちん」ではないものの、ハードルは下げてくれますよ!

「バイリンガル育児」の本ではない

それから、本書は「バイリンガル育児」の本ではありません

著者のサヤコ氏も、次のように書いています。

『がんばりすぎない!おうち英語』プログラムの目的は、あくまで英語が好きで得意という感覚をご家庭で育み、お子さんが将来英語の話せる大人になること(後略)

鬼英語コーチ☆サヤコ著『がんばりすぎない! おうち英語』(2021年)

と言っても、お子さんの英語に対する苦手意識がなくなり、好きになってくれれば素晴らしいことですよね。

バイリンガルを育てたいということであれば、『留学しないで「英語の頭」をつくる方法』という書籍もオススメです。

本書を【無料】で読む方法?!

こんな素晴らしい本ですが、今なら無料で読む方法があります。

それは、Kindle Unlimitedの無料体験です。

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まとめ

この記事では、『がんばりすぎない! おうち英語』という本をご紹介しました。

小学生のお子さんを英語好きにするヒントが満載です。

ぜひ手に取って読んでみてくださいね!

英語の勉強にオススメの書籍はほかにもいろいろあります。

次の記事にわかりやすくまとめたので、ぜひご参考に!!

海外留学で英語で学ぼう!

カナダ留学コンパス

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英語びより編集長。独学でTOEIC980点をマーク(2023年9月)。インドネシアで日本語学校を運営している。>>サトについて詳しくはこちら
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