英語学習のヒントは「好きなこと」! インドネシアの高校生が日本語を攻略した勉強した方法とは?

サト

執筆者

TOEIC990点(満点)。ELSA認定アンバサダー。インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。話せる言語は英語のほかにインドネシア語、中国語。→ サトについてはこちら

今日は、とあるインドネシアの高校生の日本語学習法をご紹介します。

「英語びよりっていうブログやのに、なんで日本語なん……?」という声が聞こえてきそうですね。

その理由は、「好きなことで外国語を勉強したら、ここまでいける!」というのを発信したいと思ったからです。

ぜひ英語学習の参考にしていただきたいです!

日本語をここまで操れる!

まず、この動画をご覧ください。とあるインドネシアの高校生が発表したスピーチです。

撮影したのは私ですが、ビビるのを通り越して、感動すら覚えました

サト

「このスピーチって、そんなにすごいの? 」という方、ぜひこの内容を英語にしてみてください。共感いただけるかもしれません(笑)

実は、彼は2013年10月から、私の勤め先である日本語学校で勉強しています。と言っても、教室での勉強は週2回、合計3時間のみ。

一度だけ日本へ行ったことがありますが、それも1週間程度。

それでも、こんなスピーチの原稿を自分で書いて、自分でチェックして、発表できるようになりました。

「自分で」ということは、もちろん私もノーチェック、ということです。もちろん、普段、私が彼とコミュニケーションを取るときは、ほぼ全て日本語です。

スピーチ終了後、アドバイスを求められたので、「自分の力でよくここまでやりましたね! 」とほめてから、構成面でもっとよくできる点を指摘したのですが、それも全て日本語でした。

繰り返しになりますが、
日本語学校では週に3時間しか勉強していないのに、です。

サト

いったい日本語学校の外でどんな勉強してんねん! ということになりますね。

試験でも点が取れる!

また、彼は日本語能力試験のN3レベルに合格したのですが、読解と聴解は満点。全体でもほぼ満点でした。

日本語のレベルがひたすら高いインドネシア人の生徒
日本語のレベルがひたすら高いインドネシア人の生徒

N3というレベルについて、若干補足を……わたしのもう一つの勤め先である大学では、卒業時の目標がN3レベルになっています。

教室での学習時間を比較すると、大学生の方が圧倒的に長い。ほぼ毎日、日本語の授業がありますからね。それでも、N3に合格できる大学生は少数

日本語能力試験の結果
日本語能力試験の結果

そんな試験に彼は合格したわけです。しかも、ほぼ満点で!

好きなことで勉強!

まとめると、実際に日本語を使う能力も、試験で点を取る能力も申し分ないと言えますね。

サト

私もTOEICの点数並みに英語が操れればいいのに……。

……と思っている日本人は、私だけではないはず。私もTOEICで990点取っていますが、その点数に見合った会話力があるとは思えません。

というわけで、英語学習のヒントになれば、と思い、その勉強法を教えてもらいました。

スピーチの動画をご覧になった方は想像がついているかもしれませんが、日本のアニメとゲームを利用しているとのことです!

今の時代、インターネットさえあればいろいろなアニメを見たり、ゲームをしたりできますからね。 しかも、めっちゃ楽しそう……。

まだ日本語を勉強していなかったころから、日本のアニメが好きで、よく見ていたそうです。

そのころから、日本語で音声を聞いて、英語やインドネシア語字幕で意味を確認しながら見ていたとか。日本語を頭の中で繰り返すこともあるそうです。

ゲームも、セリフを日本語で聞いて、そのセリフを英語のテキストで確認。例えば、「グランブルーファンタジー(Granblue Fantasy)」というゲームなどが好きなんだそうです。

今はゲームで表示されるテキストも日本語にしているそうで、日本語のセリフがそのままテキストで出てくるので、日本人がゲームをしているのと変わらない環境ということですね。

こういうゲームは何が素晴らしいかというと、場面に加え、音声と文字が同時に確認できるという点。

そして、彼がすごいのは、テキストを見て「?」と思ったら、ちゃんと調べるところ

サト

私だったらスルーしてゲームに没頭しそう……。

分からない言葉を調べるのもオンライン辞書を利用すれば、かんたんです。

ただ、漢字を調べるのには苦労したそうです。オンライン辞書に見よう見まねで、漢字を書いて調べたのだとか。それも、マウスで。

今は、スマートフォンも持っているので、Google翻訳のアプリを使っているそうです。漢字のテキストでも、アプリをかざすだけで翻訳してくれるので、楽チンですよね。

こういう努力が実を結び、何と彼は、2015年の職業高校日本語討論大会で、全国優勝を果たしました! そのご褒美で、日本へ行けたわけです。

一度優勝したということで、以降、出場の機会は同じ学校の他の生徒に譲っているそうですが。

今は、日本の大学に進学すべく、奨学金の選抜試験に向けて日々勉強の日々。

サト

もとい、ゲームに没頭している日々かもしれません……。

英語学習に利用すると

この記事を読んで、「ゲームで英語を勉強したい! 」と思われた方! 一度やってみるといいと思います。

先ほどのGranblue Fantasyや、ドラゴンクエスト(スマホ版)のⅦとⅧはテキストだけ英語にできます

残念ながら英語の音声は聞けないのですが……。

また、この記事の趣旨は好きなもので勉強しよう! ということなので、絶対ゲームを使わなければならない、ということはありません。

好きな洋画があれば、音声を英語で聞きつつ、日本語字幕を見る。

DVDなんかだと英語字幕もあるので、1回目に日本語字幕で意味を確認しておいて、2回目以降は英語の字幕を見るというのもアリですね。

好きな映画なら、繰り返し見るのもさほど苦痛ではない……はずです。

字幕のスピードについていけない、という方は、映画のセリフを書き起こした書籍があるので、それを利用するのも一つの手です。

たとえば、「ローマの休日」であれば、こんなものがあります。

3,800円となかなかのお値段ですが、全文収録で、音声までついています。しかも。Kindle Unlimitedという、定額読み放題サービスの対象なのです!

Kindleなので、電子書籍になってしまいますが、音声はダウンロードできます。月額980円で読み放題なので、気軽に試すことができますね。合わなければ他の教材を試せばいいわけです。

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もっともっと、海外のドラマとかで本格的に英語に触れまくりたい方Huluがオススメです。

英語を海外のドラマなどで学ぶならHuluがおすすめ
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Huluは、月々1,000円程度で洋画や海外のドラマ40,000本が見放題になるというサービス。

ただ、スマホやタブレットでしか見られないので、Amazon Fire TV Stick(5,000円程度)の購入をオススメします。これがあればテレビで観られるようになるので(スマートテレビなら、なくても観られるようです)。

英語字幕も出せるものも多いそうなので英語の勉強にはかなり最適です。

サト

2週間は無料で試せるのでハードルも低いですね!

まとめ

そんなわけで、インドネシアのスーパー高校生? の日本語学習法をご紹介しました。

まとめると……

  1. アニメやゲームで日本語の音声を聞く
  2. インドネシア語や英語の字幕(テキスト)で意味を確認する
  3. 聞き取れた日本語を頭の中で繰り返してみる
  4. 日本語が読めるようになったら、字幕(テキスト)も日本語にする
  5. わからない言葉はGoogle翻訳などで調べる

……といった具合になります。

日本語が読めなくても、初めは耳と口で学び、読めるようになったら目でも学ぶ。

こうすることで、聞き間違いなども防げ、精度も上がりますね。

もちろん、勉強法には向き不向きがあります。この通りに勉強すれば、インドネシア人がみんな彼のようなレベルになる、とは私も思っていません。

しかし、外国語学習のヒントになることは間違いなし。 ぜひ、好きなことを見つけて、勉強してみてください!

その場合、勉強しているという感覚すらないかもしれませんが。

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サト
英語びより編集長。独学でTOEIC980点をマーク(2023年9月)。インドネシアで日本語学校を運営している。>>サトについて詳しくはこちら
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