英語でも日本語でも「名詞は他の言葉を修飾できない」という原則があります。
でも、この原則ですが、英語だと破られていることがよくあるのです。
たとえば「rabbit hatch(ウサギ小屋)」という言葉。
「rabbit hatch」の成り立ち
- rabbit(名詞)
- hatch(名詞)
両方とも名詞になっていますよね。今回は、名詞で名詞を修飾できる「名詞の形容詞的用法」について紹介します。
名詞の「形容詞的用法」について
では名詞の形容詞的用法について紹介していきましょう!
名詞の「形容詞的用法」とは?
まず、名詞の「形容詞的用法」とは何かをかんたんに紹介しますね。
本来は、名詞は「もの・ことの名前を表す言葉」なので、「他の言葉を修飾する」ことができません。
例えば「cat」と「dog」という2つの名詞を並べてみます。
2つの名詞が並んだ例
cat dog
これは、ただ単に「ネコ イヌ」と並んでいるだけですよね。
ところが、「cat」と「food」を並べてみると……?
なんと「cat(名詞)」が「food(名詞)」を修飾して、「cat food(ネコの食べ物=キャットフード)」になるんです!(参考: 「修飾する」とは?)
この場合の「cat」は、形容詞(=名詞を修飾)の役割を果たしていることになります。
「形容詞」と「形容詞的用法の名詞」の比較
同じ形の言葉で、例えば「healthy food(健康的なごはん)」と比べてみましょう。
「healthy food」は、形容詞の「healthy」が名詞「food」を修飾する形になっています。
この「healthy food」と「cat food」を並べてみます。
- healthy food
健康的なごはん - cat food
ネコ用のごはん
ね? 形がまったく一緒でしょ!?
だから、この場合の「cat」という名詞は「形容詞の役割を果たしている」と言えるんです。
これが名詞の「形容詞的用法」というものになります。
対象は「名詞+前置詞+名詞」の形を取るもの
「cat food」の場合、むずかしく言えば「food for cats」と表されます。
品詞で言えば「名詞+前置詞+名詞」ですね。
名詞+前置詞+名詞の例
food for cats
この「名詞+前置詞+名詞」が省略されるような言い回しが、名詞の「形容詞的用法」だと考えられます。
ほかの例を見てみるとこのような感じです。
「名詞+前置詞+名詞」の例
- school cafeteria(学食)
cafeteria in the school - sea water(海水)
water from the sea
名詞の「形容詞的用法」の種類
応用編として、名詞の「形容詞的用法」のべつの種類を見てみましょう。
「動名詞+名詞」の場合
「動名詞(動詞を名詞化したもの)」を使う方法もあります。
たとえば、「write(書く)」という動詞を「writing」という形にすると、「書くこと」という名詞にすることができます。
「writing skills(書く技術=ライティングスキル)」 という言葉の場合は、「writing」という動名詞が「skill(s)」という名詞を修飾しています。
動名詞についてくわしくはこちらの記事を!
合体して1つの名詞になる場合
そして2つの名詞が「もはや一つの単語」になっている場合も多いんですよ。
玄関の呼び鈴を表す「door bell」は、辞書を引いても「doorbell」という立派な一つの単語として出てきます。
ほかの例はコチラです。
合体して1つの名詞になる例
- bedroom(ベッドルーム)
- gatekeeper(門番)
- pencase(筆箱)
- seatbelt(シートベルト)
- teapot(ティーポット)
また、「ハイフン( - )」でつながる場合もあります。
例えば「海水」は「sea water」とも「sea-water」とも表記されます。
名詞の「形容詞的用法」と形容詞の違い
つづいては、名詞の「形容詞的用法」と形容詞の違いについてです。
例えば「cat(ネコ)」や「apple(リンゴ)」は確実に名詞しかありませんよね。
そのため、「cat」や「apple」がほかの単語を修飾する場合は、必ず「名詞の形容詞的用法」を使うことになります。
「名詞」と「形容詞」のある単語
ところが、名詞の「wood」は微妙な立ち位置にあります。
なぜなら、「wood」は名詞として「木」という意味と形容詞として「木の」という意味の2種類があると一般的に定義されています。
名詞 | 木 |
---|---|
形容詞 | 木の |
たとえば「wood chair(木のイス)」の場合、「木の」という形容詞「wood」が「chair」という名詞を修飾しているととらえられます。
ほかには、このような名詞に形容詞がありますよ。
名詞・形容詞のある単語
- paper(紙)
- stone(石)
- white(白)
- red(赤)
主には素材、色を表す言葉ですね!
「素材」や「色」などを表す言葉はそもそも「名詞と形容詞がある」と考えられるのが一般的です。
さらにややこしい単語も
そうかと思えば、例えば「music」のようにややこしい単語も存在します。
こちらの表をご覧ください。
単語 | 意味 |
---|---|
music | 音楽(名詞) 音楽の(形容詞) |
musical | ミュージカル(名詞) 音楽の(形容詞) |
「music」には「名詞」と「形容詞」がありつつ、別の単語で「musical」という形容詞もあるんです。
さらに、「musical」には「ミュージカル」という名詞の意味も発生し、カオスな状態に(笑)。
そして、「music」も「musical」も「音楽の」という意味があるんです!
もうイヤ……。
実際の使い分けは、「慣習」によりますね。
例えば「音楽映像」ならば、圧倒的に「music video」のように「music(名詞)」を形容詞的用法として使います。
「musical video」でも間違いでは無いのですが、歌って踊る「ミュージカル」を浮かべる人が多いですね。
名詞の「形容詞的用法」と形容詞の使い分けは、曖昧なケースが多いです。
名詞の「形容詞的用法」を使うときの順番
名詞の「形容詞的用法」を使うときの順番はどうなっているのでしょうか?
これは「修飾する方が先、される方が後」と覚えてもらえればOKです!
たとえば日本語で「ウサギ小屋」と言いたいなら、こちらのようになります。
日本語の例
ウサギの(修飾する方) 小屋(修飾される方)
つまり、「ウサギ(rabbit)」が先で、「小屋(hatch)」が後になります。
英語の例
rabbit hatch(ウサギの小屋 = ウサギ小屋)
この順番は、例外なしですよ。
日本語と同じなのでわかりやすいと思います!
単数形・複数形のどちらを使う?
最後に、「単数形・複数形」のお話です。
名詞の「形容詞的用法」のときは、名詞は単数形・複数形のどちらを使うべきでしょうか。
基本的に「単数形」を使う
例えば「お花屋さん」ならこちらのどちらが正しいと思いますか?
「お花屋さん」はどっち?
- flower shop
- flowers shop
はい。答えはもちろん「flower shop」ですよね。
名詞の「形容詞的用法」のときは基本的に「単数形」を使いましょう。
「food court(フードコート)」や「apple juice(りんごジュース)」など、馴染みのある言葉を見回してみると、どれも「単数形」になっているはずですよ。
「靴屋」が「shoes store」ではなく「shoe store」になるのには注意が必要ですね。
「shoes」は複数形
- shoes store
- shoe store
日本語でも「靴」を「シューズ」と呼ぶことがよくありますが「shoes」はすでに複数形になっていることをお忘れなく。
複数形で使う例外
ただし、「複数形」でほとんど用いる名詞の場合は、複数形のまま使います。
たとえば、「スポーツ(sports)」を使った「sports news(スポーツニュース)」です。
こちらはかなりの例外になりますよ。
ちなみに、日本語にもなっている「fruit(フルーツ)」は、「fruit juice(フルーツジュース)」のように単数形で使われます。
まとめ
さて、今回は「名詞」の「形容詞的用法」について紹介しました。
多くの人はこんな法則があることを知らずに使いこなしていると思います。
最後にもう一度まとめます。
ポイント
- 名詞で名詞を修飾するのが「名詞の形容詞的用法」
- 修飾する方が先、される方が後
- 名詞は基本的に「単数形」を使う
こちらは関連記事です。
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