今回は、アメリカの温度表示の違いについてです。
日本で使っている「摂氏」とアメリカで使っている「華氏」についてまとめました。
こちらもご覧ください
- 長さの単位「インチ」「フィート」「ヤード」「マイル」
- 重さの単位「ポンド」「オンス」
- 温度の単位「摂氏(Celsius)」「華氏(Fahrenheit)」今ココ
- 量の単位「ガロン」「オンス」
目次
温度を表す「摂氏」「華氏」ってなに?
天気予報の気温や、料理で使うオーブンの温度で、日本語では「度」という単位を使いますが、これには2つの種類があることをご存じでしょうか?
温度を表す2つの単位
上側の「°C」は日本で「15°C」のように使われているため、馴染みがありますが、「°F」は見たことがないと思います。
「 °F(華氏)」は主にアメリカで使われている温度の単位です。「100°F」のように使います。
アメリカで住んでいる私は、今は「°F(華氏)」にも見慣れましたが、最初はどれくらいの温度なのか、さっぱりわかりませんでした。
摂氏・華氏の違い
簡単に説明すると、日本で使われている「摂氏」は、水の凝固点を0度、沸点を100度とした温度の単位です。
逆に「華氏」は、水の凝固点を32度、沸点を212度とし、間は180度で区切られます。
数字の苦手な人はすでに頭が痛くなっているかもしれませんが。
表にまとめるとこういうことです。
摂氏 | 華氏 | |
---|---|---|
水の沸点 | 100°C | 212°F |
水の凝固点(氷点) | 0°C | 32°F |
摂氏0°Cが華氏の32°F、摂氏100°Cが華氏212°Fにあたるわけですね。
下記では、もう少しくわしく説明します。
摂氏・華氏の「水の沸点」の比較
まずは、水の沸点を2つの単位で見てみます。「沸点」というのは、液体が沸騰する温度のことです。
「水は100度で沸騰する」というのは常識ですよね?
でもこれは「摂氏(°C)」での常識で、「華氏(°F)」という単位では212°F(= 100°C)になります。
摂氏・華氏の「氷点(水の凝固点)」の比較
今度は氷点(水の凝固点)を見てみましょう。
液体が個体化するときの温度を「凝固点」と呼び、水の凝固点のことを「氷点」と呼びます。
「水は0度で氷になる」と言いますが、これも摂氏での話ですね。「華氏」だと32°F(= 0°C)です。
英語での摂氏・華氏の表現
英語で摂氏、華氏はどのように言うのでしょうか?
英語で摂氏・華氏は?
英語での摂氏・華氏の読み方
英語での表記「Celsius(摂氏)」も「Fahrenheit(華氏)」も……
どちらも読みづらいですね。
実はどちらも創始者である科学者の名前ですね。こちらに発音記号やカタカナ読みをまとめてみました。
摂氏 | 華氏 | |
---|---|---|
英語のスペル | Celsius | Fahrenheit |
発音記号 | sélsiəs | fǽrənhàit |
カタカナ読み | セルシウス | ファーレンハイト |
実際に数字を入れたときの読み方はこちらのようになります。
単語の「Celsius」や「Fahrenheit」は、ふつうは言わなくても国によって使われるものが決まっているので、言わなくていいです。
ただ、「Fahrenheit」が主流のアメリカであえて「Celsius」を使うときには「twelve degrees Celsius」のように言いましょう。
なぜ日本語では「摂氏」「華氏」と言う?
では、今度は日本語に目を向けてみると、なんで「摂氏」「華氏」という漢字を使うのでしょうか?
実はこれは中国語から来ているからなんです。
摂氏 | 華氏 | |
---|---|---|
英語のスペル | Celsius (セゥスィアス) |
Fahrenheit (ファレンハイ) |
中国語のスペル | 摂爾修斯 (シュアーシウスー) |
華倫海 (フアルンハイ) |
「Celsius(セゥスィアス)」を中国語で書くと「摂爾修斯(シュアーシウスー)」、「Fahrenheit(ファーレンハイ)」を中国語で書くと「華倫海(フアルンハイ)」です。
それらの頭文字を取って「氏」を付け、「摂氏」「華氏」なんですね。
摂氏・華氏の使われている国
日本では摂氏、そしてアメリカでは華氏が使われていますが、ほかの国ではどうなのでしょうか?
じつはほとんどの国では摂氏に統一されています。
完全に華氏のみが使われているのはアメリカぐらいではないでしょうか?
ただし、カナダやヨーロッパなどでは部分的に「華氏」が使われていたりするようですね。
華氏の具体的な例
では、華氏が日常で使われている国であるアメリカに住んでいる私が、具体的な「華氏」の例をいくつか紹介しますね。
気温の「華氏」表示
私は、長くアメリカに住んでいるので、気温については華氏表示にだいぶ慣れてきました。
慣れてきたといっても、わざわざ摂氏に換算するわけではなく、華氏の温度を見て、「寒い」のか「暑い」のか想像がつくようになってきたのです。
もう摂氏とは全く関係のない世界です。
私の住んでいるテキサスでは、夏は摂氏40度を超えます。その40度を華氏表示にすると104度です。
なんだか、見ただけでもすごく暑そうな気がしますね(笑)。
天気予報などで見る「華氏」表現
三桁(100度)になると、暑さが厳しいので、天気予報でも「明日は気温が三桁になりそうです」という表現が使われます。
今年もついに3桁の気温になりました。
— 英語びより公式 (@ipamania) July 22, 2017
3桁と言っても、「華氏」の方ですが(笑)。https://t.co/50ZoCqIGrn pic.twitter.com/yUuxzOrNbj
これは暑さのひとつの基準になっていて、「今年○日目の気温三桁です!」と言ったりもします。
日本での、真夏日や熱帯夜をこう表現するのに似ていますね。
ちなみに日本の夏は蒸し暑く、アメリカの夏は乾燥した暑さです。
オーブンの「華氏」表示
「気温」の華氏表示には慣れましたが、かたやオーブンの温度はいまだに慣れません。
日本のレシピを使って料理をするときには摂氏華氏への換算がややこしいです。
オーブンを使うときには、摂氏と華氏の両方を表示した温度計を見ながら温度設定をしています。
ちなみに、この温度計は、オーブンに入れて使うものです。
さらに言うと、こんな肉を焼くための温度計もあります。
10cmくらいのスティックのような「串」を肉に刺したままオーブンに入れて使います。
そして、こちらは鶏の「thigh(もも肉)」のパッケージ。
真ん中の方にある「赤い部分」にはこう書かれています。
注意書き
安全のため、165度になるまで焼いてね
ちなみに、日本だと「Chicken(鶏肉)」といえばthigh(もも肉)が主流ですが、アメリカでは「breast(むね肉)」が主流です!
ちなみにアメリカのオーブンについてはこちらをどうぞ♪
体温計での「華氏」表示
最後は体温計です。
これが、また平熱だと何度で……といった温度の感覚が全くわかりません。
よく考えると、気温、オーブンの温度、体温と、3つとも温度の域がぜんぜん違うんですね。
なかなか「華氏」に慣れないのも無理はありません。
アメリカで熱があると言われる体温は?
日本の感覚だと、「熱があるな」という温度は、摂氏37度でしょう。
アメリカでは、どうなのかというと、やっぱり摂氏37度にあたる、華氏98.6度なんです。
これを書くにあたり、夫に確認しました。
日本では華氏98.6度を超えると「熱がある」と思うのだけど、アメリカではどう?
アメリカも同じだよ。正常、または正常とされている「平熱」は、華氏98.6度だよ("normal" or normal body temperature is 98.6°F)
正常とされている平熱?? 平熱って一人一人違うんじゃ??
どうやら、「熱がある」という境目は同じ温度だということがわかりました。
「normal body temperature」は「平熱」とは違う
日本では「自分の平熱は◯◯度」のように、各自が認識している温度があります。
たとえば、私の場合は36.7°Cです。
でも、「normal body temperature」という言葉は「発熱(の境目の体温)= 華氏98.6度」のことのようです。
日本語の「平熱」という言葉を、正しく英語で表現するとしたら「my average (body) temperatures(自分の体温の平均)」ですね。
ちなみに、夫が持っている、昔ながらの水銀の体温計を見せてもらうと、やっぱり98.6°F(=37°C)のところに「↑」の印があって、熱があるかないかの基準になっていることがわかります。
あと、こちらに来てビックリしたのですが、赤ちゃんの体温を測るときにお尻で測ります。
特に生後3か月までは病院の先生におしりで測るように言われます。牛や馬じゃあるまいし……と、私は思いました(笑)。
まとめ
いかがでしたか? 華氏表示のことも書きつつ、こちらでの生活のことを中心に書きました。
温度の表示の違いだけではなく、測り方にも違いがあるなんて、びっくりでした。
つい、自分の国のことを基準にしてしまいますが、いろんな国のことを調べてみると、もしかしたら、おしりで測るのが主流なのかもしれません。
文化の違いって、おもしろいですね。