「英語を勉強するぞ」の前に「なぜ英語を勉強したいのか?」を明確にしよう

はつ

執筆者

Google認定教師/Microsoft Innovative Educator。1999年に脱サラしオーストラリアに移住。メルボルンの公立中高一貫校で日本語教師。University of Technology Sydney(シドニー工科大学)卒業、Graduate Diploma(準修士) 取得。→ はつ についてはこちら

私の住むオーストラリアへは、ワーキングホリデービザ(ワーホリ)を利用し、毎年多くの日本人がやってきます。

その人たちから相談を受けることも多く、なかでも多いのが「どうやって英語を勉強したらいいですか?」という質問。

でも「どうやって勉強をするか?」の前に考えてほしいことがあります。

それが「なぜ英語の勉強をしたいのか?」です。

英語を勉強する目的が不明瞭だと、英語の勉強に挫折する確率が上がるため、これは非常に大切なのです。

本記事では、目的が大切であることと、英語を勉強する前に考えるべき「Why - How - What」の考え方についてお話しします。

英語を勉強する目的とは?

英語を勉強して成果を上げるには、勉強する目的が大切です。

でもその話の前に、まずは英語を勉強する目的とは具体的にどういうものかについてお話ししましょう。

「英語を勉強する目的」の例

たとえば、英語を勉強する目的には次のようなものがあります。

英語を勉強する目的の例

  • 大学入試で有利になるために英検2級を取得したい
  • オーストラリア旅行が好きなので現地で困らないようにしたい
  • 学校にいるイケメン留学生と仲良くなりたい
  • 洋楽が好きでネイティブのような発音で歌えるようになりたい
  • 海外の最先端の情報を読めるようになりたい
  • 留学するので必要な英語力をつけたい

この中に「そうそう、これ!」と共感できるものはありましたか?

逆にこれを見て「自分にはこんなに具体的な目的はない」と思いましたか?

「英語がペラペラになりたい」は目的にならない

おそらく多くの人は「英語がペラペラになりたい」や「英語ができるようになりたい」という目的をもっています。

でも、ペラペラになったあとはどうしたいのでしょうか?

もし、ないとすれば「英語を勉強すること」が目的になっている可能性が高いです。

本来は「英語の勉強」は手段であり、なにか目的のために英語というコミュニケーションツール(道具)なのです。

英語がペラペラになったあとにやりたいこと」が目的になります。

ただし「英語の勉強」自体が好きな人は「英語を勉強すること」が目的でOKですよ。

「英語を勉強する目的」が重要である理由は?

英語を勉強する目的というのは、思っていたより「明確」であることが伝わったと思います。

では、なぜ英語の勉強方法を知るために「目的」が重要なのでしょうか?

3つあるので順番に紹介しますね。

目的があれば継続できるから

勉強の目的を決めることが大切である最初の理由が「継続」です。

明確な目的があればがんばれます

逆に、目的が不鮮明だと途中で挫折しやすいことは想像できるのではないでしょうか? なぜなら英語の勉強は大変だから

単語を覚えたり、リスニングをしたり、スクールに通ったり……。かなり時間もかかりますし、やることも多いでしょう。

これを読んでいる人が全員、英語の勉強を楽しんでやれる人ばかりではないはず。

でも、今やっている英語の勉強が将来の目標のために役に立つと思っていればどうでしょうか?

苦しくてもがんばれる確率は上がるはずですよね。

英語を学ぶ目的があれば、勉強を継続させるモチベーションになるのです。

スケジュールが立てられるから

勉強の目的が重要である2つ目の理由はスケジュールが立てられることです。

英語を勉強する目的が明確なら「ゴールまでの期間」がわかるため、効果的なスケジュールが立てられます。

たとえば「1年後に留学する」という目的なら、英語を勉強できる期間は1年ですよね。

期間がわかれば、できることや達成できる英語レベルもある程度決まるため、効率的な学習計画が立てられるのです。

目的によって必要な英語が変わってくるから

英語を勉強する目的が大切であるという3つ目の理由は、目的によって必要な英語が違うことです。

前項でお見せした例をもう一度見てみましょう。

英語を勉強する目的の例

  • 大学入試で有利になるために英検2級を取得したい
  • オーストラリア旅行が好きなので現地で困らないようにしたい
  • 学校にいるイケメン留学生と仲良くなりたい
  • 洋楽が好きでネイティブのような発音で歌えるようになりたい
  • 海外の最先端の情報を読めるようになりたい
  • 留学するので必要な英語力をつけたい

たとえば、大学入試のために英検2級を取りたい人なら、単語力中心で、日常会話に慣れる必要はありません。

逆にネイティブとコミュニケーションを取りたい人は、文法よりも会話力のほうが大切です。

この2人に同じ勉強法が当てはまるはずがありませんよね。

つまり、目的が明確でなければ効果的な英語の勉強方法は決められないということになります。

「目的」に合った英語の勉強方法を見つける手順

英語の勉強には目的が大切だというお話をしてきました。目的の大切さはわかっていただけましたか?

今度はさらに発展させ、「目的」に合った英語の勉強方法を見つける具体的な手順について紹介します。

まとめると次のようになりますよ。

目的に合う勉強方法を見つける手順

  1. なぜ英語が話せるようになりたいのか?
    「なぜ英語を勉強したいのか?」を明確にする
  2. どのような勉強方法で英語が話せるようにするのか?
    どんな勉強方法をするかを決める
  3. 具体的に何をして英語が話せるようになるのか?
    具体的に毎日やることを決める

それぞれ、個別に検証していきましょう。

【Why】「なぜ英語を勉強したいのか?」を明確にする

まず自分の胸に手を当てて考えてみてください。

なぜ英語が勉強したいと思うようになったのですか?

英語を勉強したい理由は?

  • 受験や仕事のため?
  • コミュニケーションのため?
  • 将来、夢の仕事に就くため?

ここでのポイントは、理由によって達成したい英語のレベルが違ってくること。

たとえば、バリスタなどの仕事で必要な語彙と日常生活で必要な語彙の種類は方向性が異なっていますよね。

まずは「なぜ英語を勉強したいのか?」をつきとめましょう。

【How】どんな勉強方法をするかを決める

「Why(なぜ勉強するのか?)」が定まったらお次は「How」です

どのような手段で英語力を目的のレベルにしたいのかを考えましょう。

一昔前なら英語の学習方法は限定されていましたが、今なら数え切れないほどの種類と方法が考えられます。

書籍やリスニング教材はもちろん、Youtubeやオンライン英会話、フィリピン留学も人気です。

【What】具体的に毎日やることを決める

そして「How」で学習する方法を決めたのなら、それを達成するために何(What)をしなければいけないのかを考えて行動に移します。

特に自分に必要なのは、単語を覚えてボキャブラリーの数を増やすことなのか、 発音のスキルをアップすることなのか?

もしくは、英語話者を前にしてコミュニケーションスキルを磨くことなのかなど多様です。

課題を具体的に落とし込んで考えることが必要ですね。

サイモン式「Why – How – What」の考え方について

前項で紹介した「Why – How – What」は、わたしが編み出したものではありません。

これは講演家で本の著者でもあるサイモン・シネック氏の言葉です。

こちらの動画はTEDトーク(講演会)のもの。

この動画のなかでサイモン氏が熱弁をふるっているのが「Why – How – What」の順に考えようというものです。

「Why – How – What」の順に考えるとは?

ものごとを考える際には「Why – How – What」の順番で考えるべきということですが、どういう意味でしょうか?

わかりやすいように、オーストラリアに来たいと思っている人の例を見てみましょう。

Why
(どうして?)
オーストラリアのカフェ文化をくんだカフェを日本で開きたいから
How
(どうやって?)
メルボルンに行ってカフェのバリスタになる(体験から学ぶ)
What
(なにをする?)
現地で働かせてもらうために、メルボルンのバリスタ養成学校に通う
【正解】Why – How – What の順番

オーストラリアに来る目的が「オーストラリアのカフェの文化をくんだカフェを日本でオープンしたい」という目的なら、上のようになります。

これは正しい順番で考えている例です。ところが、多くの人はこの真逆で考えてしまう傾向があります。

多くの人がやってしまう「間違った考え方」

オーストラリアにワーホリで来る人のうち多くがやってしまう考え方はこちらになります。

Why
(どうして?)
英語がペラペラになる
How
(どうやって?)
ワーキングホリデービザを取得してオーストラリアに行く
What
(なにをする?)
将来、仕事で有利になるから
【間違い】Why – How – What の順番

コレの何が問題かといいますと、「ゴール」も「折り返し地点」も具体性がないということですね。

「英語がペラペラになりたい」というのは一見、目的に見えますが、目的ではなく、「What(なにをする?)」にあたります。

オーストラリアに行って英語を話せるようになった先にある、「英語を習得したあと」が見えないのです。

もし、マラソンや登山で途中経過や折り返し地点がわかっていないとどうでしょうか?

ゴールまでの目処が立たないので、途中で挫折しそうになります。

ちゃんとゴールがわかっていると、道中につらいことが多くてもがんばれますよね。

ここでもう一度、サイモン氏の提唱する「Why – How – What」の順番を見てみます。

Why
(どうして?)
オーストラリアのカフェ文化をくんだカフェを日本で開きたいから
How
(どうやって?)
メルボルンに行ってカフェのバリスタになる(体験から学ぶ)
What
(なにをする?)
現地で働かせてもらうために、メルボルンのバリスタ養成学校に通う
【正解】Why – How – What の順番

「日本でカフェを開く(ゴール)」と「メルボルンでバリスタになる(折り返し地点)」が明確なため、何をしていけばいいのかが確信できます。

そうなると、手段としての英語の勉強もがんばれるということになります。

つまり、自分の「内なるモチベーション」を確固たるものにするために「Why」を突き詰めていくことが大切です。

新たな挑戦をするうえで、失敗や挫折がともないますが、しっかりとした「why」があれば自分を支えてくれるでしょう。

「Why」がある人は応援される

そして、「なぜ」がある人には「ストーリー」があります

これが、ワーホリで海外に行くときには重要になってきます。なぜなら、「ストーリーがある人」には応援してくれる人が集まるからです。

その人のもつストーリーに人は惹かれ、協力したくなるものです。

人はひとりでは生きていけません。海外ではとくにです。

魅力的なストーリーでたくさんの人に協力してもらい、夢を実現しましょう。

まとめ

今回は英語をどうやって勉強したら良いかの「はつ的アドバイス」でした。

まずは英語の勉強を始める前に、「なんのために英語を勉強するのか?」をガッチリとおさえてください。

英語が学習は「一夜にしてならず」。

つまりはコツコツと進めてゆく長期戦です。長期戦であればこそ、目標をしっかりともって進みたいものですね。

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はつ
人生の半分をオーストラリアで過ごした経験からネイティブレベルで英語を操る。現在はメルボルンで言語の専門家である日本語教師として生計を立てる。2013年に世界から「グーグル認定教師」として50名のひとりに選出された教育のプロ。>>はつ について詳しくはこちら
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