英語の勉強をしていると最近耳にする学習方法に「カランメソッド」という言葉があります。
「カラン」という音声の響きがおもしろいですが、これはどんな勉強方法でしょうか?
今回は、オンライン英会話で話題の「カランメソッド」について、どんな英語学習法なのかについてまとめました。
カランメソッドはどんな学習方法?
では、さっそくですが「カランメソッド」とはどんな学習方法なのでしょうか?
おそらく、動画を見たほうがはやいと思います。こちらをどうぞ。
では、カランメソッドの特徴を1つ1つくわしく紹介しましょう。
基本的には先生の言ったことをリピートする
基本的には先生が言ったことをリピートすることで会話の練習をします。
スピードはこちらの英語レベルに関係なくナチュラルスピードです。
同じ文が2回繰り返される
先生の言葉は常に連続で2回繰り返されます。
テンポよくポンポンと進んでいきますよ。
レッスン中はテキストは見ない
カランメソッドは、レッスン中はテキストは見ないという前提です。
聞く練習と話す練習に特化していると言えますね。
ほんならテキストいらんのちゃう?
……とちょっと思いましたが、復習に必要だと思います。聞いて話すだけだと、あと何にも残らないので。
ついでに言うと、矢継ぎ早に質問が来るので、メモをする暇もありません。
常に話し続ける
こっちが答えるのに詰まっても関係なく、どんどん会話(練習)は進んでいきます。
わからないところは飛ばして次に進むスタイルですね。
ほんとうに「常に話し続けている」ような感覚です。
スピーディーで、最初にやるころはレッスンが終わるとヘトヘトになるでしょう。
回答は決められている
「イエス・ノー」で自分の意志を伝えるのが目的ではなく、話す練習をするのが目的です。
そのため、先生が質問を出して、その答え(イエス・ノーなど)は先生が指示します。
「ノー」と言ったら、先生の言った文を否定文にするような感じですね。
「フルセンテンス」で答える
カランメソッドでは、「フルセンテンス」で答えることもルールとして決められています。
(ペンのイラストを指差して)Is this a pen? Is this a pen?
Yes, it is.
と答えようものなら、即座に突っ込まれます。
カランメソッドでの正しい回答は……
Yes, it is it’s a pen.
というふうに、省略せずに言わなければなりません。
自然なコミュニケーションではありませんが、初級者が文法を理解する上では有効でしょう。
そもそも、このやりとり自体がコミュニケーションとしては不自然(ペンだとわかっているのに質問している)ですからね(笑)。
完全に英語を習得することに特化しているので、目をつぶりましょう。
短縮形を使う
そして、文はフルセンテンスで答えるのですが、文の中では短縮形(短い形)を使うことになっています!
(短い鉛筆のイラストを指差して)Is the pencil short? Is the pencil short?
Yes, the pencil is short.
と答えると、突っ込まれるわけです。
Yes, the pencil is pencil's short.
つまり、「the pencil is」を短くして、「the pencil’s」にしないといけないのですね。
これはネイティブスピーカーの会話で短縮形が多用されるため、最初から聞き取れるようになれるのが目的です。
先生がすぐに答えを訂正してくれる
カランメソッドはあくまで話す練習であるため、話した内容に文法の間違いがあれば即座に正されます。
じつはこれ、正しい文法を身につけるには重要です。
なぜなら、ふつうに会話をしているだけでは文法が間違っていても通じることが多く、だれも指摘してくれません。
そのため、「直されない=間違っていない」と勘違いして覚えてしまいますから!
カランメソッドの公式認定校について
カランメソッドの公式サイトによると、世界中で人気があるとのことです。
公式サイトを調べた限りでは、提携校(公式認定校)はこちらの数でした。
国の数 | 31か国 |
---|---|
学校数 | 265校 |
そして、265校中、だいたい半数の112校がブラジルに集中しています。
日本にあるカランメソッド公式認定校こちらの6校(2020年5月現在)です。
日本のカランメソッド認定校
- スリーアールイングリッシュ(神奈川県横浜市)
- α-ECO(愛知県犬山市)
- ジオスオンライン(オンライン英会話)
- いちむら英会話スクール(新潟県長岡市)
- ネイティブキャンプ(オンライン英会話)
- QQ English(オンライン英会話)
ちなみにQQ Englishはフィリピンのセブ校、ラプ=ラプ校でも登録がありました。
カランメソッドを受けてみた感想
では実際にカランメソッドを受けてみると、どのような感じでしょうか?
わたしはオンライン英会話の「ネイティブキャンプ」でカランメソッドを試してみました。
カランメソッドの授業の内容はこちらのような感じでした。
たとえば、ボールペンか何かを指差して……
これは何ですか?
ボールペンです……(見たらわかるやん!)
サトさんが今着ているTシャツ、私のですか?
いいえ、これは私のです……(そらそうやろ!)
このようなQAの繰り返しでした。
先生もわたしもすでにわかっていることについて質問され、わかりきった答えを返す。
あくまで個人的な感想になりますが、練習のためにコミュニケーションするというのは合いませんでした。
ただし、口の筋肉は間違いなく鍛えられるため、英語初級者にとってはたしかに効果がありそうです。
初心者に「とにかく英語を口に出すことが大切!」と伝えても「どう言っていいのかわからない」からです。
カランメソッドは考えなくても答えられるように口を動かして練習するため、スピーキングのスキルは鍛えられるでしょう。
カランメソッドのメリット・デメリット
ではカランメソッドのメリットとデメリットをまとめます。
カランメソッドのメリット
実際にカランメソッドを受けてみて感じたメリットはこちらです。
まず、カランメソッドのメリットをまとめてみます。
カランメソッドのメリット
- たくさん話すことができる
- スピード感があるので場数が踏める
- 反射神経を鍛えられる
たくさん話すことができる
特筆すべきはスピーディーなやりとりで時間いっぱい話すので、口の筋肉が鍛えられることです。
言語を話すときにうまく口が動かないのは、「その言語で使う筋肉が発達していない」ことが原因です。
そういう意味では英語の初心者には向いています。
たとえるなら、カランメソッドは「筋トレ」です。
筋トレ自体は走ったり、跳んだりといったパフォーマンスを高めるためのもので、最終目的ではないですよね(スポーツテストや、ボディービルディングは除きますが)。
最初は大変でも、慣れてきて「成長できた!」と実感できると、筋トレ自体が楽しめるようになってきます。
スピード感があるので場数が踏める
そして、スピード感があるので場数が踏めるというメリット。
レッスン時間は「考えるために話していない時間」も貴重な時間を奪います。
「筋トレ」という認識なら、考えるために沈黙している時間を使うよりも口を動かしたほうが効率がいいですよね。
反射神経を鍛えられる
そして、反射神経を鍛えられるというメリットでです。
ぶっちゃけですが、言語を使いこなすというのは反射神経も重要です。
なぜなら「こう言われたらこう言う」というルールがある程度決まっているから。
ある意味カランメソッドは、英語で話しかけられて「頭の中で日本語に訳す」という時間を減らす練習と言えるかもしれません。
カランメソッドのデメリット
お次はカランメソッドのデメリットですが、1つだけです。
ずばり、生きたコミュニケーションではないことです。
あくまで練習のためのコミュニケーションであって、先ほども言った「筋トレ」と同じです。
以前、日本語の授業の進め方について研修を受けたとき、こんなふうに学びました。
コミュニケーションが成り立つには、自分と相手の間に情報の差が必要である。
つまり、このカランメソッドには「情報の格差」が欠けているため、コミュニケーションではなくなっています。
英会話教師とのコミュニケーションを楽しむことが目的の人はカランメソッドは向いていないということが言えます。
あくまで、英語の「話す力」を強引でもいいから短期間で向上させたい人に向いているでしょう。
まとめ
さて、今回紹介した「カランメソッド」ですが、やってみないと合うかどうかわかりません。
オンライン英会話で無料体験することを、心からおすすめします。
QQ Englishが有名なのでぜひやってみてください。なんてったって無料ですからね!
ネイティブキャンプでは4,950円/月 + オプション200円/回で受けられます。
いずれもオンラインのマンツーマンレッスンですよ!