TOEFLのスコアで日本人がインドネシア人に負けた3つの理由

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サト

こんにちは、インドネシア在住日本語教師のサトです。

今回は手始めに、インドネシアTOEFL iBTの2015年のスコアを調査してみました。すると、日本はインドネシアに完敗だったことがわかりました。

「TOEFL iBT」で日本人はインドネシア人に完敗

TOEFL iBTという英語の能力を測定するテストがあります。

TOEFL iBTのスコアは、4技能(読む、書く、話す、聞く)それぞれ30点満点の合計120点満点です。

日本人とインドネシア人のスコアを比較すると以下のようになります。

日本人とインドネシア人のTOEFL iBTのスコア
- 日本人 インドネシア人
読む 18/30 21/30
書く 17/30 21/30
話す 17/30 21/30
聞く 18/30 22/30
合計 71/120 84/120

全技能で負けていますね……。

ささやかな抵抗で、「優」「良」などのレベルに直すと、「話す」以外は同じレベルに。

しかし、「話す」はインドネシア人が「良」なのに対し、日本人は「限定的」となってしまいます

ちなみに資料はこちらより、PDF形式でダウンロードできます

この資料を見ていると、英語母語話者とマレーシア母語話者の合計点の差が4点しかないなど、いろいろ分かって興味深いです。

インドネシア人が日本人よりTOEFLの得点が高い3つの理由

さて、日本人はインドネシア人にTOEFL iBTスコアで完敗なわけですが、理由を考えてみました。サザエさん風に3本立てでお送りします。

英語とインドネシア語の共通点が多い

インドネシア語は英語との共通点が多く見受けられます。これが得点の差に繋がっていると予想されます。

では、その特徴を4つ書きますね。

1文字:英語と全く同じ

まずは文字表記の特徴。英語もインドネシア語もアルファベットを使います

例えば、「Saya makan mangga」(意味は後ほど)。完全にアルファベットのみの表記です。

日本にも英語のアルファベットはあふれているものの、インドネシアでは例えば看板や標識が基本すべてABC。

インドネシアで撮った看板の写真
インドネシアで撮った看板の写真
メニューももちろんアルファベット表記
メニューももちろんアルファベット表記

メニューがアルファベットだらけというのは日本人には発狂しそうなものですが、インドネシア人には抵抗がないです。

「丸亀製麺」もアルファベット表記
「丸亀製麺」もアルファベット表記

英語のアルファベットに対する抵抗は皆無と言えます。

華人向けの店は漢字を使っていたり、日本から進出している店は漢字やひらがなやカタカナを使っていたりするケースもありますが、例外扱いします……。

2語順:SVOあり

そしてお次は「語順」の問題。日本語の語順は「S(主語)O(目的語)V(動詞)」です。

対して、インドネシア語では、先ほどの「Saya makan mangga(私はマンゴーを食べます)」で言うと……

  • saya = 私(S)
  • makan = 食べる(V)
  • mangga = マンゴー(O)

「Budi membaca majalah(Budiは雑誌を読みます)」だと……

  • Budi = ※人名(S)
  • membaca = 読む(V)
  • majalah = 雑誌(O)

2つとも英語と同じ語順のSVOです。

インドネシア語の語順はこれだけではないものの、SVOがあるということが重要です。

英語のSVOの語順を見ても、「なんじゃこりゃ!」とならず、自然に受け入れられますから。

3語彙:英語に似ているもの多数

ざっと思いつくだけでも……

  • Januari
  • Februari
  • apel
  • psikologi
  • globalisasi
  • sensasi

などなど。これらの意味は何だと思いますか?

答えは英語とくらべてみましょう。

インドネシア語と英語のつづりの比較
Januari January(1月)
Februari February(2月)
apel apple(リンゴ)
psikologi psychology(心理学)
globalisasi globalization(グローバリゼーション・グローバル化)
sensasi sensation(センセーション・感覚)

「Januari」「Februari」を始めとする月の名前は英語とほぼ同じだし、「apel」は「apple」、「psikologi」は「psychology」。

「globalisasi」や「sensasi」の「-sasi」は「-zation」または「-sation」に置き換えると英語になるというおまけ付きです。

サト

日本語でも英語から来たものは「カタカナ」で書きますが、インドネシア語だと同じアルファベット。この差は大きいですね。

こちらは「discount(割引する)」のインドネシア語「diskon」の例。

「discount」はインドネシア語で「diskon」
「discount」はインドネシア語で「diskon」→ 似ている

こちらは大学の名前。

大学名は英語のように見えるがインドネシア語です
大学名は英語のように見えるがインドネシア語です

こんな感じでそっくりですねー。

  • Departemen → Department
  • Nasional → National
  • Universitas → University

4発音:「l」「t」「p」など子音で終わる言葉多数

発音も、先ほどの「apel」などのように子音で終わる言葉が多数あり、インドネシア人の方が英語を発音する際にも有利と言えます。

例えば、ドラえもんでおなじみの「ジャイアン」は、インドネシア語版では「Giant」になっています(「t(子音)」で終わっている)。

ちなみにインドネシア語でこれを発音するときは語末の「 t 」を発音する準備だけして「ジャイアン(ト)」と発音します。

子音で終わる単語がいっぱい!の例
子音で終わる単語がいっぱい!の例

例をもう一つ挙げます。「stop」をインドネシア語風に発音すると、「ストッ(プ)」と、唇を閉じた状態でまさに寸止めします。

日本語だと「ストップ」と「プ」まではっきり発音してしまいますよね。

サト

「プ」と「寸止め」で思い出しましたが、昔、お腹からガスが出る前に「チューリッ」とか、野球チームの「広島カー」と口では寸止めして、あとは任せた、的な遊びをしていたなあ。自己弁護ですが、始めたのは兄です。

子音で終わる言葉が多数あることが、なぜ英語を発音する際に有利に働くかはこちらの記事を読めばわかりやすくなると思います。興味のある方はぜひ。

小学校からの英語教育が普通

インドネシアの教育制度は日本と同じ6・3・3制です。

1994年に都市部限定で小学校での英語教育がスタート。日本で(これまた試験的に)始まったのは2008年なので、インドネシアに一日の長があると言えます。

2013年のカリキュラム改定により、インドネシアでも英語は必修科目ではなくなりましたが、今TOEFLを受けている年齢層の人々は幼い頃から英語に慣れ親しんでいるはず。

ちなみに今も英語は選択科目としては残っているそうで、いきなりゼロにはならないだろうと思います。

実際に小学生のお子さんがいる同僚(2名ですが)に尋ねてみたところ、週に1~2回は英語の授業があるとのことでした。

サト

余談ですが、タラちゃんは永遠に小学生になりそうにないので、フグタ家がインドネシアに移住したとしても、英語の授業は永遠に受けられないものと思われます。

TOEFLを受けられる人=富裕層

きれいに五・七・五の見出しタイトルになりました。全部五・七・五にしようかと思いましたが、できる範囲にとどめておきます。

それはさておき。TOEFL iBTの受験料は、日本が230ドルなのに対し、インドネシアでは190ドル

私が住んでいる町の最低賃金が190ドル弱/月(240万ルピア)なので、インドネシアではいかに受験料が高いかがおわかりになるかと。

つまり、受験できるのは一握りの富裕層 = 教育にお金をかけられる層であると思われます。

お金をかけていい教育を受けていればいいスコアが出る、と考えるのは短絡的かもしれませんが、全く関係がないとは言えないはずです。

日本の230ドルもホイホイ出せる金額ではなく、コンビニで弁当だけ買うつもりだったのに、アイスが猛アピールしてきてつい買ってしまった、というような展開には絶対ならないと思いますが(笑)。

インドネシア語は英語と共通点が多い上、小学校から勉強するのが当然。また富裕層が受けているとなると、日本人よりいいスコアが出るのもうなずけます

ちなみに私の勤め先の大学では、TOEFLで所定のスコアをマークすることが卒業要件になっていて、学内でもTOEFLが実施されているようです。

ただ、とある学生が、オフィシャルのTOEFLではない、と教えてくれました。昔の文字通りのペーパーテストをコピーして使っているのでしょうか。

そもそも、それは本当にTOEFL なのでしょうか……。今度調べてみます。何だったら受けてみようかなあ。

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ABOUTこの記事をかいた人

サト

学生時代にインドネシア語を専攻、留学も経験。また、受験英語好きが高じ、かつてはTOEICで955点をマーク。しかし、近年は日本語教師としてインドネシアにおり、英語を話そうとするとインドネシア語が出てくる始末。そんな自分のことは棚に上げて、地の利を活かし、主にインドネシアで使われている英語を題材として取り上げていきます。