インドネシア人の話す英語の特徴とは?「Indolish」の3つの特徴

サト

執筆者

TOEIC980点。ELSA認定アンバサダー。インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。話せる言語は英語のほかにインドネシア語、中国語。→ サトについてはこちら

インドネシア在住の私は、普段はインドネシア語だけで生活しています。

まれに英語を使うこともありますが、インドネシア人が話す英語の発音には特徴があるのです。

今回は、そんなインドネシア人的英語「Indolish」の特徴を3つご紹介します。

インドネシア人の話す英語の特徴

それではインドネシアの英語の発音の中でも特に顕著な特徴を3つ紹介します。

インドネシア人に伝わりやすい英語の発音3つ
インドネシア人に伝わりやすい英語の発音3つ

以下、便宜上、インドネシア人的英語を「Indolish」として話を進めます。

[ v ]は[ f ]で発音する

インドネシア人の話す英語の特徴の1つ目は、[ v ]の発音[ f ]の発音になることです。

例を挙げるとこういう単語です。

[ v ]の付く単語の例

  • video
  • novel
  • active

これを、Indolishの発音をカタカナで書くと次のようになります。

発音の変化

  • video …… ビディオフィディオ
  • novel …… ノベルフェ
  • active …… アクティブアクティ

このように、[ v ]の発音が[ f ]の発音に変化するのです。

[ f ]の発音方法はこのイラストをご参照ください。

英語のFの発音
[ f ]の発音

実は、[ v ]も[ f ]も、口の中の構えは同じです。

[ v ]の発音
[ v ]の発音

違いは声帯振動(のどの震え)があるかないかだけです。

こちらの英語の清音・濁音という記事も参考になりますよ。

[ θ ]は[ t ]で発音する

インドネシア人の話す英語の特徴2つ目は、[ θ ](TH の発音)[ t ]の発音で発音すること。

例を挙げると、こちらです。

[ θ ]のつく単語例

  • think
  • three
  • marathon

この[ θ ]の発音がIndolishになると[ t ]の発音になります。

[ θ ]が[ t ]に

  • think …… ティンク
  • three …… トゥ
  • marathon …… マラ

[ θ ]は舌を上下の前歯の間に舌の先を入れて発音するのですが、日本語のように、インドネシア語にも同じ発音がないのです。

ちなみに、携帯のオペレーターで「3」という会社がありますが、ここのアドレスは「tri.co.id」です。

「tri.co.id」のサイト
「tri.co.id」のサイト

「3」はインドネシア語で「tiga」。「tri」も「3」を意味しますが、単独では使われないことになっています。

使うとすれば、「triatlon」(トライアスロンのインドネシア語)などですね。

さらに余談ですが、携帯のSIMカードなんかを売っている店の前に、「TREE 1GB」と書いてある看板を発見!

「TREE 1GB」と書かれた看板
「TREE 1GB」と書かれた看板

「樹木1GB」ってどんなインターネットプランなのかとおもわれそうですが、これは「three」→「tri」→「tree」になったものと思われます。

なお、語末の[ θ ]も[ t ]になるのですが、これは「寸止め」になります。

舌は[ t ]を発音する位置に持って行きますが、その舌を離さずに発音。

たとえば、「breath」や「death」だと次のように発音します。

「寸止め」の例

  • breath …… ブレッ(ト)
  • death …… デッ(ト)

ちなみに、語末の[ t ]の発音が消失するのは、アメリカ英語も同じです。

[ æ ]は[ e ]の発音になる

最後に紹介するのは母音の例です。

[ a ]と[ e ]を足したような見た目の[ æ ]の発音がIndolishでは[ e ]の発音に変化します。

たとえば「bank」「happy」「land」の「 a 」の発音が[ æ ]です。

  • bank …… ンク
  • happy …… ッピー
  • land …… ンド

カタカナに直すと、ア段(アカサタナ……)になりますね。

これがIndolishでは「エ段(エケセテネ……)」になるのです。

  • bank …… ン(ク)
  • happy ……
  • land …… ン(ド)

またしても携帯ネタですが、昔、携帯のオペレーターで「hepi」という会社もありました。

昔あった携帯のオペレーター会社「hepi」
昔あった携帯のオペレーター会社「hepi」

これは「happy」がインドネシア風になったものでしょう。

ちなみに「ベン(ク)」「レン(ド)」と、語末に( )で表記したのは、閉音節だからです。説明は省きますが、気になる方は閉音節と開音節についてをどうぞ!

まとめ

以上、日本人からしたら笑ってしまう発音もあったかもしれませんが、インドネシア人の学生に英語のカタカナ表記(日本語)を説明するとだいたい笑われます。

それは、純粋にことばの違いに対して「おもしろい!」と、楽しんでいるような笑いです。

インドネシア人にとっても、日本人にとっても、英語は母語ではありません。

発音すると母語にある音に近くなってしまうのはお互いさま。

単純に言語的に「わかりあえる」ということも大切ですが、この「お互い苦労するよね」というところも「わかりあえる」と、Indolish話者と素敵な関係を築けるかもしれません。

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サト
インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。独学でTOEIC980点をマークした秘密が受験英語が好きだったという特異体質。オンライン英会話や電子書籍を試すことにハマっている。>>サトについて詳しくはこちら
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