今ではインターネットを使って、無料で英語にふれることができる時代です。
でも「インターネットを使えばもっと効率よく英語を学べるのでは?」と思っていても、その方法がわからないですよね。
この記事では、そんな人にオススメしたい書籍『もう学校も先生もいらない!? SNSで外国語をマスターする《冒険家メソッド》』をご紹介します。
著者の村上吉文 氏について
では、『もう学校も先生もいらない!? SNSで外国語をマスターする《冒険家メソッド》』の著者の村上吉文氏をご紹介しましょう。
村上氏は、日本語教育に長年携わっていらっしゃいまして、現在、日本語教育コンサルタントとしてご活躍中です。
今までに住んだことのある国は、次の通り。
村上氏が住んだことのある国
これだけ多くの国々に住んでいらっしゃったので、ご自身も外国語学習の経験があります。
そのご経験や、学校に通わずに日本語をマスターした学習者たちへのインタビューなどを通して「冒険家メソッド」を提唱されています。
本書のタイトルにも入っている学習方法ですね。
このメソッドは、日本語だけでなく、あらゆる外国語に対応しています。
ちなみに村上氏は、オンラインでの勉強会やイベントも頻繁に開催されていて、わたしも何度もお世話になっています。
「いつもお世話になっています」ということばが社交辞令にならないレベルです。
あと「冒険家」という肩書き(?)もあるのですが、オンラインでお会いするときは、だいたいいつも冒険家っぽい帽子をかぶっていらっしゃいます。
では、「冒険家メソッド」とは、どんな学習方法なのでしょうか。
「冒険家メソッド」とは?
本書のタイトルにある「冒険家メソッド」という言葉、気になりますよね。
書籍のカバーにも「冒険」を表現した楽しそうなイラストがあります。
では、「冒険家メソッド」はいったいどんなものでしょうか?
本書では、「冒険家メソッド」について、次のような説明があります(太字はサトによる)。
この本では、外国語を学ぶことを例にとって、冒険家がパートナーと共に次々と危機をくぐり抜けるように、ソーシャルメディアを味方につけて、「世界のどこにもないカリキュラムを自分で主体的に立てて、失敗するリスクも取りながら学習する方法」をご紹介しています。
村上 吉文 著『SNSで外国語をマスターする《冒険家メソッド》 もう学校も先生もいらない!?』(2018年 ココ出版)
なんか画期的なにおいがしますよね。
「冒険家メソッド」について具体的に、次の3点に分けてご説明しますね。
冒険家メソッドとは?
- ソーシャルメディアを味方につける
- 世界のどこにもないカリキュラムを主体的に立てる
- 失敗するリスクを取る
ソーシャルメディアを味方につける
まず「冒険家メソッド」というのは、「ソーシャルメディアを味方につける」ということ。
FacebookなどのSNSをうまく活用するという意味ですね。
世界一の先生が見つかる?!
SNSを活用するメリットは何でしょうか?
いろいろあるなかで個人的に重要だと思うのは同じ趣味の人を見つけやすいという点です。
たとえば、自分と同じ趣味を持つ英語のネイティブスピーカーも見つけやすいわけです。
なぜ同じ趣味の人を見つける必要があるかと言うと、もしかするとその人が世界でいちばんいい「先生」になってくれるかもしれないからです。
通常の学校で自分にもっとも適した先生に出会うのはムリ
村上氏は逆に「教室での学習」について、次のようにおっしゃっています。
世界で一番あなたに適した先生から教えてもらえる確率は限りなくゼロに近い のです。
村上 吉文 著『SNSで外国語をマスターする《冒険家メソッド》 もう学校も先生もいらない!?』(2018年 ココ出版)
これはなぜかというと、教室での学習には時間と場所の制約があるからです。
その点、SNSなら時間や場所に縛られることなく趣味の合う人とコミュニケーションを取ることができます。
SNSでのコミュニケーションは最高の学習の場
そして、そのコミュニケーションを通じて、外国語を学ぶことだってできるわけです。
SNSを使った外国語学習では、次のステップを踏みます。
ソーシャルメディアを使った語学学習の世界では、「まず使ってみて、役に立ったら練習して覚える」というのが一般的な順番になるのです。
村上 吉文 著『SNSで外国語をマスターする《冒険家メソッド》 もう学校も先生もいらない!?』(2018年 ココ出版)
SNSは「生のコミュニケーション」です。
その体験を通して「実際にコミュニケーションが取れた」と感じ、実践のなかで学んでいくんですね。
ちなみに、SNSで「同じ趣味の人」を見つけるには、まずはコミュニティを見つけて、少しずつ距離を縮めていくようにします。
詳しくは本書を読んでください! かなり使える方法で、わたしの生徒にもそのまま教えています。
技能別・レベル別の学習方法も紹介されている
本書では、技能(聞く・話す・読む・書く)別、レベル別にSNSを活用したさまざまな学習方法が提案されています。
たとえば、「読む」については、次の通り。下に行けば行くほどレベルが上がっていきます。
学習方法の例(読む)
- Instagramのキャプションを読む
- Twitterで短い文を読む
- ソーシャルブックマークを利用する
まずは画像の力を借りて読み、次は画像無しで短い分を読み、……というふうにレベルアップしていくわけですね。
もちろん、どのレベルでも自分の興味に合ったものを読むことになります。
ちなみに「ソーシャルブックマーク(SBM)」については、以下のような説明があります。
SBMというのは、ブックマーク(たとえばインターネット・エクスプローラーの「お気に入り」のようなもの)を自分のパソコンの中ではなく、インターネット上に保存して、みんなで共有するサービスです。みんなが「お気に入り」に入れているウェブページにはそれなりに理由があるでしょうから、注目すべきウェブページが可視化されるのです。
村上 吉文 著『SNSで外国語をマスターする《冒険家メソッド》 もう学校も先生もいらない!?』(2018年 ココ出版)
「SBM」は各国にあるそうです(日本では「はてなブックマーク」が有名です)。
なので、たとえば英語圏のSBMに自分の興味などを登録しておけば、それに合った英語の記事、しかも注目度の高い記事を自動的に紹介してくれるわけですね。
世界のどこにもないカリキュラムを主体的に立てる
「冒険家メソッド」の特徴の2点目は、世界のどこにもないカリキュラムを主体的に立てるということです。
「世界のどこにもないカリキュラム」というのは、自分のニーズに100%合った、オリジナルのカリキュラムです。
オリジナルのカリキュラムを立てる
学習方法も、教材も、学習時間も、自分に合わせて選べるわけですね。
なので、自然と主体的にカリキュラムを立てることになります。
わたし、カリキュラムなんて作れないよ……。
……と思われたかもしれませんが、ご安心ください。
本書では、学習スタイルや教材などの選び方についても具体的な例とともに紹介されていますので!
「学習スタイル」というのは、聞いて覚えるのが得意とか、書くと(体を動かすと)覚えやすいとか、見るとすぐに覚えられるとか、そういうものです。
なぜこれを把握する必要があるかについては、「五感を使って英語を覚える? 自分に合った学習スタイルの重要性について」という記事をご覧ください。
暗記アプリ「ANKI」がオススメ
また、ことばを覚えるのに使える「ANKI」というオンラインサービスについて、次の通り紹介されています。
また、私がアラビア語を勉強している時に使っていたのは〈ANKI〉というサービスです。(中略)「忘れた頃に復習させてくれる」というところがたいへん素晴らしいです。
村上 吉文 著『SNSで外国語をマスターする《冒険家メソッド》 もう学校も先生もいらない!?』(2018年 ココ出版)
「ANKI」を効率よく使う方法も紹介されていて、「かゆいところに手が届く」ということばがピッタリです!
スマホアプリの「ANKI」は本当に便利なのでオススメですよ。ダウンロードはこちら(有料)。
失敗するリスクを取る
「冒険家メソッド」の特徴3点目は、「リスクを取る」ことです。
「リスク」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、本書ではリスクを最小限に抑える方法が紹介されています。
たとえばSNSを利用するに当たって、犯罪に巻き込まれるリスクはゼロではありません。
でも、対策を講じれば、リスクを抑えることはできますよね?
詳しくは本書に譲りますが、村上氏は次のようにおっしゃっています。
共有範囲の設定やブロックなどでリスクをコントロールできるように学ぶという方向で対応していただく方がメリットになる のではないかと思います。
村上 吉文 著『SNSで外国語をマスターする《冒険家メソッド》 もう学校も先生もいらない!?』(2018年 ココ出版)
まとめ
この記事では、『もう学校も先生もいらない!? SNSで外国語をマスターする《冒険家メソッド》』という本をご紹介しました。
ソーシャルメディアを味方につけて、「世界のどこにもないカリキュラムを自分で主体的に立てて、失敗するリスクも取りながら学習する方法」がわかる一冊です。
斬新で、おもしろそうだな……と思ったら、ぜひ一度本書を手に取ってみてください。
かゆいところに手が届く解説が満載で、新しい世界が見えてくることは間違いありませんので!
英語の勉強にオススメの書籍はほかにもいろいろあります。
次の記事にわかりやすくまとめたので、ぜひご参考に!!