料理で焼くときに使う「bake」「grill」「roast」「toast」の違いって?

タカコ

執筆者

WEBライター。2013年にアメリカに渡る。現在はアメリカ人の夫と子ども2人でテキサスに在住。

料理で使う日本語に「焼く」という表現があります。これを英語で言うと何でしょうか?

今回は4つの「焼く」という意味の英単語の違いについて紹介します。

4つの「焼く」bake・grill・roast・toast

こちらの4つの言葉、日本語だと、全部「焼く」ですむ言葉なんです。

4種類の「焼く」

  1. toast
  2. bake
  3. grill
  4. roast

調理方法によって使う言葉が変わってくるのですが、日本語では同じ言葉ですむのでややこしいのです。

でもなんとなく区別がつくのもありませんか? たとえば、toast。特定のものだけに使いますよね。そう、パンです。

4つの言葉を英語学習者向けの辞書『wordpower』に載っている言葉で比較してみましょう。

「toast」 …… パンを焼く

まず、「toast」です。すでに「トースト」という日本語にもなっていますよね。

辞書には次のようにあります(注:名詞用法としての説明です)。

「toast」の意味

a thin piece of bread that is heated on both sides to make to brown(両面茶色に焼き色を付けた薄いパン)

動詞としての「toast」は「薄く切ったパンの両面に茶色い焼き色を付けること」となるでしょうか。

なんだか言葉はへんてこですが、結局は食パンなどを食べる前に、パンの両面をこんがり焼くことをいうんですね。

そして、パンはパンでも、「生地を作ってオーブンで焼く」ときは単語が違うんです。それが次に紹介する「bake」。

「bake」…… お菓子やパン作りに

「bake」も日本語になっているところもありますね。

「bake」の意味

to cook in an oven in dry heat(オーブンの乾燥した熱で調理すること)

とあります。

このbakeは、主にケーキやパン、クッキーなどを「焼く」というときに使います。

「bake」は「パンを焼く」ときに使います
「bake」は「パンを焼く」ときに使います

パン屋さんのことを日本語で「ベーカリー(bakery)」と言いますが、これも「bake(パンを焼く)」+「ry(場所)」からきています。

ちなみに「ry(場所)」は「winery(ワイン醸造所)」や「library(図書館)」とかにも使われています。

製菓材料でベーキングパウダーという粉もありますよね。ケーキなどの生地を膨らませる効果があります。

英語でももちろん「baking powder」です。日本では、あまり使いませんが、「baking soda(重曹)」も、アメリカではお菓子作りでよく使います。

アメリカで売っているbaking soda(重曹)
アメリカで売っているbaking soda(重曹)

また、オーブンを使ったお菓子やパン作りが好きな人は、「I like baking.」と言うこともできます。

「grill」…… ガスコンロの魚を焼く部分(グリル)のイメージで

そして、「grill」と「roast」が残りました。私もこの2つの使い方が曖昧でした。

「grill」の意味

grill (especially US "broil"): to cook under a grill

まず、アメリカでは「broil」と言うんですね。知りませんでした(笑)。

私がgrill、grillと言うからかもしれませんが、夫(アメリカ人)もgrillと言っていますし。

さらに名詞の「grill」の意味はこちらです。

名詞の「grill」の意味

1. a part of a cooker where the food is cooked by heat from above.
2. a metal frame that you put food on to cook over an open fire.

「1. a part of a cooker where the food is cooked by heat from above. 」の意味は日本の家庭用ガスコンロを思い浮かべてください。

ガスコンロには、魚を焼く小さな「部屋」のような部分がありますよね?

出典: Amazon「Paloma(パロマ) ガステーブル コンパクト 水無し片面焼き 56cm 都市ガス(12A13A) 右強火 【とろ火ガイド機能付】 IC-N30B-R-12A13A」

あれって焼き網があって、上からの火で魚を焼くところです。日本語でも「グリル」と言いますよね。1の意味はまさにこれです。

日本のガスコンロにある魚焼き(グリル)の焼き方が「grill」なんですね。

そして2の「a metal frame that you put food on to cook over an open fire.」は、直火で使う焼き網や鉄板のことです。

こんな感じです。

バーベキューコンロも「グリル」と呼ぶ

アメリカではオーブンをよく使う」ということも以前書きましたが、アメリカ人はバーベキューも大好きです。

日本でよく使われているようなバーベキューコンロのような、炭火で焼くものだったり、プロパンガスにつないで、火加減が調節できるものだったり、種類も大きさもいろいろあるのですが、それも「grill」と呼びます。

グリル
アメリカでよく使われる grill(グリル)

下火からの加熱になりますが、焼き網を使うからでしょうか、グリルとよんでいますね。

スーパーに行くと、野菜コーナーには、すでに野菜が串刺しになって焼けばいいだけのものも売っていますし。

地域差があるかもしれませんが、夏の休日には、ハンバーガーのパテをグリルで焼いて、できたてほやほやでハンバーガーを食べたり、大きなお肉を焼いたり、コーン(とうもろこし)を焼いたり。家族や友達が集まったときの定番です。

そうそう、これも地域差があると思いますが、わたしの地域ではコーンがとても安いです。安いだけに大味なのかな? と思いきや、甘くておいしいです。

値段でいうと、今は5本で1ドルくらいです。おいしいのにたたき売られている感があって、なんだかお気の毒に思ってしまいます……。

追記: broil について

よく見るとうちのオーブンにも「broil」のメニューがあったので、この単語について夫に聞いてみました。

ねぇねぇ、オーブンの「broil」ってどんな焼き方なの?

オーブンの上の部分から、直接火が出てきて、焦げ目をつけてくれるんだ。

夫の話では、普通に「オーブンで焼く」というメニューは、たいてい下からの加熱(直接火が食べ物に当たらない熱)で調理されるのが、「broil」だと、直接火が食べ物を加熱するのだそうです。

なので、「broil」のメニューを使う場合は、オーブンの上段に食べ物を置いておく必要があるそうです。

なるほど!! オーブンで調理すると、そのうちに焦げ目がつくけど、「焦げ目をつける」ことだけを目的にしたいときは、「broil」にすればいいんだね。

そう。だから、「broil」の設定温度は高いんだ。短時間で焦げ目をつけてくれる。

ということで、すでに火が通っている食べ物に「焦げ目だけつけたい」というときに使えばいいそうですね。

それで、「grill (especially US "broil"): to cook under a grill」と書かれていた意味も分かりました。

日本のガスコンロの魚を焼く「部屋」の部分も、直接火が出てきますから。

「roast」…… オーブンで肉や野菜を焼くとき

最後に「roast」です。

「roast」の意味

1. to cook or be cooked in an oven or over a fire.
2. to heat and dry something.

ここで、「grill」と比較したいのは1の意味です。「オーブンや火にかけて(あぶって)調理すること」とあります。

使用感満載の我が家のオーブン
使用感満載の我が家のオーブン

ここで初めて「oven」という文字が出てきました。

ローストビーフという食べ物もあるように、オーブンなどで加熱する調理法をいうのですね。

イメージ的には、じっくり時間をかけて調理するような感じです。

さらに、同じく『wordpower』の「cook」の欄に次のようにありました。

単語の使い分け

Cakes and bread are baked in the oven, but we use the word roast for cooking meat or potatoes in the oven.

ケーキやパンは、オーブンで「bake」されますが、「roast」という言葉は、肉やジャガイモをオーブンで調理するときに使う……と。

これが一番わかりやすいです。すっきりしました!!

まとめ

toast・bake・grill・roastの違いについて書きましたが、私のようにごちゃごちゃに使っていた方、これを機会に使い分けられるようになれば幸いです。

ん~、でもほんというと「baked potato(ベイクドポテト)」はなぜbakeなのかが気になっているのですが、そこは料理名と思って、そーっとしておこうと思います(笑)。

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タカコ
アメリカ人の夫との結婚を機に渡米。現在は二児の母として英語に囲まれた環境の中で生活。日本語教育に携わっていたため言語への視点が鋭く、元・英会話教師の夫とのやりとりから生まれる記事が秀逸。
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