夫とテレビのニュースを見ていたときのことです。
「homicide」っていう言葉、わかる?
それは、ニュースの字幕に出ていた言葉で、結論から言うと、「殺人」を指す言葉でした。殺人事件のニュースだったんです。
あまりいい言葉ではないのが残念なのですが、今回は、その「homicide」と、「殺人」を指す英単語の意味の違いを比べてみました。
「homicide」って何?
さて、そのニュースに出ていた「homicide」という言葉をさっそく調べてみると次のとおりです。
「homicide」の意味
今回、夫に聞かれるまで、聞いたことがありませんでしたが、ニュースの様子から、「いい事件ではないな」というのはわかりました。
「homicide」は、たいてい「murder」のことだけど、違うこともあるんだ
「murder」はわかる。「殺人」のことでしょ? ニュースで「murder」という言葉はよく聞くけど、「homicide」は初めて。
「murder」は「殺人(殺人事件)」なんだけど、ほかにもにもいろいろ言葉があって、使い分けることもあるんだ。
ほかの言葉
この4つは、どれも「殺人(他殺)」を指す言葉です。
殺人には2種類、他殺には2種類ある
「殺人」には次の2種類があります。
2種類の「殺人」
- 自殺
- 他殺
「他殺」の中にはさらにこの2種類があります。
「他殺」の種類
- 謀殺 …… 殺意あり
- 故殺 …… 殺意なし
違いは、殺意の有無が大きなポイントです。
謀殺は殺意を持っていて、計画の上で人を殺してしまうことです。保険金殺人なんかは、たいてい計画されてのことなので、これにあたりますね。
「故殺」は、「殺すつもりはなかったけど、結果的に殺してしまった」という場合です。「相手の言葉についカッとなって……」というような殺人です。
ややこしいですが、これらの言葉を図にするとこんな感じです。
「murder」と「homicide」の違い
「murder」は、「殺人(殺人事件)」や「殺人罪」を指す言葉ですが、殺人の種類からいうと「謀殺」です。
前々から殺意を持っていて……という殺人です。
「homicide」は、同じく「殺人(殺人行為)」や「殺人者(殺人犯)」を指す言葉ですが、それには、「謀殺」と「故殺」の両方の意味があるそうです。
「殺すつもりはなかった」という「故殺」も含まれるということなんです。
夫が「homicide」のことを……
たいてい「murder(=謀殺)」だけど、違うこともある
と言っていたのも、「故殺」の可能性もあるからなんですね。
普段ニュースでは「murder」と聞くことが多いのに、そのときは「homicide」という言葉を使っていたことから、
もしかしたら、「殺人事件があったものの、『故殺』なのか『謀殺』なのか、まだはっきりしない事件」だったのかもしれません。
「slaughter」と「manslauger」
では、「slaughter」「manslaughter」をみてみましょう。私は、この言葉も今まで見たことも聞いたこともありませんでした。
「slaughter」は、「食肉用の畜殺(と殺)」という意味もある、「(残忍な)殺人」や「(戦争や残虐行為による)大量殺人」を意味します。
「manalaughter」は、「故殺(故殺罪)」です。
前述しましたが、「故殺」は、もともと殺意がなかった「殺人」のことで、これには、挑発された一時的な感情で犯してしまった殺人と、過失致死の場合があるそうです。
たとえば冬場、凍った道を運転していたところ、タイヤが滑って事故を起こしてしまって、人を殺してしまった。これは「manslaughter」になるかもね。
「人を殺してしまうつもりはなくても、結果的にそうなってしまった」という場合ですね。
ニュースでよく聞く、「居眠り運転で死亡事故を起こしてしまった」というのも、過失致死ということで、これにあたりそうです。
まとめ
今回はあんまり聞きたくない英単語を紹介しました。
ややこしいので出た単語をまとめます。
まとめ
英語では、一言に「殺人」といっても、もともと殺意があったか、なかったかで、言葉を使い分けるんですね。