英語には、「数えられる名詞(可算名詞)」と「数えられない名詞(不可算名詞)」があるのをご存じでしょうか?
中学校で勉強していくうえで、「『数えられる名詞』はともかく、『数えられない名詞』って何??」と悩む方も多いと思います。
今回は、そのややこしい「数えられる名詞(可算名詞)」と「数えられない名詞(不可算名詞)」の違いについてまとめました。
目次
「数えられる名詞(可算名詞)」と「数えられない名詞(不可算名詞)」って何?
まず最初にざっくり説明すると……
「数えられる名詞(可算名詞)」は、文字通り、「1つ、2つ、3つ……」と数えられる名詞のことをいいます。
そして、「数えられない名詞(不可算名詞」)は、「1つ、2つ、3つ……」と数えられない名詞のことをいいます。
え? 何それ?? と思うかもしれませんね。
実は、日本語では、あまりこういう考え方をしないので、そう思うのも当然です。
そして、英語を勉強していくうえで、この「数えられる名詞」や「数えられない名詞」と言われると、なかなか理解できないんですね。
可算名詞(数えられる名詞)について
まずは「可算名詞」、つまり数えられる名詞から紹介します。
可算名詞には「単数形」と「複数形」がある
英語の場合、「数えられる名詞」には、次の2種類の形が存在します
2種類の形
頭に「a / an」という冠詞を付けたり、名詞の語尾を複数形にすることで、「1つ」「2つ」という表記ができます。
単数形 | 複数形 |
---|---|
a cup | cups |
a pencil | pencils |
a book | books |
ちなみに辞書の中で「用法」の部分に「C」という印がある単語があります。
名詞のみにある印なのですが、「countable = 数えられる」の頭文字で、「この単語は『 s 』をつけて複数形になりますよ」という印ですね。
ポイントは「具体的な形」を想像できるかどうか
英語の「可算名詞(数えられる名詞)」は、一般的に、
「物(物体)」として、具体的に形あるものが多いです。
たとえば、「pencil(鉛筆)」という言葉を聞いて、想像してみてください。
「pencil」の長さや色、形は違うかもしれませんが、具体的に形を想像できますよね?
そんな「可算名詞」の数を表現するときには、頭に冠詞(a / an)を付けたり、その名詞の後ろに「 s 」を付けて複数形にしますね。
1本の鉛筆 | a pencil |
---|---|
2本の鉛筆 | 2(two) pencils |
そして、その「物(物体)」を数えるときに、それ自体が単位となります。
日本語のように「2本」のような単位を付けずに、「2 pencils」になるということです。
日本語だと「1本の鉛筆(鉛筆1本)」、「2本の鉛筆(鉛筆2本)」のように、数が増えても「鉛筆」と言いますので、かなり違いますね。
日本語だと、何本だろうと「鉛筆」という名詞は変化しないんですね。
あえて言うなら、日本語には「家々」、「人たち」のように「々」という文字や「たち」という言葉を使って、複数形を表すこともできますが、単純に「家」「人」だけでも、単数と複数の両方を指すことができます。
不可算名詞(数えられない名詞)について
次は、「数えられない名詞」を具体的に見ていきましょう。
不可算名詞には「複数形」が存在しない
英語の場合、「数えられない名詞」には複数形は存在せず、常に単数形のまま使います。
辞書には、用法の部分に「U(uncountable=数えられない)」の表示があります。
たとえば、こちらのような名詞が不可算名詞になります。
不可算名詞の例
英語の「数えられない名詞」の概念とは?
たとえば、上の例で見た数えられない名詞「water(水)」を想像してください。
水の姿
どれも水ですよね?
「お湯」は英語で「hot water」と表記する、「water」の仲間です。「ミネラルウォーター」は、「mineral water」ですし……。
つまり、英語の「water(水)」はいろんな状況や状態によってたくさんの種類があり、その姿が具体的に特定できません。
「水」って目には見えても、ちょっと漠然としていて、形とか量とか数とかの具体性がないんですね。
英語では、「絵でうまく描き表せない」「一言では、うまく言い表せない」、そういう言葉が「数えられない名詞(不可算名詞)」なんです。
ほんと、日本語にはない感覚ですよね。
ほかの例「air」「information」でも見てみましょう。
「air」も無色透明で無味無臭、「information」も絵や言葉で簡単に表せません。具体的ではないからなんですね。
また、想像したときに、「あれもこれも……」といろんな形や状態の物(物体)が想像できて、特定しにくいときにも、英語では「数えられない名詞」なんですね。
「水」も「容器」に入ると数えられる?
……という説明をしましたが、
「air(空気)」はわかる! でも水は目に見えるのに、なぜ「数えられない」 に分類されるの?!
……と思われるかもしれません。
たとえば、日本語では「5杯の水」のように数えられるじゃないかと。
でもこの「5杯」というのは「コップに入った水 × 5」という意味ですよね?
同じように、英語でも「2 cups of water」と、容器である「cup」の数を増やすことで数えられるようになります。
2 cups of water
(2カップの水)
「数えられるようになる」と言いましたが、厳密には「water」が複数になるのではなく、容器である「cup」が複数形になっていますよね。
「water」という物質は、具体的な形を持たないのですが、数えられる名詞(容器)とつなげることで形が固定され、「2 cups of water(2カップの水)」と表現できるのです。
容器が複数形になる例
「数えられない名詞」の特徴や見分け方
ほかにも、英語には「数えられない名詞」は、意外とたくさんあります。ここでは具体的な例を挙げますね。
液体や気体
まずは数えられない名詞の代表でもある液体や気体です。
液体や気体を表す名詞の例
素材
木やガラスのような素材も数えられません。
素材を表す名詞の例
食材
前項で見た「素材」と同じ感覚で食材も数えられません。
食材を表す名詞の例
飲み物
最初に紹介した「液体」の一部でもありますが、飲み物も数えられません。
飲み物を表す名詞の例
なにかの「総称」になるもの
続いて、なにかの「総称」になるもの、たとえば「食べ物」という言葉も数えられません。
総称を表す名詞の例
天気に関する空から降ってくるもの
雨や雪のように天気に関する「空から降ってくるもの」も数えられません。
空から降ってくる名詞の例
具体的に形(物体)に表せないものや特定できないもの
具体的に形に表せないものや、特定できないものは当然ながら数えられません。
具体的に形に表せない名詞の例
「news」や「homework」、「help」、「advice」なんて、日本人の感覚だと、1つ、2つ……と数えられそうに思います。
言葉を想像してみたとき、つい、自分で内容を特定して想像してしまいがちですが、英語的には、かな〜り漠然とした言葉なんでしょうね。
【注意】「furniture」は数えられない
ややこしいのが「furniture(家具)」という言葉。これも「数えられない名詞」です。
これも日本人の感覚では、「なんで??」と思いますよね……。
この「furniture」という言葉は、日本語で「家具」と訳されることが多いです。
家具といえば、desk(机)、table(テーブル)、chair(いす)、bookshelf(本棚)など。
ですが、本来「furniture」は、「『furnish(家や部屋などに家具などを備え付ける)』された物」という語の成り立ちで、「備えられた必要な物や備品」という意味なんです。
原形 | 三人称単数 | 現在分詞形 | 過去形 | 過去分詞形 |
---|---|---|---|---|
furnish | furnishes | furnishing | furnished | furnished |
それを指す具体的な物に、「desk(机)」などの家具が含まれるだけで「furniture」=「家具」ではないんです。
「furniture」には、細かく言うと、ほかにも調度品、備品なども含まれます。
つい、家の中の家具だけを想像してしまいがちですが、会社に置かれるようなものも含みます。
そうなると、「いろいろ感」が出て、具体的に物(物体)が特定できないので、「数えられない名詞」なのですね。
「可算名詞」と「不可算名詞」の両方がある単語
注意しなければいけないのは、以下の1〜4の不可算名詞です。
数えられることもある不可算名詞
- 液体や気体
- 素材
- 食材
- 飲み物
これらは、具体的な種類や物体に対して使う場合は「数えられる名詞」になります。
つまり、一般的な物質として使う場合だけ数えられないのです。
素材としての「glass」は「数えられない名詞」ですが、ガラスコップを表す「glass(グラス)」は「数えられる名詞」になりますよ。
可算名詞 | グラス(ガラスのコップ) |
---|---|
不可算名詞 | ガラス(素材) |
ちなみにメガネは、常に複数形で「glasses」と言います。
こういうものは、たまたまスペルが同じなだけの「違う単語」と思った方がいいですね。
まとめ
いかがでしたか?
ややこしい「数えられる名詞」と「数えられない名詞」の考え方ですが、私は恥ずかしながら、語学留学するまで全く意識したことがありませんでした。
語学学校で、それを知ったときにはそれはもうびっくりしましたし、辞書の用法に載ってある「 U 」と「 C 」の意味を知って、「目からうろこ」状態でした。
存在には気づいていましたが、「そういうことだったのかー!!」と。
それから(やっと)意識するようになりましたが、コツがわかるまでは本当にややこしく、今でもときどき間違っては夫に教えられています。