現在、日本でもアメリカでも「おむつ」といえば、間違いなく「紙おむつ」が主流と言えるでしょう。
でもアメリカの紙おむつは、日本の紙おむつと大きく違う点があります。
今回は、アメリカの紙おむつとはどんなものなのかについてまとめます。
目次
「おむつ」は英語で何という?
まず、「おむつ」を英語では何と呼ぶのでしょうか?「(a) diaper」で「ダイパー」と読みます。
一般的に「diaper」というと、「紙おむつ」を指し、昔ながらの「布おむつ」は、話の中で「布性」であることを強調して「cloth diaper」といったりして、区別をします。
紙おむつ・布おむつ
- 紙おむつ …… diaper
- 布おむつ …… cloth diaper
特に素材を強調する必要がなく、ただ「おむつ」として伝えたいときは、「diaper」でいいですよ!
アメリカでは紙製品は高価
さて、この「diaper」ですが、アメリカではけっこう値段が高いです。
紙おむつだけに限らず、アメリカではそもそも「紙製品」は高いです。
ティッシュペーパーとか、ペーパータオルとか、トイレットペーパーとか。
ティッシュペーパー(一番名の知れたブランドのもの)は、近所のスーパーだと、定価で1箱約2ドルです。
高い!! 初めて見たときは、たまげました。
まれに安売りで1箱1ドルくらいになりますが、それ以上安いのはほとんど見たことがありません。
日本では、このような商品は、週末などに安売りの目玉商品になっているような印象だったのですが、アメリカでは、特別安く売られることはほとんどありません。
特に紙おむつは、時々ほんの少しだけ安くなる程度。
紙おむつ代が、けっこう家計を苦しめます。
高価だからといって、質がいいとは限らない
さて、高価だから、品質もすばらしいのかと思いきや……べた褒めしているのを聞いたことはまったくありません。
私は、日本の紙おむつをほとんど使ったことがないので比べられないのですが、特に質が悪いわけではないけれども「すごくいい」というわけでもないです。
正直なところ、紙おむつに限らず、アメリカの製品で「日本のよりも質がいい」と感じることは、残念ながらあまりありません。
全般的に、日本の商品の質の高さは本当にすばらしいです!!
アメリカでは「テープ型」が主流
子どもが生まれ、紙おむつを買うようになって、日本とアメリカの紙おむつの違いに気づきました。
日本の紙おむつは、赤ちゃんが小さいうちは「テープ型」、ある程度大きなサイズになると「パンツ型」が人気なのではないでしょうか。
まとめるとこんな2種類の紙おむつを使い分けますよね?
日本の2種類の紙おむつ
- 乳児 …… テープ型
- あるき始めると …… パンツ型
「テープ型」は、おむつを大きく広げて、おへその下あたりから、おしりまで行き渡らせ、羽のようになった両サイドをテープで留めます。
「パンツ型」は、紙おむつですが、下着と同じように「はかせて」着用します。
ところが、アメリカでは、サイズは大きくなっても
「テープ型」が主流です。
ちなみに上記は「HUGGIES(ハギーズ)」という有名な紙おむつブランドです。
「テープ型」は、赤ちゃんが自分であまり動けないうちは、ぜんぜん問題ないのですが、動けるようになってくると大変になります。
「はいはい」を始める直前くらいから、あおむけに寝かせても、すぐに体をねじったり、寝返りをしてはいはいをしたりするので、落ち着いてテープを固定することが難しくなりますよね。
そこで、日本では、「パンツ型」に移行する親が多いのではないでしょうか。
一般的に、「パンツ型」の方が少し値段は割高になりますが、「はかせやすい」という理由で選ばれていくのだと思います。
なかなかじっとしていない赤ちゃんでも、ズボンをはかせるようにして、ささっと着用させられて便利です。
ところが、この「パンツ型」、私が知っている限り、アメリカでは大手のメーカーで1社しか販売していません。
そこでこんな疑問がわいてきました。
どうして、「パンツ型の紙おむつ」は便利なのに、アメリカではほとんど普及していないの?
そして、その答えですが、文化の違いがあったのです。
アメリカでは「パンツ型おむつ」が普及していない理由とは?
なぜアメリカでは「パンツ型おむつ」が普及していないのか、それは……アメリカでは、屋内でも靴を履く文化だからです。
アメリカでは、一般的には、家の中でも靴を履く家庭が多いのですが、それは小さい子どもでも同じようです。
「はいはいをする時期に」と、靴をお祝いでもらったことがあります。
こども服を売るお店に行っても、歩きはじめていない赤ちゃんに履かせる靴(底がやわらかい)もたくさん売られています。
どうやら、おしゃれ目的ではかせるいうわけではなく、ごく一般的な習慣のようです。
一方、日本では、一般的に家の中はみんな靴を脱ぎますよね?
スリッパやルームシューズなどを履くことはあるかもしれませんが、おむつをする赤ちゃんや子どもは、履いていて「ソックス」ではないでしょうか。
ソックスが、おむつ交換のときに「すごく邪魔になる」ということはあまりありませんが(ときどき脱げちゃいますが)、靴は「すごく邪魔で面倒だ」ということは簡単に想像がつくと思います。
常に外出先のトイレでおむつ交換するようなものです。
ただでさえ、じっとしていない子どもですから、服や靴を脱がせるだけでも一苦労、おむつを替えて服を着させて靴を履かせたときには、きっと親はくたくたになっているでしょう。
そうなんです! だから、アメリカでは、「パンツ型」のおむつは合わないんです!!
アメリカでの おむつ交換のやり方
ではアメリカではどうやって、幼児の履いている「テープ型」のおむつを交換するのでしょうか?
なんと、このような手順です。
アメリカ流の おむつ交換法
- 子どものズボンを下げる
- サイドのテープを外して汚れたおむつを取る
- 広げた新しいおむつを股の下から行き渡らせ、ささっとサイドのテープを留める
な、なんと……!! 横にしないで立ったまま替えさせるのか!
ママ友の1人(日本人)が「慣れたら早くできるようになるよ。私は、おしっこならこの方法で替えてる!」と言って見せてくれたのですが、目からウロコです。
おむつ交換は、寝転ばず、靴も脱がずに、服をおろすだけでできるんですね。
なるほど、この方法では、「パンツ型」は使えません。
靴を履いたままでは難しそうだし、第一、パンツ型おむつ だとズボンを脱がないといけません。
「便利」と思った「パンツ型」は、日本人のように、靴をはかず、ズボンを脱がせて替えるからこそ、使いやすいのですね。
まとめ
おむつの「型」にも文化の違いがあって驚きましたが、理由がわかって納得でした。
ところ変われば支持されるものも変わる、自分の持っている価値観なんてあてにならない……と、久しぶりに痛感したのでした。
もしかしたら、このようなものは、身の回りにたくさんあるのかもしれませんね。
こちらは関連記事です。赤ちゃんの体温を「お尻」で測るという衝撃的な内容ですよ(笑)。