以前の記事で、「英語の複数形」について紹介しました。
今回は、動物の名前を言うときに「 s 」を付けないと危険だよ!というお話です。
もしかして、犬好きの方、「I like dog!」って言っていませんか?
「動物」と「肉」?
英語の一般名詞には、同じ名詞でも「可算名詞」と「不可算名詞」でそれぞれ違うものを指す場合があります。
例えば、「chicken」です。
「可算名詞」の「chicken」は、動物の「にわとり」を指します。
1羽だと「a chicken」2羽だと「2 chickens」ですね。
ところが、食べ物の「鶏肉」も、同じ「chicken」で表します。
そして、この「鶏肉」の「chicken」は、「不可算名詞」なのです。「不可算名詞」なので、複数形はありません。
可算名詞 | a chicken, chickens(にわとり) |
---|---|
不可算名詞 | chicken(鶏肉) |
「I like ○○.」の「s」があるかないかで……
ここで話は少しそれますが、「私は○○が好きです」と言いたいとき、どのように言いますか?
気をつけないといけないのは、この「○○」が「可算名詞」の場合は、複数形にして言わないといけないことです。
「私はりんごが好きです」なら、こう言います。
I like apples.
(私はリンゴが好き)
ピンと来ない方はこちらの記事を読んでみてください♪
参考: 英語の「複数形」ってなに? 実は「s」を付けて言う方が基本だよ!
では、今度は「chicken」でも考えてみましょう。こちらの2つの意味の違いがおわかりですか?
- I like chickens.
- I like chicken.
日本語も入れてみますね。
- I like chickens.(私は鶏が好きです)
- I like chicken.(私は鶏肉が好きです)
…と言っているのがわかりますか。
「動物」と「食べ物」は全く違いますから、「s」があるかないかで、けっこう恥ずかしい言い間違いになっちゃいます。
肉を表す別の単語がある場合
肉類でも、「cow(牛)」「pig(豚)」とは、「beef(牛肉)」や「pork(豚肉)」という、「肉」を指す別の言葉があります。
動物 | 肉 |
---|---|
cow(牛) | beef(牛肉) |
pig(豚) | pork(豚肉) |
それでも、夫の話によると、
I like cow.
……のように「I like cow.」と言ってしまうと、「I like cow meat.(牛肉が好き)」と言っているのと同じ意味になるのだそうです。
もし、「a cow」のように「 a 」が付いていれば、まだマシなんです。「肉」ではなく、「牛」を表していることが伝わりますから!
動物としての「牛」と言いたいなら、複数形で「I like cows.」と必ず言いましょう。
こちら、ほかの例を見てみます。
動物 | 肉 |
---|---|
horses(馬) | horse(馬肉) |
lambs(子羊) | lamb(子羊の肉) |
dogs(犬) | dog(犬の肉) |
rabbits(うさぎ) | rabbit(うさぎの肉) |
まだ、「cow」ならましな気もしますね。
Don't say "I like rabbit"!
(「うさぎ肉が好きです」って言わないで―!)
Don't say "I like dog"!
(「犬の肉が好きです」って言わないで―!)
まとめ
今回は「chicken」という単語には、「可算名詞」と「不可算名詞」の2つがあって、「にわとり」と「鶏肉」の2つの意味があることを紹介しました。
日本語にはそもそも「可算名詞」と「不可算名詞」の使い分けがないので、本当にややこしいです。
間違えずに使いこなすのはなかなか難しくても、とりあえず「動物が好き」というときには複数形になることを絶対に覚えておいてくださいね!