「新しいスマホを買うためのお金」と言いたいとき、どう表現すればいいかわかりますか?
このように「〜するための……」と言いたいときにピッタリなのが不定詞の形容詞的用法です。
今回は「不定詞の形容詞的用法」について、訳し方・使い方や他の用法との比較などを詳しく紹介しますね。
目次
不定詞の形容詞的用法とは? 訳し方と使い方
さっそく、不定詞の形容詞的用法とは何かを見ていきましょう。
意味・訳し方と使い方を紹介していきますね。
不定詞の形容詞的用法の意味・訳し方
まず、意味・訳し方から見ていきましょう。
不定詞の形容詞的用法とは、その名前の通り「不定詞を形容詞として使う技」です。
たとえば以下の「to eat」の部分が形容詞的用法の不定詞ですよ。
Give me something to eat.
(何か食べるものちょうだい!)
「to eat」が「something(何か)」という名詞を修飾しています(参考: 修飾するとは?)。
だから、この不定詞は形容詞の役割をしていると言えますよ。
不定詞の形容詞的用法の訳し方は以下のように覚えておいてください。
不定詞の形容詞的用法の訳し方
〜するための……
たとえば先ほどの「something to eat」なら「食べるための何か」となるわけです。
I don't have enough money to buy a new smartphone.
(新しいスマホを買うためのお金がない)
まずはとにかく直訳で「〜するための」としてしまってOKですよ。
訳すのに慣れてきたら文脈に合わせて意訳していきましょう。
置く位置は? 不定詞の形容詞的用法の使い方
訳し方がわかったところで、お次は使い方を見ていきましょう。
不定詞の形容詞的用法は名詞を修飾する「形容詞」の役割です。
そのため、必ず以下の位置で使いますよ。
不定詞の形容詞的用法の位置
名詞の直後
形容詞が名詞を修飾するときにはルールがあり、「1語なら前から、2語以上なら後ろから」が原則です。
不定詞は「to + 動詞」という形をとるので、必ず2語以上になります。
そのため、形容詞的用法で不定詞を使うなら必ず名詞のすぐ後ろに続けてくださいね。
たとえば「宿題(homework)」という名詞を「する(do)」という動詞で修飾するなら、以下のようになります。
She has a lot of homework to do.
(彼女はやらなきゃいけない宿題がたくさんあるんだ)
「homework to do」で「するための宿題」となるわけですね。
不定詞の形容詞的用法は必ず「名詞 + to + 動詞」となると覚えて大丈夫ですよ。
ただし名詞が「something」のような「〜thing」の場合など、例外的に名詞と「to」の間に他の言葉が入ることもあります。
I want something hot to drink.
(何か温かい飲み物がほしい)
この場合、「something hot」のように繋がって「何か温かいもの」という1つの名詞になっているからですね。
不定詞なので動詞は必ず原形にしてくださいね!
不定詞の形容詞的用法の特徴(他の用法との違い)
不定詞の形容詞的用法の訳し方・使い方がわかったところで、不定詞の他の用法と比較してみましょう。
名詞的用法・副詞的用法との違いをそれぞれ紹介していきますね。
不定詞の「形容詞的用法」と「名詞的用法」の違い
まずは不定詞の名詞的用法との違いです。
名詞的用法の不定詞は、その名前の通り「名詞として機能する不定詞」です。
形容詞的用法と比較してみると以下の違いがありますよ。
修飾 | 訳し方 | |
---|---|---|
形容詞的用法 | 名詞を修飾 | 〜するための |
名詞的用法 | 他の言葉を修飾しない | 〜すること |
名詞的用法は名詞の役割なので、他の言葉を修飾することはありません。
それに対して形容詞的用法は形容詞の役割なので、必ず直前の名詞を修飾しますよ。
また、以下の例文のように名詞的用法の不定詞は「〜すること」と訳します。
I like to play video games while eating snacks.
(おやつ食べながらゲームするのが好きなんだ)
「to play」以下の部分が不定詞の名詞的用法です。
直訳すれば「to play video games」で「ゲームをすること」ですね。
シンプルに、訳し方で「〜すること = 名詞的用法」、「〜するための = 形容詞的用法」と思って大丈夫ですよ。
不定詞の「形容詞的用法」と「副詞的用法」の違い
名詞的用法に続いては、不定詞の副詞的用法と比べてみましょう。
不定詞の副詞的用法も、形容詞的用法と同じく他の言葉を修飾します。
でも、以下のような違いがありますよ。
修飾 | 訳し方 | |
---|---|---|
形容詞的用法 | 名詞を修飾 | 〜するための |
副詞的用法 | 動詞・文全体を修飾 | 〜するために |
不定詞の副詞的用法は、その名前の通り副詞の役割なので、動詞や文全体を修飾します。
たとえば以下の「to work 〜」の部分が不定詞の副詞的用法です。
I'll study Japanese more to work in Japan.
(日本で働くためにもっと日本語を勉強するよ)
この場合、「日本で働くために」は動詞「勉強する」にかかってきますよね?
もしくは「私はもっと日本語を勉強する」という文全体を修飾すると考えてもOKです。
それに対して形容詞的用法は名詞のみを修飾します。
このように形容詞的用法も副詞的方法も他の言葉を修飾しますが、どの品詞を修飾するかが異なりますよ。
日本語にすると、訳し方が「〜するための」と「〜するために」でちょっと紛らわしいので注意してくださいね!
まとめ
今回は「不定詞の形容詞的用法」について詳しく紹介しました。
最後にまとめると次のようになります。
まとめ
その他の不定詞の用法についてはこちらもご確認ください。
不定詞の用法