こんにちは、インドネシアで現役日本語教師をしているサトです。
今回は「日本語教師になるためにはどうすればいいの?」という疑問にお答えします。
日本語教師の資格や免許とはどんなものなのでしょうか? 実際に日本語教師をしているわたしが詳しく解説しますね。
【はじめに】国が決めた「日本語教師の資格」は無い
日本語教師になるには、どんな資格・免許が必要なのでしょうか。
初めに知っておきたいのですが、現在のところ「日本語教師にはこの免許が必須」と国が決めた資格はありません。
かと言って、「日本語が話せる=日本語を教える能力がある」ではありません。
決まった資格はないのですが、働く場所によって満たすべき条件が提示されているので、次の項目で紹介しますね。
今後、日本語教師が国家資格になる予定ですので、そちらについては下記記事をご覧ください。
日本語教師として働くための資格
では、日本語教師になるための資格(満たすべき条件)について、まとめました。
3つの職場に大きく分けましたので、ご覧ください。
ちなみに、ボランティアとして日本語教師を教える場合は、基本的には資格のようなものは必要ありません。
日本語学校で日本語教師をするための資格
日本語教師になるための資格は現在ありませんが、法務省の「日本語教育機関の告示基準」の中で日本語教師になる基準が示されています。
「日本語教育機関」とは、日本語学校のように留学生を受け入れることができる機関のことです。
まずは、日本国内の日本語学校で働くための資格(法務省が決めた基準)を見てみましょう。
法務省の「日本語教育機関の告示基準」には、日本語教師の要件として、次のように書いてあります(太字はサトによる)。
全ての教員が,次のいずれかに該当する者であること。
イ 大学(短期大学を除く。以下この号において同じ。)又は大学院において日本語教育に
関する教育課程を履修して所定の単位を修得し,かつ,当該大学を卒業し又は当該大学
院の課程を修了した者ロ 大学又は大学院において日本語教育に関する科目の単位を26単位以上修得し,かつ,
当該大学を卒業し又は当該大学院の課程を修了した者ハ 公益財団法人日本国際教育支援協会が実施する日本語教育能力検定試験に合格した者
ニ 学士の学位を有し,かつ,日本語教育に関する研修であって適当と認められるものを
420単位時間以上受講し,これを修了した者ホ その他イからニまでに掲げる者と同等以上の能力があると認められる者
法務省「日本語教育機関の告示基準」より引用しました。
ちょっとややこしいですね……。
ものすごくかんたんに言うと、こういうことです。
日本語教師の条件
- 四年制大学や大学院で日本語教育を専攻(または副専攻)し卒業
- 日本語教育能力検定試験に合格
- 四年制大学卒業かつ日本語教師養成講座(420時間以上)を修了
- または1〜3と同等以上の能力がある人
実際に日本語学校(日本国内)の求人情報を10件ほど見てみましたが、どの学校も、この1〜3が条件になっていました!
「大学で日本語教育を専攻」という1の条件は大学に入り直さないといけないので、仕事をしているとなかなか厳しいものがありますね。
日本語教育能力検定試験の合格が「資格」のようなもの
実はですが、2の「日本語教育能力検定試験」という試験に合格することが、ある意味「資格」のような認識がされています。
「これに合格すればいいんだな」と思いますが、なかなかそうとも言えません。
なぜなら合格率が25%程度で、年に1度しかない試験だからです。
この試験に全てをかけるのはなかなか勇気がいりますよね。
「日本語教師養成講座」で420時間学ぶことも資格のような認識
そして、日本語教育能力検定試験と同じように資格のような位置づけになっているものがあります。
それが、3の「日本語教師養成講座」で420時間以上学ぶことです。
ただし、文化庁の認可を得た日本語教師養成講座に限ります。
「四年制大学卒業かつ」と書きましたが、日本語学校によっては卒業していなくてもOKの場合があります。
大学で日本語教師をするための資格
そして今度は、日本国内の大学で日本語教師をするための資格についてです。
こちらも求人情報から必要な資格を見てみました。
大学での日本語教師の求人は、日本語学校ほど多くなかったのですが、たとえばこんな条件を出しているところがありました。
大学で日本語教師をする条件
- 日本語教育などの分野で修士号取得
- 研究業績3点提出
日本語学校に比べると、やはり大学はハードルが格段に高いですね!
海外で日本語教師をするための資格
そして、海外で日本語教師をするための資格についてまとめます。
海外で日本語教師をする場合、必要な資格は、その国や機関、そしてどんな立場で働くかによります。
例えば、政府系機関の国際交流基金が派遣している「日本語パートナーズ」。
主に東南アジアの国々に派遣されているのですが、あくまでアシスタントという立場のため、日本語教育に関する資格は必須ではありません。
かと思うと、同じく国際交流基金の「日本語専門家」は、最低でも日本語教育関連の修士号が必要だったり……。
必要な資格はケースバイケースとしか言いようがないので、あくまで例ですが、いくつかご紹介しますね。
インドネシアで日本語教師をする資格
まずはわたしの働いているインドネシアで日本語教師をするための資格をまとめます。
インドネシアの大学
わたしが働いている大学の場合、必要な資格はこんな感じです。
インドネシアの大学
- 修士号(または修士号相当)
- 日本以外の国での日本語教授経験
まず知っておきたいのは、どの大学で働く場合でも修士号は必須だということです。
これは、インドネシア政府がビザの手続きのときに求めてくるからですね。
また、2つ目の「日本語教授経験」というのは、日本語を教えた経験のことです。
経験年数などについては、各大学に委ねられているようですよ。
インドネシアの技能実習生向け研修機関
インドネシアでは「技能実習」という制度で、日本に行くインドネシアの方を対象にした日本語教育も割と盛んです。
求人にはこのような条件が書かれていました。
必要な資格(インドネシアの研修機関の例)
- 4年制大学卒業以上
- 日本語教授経験
やはり、大学よりはハードルが低くなっていますね。
インドネシアの日本語学校
そして、インドネシアにある日本語学校で働く資格についてです。
日本語学校の場合、そもそもネイティブの教師を雇うところは少数です。
それだけの給料を出せるところが少ないからですね。
さらに、外国人を雇う場合、インドネシア政府に月々100ドル(米ドル)払わないといけないことになっています。
求人も数少なかったのですが、こういう条件を出しているところがありました。
インドネシアの日本語学校
- 【必須条件】4年制大学卒業以上(かつ、2〜4のどれかに該当)
- 日本語教師養成講座修了
- 大学で日本語教育関係を主専攻または副専攻で修了
- 日本語教育能力検定試験合格
ほぼ、日本国内の日本語学校と同じですね。
オーストラリアで日本語教師をする資格
次にオーストラリアの場合ですが、学校と日本語学校について紹介します。
「学校」というのは、小学校〜高校のことですね。
オーストラリアの学校(小学校〜高校)
まずは、オーストラリアの小学校〜高校で日本語教師をするための資格についてです。
現地の人が通う学校で先生になるわけですから、条件もかなり厳しいです。
条件はいろいろですが、基本的に、オーストラリアの大学の教育学部を卒業しないといけません。
ちなみに、当メディア「英語びより」のライターはつさんも、オーストラリアの中学校と高校で日本語を教えています。
詳しくは、国際交流基金の「日本語教育 国・地域別情報」をご覧ください。
オーストラリアの日本語学校
次に、オーストラリアの日本語学校です。
求人情報では、次のような条件を出しているところがありました。
オーストラリアの日本語学校
- 日本語教師養成講座修了
- 大学で日本語教育関係を主専攻または副専攻で修了
- 日本語教育能力検定試験合格
※ いずれかに該当
中国で日本語教師をする資格
中国で日本語教師をする資格についても、求人情報を見てみました。
中国の大学
こちらは、中国の大学の例です。
中国の大学
- 【必須条件】4年生大学卒業以上(かつ、2または3に該当
- 日本語教授経験2年以上
- 日本語教師養成講座修了
資格がなくても日本語教授2年以上の経験があれば良いみたいですが、資格がないとその経験がそもそも積めません(笑)。
中国の日本語学校
中国の日本語学校については、こんな条件を出しているところがありました。
中国の日本語学校
- 4年制大学卒業以上
- 2年以上の職歴
- 日本語教授経験
職歴についてはどんな仕事でもいいようです。
日本語教授経験についても、何年必要かは書いてありませんでした。
比較的、ゆるそうです。
まとめ
今回は日本語教師になるための資格についてお話しました。
今のところ、四年制大学を出ている場合、日本語教師になる一番の近道は、日本語教師養成講座を受けることです。
わたしはヒューマンアカデミーの「日本語教師養成講座」を修了し、おかげさまで「日本語教育能力検定試験」にも合格しました。
オススメなので興味のある方は資料を請求してみてください(無料ですし)。
【オンライン対応!】日本語教師めざすならヒューマンアカデミー
日本語教師を目指すなら、わたし自身も受講したヒューマンアカデミーの「日本語教師養成講座」がオススメです。
ヒューマンをオススメする理由はこちらになります。
オススメする理由
- 30年の実績がある
- オンラインに対応している
- 先生方の質がいい
- 全国に23校
- 夜間・週末クラスもある
- いろいろなニーズに対応している
- 試験の合格率が高い
- 就職支援が手厚い
- 学校主催の同窓会がある
コロナウィルスのせいで通学できなくても
オンラインに対応した説明会・授業なので安心ですね。
修了生の私がゴリ押し!