今回は、アメリカで主に使われている単位の話です。
重さや長さ、量のなどの単位の中から、重さの単位である「ポンド」と「オンス」についてまとめます。
こちらもご覧ください
- 長さの単位「インチ」「フィート」「ヤード」「マイル」
- 重さの単位「ポンド」「オンス」今ココ
- 温度の単位「摂氏(Celsius)」「華氏(Fahrenheit)」
- 量の単位「ガロン」「オンス」
目次
アメリカで使われる重さの単位について
では、アメリカで使われる重さの単位から確認しましょう。
アメリカではこちらの2つの単位が使われています。
2つの重さの単位
- ポンド(pound)
- オンス(ounce)
これらの単位は、日本では一般的に使われないため、全然なじみがありませんよね。
「Pound(ポンド)」について
私は、アメリカに来るまでは、ボクシングの選手の体重をポンドで言っているのを、試合前のアナウンスで聞いたことがあったくらいでした。
言葉として知っていただけで、1ポンドがどれくらいなのか、考えたことも皆無。
1ポンドは何グラム?
では、どのくらいの重さなのかというと「1ポンド = 約453グラム」です。
1ポンドは何グラム?
1ポンド = 約453グラム
実際アメリカでは、重さはポンドばかり使います。
病院やそのほかの手続きで体重を申告する時でも、ポンドで聞かれます。
「キログラム」で言っても「は?」という感じで、ほとんど通じません。
お店で売っている食べ物も、ポンドが単位です。
カナダでは「グラム」が使われますが、野菜などの重さの単位として「ポンド」も普通に使われています。
「pound」の発音は「パウンド」
「pound」の発音ですが、「ポンド」ではなく「パウンド」の方が近いです。
「パウンドケーキ」をいうお菓子があるのをご存じでしょうか。
この名前は、材料の小麦粉、卵、砂糖、バターを1ポンドずつ使ったことが由来と言われています。
マクドナルド(参考: 英語でのマクドナルドの発音)に「クォーターパウンダー」というハンバーガーがありますが、これも「ポンド」です。
1/4ポンドのお肉を使っているところから名前がついたんだそうです。
「ポンド」の表記は「lb」
グラムは表記するときは「 g 」というふうに書きますよね?
では、「ポンド」はどう書くのでしょうか?
じつは「 lb 」と表記します。
「pound」の中に「 L 」も「 B 」も入っていませんが?
こちらの写真を見てください。写っている文字の一番右下に「$1.49/LB」って書いていますよね? 1ポンドが1ドル49セントという意味です。
「LB」と書く理由ですが、じつは「lb」は「pound」を略したものではないようです。「L」も「B」も入ってませんから当たり前ですね。
「lb」という表記はラテン語で重さの単位を表す「libra」の略語です。さらには「libra」も「libra pondo」を省略したものです。
「libra pondo」の「pondo」はお察しのとおり、「pound(ポンド)」の語源となっています。
つまりこういうことです。
音声は「libra pondo」の「pondo」から「pound」になり、単位の省略は「libra」から「lb」になった。
ややこしいですね(笑)。
【参考】イギリスの通貨「ポンド」
ちなみにイギリスの通貨である「ポンド」も同じく「pound」と書きます。
そして、マークとしては「 £ 」と書きますよね? こちらも「 L 」をデザインしたものです。
そう。語源は重さの「pound」と同じく「libra」ということですね!
なんで重さの単位がお金の単位になっているのかというと、昔のイギリスでは銀の重さはお金と同じ価値だったことに由来するようですね。
「Ounce(オンス)」について
そして、アメリカのもう1つの単位「オンス(ounce)」です。
こちらはポンドの下の「小さい単位」です。
16オンス = 1ポンド
「オンスはポンドの下の単位」……と聞くと、「10オンス = 1ポンド」だと思っちゃいますよね?
ところがどっこい! 「16オンス = 1ポンド」です。
オンス(Ounce)とは?
約28グラム
16オンス = 1ポンド
ちゅ……中途半端すぎっ!!
1ポンド = 約453グラムですので、1オンスはその1/16です。つまり、「1オンス = 約28グラム」です。
この「16オンス = 1ポンド」というのが、最初全く意味がわかりませんでした。
12オンスや15オンスと、10を超えても上の単位にならないことも、かな~り違和感がありませんか?
「ounce」の発音は「アウンス」
「pound」の発音が「パウンド」に近いと紹介しましたが、「ounce」も「オンス」とは言いません。
「アウンス」のように発音しますよ。
「オンス」は「oz」と表記する
「オンス」の略語は「oz」と表記します。
これは、古イタリア語の「onza(オンス)」から来ているようです。現在のイタリア語では「oncia」と綴るようです。
「ポンド」「オンス」の具体的な例
アメリカの重さの単位はややこしいことを紹介しました。
だって、日本で使われている単位は、長さの単位にしても、量の単位にしても、だいたい1,000を基準に上の単位で表すことができます。
キログラムやグラムは、「1キログラム = 1,000グラム」と、わかりやすいですよね?
なので、0.5キログラムは1/2キログラムで、500グラムと単純に計算ができます。
なんだかすっきりしたイメージです。
では、どのようにアメリカで「ポンド」や「オンス」を使っているのかについて私の体験のお話もしたいと思います。
子どもの体重
たとえば、私の娘は、7ポンド3オンスで生まれました。
なので「7lbs. 3oz.」と表記します。
日本人の感覚だと、「それって、どれくらいの重さなの?」というくらい、まったく見当もつきませんね。じつは、「3,260グラム」ということです。
「1ポンド = 453グラム」とわかっていても、3オンスがさらにややこしいです。
3オンスは3/16ポンドですから。でも、こちらでは、この単位しか使わないので、これが普通なんですね。
重さを細かく表示しようとすると、ポンドとオンスが共存します。頭いたくなってきた……(笑)。
「0.5ポンド」ではなく「1/2ポンド」を使う
アメリカではお肉は量り売りをしています。
1ポンドの半分(つまり200グラム程度)を注文したいときに何と言うのでしょうか?
日本の感覚では「0.5ポンド」のような言いそうですが、実は「1/2ポンド(a half pound)」のように言います。
義父に確認してみると、「0.5」でも通じると思うけど、普通は言わないそうです。
続けて義父は「あえて言うなら8オンスで言う方が、『0.5ポンド』よりもわかりやすいと思う」と言っていましたが、そんなのとっさに出てきませんよね。
素直に「a half pound」で言うのが無難です!
一般的には、お店で量り売りの注文をする時は、0.5ポンドと言わず、1/2ポンド(a half pound)と言って、あまりオンスでは注文しないようです。
ちなみに1.5ポンドなら、「one and a half pounds」ですね。
まとめ
さて、今回の記事はちょっと頭が痛くなる話でしたね。
覚えるコツと言えば……「ポンドとオンス」、「キログラムとグラム」は、単位として別物だと考えましょうぐらいですか(笑)。
換算はできますが、きれいな数字にはなりません。海のものと山のものというくらい、個別に存在する単位ですね。
「1ポンド = 453グラム」ということだけ頭に入れておくと、重さの見当がつくので便利ですが、それをいちいち換算しても疲れるだけですので!
それにしても16オンスって……どこから「16」なんて数字が出てきたのか、謎すぎです(笑)。