友達に会った時に「元気?」と聞かれて「まあまあ」とか「まあまあ元気」と答えた経験がありますか?
軽い挨拶で使われるこの「まあまあ」という表現ですが、実は英語にもいろいろあります。
こういう表現は、使用範囲も、カバーする意味の範囲も広いので私も頻繁に使っています。
「まあまあ」とは言っても、多様な表現があるのですが、どういったシチュエーションでどんな英語に訳されるのでしょうか?
今回はそんな曖昧な表現、「まあまあ」について見ていきましょう。
英語で「まあまあ」って何ていう?
では、そもそも「まあまあ」の意味はどういう意味でしょうか?
「まあまあ」の意味を辞書で調べてみると、このように書いてありました。
充分とは言えないが、我慢できる程度であるさま
100%を最大値だとしましょう。そのうち、50%までガマンできるとすれば、プラスマイナス10%がその誤差範疇と仮定します。
「ふつう」という言葉が人によってものの程度が違うように「まあまあ」の程度も人によって異なるでしょう。
しかし大まかな概算値で「まあまあ」が当てはまる状況を考察して英語と比べていきましょう。
「まあまあ」を表す「so-so」
それでは具体的な使用例を見ていきましょう 。
たとえば、こちらの例文の中の「まあまあ」を英語にすると何でしょうか?
例
〜は、まあまあです。
この場合は「so-so」が使えます。
日本語も英語も、平均値を表す言葉が同じ音を2度繰り返すという偶然は興味深いです。
英語・日本語の共通点
言葉って面白いですね!
表記は「so so」「so-so」のどっち?
最初と二番目に出てくる「so」の間には「ハイフン(ー)」を入れるときと入れないときがあります。
これはどちらも両方使われていて、どちらが間違いというワケではありません。
How is your brother ?
(あんたの兄ちゃんは元気?)
So-so.(もしくは「So so」)
(まあまあ)
注意したいのが、下記の強調の意味(口語体)で使われる「so」を重ねて使う表現(so so + 形容詞)です。
How is your brother ?
(あんたの兄ちゃんは元気?)
He’s so so furious at the moment...
(今、超絶激怒ってる……)
この2つの区別のために、私はあえてハイフンを入れて「so-so」のように使っています。
ハイフンが入っていれば、それは自動的に「まあまあ」の意味に絞られるからです。
「まあまあ(so-so)」を表すジェスチャー
英語で「so-so」と言う際には、それに伴うジェスチャーがあります。
どうやるのかというと、手のひらを下にして前に差し出して左右を交互に上下させるようにヒラヒラさせます。
これを「so-so」と言うタイミングと同時にやりましょう。
会話相手に視覚的情報が伝達できれば、理解がより深くなりますよ。
「so-so」はあまり使われない?
実は英語で「so-so」という表現は、日本語で「まあまあ」を使う頻度よりもかなり少ないです。
なぜなのでしょうか?
その理由のひとつが、日本語のように「まあまあ + 形容詞」で使えないことです。
たとえば「ピザはまあまあ美味しい」と言いたいとき。
「まあまあ美味しい」は?
- Pizza is so-so delicious.
- Pizza tastes all right.(← 後述します)
上のように「so-so delicious」のように「so-so + 形容詞」では言えないため、必然的に出現率が下がります。
そしてもうひとつは「so-so」自体の曖昧さの範囲が広いということ。
もう少し「言い表したいこと」を絞るために他の表現を使う傾向があります。
では次の項目で「so-so」以外の「まあまあ」の表現を見ていきます。
「まあまあ」という英語を場面で使い分ける
それでは「まあまあ」が使われている英文章を見ながら「まあまあ」の表現について考察していきましょう。
So-so(まあまあ)
単に「まあまあ」とだけ言いたい場面なら「so-so」を使えばオッケーです。
How was the maths test ?
(数学のテスト、どうだった?)
So-so.
(まあまあ)
Above Average(まあまあ上手く)
「まあまあ」が指しているのが平均値であるとするなら、今度は「まあまあ上手くできた」という平均値のちょっと上を表す表現です。
こんなときは「above average(平均より上)」という表現を使うことができます。
How was your guitar session ?
(ギターのセッションはどうだった?)
It was above average.
(まあまあできた)
A-Ok(まあまあ広い……など)
今度は「部屋はまあまあ広い」という場合です。
この場合は「許容できる範囲」という意味合いで使っていますね。
そんなときは「a-ok (エィオゥケィと読む)」と言います。「 a 」と「 ok 」の間にはハイフン(ー)を入れます。
My new room size is a-ok. Just enough to fit all my stuff in.
(ボクの新しい部屋の広さはまあまあ。持ち物が全部、やっとこさ部屋に入るくらい)
You should throw away some of your junk.
(もう少しがらくたを捨てたほうがいいよ)
ほかにも、「a-ok」は以下のような場合に使えます。
例
Somewhat(まあまあ有名……など)
ちょっとだけ名の知れた状況を言うのであれば、「somewhat famous」という表現が使えます。
This dubstep band is somewhat famous in UK.
(このダブステップのバンドはイギリスではまあまあ有名だよ)
Really ? I’ve never heard of it.
(本当? 聞いたことない)
ちなみに「ダブステップ(dubstep)」は音楽のジャンルのひとつで機械的なノイズとドラムの音が主体の曲。
〜 Enough(まあまあ甘い……など)
「まあまあ甘い=必要十分に甘い」という意味で使われる場合であれば、英語で「sweet enough」といいます。
同様に必要十分、という条件を表すのであれば「〜 enough」が使えます。
「まあまあ明るい」という文章は「bright enough」といった感じです。
This apple tastes rather plain, yet sweet enough.
(このリンゴの味はあっさりしているけど、まあまあ甘いね)
Then, do you want some of this really sweet orange ?
(じゃ、このすごく甘いオレンジ、食べる?)
Meh(「微妙」を表す「まあまあ」)
「まあまあ」といっても、ちょっと微妙な立ち位置になる状況を表したいときがありますよね?
そんな時には英語の「meh(メー)」という表現がピッタリです。
日本でも一時流行った表現「微妙」と「meh」はほぼ同じ立ち位置です。
Did you enjoy the new movie ?
(新作の映画、楽しかった?)
Meh.
(まぁまぁ)
Modest(お酒はまあまあ飲めます……など)
「お酒はまあまあ飲めます」の「まあまあ」ですが、「modest(謙虚な)」を使います。
「modest」は「控えめな」という意味ですが、お酒がからんだ場合、一体どこまでが控えめな量なのかは曖昧ですけどね。
There'll be a party tonight. Do you think you can drink all night ?
(今夜はパーティー!一晩中飲み続けられるかい?)
I can drink a modest amount.
(お酒はまあまあ飲めるよ)
※「amount」は「量」という意味です。
All Right(まあまあ美味しい……など)
そして「まあまあ美味しい」という表現では「all right」を使います。
「all right」は「大丈夫」という意味もありますが、度合いを示すときは「まあまあ」としての意味合いで使われます。
This pie tastes... all right.
(このパイは……まあまあ美味しいね)
Not bad for a frozen food.
(冷凍食品にしては悪くないよね)
まとめ
日本語の中間的な位置にある感情 =「まあまあ」で対応する英語は「so-so」以外でも言い表すことができるのが印象的ですね。
また、「まあまあ」のような曖昧な表現を英語に訳すと、意外なほど「so-so」以外の言葉で表現されることが多いのです。
これは日本語の「まあまあ」が幅広く使えるのに対し、英語はもうちょっと具体的なケースが多いからです。
これを機に「まあまあ」の英語表現を使ってみて下さいね。