めでたい節に使われる「おめでとう」という言葉。
日本語の場合、あらゆる場面でこの言葉は使われます。
テスト満点を取ったら「おめでとう」、大学受験に合格したら「おめでとう」、会社に入社したら 「おめでとう」……。
では英語では同じ状況でも 「おめでとう」という単語、「Congratulations」を使うのでしょうか?
今回は「congratulations」をはじめとする「おめでとう」にまつわる単語やフレーズについて詳しくご紹介します。
目次
「Congratulations」を使う「おめでとう」
「おめでとう」と言うときに、日本語でもおふざけで「コングラッチュレーション」と言うくらい、「congratulation」という単語の浸透率は高いのではないでしょうか。
![「おめでとう」は「Congratulations」](https://ipa-mania.com/wp-content/uploads/2018/01/congratulations.jpg)
「Congratulation」という単語は長ったらしいので、まずは語源ごとにパーツに分解してみましょう。
パーツ | 意味 | ほかの例 |
---|---|---|
Con- | 共に | combination(組み合わせ) companion (同行者) |
grate | 喜び、慈悲深さ | grace (優美) grateful (感謝する) |
-ate | する(動詞化) | create(創造する) generate(創出する) |
-ion | こと(名詞化) | action(行動) function(機能) |
「Congratulation」というと、相手に対して祝辞を言うときにだけ使っている感じがしますが、パーツの意味から考えると「共に喜び合う」意味合いが含まれていますね。
ちなみに「Congratulations」は、このスペルの長さゆえ、「congrats」と略して言うこともよくあります。
「Congratulation」は複数形で使う
「Congratulation」という単語ですが、単数形、複数形では表現が異なります。
congratulation | 祝辞 |
---|---|
congratulations | おめでとう |
![](https://ipa-mania.com/images/article/hatsu-02.png)
話し相手に対して「おめでとう!」と言う場合は必ず複数形にします。
「祝辞」とありますが誕生日やクリスマスなど、季節の挨拶には用いられません。
※ 季節の挨拶については、あとで解説しています。
「Congratulations」の発音
「Congratulations」の発音ですが、始めの「 c 」から複数形の「 s 」まで含め、合計15文字もあるんです。
カタカナで表記するより若干長いんですが、日本人の苦手なLとRの発音が同居しているやっかいな語です。
発音の際は最初の「 r 」に全身全霊を込めて発音しましょう。
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「 l 」の発音がカタカナっぽい「ラ」になったとしても、最初の「 r 」がシッカリ発音できていればサマになりますよ。
「『Congratulations』の発音はバッチリさ!」というあなた、ぜひ「parallel(並行)」「plural(複数)」「labyrinth(迷宮)」の発音にもチャレンジしてみてください。
「Congratulations」はいつ使われる?
「Congratulations」は相手を祝福することばです。
人生の節目となるイベントで相手にかける言葉なんですが、それは何かを達成した時に使われるものです。
誕生日、クリスマスなどの時節のイベントには「congratulations」とは違った言い回しをします(これは後ほど紹介します)。
まずは「congratulations」がどんな風に使われるのか? 会話場面でその例を見ていきましょう。
結婚おめでとう!
「Congratulations」と聞いて、まず思い浮かぶのは、結婚した人に対して言うフレーズ。
また、結婚したカップルに送るカードに祝辞を書く際にも「Congratulations」を使います。
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Congratulations on your wedding !
(結婚おめでとう!)
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Thanks so much. I still can’t believe I’m married now.
(ありがとう! まだ結婚したなんて自分でも信じられないよ)
上のやりとりのように「Congratulations」のあとには「on」が来ます。
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「〜おめでとう」というふうに「〜」を入れる場合は、「Congratulations on〜」といいます。
なお、カードにはもうちょっとかしこまった言い方で「congratulations」を使います。例えば……
I offer my heartfelt congratulations to the newly wed couple.
(新婚のお二人に心よりご祝福申し上げます)
この表現での「congratulations」は、カード用としてはピッタリですが、口に出して言うのには注意が必要です。
ドレスやタキシード来た礼装の場ではしっくりと来ますが、普段使いで言うにはかしこまり過ぎた固い表現です。
同様の「カードに相応しい表現」として「best wishes」をつかったものもあります。口語でも使いますが、書かれたものの方が多いですね。
Best wishes on your wedding.
(ご結婚のご多幸をお祈り申し上げます)
ちなみに、「結婚」を表す表現「marry」「be married」「get married」の違いという記事もご参考に!
合格おめでとう!
そして「合格おめでとう」と言いたいときの表現。
資格試験はオーストラリアでも多種多様あり、それに合格した際にはよく「congratulations」が使われます。
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Congrats on passing your qualification exam !
(資格試験をパスしたの、おめでとう!)
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Thanks. I think I can sleep well tonight.
(ありがとう! 今夜はよく眠れそう)
「Congratulations」は長いのでこの例のように「congrats」と略して言うこともよくあります。
特に、親しい間柄ではよく使われます。「Congratulations」と言うと、多少仰々しい感じがありますが略すことで砕けた感じを出すわけですね。
「合格する」というときには「pass」を使います。
原形 | 三人称単数 | 現在分詞形 | 過去形 | 過去分詞形 |
---|---|---|---|---|
pass | passes | passing | passed | passed |
入学おめでとう!・入社おめでとう!
つづいて、「入学おめでとう」や「入社おめでとう」と言いたいときの表現。
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Congratulations for being accepted into USA University.
(USA 大学への入学、おめでとう!)
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Thank you so much. I’m really looking forward to studying at that Uni.
(本当にありがとう!あの大学で勉強するの、すごく楽しみなんだ)
ここでは「congratulations」の後ろが「on」ではなく「for」になっていることにも注目を!
「on」と「for」の使い分けはコチラです。
- on …… 祝福する相手にとって良いことが起こった場合(その出来事に対しての祝福)
- for …… 相手が何かを達成したことに対する賛辞(努力に対しての賛辞)
ここでは、「『入学するためにやった努力』に対して『おめでとう』と言っている」というニュアンスで「for」が使われているんですね。
大学は英語で「university」、固有名詞の場合は「University」と最初の「 U 」を大文字にします。口語では「Uni(ユニ)」と略して言います。
あと、動詞ですが、「大学に受かる」という表現は「pass」ではなく、「受け入れられる」という「accepted」を使います。
原形 | 三人称単数 | 現在分詞形 | 過去形 | 過去分詞形 |
---|---|---|---|---|
accept | accepts | accepting | accepted | accepted |
入社の場合、一般的に「仕事に就いた」というのであれば……
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I got a job at Nintendo !
(任天堂に入社したよ!)
……のように「I got a job at 会社名」と言います。
会社側に選ばれて入社したことをかもしたいのであれば「accepted」を使うことも可能ですよ。
ちなみに、オーストラリアの公立校は中学から高校までの一貫教育。高校受験がないので入学で祝うとなると自ずと大学入学を指します。
卒業おめでとう!
今度は「卒業おめでとう」という表現です。
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Congratulations on your graduation !
(卒業おめでとう!)
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Thanks, and at the same time I need to start looking for a job.
(ありがとう!それと同時に職探しをしなきゃね)
学校ではスタートはあまり大切にしないのか、始業式らしいものは無いものの卒業に関してはローブを来て四角い帽子をかぶります。
ちなみにあのローブ、大学側からレンタルもできるんですよ。
卒業後は、オーストラリアの場合、日本のように大学生が一斉に就職活動をすることはなく、学生がそれぞれ個別に就職活動をします。
昇進おめでとう!
そして、「昇進」したときに言う表現です。
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Congratulations on your promotion !
(昇進おめでとう!)
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Thank you. I feel honoured to be promoted to the position.
(ありがとう。この職位に就けた事を名誉に思うよ)
昇進は「promote」という単語を使います。名詞は「promotion」。
原形 | 三人称単数 | 現在分詞形 | 過去形 | 過去分詞形 |
---|---|---|---|---|
promote | promotes | promoting | promoted | promoted |
He was prmoted from vice president to president.
(彼は副会長から会長へ昇進した)
英語だと、「proud(誇りに思う)」とか「honor(イギリス英語はhonour: 光栄、名誉)」をよく使います。
日本語から考えると随分大層な言い方ですが、そういった文化なんですね。
離婚おめでとう!
日本ではそれほどでもありませんが、離婚をおおっぴらにするカップルも多いです。
離婚はしたけど仲良しのままというカップルも周りにいて、男女の関係って不思議だなぁと感じます。
離婚に際し、ポジティブな別れ方をするときには「Congratulations」を使っても良いでしょう。
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Congratulations on your break up.
(離婚おめでとう!)
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I was between rock and a hard place, but I think it’s finally over.
(これでにっちもさっちもいかない状況から抜け出せたと思うよ)
ただ、事が事なだけに、離婚に「Congratulations」を使うときには慎重に……。
「Happy」を使う「おめでとう」
上では「おめでとう」は「Congratulations」を使うと紹介してきました。
では、「新年あけましておめでとう」の場合の「おめでとう」はどうでしょうか?
こういう「年中行事」のときは、おなじみ「Happy」という単語を使います。
年中行事の挨拶には「Happy」を使う
今までに見てきた「おめでとう」には1つの共通点があることにお気づきでしょうか?
それは、人生の中での出来事だということです。入学、結婚、卒業、昇進……と、どれも人生の中で起こった節目になるイベントで「おめでとう」と言っています。
それに対して、「あけましておめでとう」はどうでしょうか? 年が明けることは人生のイベントではなく、社会の中でのイベント、つまり年中行事ですよね。
日本語では「おめでとう」という言葉を使いまわししていますが、本来は別のものです。
英語ではこの2つを明確に分け、年中行事の挨拶では……
- Happy New Year!(あけましておめでとう!)
- Happy Halloween!(ハッピー・ハロウィン!)
……のように、「Happy + 年間行事名」を付けるのが基本です。
「Congratulations」と「Happy」の違いを表にします。
いつ使う? | 日本語の表現 | 英語の表現 |
---|---|---|
人生の中での出来事をその人に対して祝う | おめでとう | Congratulations |
年中行事を祝う「挨拶」 | おめでとう | Happy 〜 |
2つの違いはわかりましたか?
「Happy」を使う場合は、「決まりきった挨拶」とおぼえておくとよいかも知れませんね。
「Happy」をあいさつで使う例
では、どのようなときに「Happy」を使うのか、いろんな年中行事での会話例で見てみましょう!
Happy New Year(あけましておめでとう)
まずは新年の挨拶「あけましておめでとう」です。
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Merry Christmas and happy New Year.
(メリークリスマス、そして良いお年を)
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Merry Christmas to you, too. Have a wonderful holidays.
(メリークリスマス! ホリデーを楽しんでね)
「Happy New Year」には気をつけたいことが1つあります。
新年の挨拶として年賀状でたまに「A Happy New Year!」と書かれているのを目にします。
挨拶で使う場合は、「Happy」の前に不定冠詞の「 a 」は付けません。
なぜか日本では「A happy New Year」というフレーズが出回っていますが、これはなぜでしょうか?
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勝手な推測ですが「We wish you a Merry Christmas」という曲の中に出て来るこんな一節が元ではないかと。
We wish you a Merry Christmas and a happy New Year
この中では「a」は必要なので、この文章は正しいのです。
ちなみにこの「Happy New Year」という挨拶、年が明けてから使うよりもクリスマスから年末にかけて耳にすることが多いです。
この歌の影響でしょうか?
Happy Birthday(お誕生日おめでとう)
誕生日はこちらではとても特別な日。
日本語でも「ハッピーバースデー」というカタカナ英語でおなじみですよね。
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Happy birthday !
(お誕生日おめでとう!)
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Thanks, but somewhat I feel a bit old now.
(ありがと。でも何だか年寄りになった気持ち)
レストランに行くと突然ハッピーバースデーの歌を歌い出すテーブルによく出くわします。
Happy Valentine’s(バレンタインの挨拶)
お次は「バレンタイン」ですが、バレンタインの挨拶は、同僚の間ではもちろん使いません。
恋人やパートナー同士でのみ使いましょう。
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Happy Valentine’s!
(バレンタインデーおめでとう!)
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Oh, you shouldn't have !
(あら、そんな気を遣わなくても良いのに)
※ こちらの例ではウサギさんはオオカミさんの恋人だという設定です。
注意したいのは「Happy Valentine」ではなく、「Happy Valentine’s」になること。
恋人やパートナーがいる男性が、相手をディナーに誘い、バラの花束を渡しながらこのセリフを言ってシャンパンを注ぐのがカッコイイ使い方ですね(笑)。
「You shouldn't have !」は決まり文句で、プレゼントなどをもらったときに言います。
Happy Easter(イースターの挨拶)
オーストラリアはイースターの時期(4月上旬)は連休に入るので、仕事が終わって連休に入る前にこの挨拶をしてそれぞれ帰路につきます。
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Happy Easter.
(イースターを楽しんでね)
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Happy Easter to you, too. See you next week.
(きみもね。また来週)
Happy holidays(連休前の挨拶)
連休や季節の休み時期の前に使う挨拶として「Happy holidays」を使います。
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Happy holidays.
(お休み楽しんでね)
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Happy holidays to you, too. I'll send you some photos from overseas.
(そっちも楽しんでね。海外からの写真、送るね)
連休なので複数形「holidays」になるのをお忘れなく!
オーストラリアの学校は12月に夏休みに入ります。この休みが一年で1番長い休み。
Happy Halloween(ハロウィーンの挨拶)
オーストラリアでも徐々に人気が出つつあるハロウィン。
挨拶は「Happy Halloween」と言います。
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Happy Halloween.
(ハロウィーンを楽しもう!)
![](https://ipa-mania.com/images/article/rabbit-normal.png)
Yeah, let's go around the neighbourhood !
(そうだね、近所を回ってみよう!)
トリック・オア・トリートをする子供たちも最近は増えました。
Happy Thanksgiving(サンクスギビングの挨拶)
「Thanksgiving(感謝祭)」の挨拶は「Happy Thanksgiving」。
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Happy Thanksgiving.
(感謝祭、おめでとう)
![](https://ipa-mania.com/images/article/rabbit-normal.png)
Let's have some Thanksgiving dinner !
(感謝祭のディナー、食べよう!)
アメリカなどで行われる「サンクスギビング(Thanksgiving)」ですが、実はオーストラリアでは全く縁のないイベントです。
クリスマスだけは「Merry」を使う?
クリスマスだけは特別で「Merry Christmas」とも言います。
「Happy Christmas」も一般的に使われていますが「Merry」の方が優勢(?)ですね。
![アメリカのクリスマスツリー](https://ipa-mania.com/wp-content/uploads/2017/12/christmas-in-america-03.jpg)
![](https://ipa-mania.com/images/article/hatsu-01.png)
ほかの季節の挨拶では「Merry」を使ったものは聞いたことがないです。
「Merry」の方が「Happy」よりも使われていた歴史が古く、それがクリスマスと一緒に使われる時には「Merry」がそのまま残ったようです。
最近は「Political Correctness(政治的に正しい言葉遣い)」を考慮し、キリスト教のイベントである「クリスマス」の言明を避け、「Happy Holidays」を見聞きする機会が増えました。
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Merry Christmas.
(メリークリスマス)
![](https://ipa-mania.com/images/article/rabbit-normal.png)
Happy holidays !See you next year !
(よい休暇を!また来年)
※ アメリカのクリスマスについての記事もどうぞ。
まとめ
いかがでしたか? ひとくちに「おめでとう」と言っても英語においては使われ方がさまざま。
しかも表現の仕方が日本語とは異なることが多いので文化的背景を味わえるスパイスにもなっていますね。
これを機に「おめでとう」というチャンスがあれば、それを英語で言ってみたり書いてみたりして下さいね。