
こんにちは、アメリカ在住ライターのタカコです。
去年私の父が他界したのに続き、先日、今度は飼っていた猫が旅立っていきました。
その猫は、夫が飼っていた猫で、17年という長い寿命を終えました。
私とは4年足らずの仲だったのですが、アメリカに来て誰も友達がいなかった私を、日々癒してくれた、最高の相棒でした。
ここ数カ月の間に、たくさんお悔やみの言葉をかけていただいたので、今回は、英語でのお悔やみの言葉について書こうと思います。
英語でも直接的な言葉は避ける
お悔やみの言葉は、「こう言わないといけない」と決まってはいないのですが、気をつけないといけないのは、「直接的な言葉を避ける」ということです。
特に「死」という言葉は避けた方がいいです。名詞だと「death(死)」、動詞だと「die(死ぬ)」です。

日本語でもそうですよね。少なくとも「死ぬ」という言葉は使わず、「亡くなる」という言葉を使います。
お悔やみの言葉は、相手の気持ちをいたわるわけですから、ちょっと遠回しな表現を使います。
「die(死ぬ)」という動詞の代わりに「pass (away)」と使うことがよくあります。これは、日本語の「亡くなる」とか「いなくなる」にあたる言葉ですね。
また、「誰かを失った」ということから、動詞で「lose(失う)」、名詞で「loss(喪失)」という言葉も使います。
基本的には「I'm sorry...」という言葉で始める
さて、次は文章の構成に注目します。
日本語だと、「この度はご愁傷様でした」と言ったり、「お気の毒」という言葉を使うと思うのですが、英語では、その「お気の毒」という意味の「sorry」という言葉を使います。
「I am sorry」で始めることが多く、もっと気持ちを強調した「I am so sorry」や、主語を抜いた「Sorry」や「So sorry」と言うこともあります。
形としては、
- (I am sorry) to hear 〜.
- (I am sorry) for 〜.
と続けるのが一般的です。
「(I am sorry) to hear 〜」の場合
まずは「(I am sorry) to hear 〜」の使い方を紹介します。
「to hear 〜.」で「〜と聞いてお気の毒に思います」という意味です。
「〜」の部分は、節(文章)でつなぐことがあります。
I am sorry to hear that she passed away.
(彼女が亡くなったと聞いて、お気の毒に思います)
また、会話の中で「実は、この間、飼っていた猫が死んじゃって……」と聞いたときに返す言葉や、FacebookなどのSNSで知った情報にコメントするときには、簡単に……
(I'm) sorry to hear that.(それを聞いてお気の毒に思います)
と「that(それ)」を使って言うこともできます。

「それ」の内容が明確なときは、「that」が使えて便利ですが、お悔やみのカード(手紙)や、わざわざ電話をして話すときなどには使えませんね。
「何」について哀悼の意を表するのか、書く(話す)必要があります。
それから、私たちが実際かけていただいた言葉に
I'm sorry to hear of the passing of your beloved ○○(猫の名前).
(あなたたちがかわいがっていた○○がいなくなったと聞いて、お気の毒に思います)
というものもありました。「hear」の後ろを「of」でつなぎ、名詞で続けた方法ですね。
「(I am sorry) for 〜.」の場合
お次は「(I am sorry) for 〜.」の表現です。前置詞の「for」があるので、続くのは主に名詞です。
ごくごく一般的に使われる表現が、
I'm sorry for your loss.(ご愁傷様です = あなたの喪失をお気の毒に思います)
です。
日本語に訳するとちょっとおかしいのですが、「ご愁傷様です」という言葉がしっくりきます。
「RIP」って何?
ところで、夫が猫のことをSNSに投稿したところ、「RIP」というコメントが何件かありました。
「OMG(Oh, my god / gosh)」のような省略した言葉だと察しはついたのですが、何の言葉が省略されているのかわかりませんでした。
そこで、夫に聞いてみました。

ねえねえ、コメント欄にあった「RIP」って、何の略?

「Rest In Peace」だよ。

なるほどー。「OMG(Oh my god)」みたいなものでしょ?

「OMG」は、テキスト(ショートメール)やインターネットが普及しだして使われだした、わりと新しい略語だよね。「RIP」は、お墓にも彫ってあるくらいの言葉で、ずっと昔から使われているんだ。

へー。なんか全然格式が違うね。お墓に書かれるなんてformal(改まった感じ)だし、歴史もずいぶん長かったなんて、なんか意外!!
夫の話では、お墓には名前や何年から何年まで生きたという「年」が刻まれているほか、短い言葉が添えられることがあり、「RIP」と書かれていることもあるそうです。
「Rest in Peace」は、日本語にすると「安らかに」とか「ご冥福をお祈りいたします」という言葉が当てはまります。
お悔やみで使える英語表現
最後に、お悔やみで使える英語表現の「文例」をいくつか載せておきます。
どれが正解というわけではないのですが、よろしければ参考にしてください。
I'm sorry to hear that your grandmother passed away last week.
(おばあさんが先週亡くなったと聞いてお気の毒に思います)
I'm sorry to hear about your loss.
(あなたの喪失を聞いてお気の毒に思います = ご愁傷様です)
I'm sorry for your father's passing.
(あなたのお父さんが亡くなったことをお気の毒に思います)
さらに一言!
I'll miss him (her).
(私は、彼/彼女がいなくて寂しく思うでしょう)
これは「私(自分)」が「寂しくなるだろう」という表現です。お悔やみをかけてもらった人や、お悔やみを言う側でも亡くなった人を知っている場合に使えます。
お悔やみの言葉をかける相手が「寂しくなるだろう」と想像して声をかける場合は「You'll miss him (her).」ですね。
I'm here for you.
(私はあなたのためにここにいます)
誰でも誰かを失うと心細くなります。そんなときに「あなたのそばにいるからね」という意味で使います。
実際、何か手伝ってもらうこともできますが、そう言ってもらうだけで「私はひとりじゃないんだ」と思える一言です。
It is never easy to say good bye to those we love.
(愛している人にお別れを言うのはとても簡単なことではありません)
I don't know what to say...
(何と言えばいいのか……わかりません)
It must be hard (tough) for you.
(さぞかしおつらいでしょう)
He (she) was a great man (woman), and it was my preasure to have known him (her).
(彼/彼女はすばらしい人でした。私はそんな彼/彼女と知り合えてうれしかったです)
以下は「prayers(祈り)」や「thoughts(思い)」という言葉を使った言い方です。
「prayers」は、ちょっと宗教的な要素を感じるかもしれません。その点「thoughts」は、誰でも(宗教に関係なく)人を思うことはできるので、「prayers」よりも使いやすい言葉かもしれません。
My prayers are with you (your family).
(祈りはあなた[あなたの家族]とともにあります)
My thoughts and prayers are with you.
(私の思いと祈りはあなたとともにあります)
Our thoughts are with you (the Tanaka family).
(私たちの思いは、あなた[田中家]とともにあります)
この場合に限らず、個人ではなく、家族全体を指すときは「the ** family」という言い方をします(**には、苗字が入ります)。
話はそれますが、カードを送るときも、家族全員を対象に送りたいときは、あて名を「the ** family」と書いて送ります。
ペットが死んでしまったときはどう言えばいい?
ちなみに、こちらはうちの猫のことでかけていただいた、お悔やみの言葉です(メス猫だったので、「she」や「girl」という言葉が使われています)。
ペットも家族の一員という位置づけなので、同じように使える表現も多いですが、少し言葉が違うものもあります。
「pass」という動詞も使いますが、「be gone」という、「行ってしまった」という言葉も使うんですね。
I am so sorry to hear that she has gone to the rainbow bridge.
(彼女が虹の橋に行ってしまったことをお気の毒に[残念に]思います)
「虹の橋に行ってしまった」というんですね。女性的か、動物好きな人の表現かなと思いますが。
日本語でも「虹の国に行ってしまいました」という表現を聞いたことがあったのですが、よく似ています。
I am so sorry that she is gone.
(彼女がいなくなってしまったことをお気の毒に思います)
I know how much you and loved her and how much she will be missed.
(彼女があなたからどれだけかわいがられて、いなくなったことをどれだけ寂しがられるか、私は知っています)
She will always be remembered as a wonderful friend.
(彼女のことは、すばらしい友達としていつも思い出されるでしょう)
いかがでしたか?
今回はお悔やみの言葉に注目して書いてみました。
どのように言わないといけないというわけではありませんが、決まり文句のように使われている言葉も多いです。
思いがけずお悔やみの言葉をかけないといけない、という場に遭遇することもあるので、頭の隅っこに少し準備しておくのもいいかもしれませんね。

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