その「すみません」は英語では何と言う? いろんなシチュエーション別のまとめ

タカコ

執筆者

WEBライター。2013年にアメリカに渡る。現在はアメリカ人の夫と子ども2人でテキサスに在住。

英語で謝るとき、多くの人が「I'm sorry = すみません」と思っているのではないでしょうか。

やっかいなのが、日本語では本来謝るべきではない場面で「すみません」を使うことなんです。

つい「すみません」をなんでも「I'm sorry」に置き換えてしまって、間違った使い方をしてしまいがち。

今回は「すみません」を使うシチュエーション別に分け、「英語ではどう言うのか?」をまとめました!

日本語の「すみません」にはいろいろな意味がある

まず最初に、日本語の「すみません」の種類を見てみましょう。

実は、「謝る」だけでなくいろいろな意味があるんです!

無意識に使いこなしていますが、こんなにたくさんの「すみません」を私たちは使い分けています

タカコ

改めて考えると、「感謝」は本来「ありがとう(参考: ありがとうの英語表現)」を使うべきなのに「すみません」を使ってるんですね!

各シチュエーションの「すみません」は英語で何と言う?

では、上で見た各シチュエーションの「すみません」を英語で何と言うかをまとめました。

「すみません」の種類

  1. 謝罪の意味の「すみません」
  2. 感謝の意味の「すみません」
  3. 依頼の意味の「すみません」
  4. 呼びかけるときに使う「すみません」
  5. 間に割って入るときの「すみません」
  6. 皮肉のこもった「すみません」

謝罪の意味の「すみません」

まずは「謝罪」の意味で使う「すみません」です。たとえばこんなシーンが該当しますね!

謝罪の「すみません」

  1. 誰かとぶつかったとき
  2. 約束の時間に遅れてしまったとき
  3. 商品が欠品しているとき(自身は店員)

これらは全部、おなじみの「sorry」という単語を使います。

「I'm sorry.」=「すみません / ごめんなさい」と思っている方も多いと思うので、特に問題なく受け入れられますよね。

タカコ

注意したいのは、英語の「sorry」は、「悪かった」と「謝る」というよりは、「申し訳ない」というニュアンスが強いこと。

「謝る(謝罪する)」という動作ではなく、「心が痛む(悪かったと思う)」という気持ちから、日本語の「ごめんなさい」や「申し訳ない」という感情の表現になります。

「sorry」の感情

  • 悪かったと思います
  • すまないと思います

以降で紹介する例では、「sorry」の持つこのような「感情」を読み取っていただきたいです。

誰かとぶつかったとき

まず、だれかとぶつかったとき。

ぶつかったら「sorry」
ぶつかったら「sorry」

英語では多くの場合、次のように「Sorry」だけで済ませます。

Sorry.
(ごめん)

もう少し丁寧に謝りたいときは「I'm sorry」。

I'm sorry.
(すみません)

さらに上だと「so」などをつけて強調して言います。

I'm so sorry.
(ほんとにすみません)

基本的に文章が長くなるほど丁寧になりますよ。

文章が長くなるほど謝罪度がUPする!

例えば、前をよく見ていなかったために誰かに思い切りぶつかってしまったときは、自分に非があるので、「I'm so sorry.」のように、丁寧に謝ります。

さらにぶつかった拍子に、持っていたコーヒーが相手にかかってしまえば……当然「I'm really sorry.(本当にごめんなさい)」でしょうね。

「申し訳ございません度」をUPさせる方法はこちらに詳しく書いてますので参考に!

約束の時間に遅れてしまったとき

次に、約束の時間に遅れてしまったとき。親しい相手でちょっと遅れた程度なら、「ごめんね」や「ごめんなさい」ですみますね。

これは英語でも同じで「Sorry」だけですませます。

Sorry I'm late !
(遅れてごめん!)

仕事の場だと「本当にすみません」や「誠に申し訳ございません」というような言葉を加えて、事態を重く受け止めて謝りますね。

英語でも同じで、気をつかって謝るときは、「sorry」ではなく「I'm sorry」や「I'm so sorry」などに変化させるのは、先ほどと同じです。

I'm so sorry for being late.
(遅れて本当にすみません)

遅れることを事前に連絡をするときにも「sorry」を使ってこのように言います。

Sorry, I'll be a little late.
(ごめん、少し遅れそう)

商品が欠品しているとき(自身は店員)

そして、お店の商品が欠品しているときにお店の人が謝罪する場合。

日本だと、これはお店の落ち度ですから「すみません」よりも、「申し訳ございません」と、丁寧に謝るのが一般的でしょうか。

英語でも同じく「I'm sorry」ですが、誰が「申し訳ない」という気持ちを持っているかによって、主語が変わります

We are sorry.
(すみません)

こんなふうに、会社やお店の気持ちとして話すときは主語が「we(私たち)」になるんです。

タカコ

ただ、会社として謝るのはよっぽどの不手際があったときで、頻度でいうととても少ないですよ。

スーパーなどでのちょっとしたやり取りだと、定員さんが「(I'm) Sorry about that.」という一言で済ますことが多いですが、もう少し丁寧に言うとしたらこんな感じです。

Sorry for the inconvenience.
(ご不便をおかけしてすみません)

「inconvenience」は「不便」という言葉ですね!

お店や会社だと主語weになることもある!

感謝の意味の「すみません」

お次は日本語の独特な「すみません」の使い方ですが、こういうときにも使いませんか?

日本独自の「すみません」

  • 落とした物を拾ってもらったとき
  • 道(通路)を譲ってもらったとき

さて、これを英語で言うとどうなるか考えてみましょう。

感謝のときは「ありがとう」

落ち着いて考えると、この2つは「感謝」の意味なので、「悪かったと思う」「残念に思う」という意味の「sorry」は適さないのがわかると思います。

「落としましたよ」「すみません」
「落としましたよ」「すみません」

「感謝の気持ちを伝える言葉」というと……ほら、よく使う、あの言葉がありますよね。

Thank you.
(ありがとう)

「感謝」のときは「Thank you」を使うようにしましょう!「sorry」を使うと、きっとビックリされますよ。

感謝するときは「Sorry」はおかしいThank youを使う!

「Thank you」への返事は?

逆に、自分が「Thank you.」と言われた側なら、こう言いましょう!

No problem.
(なんてことないですよ)

こちらもよく聞きます。

Sure.
(もちろん!)

こういう返事がとっさにできるといいですね!

【オススメ】日本語の「すみません」を意識的に変える

文章で読むと「なるほど。こういうときは『Thank you』を使うんだね」と簡単に理解できます。

でも頭ではわかっていても、つい日本語を英語に訳して「Sorry」と言ってしまうもの。

大丈夫です。正しく「Thank you」と言えるようにするオススメの方法があります。

それは、日本語で「すみません」と言っていたところを「ありがとう」に意識的に言い換えること。

タカコ

日本語で「ありがとう」と言えるようになると「Thank you」が自然に出てくるようになると思います。

母語である日本語を意図的に変える方がハードルが低いですので。

日本語で感謝の「すみません」というところを「ありがとうございます」と言っても、まったく差し支えありませんし、むしろ丁寧な印象になりそうですよね!


依頼の意味の「すみません」

何かを依頼するときには日本語では「〜してください」のように言います。

でもふつうは「ごめん」や「すみません」と一言加え、「すみませんが〜してください」のように、1つクッションを置いて、やわらかく言いますよね。

  • 恐れ入りますが、ほかのお客様のご迷惑となりますので、○○はご遠慮ください。
  • 悪いけど、ちょっとテレビの音を小さくしてくれる?

お願いするときは「Can you〜?」

英語で人に何かお願いするときは、 普通は「I'm sorry but,」のような前置きは使わず、助動詞を使って、「Can you (do) 〜 ?」と言います。

Can you turn down the TV ?
(テレビの音を下げてくれる?)

「can」を使うと軽めの表現になるので、丁寧にお願いしたければ、「can」の代わりに過去形の「could」を使います

「選択肢」を与えないお願いの仕方

また、「can」や「could」で聞くと、「yes」と「no」の選択肢がありますよね。

その選択肢を与えずに何かをお願いするときは命令形を使って「Please (do) 〜.」の形になります。

Please turn down the TV.
(テレビの音を下げてください)

何も前置きがなく、少し落ち着かないと思う方は、慣れるまで「Uh...」や「Um...」という、フィラー(日本語の「えーと」とか「あのー」などにあたる言葉)を使うのもオススメ!


呼びかけるときに使う「すみません」

「あのー、すみません」 のように誰かに声をかけるときにも、「すみません」を使いますよね。

後ろから誰かに声をかけるときや、お店で店員さんに声をかけるときも、だいたい「すみません」と言いますが、英語ではどうでしょう?

英語では「Excuse me」

英語で声をかけるときは、「Excuse me」が一般的です。

Excuse me.
(すみません)

店員さんに声をかけるときも、歩いている人を呼び止めたいときも「Excuse me.」で通じます。

目の前にいる店員さんに何か聞きたいときは、もう話したい人が目の前に立っている(= こちらの存在に気づいている)ので、呼びかけの「Excuse me.」は必要ありません

タカコ

「前置き」も必要ないので、さっさと質問します。

いきなり本題に入ることが難しければ、「Hi,」と言って話しかけたり、前項で書いたフィラーを使ったりして、気持ちを落ち着けましょう

店員さんに声をかけてもらったら?

そのあと、店員さんに「May I help you?」など声をかけてもらった場合は、「Yes,」と言って、質問をします。

例えば、こんな感じで。

  • I'd like to ask something. (ちょっとおうかがいしたいんですけど……)
  • Can I ask something? (ちょっとお聞きしてもいいですか?)

と言ったりします。 難しければ、シンプルにこんな感じでも大丈夫ですよ!

I have a question.
(聞きたいことがあります)


間に割って入るときの「すみません」

誰かが話しているときや、用事をしているときに「ちょっとすみません」と、間に割って入るときにも使います。

これは、人混みで間を通り抜けたりするときにも使いますし、会話をもっと詳しく聞きたいときなど、会話の途中に割って入るときに使います。

割って入るときは「Sorry to 〜」

英語でも同じように「sorry」を使いますが、「to」を使って「sorry to 〜」という形で使います。

I'm sorry to bother you, but could you do me a favor ?
(お忙しいところお邪魔してすみません、お願いしたいことがあるのですが……)

「bother」は「悩ます」「困らせる」という意味です。

「Excuse me」を使う場合が多い

上で「Sorry to 〜」を紹介しましたが、実は「Excuse me.」を使うことが多いです。

たとえばおじさんが「失敬、失敬」と言いながら(手のひらを胸のあたりで軽く振りながら)歩く姿を想像してみてください。

「Sorry, sorry.」と言ってしまいそうですが、 ただ通らせてもらうだけなら「Excuse me.」で十分ですよ。

タカコ

人と人の間を通り抜けるとき、誰かに当たってしまったら「謝罪」の「sorry」になりますが。

家族連れなど数人のグループで列の間を通り抜けたいときは、複数形にします。

Excuse us.
(すみません [ 通ります ])

地域性もあって、カナダでは「Excuse me」のところを「Sorry」を使うことも多いです。カナダ人は「sorry」を非常によく使います。


皮肉のこもった「すみません」

時には、「謝罪」の意味を含まず、皮肉を込めて「すみませんねぇ!!」と言ってしまうこともありませんか?

ちょっと怒ったような感じで。 「えぇ、えぇ。どうせ、私が悪いですよ!!」と、捨てゼリフのように。

タカコ

感じ悪いですけどね……。

英語にも捨て台詞的な「sorry」がある

実は、英語でも、皮肉のこもった「sorry」を使ったりします。

Sorry !!(すみませんねぇ!!)

語調も似ていて、捨てゼリフ的に「Sorry !!」と言います。えぇ、この場合も、全く心は痛んでいません

日本語と同じく、聞いていい気分のする用法ではないので、おすすめはできませんが、やはり人間ですから(笑)

……つい使ってしまうことも(体験談です)。


まとめ

さて、今回はいろんな「すみません」を英語ではどのように言うかを見てみました。

特に注意をしたいのは「感謝」の「すみません」ですね。

物を拾ってもらったことに対して、「Sorry !」と言うと言われた方は「え? なんで『sorry』なの?」とびっくりしますから(笑)。

ちょっとずつ英語の「すみません」にも慣れていってください!

こちらは関連記事です。「ごめん」と謝るときの「I'm sorry」の基本を確認してください!

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タカコ
アメリカ人の夫との結婚を機に渡米。現在は二児の母として英語に囲まれた環境の中で生活。日本語教育に携わっていたため言語への視点が鋭く、元・英会話教師の夫とのやりとりから生まれる記事が秀逸。
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