アメリカの女の子は、ユニコーン柄(Unicorn)が大好きです。
服やバッグ、文房具など、あらゆる商品にユニコーンのキャラクターが使われているものを見かけますが、多くの場合、ユニコーンと虹がセットで描かれているんです。
ではなぜ、ユニコーンと虹がセットになっているのでしょうか? 今回は、その理由についてまとめました。
ユニコーンとはどんな生き物?
「ユニコーン」と言葉で聞いたことはあっても、どんな生き物か想像がつきますか?
もちろん、ユニコーンは、実在する生き物ではないのですが……
一角獣(いっかくじゅう)とも呼ばれ、額の中央に一本の角が生えた馬に似た伝説の生き物である。
ユニコーン - Wikipediaより引用しました。
こんなことも書かれています。
ユニコーンは極めて獰猛で、力強く、勇敢で、相手がゾウであろうと恐れずに向かっていくという。足が速く、その速さはウマやシカにも勝る。角は長く鋭く尖っていて強靭であり、どんなものでも突き通すことができたという。
そんなかわいさからはかけ離れた生き物なのですが、このユニコーンは、アメリカ(カナダでも)では、女の子には大人気のモチーフです。
服や雑貨などにユニコーン柄のものが多く、とてもかわいく描かれています。
ユニコーンと虹はセットで描かれていることが多い
そして、ユニコーンには、虹がセットで描かれていることが多いことに気づきました。
半年ほど前、娘が初めて「ユニコーン柄がいい」と言って、買ったレギンスがこれです。
この柄には虹はなかったので、「虹がセット」という意識はありませんでした。
そして、つい最近、娘に買った水筒がこちら。
「へー、ユニコーンは虹色だし、虹も一緒でかわいい! センスいいな〜」……くらいにしか思いませんでした。
「chubby(小太り)」なユニコーンがかわいらしいです(参考: 太いって英語でなに?)。
そして、誕生日が近い娘のバースデーパーティーのアイディアになればと思って買った本『UNICORN FOOD』なのですが……
あれ? タイトルが「ユニコーン」で虹色??
そうなのです、この本は虹色の食べ物が満載のレシピ本なのです。
日本人が見たら、「体に悪そう」と思ったり、びっくりしてしまう色なのですが、アメリカでは、こういう色に着色された食べ物は一般的です。
そして、そんなアメリカにもう何年もいると、強烈な色でも「かわいい!」と思って買ってしまう自分がいました。
ここで初めて、ユニコーンと虹に何らかの関係がありそうだということがわかりました。
今までは特に気にしていませんでしたが、よく考えてみたら、娘に買った水筒に限らず、ユニコーンのたてがみやしっぽが、虹色をしていたものもあったことに気づきました。
ユニコーンと虹の関係性とは
そのことをアメリカ人の夫に聞いてみました。
ねえ、ユニコーンと虹って、何か関係あるの? ほら見て。今日買った本なんだけど、中が全部虹色の食べ物なの。それに、水筒もユニコーンと虹がセットだし。
虹は、ユニコーンのうんちでしょ?
えっ! まさか!!
あはは。冗談だよ。でも、そういう冗談を言う人も、実は本当にいるんだ。
夫がインターネットで、「unicorn, poop(うんち)」を検索してくれました。
すると……やっぱりそんな画像が出てきたのです。しかも、たくさん……。
興味のある方、検索してみてください。
ユニコーンは、実在しない生き物だってことは知ってるよね?
それくらい知ってるよ。でも、どうして虹とセットなのかがわからない。
じゃあ、虹は見たことがあると思うけど、虹の「端っこ」って見たことはある?
虹の端って、地面に近い、下の部分のこと? 見たことないよ。虹は遠くからしか見たことがない。
だよね。虹の端っこ(終わり)がどうなっているか見たくて、そのあたりに行ってみても、絶対虹の端っこにたどり着くことはできない。つまりこういうこと。
虹とユニコーンの共通点
- 虹の終わり = 見ることができない
- 伝説の生き物ユニコーン = 見ることができない
「どちらも実際に見ることはできない」という共通点から、ユニコーンと虹に関係性を持たせているっていうことなんだよ。
なるほど! だからユニコーンと虹が一緒に描かれたり、ユニコーンのたてがみやしっぽが虹色に描かれたりするようになったんですね。
虹の終わりはどうなっているの?(伝説)
ついでに、虹の終わりがどうなっているのかについても話が発展しました。
伝説では、虹の端っこ(終わり)には、黄金(gold)を持ったレプラコーンがいると言われているんだ。レプラコーンは、アイルランドの妖精だよ。
あ! アイルランドでは、おみやげものによくデザインされていたと思う(←アイルランドに留学してた)。それって……見た目「おじさん」だよね?
そう、それ。
妖精と聞くと、ピーターパンのティンカーベルのような、小さくて空を飛べる女の子だけを想像してしまいがちですが、「おじさん」の妖精もいるんです。
妖精は「自然物の精霊」なので。
へー。アイルランドにいたときに、その「おじさん」がデザインされたおみやげものもたくさん見たけど、そういう妖精だってことは知らなかった。
黄金のありかを知っている妖精なんだよ。
虹の終わりという幻想的な話なのに、黄金を持った見た目「おじさん」の妖精がいるっていうのもおもしろいね(笑)。
まとめ
ユニコーンと虹(の終わり)は「実際に見えないもの」つながりで、一緒に描かれたり、ユニコーンが虹色だったりすることが多いということだったのです。
服や雑貨にデザインされるユニコーンは、「極めて獰猛」とされている伝説とは真逆でとてもかわいいです。
虹とセットなのは「かわいい」という理由ではなく、「虹にユニコーンがいる」とか「ユニコーンは虹が好き」とかいうわけでもなかったんですね!
ただ「実際に見えないもの」というだけという……意外な理由でした。
今度は、虹の終わりにいると言われている、見た目「おじさん」のレプラコーンのことも気になってきました(笑)。