日本人には聞き慣れず、なかなか覚えられない英語の名前。
「English name」という言葉がありますが聞いたことありますか?
今回はそんな「English name」の謎についていろいろまとめてみました。
目次
「English name」「Spanish name」ってどんな名前?
欧米で使われている「名前」を詳しく見ていくと、日本人の感覚では、少しわかりづらいようなことがあります。
たとえば「English name」や「Spanish name」という名前ですが、簡単に言うとこんな説明です。
English name | 英語の読み方の名前 |
---|---|
Spanish name | スペイン語の読み方の名前 |
数年前、飛行機の中で知り合ったメキシコ人の名前は「ホルヘ(Jorge)」という名前でした。
で、その方がこんなことを言っていたんです。
「ホルヘ」は「ジョージ(George)」と同じ名前なんだ
メキシコではスペイン語が使われているので、こういうことなんだそうです。
ホルヘ | Spanish name |
---|---|
ジョージ | English name |
謎は深まるばかりですね!
さらに「Italian name」も
「ジョージ」と言えば『おさるのジョージ』というアニメがありますよね。
Who else loves Cheese Pizza?! Have a slice & celebrate #CheesePizzaDay! George might have already had more than one... #staycurious pic.twitter.com/C6nMazOBzr
— Curious George Store (@CuriousGeorgeSt) September 5, 2017
『おさるのジョージ』に出てくる、イタリアレストランのシェフのピスゲッティ(Pisghetti)さんがいます。
オリジナルの英語版では、ピスゲッティさんは、こてこてのイタリア語なまりの英語を話します。
そして、ジョージのことも「ジョルジョ(Giorgio)」と呼んでいるんです!
この「ジョルジョ」は、「ジョージ」の「Itarian name」なのです。
ホルヘ | Spanish name |
---|---|
ジョージ | English name |
ジョルジョ | Itarian name |
この3つは「同じ名前」ということなんです! さらにウィキペディアによると……
3つは同じ名前
ということだそうです! どういうことなんでしょうね?
言語は違うのに、「同じ名前」はなぜ存在するの?
「言語は違うけど、同じ名前」という感覚……日本人にはわかりにくいかもしれません。私も初めて聞いたときに、
え?「同じ名前」ってどういうこと??
と思いました。
もともと欧米の名前は、キリスト教や歴史上の人物などが名前がモデルになっていることが多いのですが、ここに秘密のカギがあります。
たとえば、前述した「ジョージ」は、古典ギリシア語の人名「ゲオルギオス 」に起源を持つそうです。
その超有名人の名前を、いろいろな言語でその人の読みをすると違う読み方になるんですね。
でも、もともとその名前のモデルは1人ですから、「名前が同じ」ということになるんです。
「太郎」という名前を中国語で読むと「tài láng(タイ・ラン)」と読むのと同じ感じかな?
英語名の「Michael」の例
ほかにも、英語読みの「Michael(マイケル)」について調べてみると、この名前は聖書に登場する大天使ミカエルの英語形に由来しているそうです。
そして言語によって、こんな読み方の違いがあるんです。
ドイツ語 | ミヒャエル |
---|---|
フランス語 | ミシェル |
イタリア語 | ミケーレ |
スペイン語・ポルトガル語 | ミゲル |
ロシア語 | ミハイル |
フィンランド語 | ミカ |
参考: マイケル - Wikipedia
現代では、歴史上の人物や、スポーツ選手などを中心に、世界のいろんな国や地域の人名に触れることが多いです。
なんだか、頭の中でごちゃごちゃに入り混じっていた外国人名ですが、「同じ名前」の感覚がわかれば、少しは整理されそうな気がしませんか?
アジア人が持つ「English name」
「English name」には、もう1つ意味があります。それは英語圏に住むアジア人が自らつける「English name」です。
私がアイルランドでの留学当時の話になりますが、空き時間を利用してバイトをしたいと思っていました。
英語もままならないのに、超有名ファーストフード店のバイトの求人に応募したんです(結果、思い切り落ちたんですけど……)。
その面接の内容はほとんどおぼえていませんが、始まってすぐに「あなたの『English name』は?」と聞かれ、びっくりしたのだけはおぼえています。
「English name」なんていう言葉、それまで聞いたことがなかったからです。
あとから人に聞くと、西洋人にはアジア人の名前は発音しにくかったり、おぼえられにくかったりするので、みんな英語風の名前を勝手につけるのだそうです。
周りの人から呼んでもらう「通称」として。
意外と適当に決められる「English name」
当時はそれを聞いても、受け入れることができませんでした。
元の自分の名前ではなく、どうして西洋風の名前をつけないといけないのか、ぜんぜんわからなかったのです
「English name」を持っていなかった人でも、その場で適当に決めたという話も聞いたので、またびっくり。
名前でしょ? そんなに簡単でいいの!?
……と。でも、
そんなに簡単でいいみたいです……(笑)。
それ以来周りを見渡すと、愛称のように「English name」を使っている人がたくさんいることに気づきました。
やはり、発音の難しさからか、私の周りでは、中国人はほぼ100%イングリッシュネームを持っています。
見た目も育ちもアジア人なのに、名前を聞くと「エイミー」が飛び出してきて、最初はびっくりしましたが、だんだんそれにも慣れてきました。
「English name」をつける目的とメリット
実際、中国人の名前って、日本人には発音しづらい音が多いんです。
これは名前に限らず、中国語全体にいえると思います。音の数が、日本語よりもけた違いに多いので。
それは少なくとも英語圏でも同じようです。
ここアメリカでも中国人は必ずといっていいほど「English name」を使っています。
それから、日本人でも、自分のラストネーム(苗字)やファーストネーム(名前)をもじって、「English name」をつけ、愛称にしている人にも出会いました。
たとえば、こんなふうに。
トミタさん | トミー |
---|---|
ミツオさん | ミック |
夫が言うには、日本人の名前は、アメリカ人には発音はそう難しくないそうです(少しイントネーションは違いますが)。
ただ、聞き慣れないので、覚えるのが難しいようです。
たしかに仕事の場などでは、自己紹介してすぐに名前をおぼえてもらえる方がいいですから、「English name」をつけるのでしょう。
そう考えると、「English name」を持つことは、完全にプラスであることに気づきました。
でも
勝手に名前(通称)をつけて困らないの?
……と思いませんか?
本名の出番の少ないアメリカ社会
アメリカに来て気づいたのですが、アメリカで本名や苗字が必要なことって、日本よりもかなり少ないんです。
郵便物のあて名も、日本に比べてすごく「おおらか」ですし、お店の会員登録なども通称で登録できます。
本名を使うとしたら、公的機関や金融機関、病院くらいでしょうか。
仕事の場でも通称や愛称で呼び合うので、本当の名前を知らないことも多いです。上司に対しても同じです。
驚いたことに、それでもぜんぜん困らないんです。
「『English name』をつける」と聞くと、なんとなく言葉に重くて特別な響きがあるかもしれません。
でも、ぜんぜんそういうのではなく、「この名前で(私のことを)呼んでくださいね」くらいの重さしかないということなのです。
なので、人によっては、その場で簡単に決めたりするんですね。「不都合があれば変えればいい」くらいの軽さです。
「English name」は必要?
私の場合、実際の暮らしの中ではイングリッシュネームは使っていません。いつも「Takako」と言っています。
でも、名前が何でもかまわない場で、自分の名前を言わないといけない場では、使ってみようかな……という気になっています。
たとえば、スタバでの注文などでは、カップに名前を書くために名前を聞かれることがあるのですが……。
「Takako」だと、100%一度は聞き返されて、「T,A,K,A,K,O」とスペルをいう羽目になります。
そこを、わかりやすい「ナンシー」などと言えば、自分も店員さんも楽なんです。
「English name」はコミュニケーションを円滑にするための手段
そう考えていると、日本でもこういったことがあったのを思い出しました。
私の友人が、私といっしょに居酒屋などに食べに行くときは、必ず私の苗字で予約をしていました。
なぜかというと、彼女の苗字が珍しいからです。
伝えても何度も聞き返されるし、やりとりが面倒くさいため、一緒に行くメンバーの苗字を使うことにしたのだとか。
珍しい苗字をお持ちの方には、共感される出来事だと思います。
「English name」は「その状況」の国を越えたバージョン、つまりコミュニケーションを円滑にするための手段といえます。
その場限りの「何でもない場」なら、お互いのストレスをなくすために使い分けるのもいいかもしれませんね。
まとめ
さて、今回は2つの「English name(イングリッシュ・ネーム)」について紹介しました。まとめるとこの2つ。
まとめ
参考になればうれしいです。
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