日本語で「君にこれをあげるよ」と言うときには「〜に……を」という形が使われます。
このときの形が、英語の文法で言われる第四文型 SVOOです!
今回は英語の第4文型SVOOについて、作り方・SVOへの書き換え・代表的な動詞など詳しく紹介しますね。
「第四文型 SVOO」について
はじめに、第四文型 SVとは何かを見てみましょう。
意味・形や作り方を例文で紹介していきますね!
「第四文型 SVOO」とは?
「第四文型 SVOO」は英語の文を5パターンに分けたときの1つの形です。
英語の5文型
- 第一文型「S+V」
- 第二文型「S+V+C」
- 第三文型「S+V+O」
- 第四文型「S+V+O+O」
- 第5文型「S+V+O+C」
形としては、第三文型の「SVO」にさらに「O」が追加されているように見えます。
この記事では第一〜第三文型まで理解していることを前提に書いておりますので、わからない人は第一文型からご覧ください。
「第四文型 SVOO」の意味・形
まずは基本的な意味・形・作り方から見てみましょう。
「SVOO」の形とは、第三文型「S(主語)+V(動詞)+O(目的語)」に、さらにもう1つの「O(目的語)」がくっついた形になります。
「第四文型 SVOO」は2つの「目的語」を持つ形
「第四文型 SVOO」は2つの目的語を持つ形です。
たとえば、以下の文が「SVOO」ですよ。
I give you a carrot.
君にニンジンをあげるよ
「you(君)」と「a carrot(ニンジン)」の2つとも目的語(Object)なのが特徴です。
あらためて先ほどの例文を図にすると以下のようになりますよ。
第四文型では、2つの目的語を使って「Sは〜に……をVする」という表現ができるわけですね。
「目的語が2つある」とはどういう意味?
「目的語が2つある」という表現をサラッと使いましたが、もう少し掘り下げて説明しましょう。
こちらの図のように、「I give(私はあげる)」の目的となる(対象となる)相手が2つ存在するという意味です。
つまり、こういうことですね。
「you」も「carrot」もどちらも、「I give」の目的語なのです。
語順は「〜に」「……を」
第4文型SVOOの形を作るコツは、ずばり「『〜に……を』の順番で並べる」ということです。
たとえば「buy(買う)」という動詞を使って「私はあなたにプレゼントを買う」と言ってみましょう。
この場合は、「SV(誰がどうする)」の後に、そのまま「あなたにプレゼントを」の順に並べればOKですよ!
I buy you a present.
(ボクは君にプレゼントを買うよ)
このように「だれになにを」と伝えたいときの表現が第4文型SVOOというわけです。
「〜に」の部分には人が、「〜を」の部分にはモノが来る場合が多いですよ。
ちなみに英文法の用語では1つ目の「〜に」が間接目的語で、2つ目の「〜を」が直接目的語と呼ばれます。
2つの目的語
- 1つ目 …… 間接目的語(Indirect object)
- 2つ目 …… 直接目的語(Direct object)
第四文型 SVOO を第三文型 SVO に言い換える方法
第四文型 SVOOの作り方がわかったところで、第三文型 SVO への言い換えをやってみましょう。
「〜に」と「……を」の順番がひっくり返る
実は第四文型 SVOO の文の多くは第3文型SVOに書き換えることができるのです。
まずは以下の第四文型の例文をご覧ください。
第4文型
I give you a carrot.
(君にニンジンをあげるよ)
これは、この記事で紹介している第四文型 SVOO の形ですね。
この文を第三文型 SVO の形にすると以下のようになります。
第3文型
I give a carrot to you.
(ニンジンを君にあげるよ)
2つの文を比べると「〜に」と「……を」の順番がひっくり返っていますよね? 図にしてみましょう。
これが第4文型SVOOと第3文型 SVO の言い換えのポイントです。
もともとが「1人に+2モノを」だった文の人とモノの順番を逆にして、さらに人の前に前置詞を入れて「1モノを+2前置詞+3人に」という形にします。
この書き換えのときに使われる前置詞は「to」か「for」なのですが、どちらを使うかは動詞によって決まっていますよ。
たとえば、動詞が「give」のときは必ず「to」になるので、先ほどの例文は必ず「I give a carrot for to you.」になります。
具体的にどの動詞に「to」がつき、どの動詞に「for」がつくのかは次の章で紹介していきますね。
第三文型と第四文型のニュアンスの違いとは?
ちなみにSVOO・SVOには少しニュアンスの違いがあります。
英語は「重要なこと(新情報)は最後に置く」という法則があるので、SVOOなら「モノを」が強調され、SVOなら「人に」が強調されますよ。
- 第四文型 SVOO
- I give you a carrot.
(「モノを」が強調) - 第三文型 SVO
- I give a carrot to you.(「人に」が強調)
第四文型 SVOO で使われる動詞の一覧
では最後に、第四文型 SVOO で使われる動詞の一覧をまとめます。
自動詞・他動詞という2つの種類で言えば、SVOOで使われる動詞は他動詞です。
「他動詞」とは目的語が必要な動詞のことですよ♪
第四文型で使われる2種類の動詞について
まず知っておきたいことは、第四文型で使われる動詞には2種類があるということです。
第四文型で使う2種類の動詞
- 「to」を使う「give型」
- 「for」を使う「buy 型」
「give型」と「buy 型」の2種類
この2種類はどう違うのでしょうか?
前述したように「第四文型」は「第三文型」に意味はそのままに変更することができます。
そのときに使われる前置詞に「to」と「for」の2種類があるのです。
図で見てみましょう。
上の「give」のように第三文型に直したときに「to」を使う動詞と、「buy」のように第三文型になると「for」を使う動詞があるです。
わかりやすいように表にしますね。
使われる前置詞 | 該当する動詞 | |
---|---|---|
give型の動詞 | to | give, send, tell |
buy 型の動詞 | for | buy, cook, make |
2種類の動詞を見分ける方法
「give型」と「buy 型」をわける目安としては「相手が必要かどうか」です。
多くの「give型」の動詞は相手がいないとできない動作です。
それに対して、「buy 型」の動詞は相手がいなくてもできる動作となっています。
例えばgive(あげる)やsend(送る)というのは相手がいないとできないけれど、buy(買う)やcook(料理する)というのは相手がいなくてもできますよね?
見分けかた
- give型(「to」を使う) …… 相手がいないとできない動作
- buy 型(「for」を使う) …… 相手がいなくてもできる動作
このルールさえ知っておけば「この動詞は『to』で、これは『for』」というように丸暗記する必要もなくなりますよ!
【参考】前置詞のイメージで覚える
この2つの前置詞「to」と「for」ですが、じつはイメージがあります。
前置詞のイメージ
- to …… 相手に届く
- for …… 相手に向ける(届くかはわからない)
このイメージにも合っているので、前置詞のイメージも知っていると覚えやすいですね。
前置詞はイメージで覚えようという記事もぜひご覧ください。
第四文型で使われる基本的な動詞一覧
それでは「give型」「buy 型」にわけて、代表的な「第4文型SVOOで使われる動詞」を見ていきましょう。
「give型」「buy 型」に当てはまらない例外的な動詞も少しあるので、それも加えておきますね。
give型の動詞
まずは「give型」で使われる基本動詞から見てみましょう。
deny | 拒否する |
---|---|
give | あげる |
hand | 手渡す |
lend | 貸す |
メールする | |
offer | 提供する |
owe | 借りている |
pass | 手渡す |
pay | 支払う |
promise | 約束する |
read | 読む |
sell | 売る |
send | 送る |
show | 見せる |
take | 時間がかかる |
teach | 教える |
tell | 伝える |
throw | 投げる |
write | 書く |
buy型の動詞
つづいて「buy型」で使われる基本動詞です。
bake | 焼く |
---|---|
build | 建てる |
buy | 買う |
call | 呼ぶ |
choose | 選ぶ |
cook | 料理する |
do | する |
find | 見つける |
fix | 修理する |
get | 手に入れる |
make | 作る |
order | 注文する |
play | 楽器を弾く |
pour | 注ぐ |
prepare | 準備する |
recommend | おすすめする |
save | 取っておく |
sing | 歌う |
spare | 取っておく |
その他の動詞
最後に、第四文型で使われる「その他の動詞」を紹介します。
ask | 頼む (第三文型にしたときの前置詞が「of」になる) |
---|---|
bring | 持ってくる (第三文型で「to」も「for」も使える) |
leave | 残す (第三文型で「to」も「for」も使える) |
charge | 請求する (第三文型にできない) |
cost | お金がかかる (第三文型でにできない) |
このなかでも「ask」には注意が必要です。「ask」だけは第三文型 SVOにしたとき、「to」でも「for」でもなく「of」を使います。
「ask」の例
Can I ask you a question ?
Can I ask a question of you ?
これらの動詞は文法的には「SVOO」で使い、目的語を必要とするので「完全他動詞」に分類されます。
また誰かに「あげる」という意味なので授与動詞とも呼ばれますよ。ちょっとマニアックですが(笑)
まとめ
では最後に第四文型についてまとめます。
まとめ
- SVOOは「〜に……を」のときの形
- SVO+前置詞(to, for)に言い換え可能
- SVOOで使われる動詞は「give型」か「buy型」