今回は冠詞×3種類の使い分けについてです。
3種類の冠詞
- 不定冠詞(a / an)
- 定冠詞(the)
- 無冠詞
こんな3つの冠詞が存在するのですが、どんなルールで使われるのでしょうか?
3種類の冠詞とは?
では、具体的な冠詞の使い方を紹介していきますね。
冠詞にはこちらの3種類が存在します。
3種類の「冠詞」
- 不定冠詞a / an
名詞が「不特定」であることを表す - 定冠詞the
名詞が「特定」であることを表す - 無冠詞
名詞に冠詞を付けない場合
上のように冠詞の無い「無冠詞」も1つの冠詞としてとらえています。その方が理解しやすいですので。
では、どんな時に「a(an)」で、どんな時に「the」なのか? そもそも冠詞が不要なのはどんな場合なのか?
日本語には無い感覚なのでちょっと意味不明な印象がありますが、実はちゃんと一定の法則があるんですよ。
では、それぞれのパターンを詳しく見ていきましょう!
どんなときに冠詞「a」を付けるの?(不定冠詞)
まず、「a(an)」を付ける場合から紹介しますね。
よく「不定冠詞」と呼ばれますが、ややこしいのでとりあえず忘れておいてください(あとで分かります)。
対象となる名詞がこちらのパターンになるときに「a(an)」になります。
「a(an)」の付くパターン
はい。なんか用語だらけでちょっと分かりづらいですよね(笑)1つ1つ見ていきましょう。
可算名詞であること
「 a 」が使われるためには、まず「可算名詞」であるという条件が必要です。
例えば「バナナ1本ちょうだい!」みたいな場合です。「バナナ」という名詞は、「1本、2本……」というふうに数えられる名詞ですよね?
数えられる名詞のことを「可算名詞」と呼びます。
逆に「数えられない名詞(不可算名詞)」である「air(空気)」や「water(水)」には絶対に「 a(an)」は付きません。
可算名詞と不可算名詞(数えられない名詞)については下記の記事をご参考に。
単数であること
数えられる名詞(可算名詞)であることと、もう1つ大切な条件が単数(1つだけ)であることです。
名詞が「1つ」のときだけ、「 a 」が付きます。
複数で「2個のバナナ」になると「 a 」はつかずに、「two bananas」になります。
単数形と複数形については下記の記事をどうぞ。
不特定であること
そして、不特定の意味を持っていることが重要です。
たとえば、「バナナ1本ちょうだい!」とお願いする場合、何本かあるバナナのどれでもOKですよね?
よっぽど腐ったバナナだらけじゃなければ……。
つまり「コレ!」と特定していないので「不特定」という意味だということです。
そのため、英語で「バナナ1本ちょうだい!」と言う場合は以下のように「a」が必要になります。
Give me a banana.
(バナナ1本ちょうだい)
他には「将来は医者になりたい!」という場合の「医者」もそうですね。
「世の中にたくさんいる医者のうちの1人」になりたいという意味なので、以下のように「 a 」が付くんですよ。
I want to be a doctor in the future.
(僕は将来は医者になりたい)
ということで、「 a 」は冠詞の中でも「不定冠詞」と呼びますが、「不定(定まっていない)」ものに付けるから不定冠詞っていう名前なんですね。
どんなときに冠詞「the」を付けるの?(定冠詞)
次に「the」を付ける場合です。上で見た「不定冠詞(= a )」に対して「定冠詞(=the)」と呼ばれます。
かんたんに言うと「the」は、特定された名詞の前に付けます。
たとえば、ドアに張り紙で「ドアを閉めろ」と書いていたとします。どちらが適切でしょうか?
2つの違い
- Close a door.
- Close the door.
1の「Close a door」だと、「ドアを閉めよう(ドアを閉める習慣を身に着けよう)」のように、全世界の人に呼びかけているように見えます。
(ただ、世界にはたくさんのドアがあるのに「doors」とならずに「 a 」を使って「1つの」というのは不自然ですが……)
逆に2だと「the」を使って、「特定」しているので、「(張り紙を貼っているこの)ドアを閉めよう」ということが伝わります。
これが「特定している」という意味です!
この基本を踏まえながら、「the」を使うシチュエーションは、大きく分けて以下の3つのパターンがあると考えると分かりやすいですよ。
「the」の3つのパターン
それぞれ順番に紹介していきますね。
話し手・聞き手の間の共通認識である
まず「the」が使われるときのルール1つ目は、話し手・聞き手の間の共通認識であるという条件のときです。
例えば「あのレストラン行ってきたよ!」の「あの」という場合です。
この場合、話し手・聞き手も「あのレストラン」がどのレストランなのかお互いに分かっていますよね?
共通認識
I finally went to the restaurant yesterday.
(とうとうあのレストランに行ってきたよ)
Oh, really !? How was it ?
(おー、マジで!? どうだった?)
つまりこの2人には「どのレストランのことか?」が「特定されている」ということです。
このように対象となる名詞が「共通認識」である場合は、「the」を付けます。
会話・文章で2度目に出てきたとき
次に、対象となる名詞が会話・文章で2度目に出てきたときにも「the」が使われます。
これはお話の冒頭によく出てきますよ。例えば、以下の例文のような場合です。
話の中で2度目に登場
Once upon a time, there lived an old couple in the small village.
(昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。)
One day, the old couple found a huge peach.
(ある日、おじいさんとおばあさんは大きな桃を見つけました)
この場合、最初の場面では、まだどんなおじいさん・おばあさんなのか正体不明です。つまり「不特定」なので「an」が使われています。
ところが、次の場面(大きな桃を見つけた場面)では「はいはい、さっきのおじいさん・おばあさんね」と「特定されている」ので「the」になっていますね。
「 a 」を付けるのか、「the」を付けるのかは、同じ単語でも文脈で変わってくるということですね!
会話・文章で同じ名詞が2度目・3度目と出てきたら、それ以降は「the」を付けてくださいね。
常識的・慣用的に決まっているもの
最後に、「常識的・慣用的に決まっているもの」の場合です。
例えば「太陽」や「月」って、絶対に世の中に1つしか無いですよね?
このように常識的に一つと決まっているものには「the」が付きます。
1つしかないものは「the」
The sun is shining today.
(太陽は今日も輝いている)
他にも、「これはtheが付く!」って慣用的に決まっているものもあります。例えば「楽器」がそうですね。
楽器には必ず「the」
She plays the guitar well.
(彼女は上手にギターを弾く)
これらは理屈抜きに「theが付くもの」と覚えてしまった方が分かりやすいですよ!
ここで見てきたように「the」は、「それが何か定まっているもの」に付ける冠詞なので、「定冠詞(=the)」と呼びます。
どんなときに冠詞をつけないの?(無冠詞)
最後に、冠詞をつけない場合(無冠詞)を見てみましょう。
冠詞をつけない場合は、以下の「3つの場合+その他」と考えると分かりやすいですよ。
無冠詞の3つのパターン
それぞれ順番に紹介していきますね。
可算名詞の複数形
まず、可算名詞(具体的に数えられる名詞)でも、単数ではなくて複数ある場合は「a(an)」は付けられません。
Donuts are delicious.
(ドーナツは美味しいね)
Yup, but sugar is bad for teeth.
(うん、でも砂糖は歯に良くないね)
I know.
(知ってる)
そもそも「a(an)」は「1つ」という意味なので、当然といえば当然ですね(笑)
これら「ドーナツは美味しい」や「砂糖は歯に良くない」のように、「~というものは」という一般論の場合には数えられる名詞の場合は「複数形」が使われるので、「a(an)」や「the」を付けないと思ってもらうとイイですよ!
不可算名詞
次に、「水」や「空気」のような不可算名詞(具体的に数えられない名詞)の場合も冠詞は不要です。
先ほどの例文にあった「sugar(砂糖)」もそうですね。
Yup, but sugar is bad for teeth.
(うん、でも砂糖は歯に良くないね)
ただ、不可算名詞でも「(食卓で)そこの塩取って」というように具体的なモノを指す場合は「the」が必要になるんです。
Could you pass me the salt ?
(塩を取ってもらえますか?)
もちろん、「不可算名詞」なので「 a 」が来ることはありえませんよ!
こちらは関連記事です。
固有名詞
最後に、「固有名詞」の場合です。
「Ichiro(イチロー)」などの人名や『Frozen(アナと雪の女王)』などの映画のタイトルには「a(an)」や「the」は付きません。
Have you ever seen Frozen ?
(『アナと雪の女王』観たことある?)
絶対に1つしかないものなので「 a 」がついても「 the 」がついても変ですよね。
固有名詞に「s」が付く例
ただし、クラスに何名も同じ名前の生徒がいるときは固有名詞である名前を複数形にして言います。
My class has 3 Ichiroes.
(うちのクラスにはイチローという名前の人が3人いるよ)
この場合、特定の1人という認識ではなく、「名前」にフォーカスしているからですね。
名字に「the」と「s」が付くと「〜一家」という意味に
名字も固有名詞なので、「 a 」も「the」も付きませんが、「〜一家」と言いたいときは「the」と「 s 」をつけて表現します。
たとえば、「山田さん一家」と言いたいときは「the Yamadas」のように。
この表現は、家にある「郵便受け」でも使われていますよ。
その他
以上の3つの場合に加えて、慣用的に冠詞を付けない「その他」があると思っておいてください。
たとえば以下のものが例外です。
その他
- 月や曜日(February, Monday)
- 国名や都市名(Japan, Tokyo)
- ごはん(lunch, dinner)
- 言語(English, Japanese)
- 科目(Math, Scinece)
- スポーツ(soccer, basketball)
12か月の名前や曜日、そして国名などは冠詞がつかないことで有名ですよ。
ほかにも「go to bed(寝る)」の場合の「bed」や「by train(電車で)」の場合の「train」のようなものにも「the」は付きません。
「イス(chair)」「テーブル(table)」「トイレ(bathroom)」「駅(station)」「空港(airport)」などもですね。
つまり、具体的なモノじゃなくて役割・機能としての意味合いが強い場合は無冠詞になります。
まとめ
今回は、どんな名詞に「不定冠詞( a )」「定冠詞(the)」が付くのか、もしくは「無冠詞」になるのかを紹介してきました。
大きなポイントが、その名詞が特定されているかどうかという視点ですね。
ぜひ、「 a 」と「the」に慣れ、使いこなせるようになってください。
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