日本語には「色」の名前が使われる慣用句が色々とあります。たとえばこういうものです。
日本語の慣用句例
- 黄色い声援
- 真っ赤なウソ
- 白(しら)を切る
- はらが黒い
実際の色がついているわけではないのですが、色の持つイメージから使われていますよね。
では英語ではどうでしょうか?
今回は「色」のつく英語の慣用句、特に感情にまつわるものをリストアップしてみました。
目次
「色の名前」が使われる英語の慣用句
では、実際に「色」の名前が使われている英語の慣用句の中でも「感情」を表すものを見ていきましょう。
緑(green)がつく慣用句
最近は「green(グリーン)」といえば「環境に優しい」という意味合いが強いです。
でも、英語では元来は「未熟な、経験不足の」という意味で使われていました。そこは日本の「青い」に似ています。
この「green」が使われる慣用句では「green with envy(とてもうらやましがる)」という表現があります。
単純に「うらやましいわ〜」というときは「I’m envious」もしくは「I envy you」といいます。
更にその上のうらやましさを表したいときには「Green with envy」を使いましょう。
I just won a flight ticket to anywhere !
(どこにでも行ける飛行機チケット、当たった!)
Oh ! I’m green with envy !
(それ、めっちゃうらやましい!)
青(blue)がつく慣用句
日本語ですと、青は「青くさい」「青二才」といった具合に未熟という意味合いが持たされていますね。
一方、英語の場合は「憂うつな、元気がない」という意味になります。
I’m feeling blue today.
(今日は憂うつなんだ)
Why are you saying that out of the blue ? You seemed so cheerful yesterday.
(突然、何言い出すんだい? 昨日はあんなに陽気だったのに)
Sigh...
(はぁ……)
I only see you feeling down once in a blue moon.
(キミが落ち込んでるのなんて滅多に見たことないよ)
I lost my favorite blue keyring.
(お気に入りの青いキーホルダー、なくしちゃったんだ)
Cheer up. I’m sure you’ll find it somewhere in the house.
(元気 出しなよ。家のどっかにきっとあるよ)
上の例文に使っている「blue」を使った言い方をまとめます。
feeling blue | 憂うつな・元気がない |
---|---|
out of the blue | 出し抜けに、思いがけなく |
once in a blue moon | ごくまれに、ほとんど 〜ない |
ちなみに「keyring」はスペースありの「key ring」とスペースなしの「kiyring」の両方が使われます。
赤(red)がつく慣用句
「red」を使った慣用句に「Paint the town red」というものがあります。
直訳すると「町を赤く塗る」ですが、「街に繰り出して大いに楽しむ」というときに使います。
ふつうに楽しむ以上に、どんちゃん騒ぎをするような楽しみ方をする場合に使います。
TGIF ! Let’s go and paint the town red !
(やっとの花金だ! 街でぱ〜っとやろう!)
I’ll take you to the famous wine bar !
(有名なワインバーに連れてってあげるよ!)
「TGIF」はSNSなどでよく使われるLOLのような略語です。ほかの略は下記記事をどうぞ。
白(white)がつく慣用句
日本語だと「白」は純潔なイメージで、結婚式では白無垢を着たりしますね。
英語では感情にまつわる白の慣用句は見当たらないんですが、悪意のないウソの事を「white lie」といいます。
I used to think that eating too much chocolate made my nose bleed.
(チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出ると思い込んでた)
Did your parents tell you a white lie ?
(両親に [うその] 方便を教え込まれてたのかい?)
黄色(yellow)がつく慣用句
そして、「黄色」がつく慣用句です。
「円熟した人、丸みをもった人」を「mellow(円熟した・丸い)」を使って表現するのですが、言葉の韻をを踏んで「mellow yellow」ということがあります。
They call me mellow yellow.
(あたしって「丸いヤツ」って呼ばれているんだ)
Quite rightly so.
(そのとおりだね)
ちなみに「mellow yellow」は 炭酸飲料や歌のタイトルにも使われています。
ピンク色(pink)がつく慣用句
英語で「ピンク」が感情に使われるものに「tickled pink」があります。
これはくすぐられて(tickled)顔を赤らめる(pink) くらい「大喜びする」という意味です。
英語では赤らめる色は「ピンク」なんですね。
Your friend squirrel was tickled pink that you gave him chestnuts on his birthday.
(友達のリスくん、誕生日にクリをもらって大喜びしていたよ)
I handpicked the good chestnuts myself.
(ボクが自分で良いクリを選りすぐったんだ)
金色(gold)がつく慣用句
そして、じゃっかん「色」とは違いますが、「金色(gold)」の慣用句です。
気分が良い時は「I feel good」と言いますが、さらに良いときは「good」の「 g 」の韻を踏んで「I feel good as gold」といいます。
この場合は慣用句的に使うので「as 〜 as」のルールは適用されません。
I’m feeling good as gold.
(気分サイコー!)
I’m glad that you found your keyring.
(キーホルダー、見つかってよかったね)
そのほか「色」についての豆知識
今度は「色」である「color」についての豆知識をまとめてみます。
2つのスペル「color」と「colour」
「色」の英語の綴りには2つの種類があります。
2つの「色」のスペル
- color …… アメリカ英語
- colour …… イギリス英語
日本の学校で学ぶ英語は、アメリカ英語に合わせているので「color」で覚えていると思います。
でも、イギリスをはじめ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどでは「colour」を使いますよ♪
「true colors」は「本性」の意味?
「color」という言葉ですが、「true colors」で、その人の「本性」を指します。
有名なシンディー・ローパーの曲で『True Colors』というタイトルのものもあります。
Honestly, I really want to help out young people who are finanially stuggling.
(正直なところ、あたしは経済的に困っている若者たちの手助けをしたいんだ)
I always thought that you were stingy but think I see your true colors now.
(いつもキミのことはケチだと思ってたけど、きみのこころ根を見た気がするよ)
「true colors」のように「 s 」がついて複数形になっているのは、「本性」にはいろいろあり、1つではないからです。
まとめ
いかがでしたか? 目に見えない感情を色でたとえるのは、国によって用いる色が違うのが面白いですね。
色に関しては、英語でも感情のみならず多彩な使われ方をしています。
そういった切り口で英語を勉強するのも一興ですね。