「イングリッシュネーム」ってどんな名前? 欧米で使われる「名前」の謎

タカコ

こんにちは、アメリカ在住ライターのタカコです。

日本人には聞き慣れず、なかなか覚えられない英語の名前。「English name」という言葉がありますが聞いたことありますか?

今回はそんな「English name」の謎についていろいろまとめてみました。

「English name」や「Spanish name」ってどんな名前?

欧米で使われている「名前」を詳しく見ていくと、日本人の感覚では、少しわかりづらいようなことがあります。

たとえば「English name」という言葉を聞いたことがありますか? ほかにも「Spanish name」というような言葉もあります。

  • English name …… 英語の読み方の名前
  • Spanish name …… スペイン語の読み方の名前

です。数年前、飛行機の中で知り合ったメキシコ人の名前は「ホルヘ(Jorge)」で「『ホルヘ』は『ジョージ(George)』と同じ名前だ」と言いました。

メキシコではスペイン語なので

  • ホルヘ …… Spanish name
  • ジョージ …… English name

ということですね。

さらに「Italian name」も

「ジョージ」というと、「おさるのジョージ」を思い浮かべる人がいるかもしれません。

「おさるのジョージ」に出てくる、イタリアレストランのシェフのピスゲッティさんですが、オリジナルの英語版では、こてこてのイタリア語なまりの英語を話します。

そして、ジョージのことも「ジョルジョ(Giorgio)」と呼びます。この「ジョルジョ」は、「ジョージ」の「Itarian name」なのです。

ということは……

  • ホルヘ …… Spanish name
  • ジョージ …… English name
  • ジョルジョ …… Itarian name

この3つは「同じ名前」ということなんです! さらにウィキペディアによると……

  • フランス語 …… ジョルジュ
  • ポルトガル語 …… ジョルジ
  • ドイツ語 …… ゲオルク

ということだそうです!

言語は違うのに、「同じ名前」はなぜ存在するの?

「言語は違うけど、同じ名前」という感覚……日本人にはわかりにくいかもしれません。私も初めて聞いたときに、

タカコ

え?「同じ名前」ってどういうこと??

と思いました。

もともと欧米の名前は、キリスト教や歴史上の人物などが名前がモデルになっていることが多いんです。

前述した「ジョージ」は、古典ギリシア語の人名「ゲオルギオス 」に起源を持つそうです。

その超有名人の名前を、いろいろな言語でその人の読みをすると違う読み方になるんですね。

でも、もともとその名前のモデルは1人ですから、「名前が同じ」ということになるんです。

英語名の「Michael」の例

ほかにも、英語読みの「Michael(マイケル)」について調べてみると、この名前は聖書に登場する大天使ミカエルの英語形に由来しているそうです。

そして、

  • ドイツ語 …… ミヒャエル
  • フランス語 …… ミシェル
  • イタリア語 …… ミケーレ
  • スペイン語・ポルトガル語 …… ミゲル
  • ロシア語 …… ミハイル
  • フィンランド語 …… ミカ

こんなふうにいろんな言語で違った発音になっているんですね。

参考: マイケル - Wikipedia

現代では、歴史上の人物や、スポーツ選手などを中心に、世界のいろんな国や地域の人名に触れることが多いです。

なんだか、頭の中でごちゃごちゃに入り混じっていた外国人名ですが、「同じ名前」の感覚がわかれば、少しは整理されそうな気がしませんか?

アジア人が持つ「English name」

「English name」には、もう1つ意味があります。それは英語圏に住むアジア人が自らつける「English name」です。

私がアイルランドでの留学当時の話になりますが、空き時間を利用してバイトをしたいと思っていました。

英語もままならないのに、超有名ファーストフード店のバイトの求人に応募したんです(結果、思い切り落ちたんですけど……)。

その面接の内容はほとんどおぼえていませんが、始まってすぐに「あなたの『English name』は?」と聞かれ、びっくりしたのだけはおぼえています。

「English name」なんていう言葉、それまで聞いたことがなかったからです。

あとから人に聞くと、西洋人にはアジア人の名前は発音しにくかったり、おぼえられにくかったりするので、みんな英語風の名前を勝手につけるのだそうです。

周りの人から呼んでもらう「通称」として。

意外と適当に決められる「English name」

当時はそれを聞いても、受け入れることができませんでした。

元の自分の名前ではなく、どうして西洋風の名前をつけないといけないのか、全然わからなかったのです

「English name」を持っていなかった人でも、その場で適当に決めたという話も聞いたので、またびっくり。

タカコ

名前でしょ? そんなに簡単でいいの!?

……と。でも、そんなに簡単でいいみたいです……(笑)。

それ以来周りを見渡すと、愛称のように「English name」を使っている人がたくさんいることに気づきました。

やはり、発音の難しさからか、私の周りでは、中国人はほぼ100%イングリッシュネームを持っています

見た目も育ちもアジア人なのに、名前を聞くと「エイミー」が飛び出してきて、最初はびっくりしましたが、だんだんそれにも慣れてきました。

「English name」をつける目的とメリット

実際、中国人の名前って、日本人には発音しづらい音が多いんです。

これは名前に限らず、中国語全体にいえると思います。音の数が、日本語よりもけた違いに多いので。

それは少なくとも英語圏でも同じようで、ここアメリカでも中国人は必ずといっていいほど「English name」を使っています。

それから、日本人でも、自分のラストネーム(苗字)やファーストネーム(名前)をもじって、「English name」をつけ、愛称にしている人にも出会いました。

例えば、

  • トミタさん …… トミー
  • ミツオさん …… ミック

のような感じです。

夫が言うには、日本人の名前は、アメリカ人には発音はそう難しくないそうです(少しイントネーションは違いますが)。ただ、聞き慣れないので、おぼえるのが難しいようです。

たしかに仕事の場などでは、自己紹介してすぐに名前をおぼえてもらえる方がいいですから、「English name」をつけるのでしょう。

そう考えると、「English name」を持つことは、完全にプラスであることに気づきました。

でも

タカコ

勝手に名前(通称)をつけて困らないの?

……と思いませんか?

本名の出番の少ないアメリカ社会

アメリカに来て気づいたのですが、アメリカで本名や苗字が必要なことって、日本よりもかなり少ないんです。

郵便物のあて名も、日本に比べてすごく「おおらか」ですし、お店の会員登録なども通称で登録できます

本名を使うとしたら、公的機関や金融機関、病院くらいでしょうか。

仕事の場でも通称や愛称で呼び合うので、本当の名前を知らないことも多いです。上司に対しても同じです。

驚いたことに、それでも全然困らないんです。

「『English name』をつける」と聞くと、なんとなく言葉に重くて特別な響きがあるかもしれません。

でも、全然そういうのではなく、「この名前で(私のことを)呼んでくださいね」くらいの重さしかないということなのです。

なので、人によっては、その場で簡単に決めたりするんですね。「不都合があれば変えればいい」くらいの軽さです。

「English name」は必要?

実際の暮らしの中で、私はイングリッシュネームは使わず、いつも「Takako」と言っています。

今は仕事はしていませんし、たくさんの人と出会うこともそう多くはないので、特に必要だと感じることはありません。

でも、名前が何でもかまわない場で、自分の名前を言わないといけない場では、使ってみようかな……という気になっています。

例えば、スタバでの注文などです。お店によっては、カップに名前を書くために、名前を聞かれることがあるのです。

「Takako」だと、100%一度は聞き返されて、「T,A,K,A,K,O」とスペルをいう羽目になります。

そこを、わかりやすい「ナンシー」などと言えば、自分も店員さんも楽なんです。

日本でも似たことがあった!!

そう考えていると、日本でもこういったことがあったのを思い出しました。

私の旧姓は、けっこうよくある一般的な苗字なのですが、友人に苗字が珍しい人がいました。

その友人は一緒に居酒屋などに食べに行くときは、必ず私の苗字で予約をしていました

「○○(私の旧姓)で予約しておいたからね~」と連絡をくれました。私も一緒に行くので、全然かまわないのですが、彼女が言うには、

自分の苗字だと何度も聞き返されるし、何度も言ったにもかかわらずうまく伝わっていなかったことが多々あったからだそうです。

「あー、めんどくさっ」って思って、一緒に行くメンバーの苗字を使うことにしたのだとか。

珍しい苗字をお持ちの方には、共感される出来事だと思います。つまり「English name」は、その状況の国を越えたバージョンといえます。

その場限りの「何でもない場」なら、お互いのストレスをなくすために使い分けるのもいいかもしれませんね。

「同じ名前」という感覚、わかりづらかったと思いますが、「名前のモデルがいる」ということがわかれば、わかりやすいと思います。

「通称」や「愛称」という扱いもある「English name」。

アメリカでは、世界中のいろんな国や地域から人が集まっていますし、愛称で通せる場が多いので、この形が一般的なんですね。

こちらは関連記事です。

執筆者:

タカコ
日本語教師養成講座修了。英語が苦手だったにもかかわらず、夫となるアメリカ人との結婚を機に渡米。現在は一児の母として英語に囲まれた環境の中で英語を習得中。日本語教育に携わった経験から言語を深く掘り下げる探究心がすさまじく、身近な英語の知識を初心者にもわかりやすく書くよう心掛けている。

Twitterで最新情報GET!

良かったらSNSでシェアしてね!

こちらも合わせていかがですか?