【語源で単語暗記(4)】「ディスる」で覚える「dis」「re」「spect」

語源で覚える英単語(4)
サト

執筆者

TOEIC980点。ELSA認定アンバサダー。インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。話せる言語は英語のほかにインドネシア語、中国語。→ サトについてはこちら

前回はサブスク(subscribe)の語源から「sub(下に)」と「scribe(書く)」を紹介しました。

語源で覚える英単語シリーズ4回目である今回は「ディスる」ということばを例に挙げましょう。

「ディスる」の元である「disrespect(ディスリスペクト)」という単語を紹介し、その語源を活用して覚えられる英単語を紹介します。

語源については、いろいろな説がありますが、この記事ではわかりやすいものを優先しています。また、覚えやすさを重視しているので、解釈は「英語びより」独自のものになっていることがあります。

「ディスる」の語源とは?

日本語の「ディスる」は「否定する」「非難する」という意味です。

サト

以前は「disる」という表記のほうが多く使われていましたね。

では「ディスる」の語源を見てみましょう。

「ディスる」の由来

「ディスる」は、どんな言葉が由来でしょうか?

英語の「disrespect」という名詞が由来です。

「disrespect」の意味

「disrespect」の意味は、Oxfordが英語学習者用に作った辞書には次のように書かれています(太字はサトによる)。

to speak about or treat somebody/something without respect

Oxford Learner's Dictionariesより引用しました。

日本語にすると、「誰か/何かについて敬意を払わずに話す、または取り扱う」となります。

「disrespect」の成り立ち

「disrespect」を分解すると3つの部分に分けられますが、まずは2つに分けて理解することにしましょう。

「dis(否定)」+「respect(尊敬する)」

「disrespact」は、こちらのように2つに分けられます。

2つに分解

  • dis
  • respect

後ろ側の「respect」ですが、日本語でもおなじみの「リスペクト(尊敬・敬意)」です。

そして、「disrespect」になると「敬意を払わない」という反対の意味になるということは?

ひより

disrespect」の「dis」は「否定」の意味を表してるってこと!?

……はい、そのとおりです!

否定の他に、「離れて」という意味もあります。

「dis」の語源の意味は「離れて・否定」
「dis」の語源の意味は「離れて・否定」

上のイラストのように、「 i 」さんのことを否定して(嫌いになって)「 d 」と「 s 」が離れていっているイメージで覚えましょう。

「離れる」というイメージも、「否定」と通じるものがありますよね。

語源「dis」の意味
離れて・否定

サト

「常識とはかけ離れた行動」という例を考えるとわかりやすいと思います。

dis(否定)respect(尊敬する)

disrespect

尊敬しない

敬意を払わない

「re(後ろに)」+「spect(見る)」

そして、「respect」は、さらに2つに分かれるのです。

re(後ろに)spect(見る)

respect

後ろを見る

尊敬する

「re」は「後ろに」という意味ですが、こちらのイメージで覚えてください。

「re」の語源の意味は「後ろに」
「re」の語源の意味は「後ろに」

「 e 」が後ろを振り返ると「 r 」の影が!

語源「re」の意味
再び・後ろに・元に

「spect(見る)」はこちらのイメージです。

「spect」の語源の意味は「見る」
「spect」の語源の意味は「見る」

視力検査をしているイメージで「見る」と関連付けて覚えてください。

語源「spect」の意味
見る

「後ろを見る」というところから、「尊敬する」という意味になっています。

少しわかりづらいかもしれないので、こんなシーンを想像してみてください。

「re(後ろに)」+「spect(見る)」=「respect(尊敬する)」
「re(後ろに)」+「spect(見る)」=「respect(尊敬する)」

王様(社長)が車の後ろに座っていて、運転手が後ろを振り返って尊敬の眼差しで見ている

サト

これはあくまで例です。どんなシーンでも「後ろを見る」と「尊敬する」が結びつけばいいので。

それでは、次に、「dis」「res」「pect」が入った英単語をご紹介しますね。

以下で取り上げる英単語は、Oxfordが英語学習者用に作成した英単語のリストに載っているものです(一部除く)。



「dis」で始まる英単語

まず、「dis」で始まる英単語です。

「dis」の語源の意味は「離れて・否定」
「dis」の語源の意味は「離れて・否定」

「dis」の意味は、次のとおりでしたね。

「dis」の意味

  • 否定(〜ではない)
  • 離れている

ここでは、「dis」で始まる英単語を3つご紹介します。次のとおりです。

「dis」で始まる英単語

  1. disgust
  2. distance
  3. disease

disgust(気分を害する)

まず、「disgust」です。

「disgust」は「(人の)気分を害する」という意味ですが、どうしてこんな意味になるのでしょうか。

「disgust」を分解してみましょう。

dis(離れて)gust()

disgust

(期待の)味から離れている

気分を害する

「gust」には「味」という意味があります。

「gust」の語源の意味は「味」
「gust」の語源の意味は「味」

上のイラストのように、「 u 」が舌になっているイメージで覚えてください。レストランの「ガスト」で覚えるのもいいですね。

期待している味と違う料理を食べたときの気分を想像すると、「気分を害する」と結びつきやすいでしょう。

サト

レストランの「ガスト」は、スペイン語の「gusto(おいしい)」から来ているんだそうです。

なので、「disgust」→「おいしくない」→「気分を害する」と覚えるのもアリです。

結局は、覚えたもの勝ちですので! 柔軟に行きましょう。

distance(距離)

次にご紹介するのは、「distance」という英単語です。

「距離」という意味ですが、この単語も分解して見てみましょう。

「stance」は「立つこと」という意味になります。

「stance」の語源の意味は「立つこと」
「stance」の語源の意味は「立つこと」

「stance」の文字ががんばって立っているイメージで覚えましょう。

そして「dis」が「離れて」という意味なので、分解すると次のようになります。

dis(離れて)stance(立つこと)

disstance

離れて立つ

距離

離れて立つ」から「距離」という意味が生まれたんですね。

「dis(離れて)」+「stance(立つこと)」=「distance(距離)」
「dis(離れて)」+「stance(立つこと)」=「distance(距離)」

「dis」+「stance」で「disstance」になりそうですが、「distance」の「s」は1つです。

サト

ちなみに、「stance」は「stand(立つ)」に似ているので覚えやすいかと思います。

disease(病気)

「dis」で始まる英単語、3つ目は「disease」です。

「病気」という意味の単語ですが、例によって分解してみましょう。

dis(否定)ease(楽な状態)

disease

楽な状態ではない

病気

「ease」には「楽な状態」という意味があります。

「ease」の語源の意味は「楽な状態」
「ease」の語源の意味は「楽な状態」

「ease」がお風呂に入ってゆったりしているイメージで覚えてください。「easy(かんたんな)」という言葉から連想したほうが覚えやすいかもしれませんね。

「disease」は「dis」で「楽な状態」を否定しているので、「病気」となっています。

サト

「かんたん」と「楽」を結びつけると、さらに覚えやすくなりますよ!

「disease」の発音は「ディィーズ」ではなく、「ィーズ」のようににごります。


「re」で始まる英単語

次は、「re」で始まる英単語です。

「re」の意味は「後ろに」でしたね。

「re」の語源の意味は「後ろに」
「re」の語源の意味は「後ろに」

「 e 」が後ろの場所)を振り返ると、「 r 」の影がいるというイメージでした。

ちなみに「re」には「再び(もう一度)」という意味もあります。

「後ろ」と「再び」は全然違う意味のように感じるかも知れませんが、次のような場面を思い浮かべてみましょう。

覚え方

後ろを振り返ってもう一度見る(二度見)

ここでご紹介する「re」のつく単語は、次の3つです。

「re」で始まる英単語

  1. recall
  2. regard
  3. reserve

順番に見ていきましょう。

recall(思い出す)

まず、「recall」です。

「思い出す」という意味のこの単語、分解するとどうなるのでしょうか。

re(後ろに)call(呼ぶ)

recall

(頭の中で)後ろ(過去)に起こったことを呼び出す

思い出す

「後ろ」を「過去」と考えて、「過去にあったことを呼び出す」ことから「思い出す」という意味になっているんですね。

ちなみに、「re」を「もう一度」という意味でとらえ、「recall」を「もう一度呼び出す」→「思い出す」と覚えてもOKです。

サト

これで、無理なく覚えられるはずです!

regard(注意して見る)

「re」で始まる英単語、次は「regard」です。

「注意して見る」とか「見なす」という意味のこの単語、例によって分解してみましょう。

re(後ろを)gard(ガードする)

regard

後ろで見守る

注意して見る、見なす

「後ろでガードする」から「注意して見る」になり、さらに「見なす」という意味が生まれたんですね。

「ガードする」の英単語のつづりは「guard」です。「regard」の「gard」には「u」はないので、「guard」を覚える場合にはご注意ください。

reserve(予約する)

「re」で始まる英単語、3つ目は「reserve」です。

この単語は「予約する」という意味の動詞で、名詞の「reservation(予約)」のほうがなじみがあるかもしれませんね。

「reserve」を分解すると、次のようになります。

re(後ろを)serve(キープしておく)

reserve

後ろにキープしておく

予約する

「serve」には「キープする(保つ)」という意味があります。

「serve」の語源の意味は「キープする」
「serve」の語源の意味は「キープする」

上のように、「serve」の文字が「やじろべえ」のように保っているイメージで覚えましょう。

後ろにキープしておく」というところから「予約する」という意味が生まれています。

サト

これは、お店側の視点ですね。

予約が入った分は後ろに置いておいて、予約をしていないお客さんに売らないようにするというイメージです。


「spect」が入っている英単語

では、「disrespect」の「spect」が入っている英単語に進みましょう。

「spect(見る)」はこちらのイメージでしたね。

「spect」の語源の意味は「見る」
「spect」の語源の意味は「見る」

ここでは、「spect」が入っている英単語として、次の3つをご紹介します。

「spect」が入っている英単語

  1. aspect
  2. prospect
  3. suspect

aspect(外見・見方)

1つ目の「aspect」は、「外見」や「見方」という意味です。

サト

「外見」にも「見方」にも「見」という漢字が入っていますね。これは、まさに「spect(見る)」の意味です!

では、例によって「aspect」を分解してみましょう。

ad(〜に向かって)spect(見る)

adspect

〜に向かって見る

外見、見方

接頭辞に来る「ad」は「〜に向かって」という意味になります。

「ad」の語源の意味は「〜に向かって」
「ad」の語源の意味は「〜に向かって」

上のイラストのように、「 a( A )が矢印になっているイメージで覚えてみてください。

「ad」は後ろに来るアルファベットによって「 a 」だけになったり、「at」「ap」「af」になったりと変化するので、上のように「 A 」だけで覚えるといいでしょう。

そこに「spect(見る)」がくっつき、「〜に向かって見る」というところから、「外見」「見方」という意味が生まれています。

「a(〜に向かって)」+「spect(見る)」=「aspect(外見・見方)」
「a(〜に向かって)」+「spect(見る)」=「aspect(外見・見方)」

ちなみに、この「見方」というのは「ものの見方」であり、「考え方」ということです。

サト

日本語でも英語でも「見る」ことが「考える」ことに通じているのはおもしろいなあと思います!

prospect(可能性)

「spect」が入っている英単語、2つ目は「prospect」です。

この英単語は「(何かが起こる)可能性」という意味ですが、分解して見てみましょう。

pro(前方に)spect(見る)

prospect

前方(未来)を見る

可能性

「pro」には「前方に」という意味があります。

「pro」の語源の意味は「前方に」
「pro」の語源の意味は「前方に」

上のイラストのように、「 p 」と「 o 」が時計になっていて、前方に進むイメージで覚えましょう。

「前方=未来を見る」ことから「可能性」という意味になっています。

「pro(前に)」+「spect(見る)」=「prospect(可能性)」
「pro(前に)」+「spect(見る)」=「prospect(可能性)」
サト

「前方を見る」の「前方」を、「未来」と解釈するのがポイントですね。

suspect(疑う)

「spect」が入っている英単語の3つ目は「suspect」です。

これは「疑う」という意味ですが、どうしてこうなったか見てみましょう。

sub(下に)spect(見る)

subspect

下から(こっそり)見る

疑う

もともとは「sub(下に)」+「spect(見る)」だったんですね。

「sub」はこちらのようなイメージです。

「sub」の語源の意味は「下に」
「sub」の語源の意味は「下に」

疑うときに「下から見上げるように見る」というイメージでこっそり見るから「疑う」という意味が生まれたわけです。

サト

疑うときには堂々と見ないで、こっそり見ますよね!

「suspect」は次のイラストのようなイメージで覚えてもオッケーですよ。

「sub(下に)」+「spect(見る)」=「suspect(疑う)」
「sub(下に)」+「spect(見る)」=「suspect(疑う)」

ウサギさんが屋根裏からこっそりと疑いを持って見ています(笑)。


まとめ

この記事では、「ディスる」のもとになった「disrespect」の語源を使って覚えられる英単語をご紹介しました。

最後に、この記事で紹介した語源をまとめます。

まとめ

  • dis …… 離れて・否定
  • re …… 再び・後ろに・元に
  • spect …… 見る

「この方法で覚えるの、おもしろい!」と思っていただけたり、英語に興味を持っていただけるとうれしいです。

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サト
インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。独学でTOEIC980点をマークした秘密が受験英語が好きだったという特異体質。オンライン英会話や電子書籍を試すことにハマっている。>>サトについて詳しくはこちら
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