英語の「分詞構文」とは?

分詞構文とは
サッシ

執筆者

WEBライター。旅をしながらブログを書いて生活。塾で英語を約20年教えた経験あり。早稲田大学 教育学部卒業。→ サッシについてはこちら

英語の文法で「分詞構文」という言葉を習います。

これは「〜とき(when)」や「〜ので(because)」のような接続詞を省略できる表現のことです。

今回は、分詞構文の形・意味訳し方・作り方について詳しく紹介しますね。

英語の「分詞構文」について

はじめに「分詞構文」の形・意味など、基本的な特徴から見ていきましょう。

「分詞」とは?

英語では動詞の形を「〜ing(現在分詞)」や「〜ed(過去分詞)」の形にしたものを「分詞(ぶんし)」と呼びます。

分詞とは?
動詞の形を「〜ing(現在分詞)」や「〜ed(過去分詞)」の形にしたもの

そして「分詞構文」とはその「分詞」を使った用法の1つです。次の例文をどうぞ。

Watching YouTube videos, I can't notice phone calls.
(ユーチューブを観てると電話に気づかないんだよね〜)

この中にある「Watching YouTube videos」の部分が分詞構文になりますよ。

分詞である「watching」が使われていますよね?

分詞について詳しくはこちらをご覧ください。

「分詞構文」の意味・役割は副詞

「分詞構文」の意味・役割は、ずばり「副詞」です。

分詞構文の意味・役割

=「副詞」である

例えば、先述した分詞構文の例を見てください。

Watching YouTube videos, I can't notice phone calls.
(ユーチューブを観てると電話に気づかないんだよね〜)

「ユーチューブを観ていると」の部分は「気づかない」という動詞修飾しています(参考: 修飾するとは?)。

動詞を修飾できる品詞は副詞だけなので、「watching 〜」の形をした分詞構文は副詞の役割をしていると言えるんですよ。

この例文は接続詞「When」を使って次のように言い換えることができます。

When I watch YouTube vieos, I can't notice phone calls.
(ユーチューブを観てると電話に気づかないんだよね〜)

特に入試英語では、接続詞の文と分詞構文の文の言い換え問題がよく出題されますよ。

ちなみに分詞構文の位置は文頭が多いですが、文中や文末に置かれる場合もあります。

「分詞構文」の訳し方

「分詞構文」の基本的な形・意味がわかったところで、今度は訳し方を見ていきましょう。

代表的な「4つの訳し方」とその他を紹介していきますね。

【時間】〜のとき

まずは「時間」の意味を持つ「〜するとき/〜しているとき」や「〜したとき/〜していたとき」という訳し方です。

例えば、以下の「Doing my homework」の部分が「時間」の意味を持つ分詞構文になりますよ。

Doing my homework, I found it too difficult for me.
(その宿題をしていたとき、あたしには難しすぎるとわかったよ)

接続詞「When」を使って「When I did the homework」と言い換えることもできますよ。

主節と従属節の内容が同じタイミングなのがポイントですね。

見た目の形は「〜ing」ですが、ここで使われている「Doing」は動名詞ではなく現在分詞です。

【継起・結果】〜して

お次は「継起・結果」の意味を持つ「〜して」「〜すると」という訳し方です。

以下の例文の「Seeing a UFO」の部分が分詞構文ですよ。

Seeing a UFO, he ran away.
(UFOを見て彼は逃げ出したよ)

Aの動作をしてその後にBの動作があるような場合にはこのように訳すとぴったりです。

接続詞を使うと「when」を使って「When he saw a UFO」と言い換えることもできます。

「〜するやいなや」の意味の「As soon as」を使うこともできますよ。

【原因・理由】〜だから・〜なので

続いて「原因・理由」を表す「〜だから・〜なので」という訳し方を見てみましょう。

例えば以下の「Having a cold」の部分です。

Having a cold, I went to bed early last night.
(カゼを引いていたので、昨夜は早く寝たんだ)

この分詞構文ももちろん接続詞を使って言い換えることができます。

原因や理由を言うときに代表的な接続詞は「because(なぜなら)」ですね。

この場合は「Having a cold」の部分を「Because I had a cold」と表現することもできますよ。

他にも原因・理由の用法がある接続詞の「since」や「as」を使うパターンもあります。

【付帯状況】〜しながら

次は「付帯状況」を表す「〜しながら」という訳し方です。

Aという動作をしながらBという動作をするという場合にはこの訳でやってみてください。

例えば以下の「watching YouTube videos.」の部分ですね。

I took a long bath, watching YouTube videos.
(ユーチューブ観ながらゆっくりお風呂に入ったんだ)

このような「〜しながら……」という形を付帯状況と呼びます。

これも、接続詞「while(〜しながら)」を使って「while I watched YouTube videos」と言い換えることができますよ(動詞の部分は進行形で「while I was watching 〜」としてもOK)。

その他(譲歩・条件)

その他の訳し方として、「譲歩」と「条件」も紹介しますね。

「譲歩」の分詞構文

「〜だけれど」や「〜としても」と訳す「譲歩」と呼ばれる用法があります。

以下の「Knowing what to do next」の部分ですよ。

Knowing what to do next, I don't feel like doing anything.
(次に何したらいいのかはわかってるけど、ヤル気が出ないんだ……)

この分詞構文は接続詞「though」を使って「Though I know what to do next」と言い換えることもできます。

「条件」の分詞構文

他には「〜ならば」や「〜すると」と訳す「条件」の用法もありますよ。

以下の「Turning to the left at the corner」のような場合ですね。

Turning to the left at the corner, you'll find the restaurant soon.
(その角を左に曲がれば、レストランはすぐに見つかるよ)

条件の分詞構文は、接続詞「if」を使って「If you turn to the left at the corner」のように言い換えることができます。

この場合の「if」は「仮定法」ではありません。「条件の副詞節」を作る「if」です。

英語の「分詞構文」の作り方

「分詞構文」の訳し方がわかったところで、実際に自分で文を組み立ててみましょう。

ここでは、分詞構文の作り方を紹介していきますね。

基本的な「分詞構文」の作り方

「分詞構文」を作るときにオススメの方法は「まず接続詞で作ってから言い換え」です。

慣れたらいきなり分詞構文をど〜んと置いてしまえばいいですが、最初は接続詞のほうが意味がイメージしやすいですよ。

基本的には、こちらのステップで作っていきます。

接続詞から分詞構文への言い換え

  1. 「同じ意味をもつ接続詞」を思い浮かべる
  2. 「接続詞」と「主語」を消す
  3. 意味的に「〜する」か「〜される」を考える
  4. 動詞を「〜する」なら現在分詞、「〜される」なら過去分詞に変える

同じ意味の「接続詞」を思い浮かべる

例えば、「〜ので」と言いたいならば、まずその意味を持つ接続詞「because」を浮かべましょう。

それを使って、ふつうに接続詞 + 主語 + 動詞 〜の順番に並べてください。

Because I have a lot of time, I'll go for a walk.
(時間がたっぷりあるから、散歩しに行こうかな)

この接続詞の部分を分詞構文に変えていきましょう

接続詞と主語を省略する

先ほどの「Because I have a lot of time」の場合、まず接続詞の「Because」と主語の「 I 」を取ります。

接続詞・主語を削除

Because I have a lot of time, I'll go for a walk.

意味的に「〜する(能動)」か「〜される(受動)」を考える

そして、意味的に「〜する」か「〜される」を考えましょう。

この例文の場合は「時間を持たれる」ではなく「時間を持っている」という意味ですよね。

そのため、「〜される」ではなく「〜する」のほうである現在分詞だとイメージを付けます。

「〜する→現在分詞」「〜される→過去分詞」に変える

ここまできたら、そのイメージを動詞に反映させるだけ! 次の様にしましょう。

動詞を変化させる

  1. 〜する
    現在分詞に変える
  2. 〜される
    過去分詞に変える

今回の例だと、動詞「have」を現在分詞にして以下のようにすれば完成です。

Have Having a lot of time, I'll go for a walk.
(時間がたっぷりあるから、散歩しに行こうかな)

いかがでしょうか?

接続詞だけでなく主語も消すのを忘れないようにしてくださいね

分詞構文の部分以外はまったく変える必要はないですよ。

「受け身」の分詞構文の作り方

基本的な分詞構文の作り方がわかったところで、受け身の分詞構文も作ってみましょう。

「〜される」という受動態(受身形)の場合ですね。

こちらも、過去分詞をいきなり文頭に置いて、そのあとに文を続ければOKですよ。

例えば、動詞「見る(see)」を使って「その山の頂上から見ると」を分詞構文で始めると以下のようになります。

Seen from the top of the mountain, the rock looks like Snoopy.
(山の頂上から見ると、その岩はスヌーピーに見える)

これは主語である「the rock(岩)」は見る側ではなく、見られる側なので受け身である過去分詞になります。

接続詞を使って表すと「When the rock is seen 〜」なので、本来は正確には「Being seen」ではあります。

でも受け身の分詞構文では「being」は基本的に省略されると覚えておいてください。

【例外】「being」が省略されない例

ただし、原因・理由を表す分詞構文のときは「being」を省略しないときもありますよ。

Being tired 〜
(疲れているので)

「否定」の分詞構文の作り方

お次は分詞構文を否定の形にしてみましょう。

こちらは、文の先頭に「not」をつけて始めればOKなので、かんたんですね。

例えば「何と言えばいいのかわからないので」ならば、動詞「know」を使って以下のようになります。

Not knowing what to say, I was at a loss.
(何と言っていいのかわからなくて、途方に暮れてしまったよ)

「not」以外には「never(決してない)」を使うときもありますよ。

この分詞構文を接続詞で表すと「Because I didn't know 〜」のように言い換えが可能です。

ちなみに分詞構文は時制が「現在」でも「過去」でも使えます。

「過去時制」の分詞構文の作り方

では、時制が違うパターンをやってみましょう。

メインの部分よりも「分詞構文の部分の時制」のほうが古い場合

メインの部分よりも「分詞構文の部分の時制」のほうが古い場合はちょっと工夫が必要です。

次の例をご覧ください。

Having left my iPhone at home, I'm so bored now.
(iPhoneを家に忘れちゃったから、今ヒマでヒマで……)

文の先頭を「Having + 過去分詞」の形で始めてください。

メインの部分が現在時制なら、分詞構文の部分を接続詞で言い換えると過去形か現在完了形になります。

これを言い換えるなら「Because I left 〜」か「Because I have left 〜」ですね。

メインが過去時制の場合

もしメインの部分が過去時制なら、分詞構文の部分は完了形(having + 過去分詞)になりますよ。

Having lost my iPhone, I was so bored yesterday.
(iPhoneを失くしちゃってたから、昨日はヒマだったよ)

これを接続詞で表すと「Because I had lost my iPhone, I was so bored yesterday」という具合です。

【独立分詞構文】主語が異なる場合は?

あとは「主語が異なる場合」にも触れておきましょう。

分詞構文とメインの部分で主語が異なる場合は、分詞構文の前に主語は残しておきます

例えば以下のようなシチュエーションです。

The class being over, we started to go home.
(授業が終わったので、ボクらは帰り始めたんだ)

前半の「終わった」の主語は「授業(the class)」ですよね?

でも後半のメインの部分の主語は「私たち(we)」です。

このように主語が一致しない場合は、分詞構文の主語は省略せずにそのまま残してください

これを文法用語では独立分詞構文と呼びますよ。

独立分詞構文についてはこちらをどうぞ。

分詞構文の代表的な例文・慣用表現

作り方もわかったところで、お決まり表現を紹介しますね。

分詞構文には、もはや1つのフレーズになっている例文・慣用表現がいくつかあります。

以下のものが代表的な表現になりますよ。

分詞構文の慣用表現
weather permitting天気が許せば
judging from 〜〜から判断すると
considering 〜〜を考慮に入れると
all things considered全てを考慮に入れると
speaking of 〜/talking of〜〜と言えば
generally speaking一般的に言って
frankly speaking率直に言って
strictly speaking厳密に言うと
roughly speaking大雑把に言えば

これらは理屈抜きにそのまま覚えてしましましょう。

この中で「weather permitting」だけは文末に置かれます。

Let's go camping tomorrow, weather permitting.
(天気が良ければ、明日キャンプに行こう)

それ以外はみんな文の最初から置いて始めてくださいね。

まとめ

今回紹介した分詞構文ですが、慣れないとわかりづらいかもしれません。

「あれ? どうだったっけ」と思ったら、この記事をまた読み返してもらえるとうれしいです。

分詞構文まとめ

  • 役割は「副詞」
  • 「〜する」なら現在分詞、「〜される」なら過去分詞
  • 訳し方は「〜とき」「〜して」「〜ので」「〜ながら」など
  • 接続詞+主語+動詞で言い換えも可能
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中村サッシ
サッシ
塾講師として英語・国語の指導を約20年してきた経験のある「英語の文法オタク」。早稲田大学 教育学部卒。小学生の時から英語を学んでいた経験もあり。「毎日が生まれたて」という月間に100万回以上読まれる人気ブログも運営。>>サッシについて詳しくはこちら
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