発音することは「絵の具」を混ぜること! あなたの発音は個性です

タカコ

こんにちは、アメリカ在住ライターのタカコです。

娘がもうすぐ2歳になります。誰に似たのか、本当によくしゃべります。

夫がアメリカ人なので、娘は「ハーフ」。

家では、私がほとんど日本語、夫は英語で娘に話していて、娘にはできるだけ両方の言語を習得してほしいと思っています。

実のところ、どういう風に言葉をおぼえていくのか、親として、言語に興味のある者としての両方で興味があります。

今回は、その娘の発音を聞いていて思ったことを書いてみます。

言葉は英語・日本語関係なくおぼえていく

よく考えたらあたりまえなのですが、娘は聞く言葉すべてをそのまま吸収していきます。

英語も日本語も関係ありません。

今、口から出てくる言葉は、英語と日本語の両方です。もちろん、本人は、それを使い分けている意識はありません。

まだ2つの単語を続けて話すことはできないので、英語と日本語の単語がポンポン飛び出してくる感じです。

子どもは聞いた音をそのまま吸収する

娘は、聞いたそのままの言葉を吸収しているので、日本語の言葉は日本語の発音、英語の言葉は英語の発音に近いです。

これも、考えたらあたりまえなのかもしれませんが……。

例えば、娘は早い段階で、「鳥」の「bird」を言えるようになったのですが、「バード」というよりは、「ブード」に近いです。

話しだしてすぐの頃は、日本人の赤ちゃんでも、日本語の言葉を正しく発音できないことがあると思います。

聞き取って、一生懸命「まねをしている」といった段階です。

娘の「ブード」もそんな感じなのですが、明らかに英語の「r」の発音を意識して発音しているのです。

日本人は、「bird」を「バード」と言ってしまいがちですが、実際の発音では、「r」の音を出すときに舌を丸めるので、その音を文字で書くとしたら「バ」よりも「ブ」の音の方が近いんです。

「バ」よりも「ブ」の方がこもった音に聞こえますから。

実際、娘が「ブード」と言ったときは、ちょっと感動しました。

「r」の音をちゃんと聞き取っているんですね。それから、「そうやって英語の発音、日本語の発音を習得していくのか!!」と思いました。

知人に、帰国子女でバイリンガルの方がいるのですが、日本人には使い分けが難しい「L」の発音と「R」の発音も「違うものは違う」と話しています。

この方にとっては、「全く違う音」ということなのですね。

みんな同じ構造をした「口」を持っているのに、作り出す音は違う

この状況を考えたとき、やはり、小さなうちからたくさんの音に触れることは、とてもいいことなのだと思いました。

音の違いを聞き取ったり、それを発音できれば、普段使うことがなくても、必要なときにそれが「普通に使える」ということにつながると思います。

どの言語を話す人でも、口の構造は同じです。

声(音)は、唇の形、舌の位置、空気の出し方によって作り出します。

みんな同じもの(口)を持っていますが、この使い方ひとつで、作り出される音が違うんです。

こう考えたとき、ふと「絵の具と一緒だな」と思いました。

「基本の色」を合わせて「色」を作り出す

こちらの3つを「基本の色」とします。

  • 音を作る唇の形
  • 舌の位置
  • 空気の出し方

あとは、その色を混ぜ合わせることによって、「いろいろな色(=音)」を作り出すイメージです。

唇の形を変えることで、「基本の色」自体も微妙に変わる。

舌の位置や空気の出し方も変えることで、またその色も変わり、それらを混ぜ合わせることでそれぞれ「違う色(=声)」ができる。

そう考えると、無数の「色」が作り出せそうです。

参考: 母音は「あいうえお」だけじゃない?! 母音の音は無数にあるよ!

英語の「色」、日本語の「色」、共通する「色」

娘は、英語と日本語の両方の音に触れることによって、その音の出し方を習得していくのだと思います。

私は日本語だけの世界で育ったので、日本語の音はほとんど出すことができます。

でも、私の育った地域では、鼻濁音の「が行」の使い分けがなかったので、そういう音は使えません。

英語はというと、英語は話しても、ネイティブには程遠い「日本語なまりの英語」を話します。

日本語と英語、共通の音は問題なく出せますが、英語しかない音を出したり聞き分けたりするのは、なかなか簡単ではありません。

もともとなじみがないので、「色の構造(=声の出し方)」がわからないんですね。

練習することによって、うまく出せるようになる音もありますが、正しい発音に近づけることが精いっぱいの音もあります。

うまくいかないときは「近い『色』」を作り出そう

色も同じですよね。一見、同じに見える色でも、少し違う。

出したい音が「赤」だとしたら、私の作る「赤」は、ちょっと青みがかっていたり、黄色っぽかったりします

聞く相手は「ちょっと違うけど『赤』と認識してくれる」というわけです。

もともと色の出し方がわかっていれば、そのままの「原色」を出せたり、誤差の小さな「色」を作り出せます。色の違いにも気づきますよね。

小さなうちからたくさんの「音」に触れておくことは、そういう意味で「強み」になるんです。たくさんの「色」を自由に使い分けられるなんて、うらやましい!!

専門的には、10代のごく早い段階までであれば、この音の使い分けができると言われています。これは年齢とともに習得が難しくなっていきます。

おとなになってしまってから新しい「色(=音)」を作り出すことは、いかに近い『色(=音)』を作るかが大事になってくるんですね。

うまく発音できないことも「個性」

ここアメリカでは、ほとんどの人が移民、もしくは移民のルーツを持つので、みんなそれぞれの「なまり(=独自の色)」を持っています。

たしかに聞きづらいこともありますが、それはお互い様。共存しています。

わからなかったら、聞き返せばいいんです。これをできるのが、会話のすばらしい点です。

「うまく話せない」と思うこともあると思いますが、「音」を「色」だと思えば、なんだか「違うものはダメ!!」という石頭的な考えから解放されそうな気がしませんか?

違っていいんです。それも長所。いろんな「彩り」があっていいんです。

でも、本当に通じないのは困るので、「できるだけ近い色を作ること」を目標にしたいですね。

いかがでしたか?

今回は、作り出す「音」を「色」に例えて書いてみました。

「発音」だと思うと、うまく出せなくて残念な気持ちになるのに、「色」と考えると、「それも個性だ」という風に思えませんか?

不思議ですよね。

将来、娘が学校に行くと、英語に触れる機会が増え、日本語はどんどん弱くなると思います。

それは仕方がないと思っていますが、せめて聞くことと話すことを習得してほしいというのが、日本人である私の願いです。

そのために、今のうちに日本語の「音」を聞かせておこうと思います。

そして、大きくなった娘がどんな「彩り」を見せてくれるのか、とても楽しみです。

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ABOUTこの記事を書いた人

タカコ

日本語教師養成講座修了。英語が苦手だったにもかかわらず、夫となるアメリカ人との結婚を機に渡米。現在は一児の母として英語に囲まれた環境の中で英語を習得中。日本語教育に携わった経験から言語を深く掘り下げる探究心がすさまじく、身近な英語の知識を初心者にもわかりやすく書くよう心掛けている。