リンキングとは? 英語の文章は「スペース」を無視して読むと発音が良くなる!

ヨス

執筆者

アメリカ留学で言語に興味を持ち、日本語教師の資格をとる。メディアなど掲載多数。著書は2冊。一般的には学ばない「日本語の音声」を学ぶことで英語の発音を習得し、独自の英語の発音習得メソッドを持つ。→ ヨスについてはこちら

今回は英語の文章を読むときのコツである「リンキング(Linking)」についてです。

結論から言うと一瞬で終わるのですが、単語と単語の間の「スペース」は取っ払って読むといいよーという話です。

リンキング(リエゾン)とは?

では、まずは「リンキング」という言葉について説明します。

別の呼び名では「リエゾン」とも呼ばれますが、英語の「Linking」からカタカナになった「リンキング」の方がよく使われます。

「リンク」する……つまり「繋がる」という意味で、英語の単語と単語の発音が繋がって、あたかも1つの単語のように聞こえることを指します。

たとえば、「This is a pen」をカタカナ英語にしたこちらをご覧ください。

ディス・イズ・ア・ペンディスィズァペン

すっごく大雑把に言うと「ディス・イズ・ア・ペン」ではなく、「ディスィズァペン」のように読むのがリンキングです。

英語の文章に「スペース」はなぜあるの?

「リンキング」を理解しやすくするために、じゃっかん話題が変わりますが、英語の文章にはなぜ「スペース」があるのでしょうか?

日本語にはスペースなんてほぼ使いませんよね(マンガとかでは使われるけど)。

たとえば、この単語と単語の間にあるスペースを見てください。

This is a pen.

ためしに取っ払ってみましょう。

Thisisapen.

これは読めないだろっ!!

英語の文章にある「スペース」は、読むときに単語と単語の境目を明確にすることで、読みやすくする役目なんですねー。

英語の「スペース」は単語の境目

このスペースなんですが、単語と単語の境目が明確になって読みやすくなるのはいいんです。

でも発音を考えるとスペースがジャマをしているんですよ!

ほら、さっきのこれですが……

This is a pen.

今度は発音してみてください。

ディス・イズ・ア・ペン

って読んでしまいませんか?! もう、典型的なカタカナ英語ですね。

これがダメなんです! 英語の本来の発音からかけ離れた発音になってるんですよっ!

「pen」を「ペン」と発音する問題についてはこちらに書いています。

読むときにはスペースがないものと思え!

じゃあどうすればよいかと言うと、スペースを無視して読むんです!

こちらを読んでみてください!

Thisisapen.

ええ。読みにくいですけど、イメージ的にはこんな感じで。

これだと「ディス・イズ・ア・ペン」って読みませんよね。こんなふうに読めませんか?

ディスィズァペン

実はこの方が英語の発音にはるかに近くなるんですね。なぜなら、単語と単語を「リンキング」させて読みやすくなるからです。

覚えておいてほしいのですが、英語の文章中にあるスペースはあくまで「視覚的な境目」です。音声的な境目ではないんです!

「子音」と「母音」がくっつく

英語のスペースを無視して「続けて読む」……つまり、リンキングさせて読むことで何が変わったのかを見てみましょう。

スペースを取って「リンキング」させると読み方が変わる?!
スペースを取って「リンキング」させると読み方が変わる?!

これを見ると「リンキング」によって発音がだいぶ変わることがわかります!

この例での「リンキング」を分析してみましょう。

リンキングを分析

  • Thi(ディ)
  • si(スィ)
  • sa(ズァ)
  • pen(ペン)

だいぶ変化しているのがわかりますね。

これをもう一度区切り直すと、こういう感じです!

Thi si sa pen.

あれ!? これってつまり?!

リンキングは「子音」に続く「母音」が繋がる

実は子音で終わっていた「this」と「is」が、後ろに続く母音と合体(リンキング)しているんですよ!

スペースを取ると読み方が変わる?!
スペースを取ると読み方が変わる?!

どうでしょうか?「this」の「 s 」と「is」の「 i 」がリンキングして、「si」になっているように!

英語話者はこんなふうに英語を読んでいるんです!!

前置詞は頻繁にリンキングされる

この「リンキング」という現象ですが、前置詞で頻繁に見られます。

たとえば、こういうときです。

リンキングされる前置詞

  • kind ofカイン
  • check upチェッップ
  • keep onキー
  • look inルッ

日本語としても使われますが、「come on(カム・オン)」を「カモン」と言うのもリンキングだったんですね(「come」は、つづりは「e(母音)」で終わってますが発音は「m(子音)」で終わっている)

というわけで、今後英語の文章を読むとき、頭の中では「音声上にスペースは存在しない」ということを意識してください。

そして、単語と単語をリンキングさせて読んでみてくださいね!

まとめ

今回のことをわたしが20歳のときにアメリカで発見したときは目からウロコでした。

たぶん、発音がキレイな人はこの「リンキング」を無意識に体得しているんだと思います。

ちなみに日本人が「is」を「イズ」と読んでしまうのは、日本語が常に子音+母音で成り立っているという特性からです(くわしくは下記を)。

リンキングに似ている「フラッピング」という音声変化はコチラです。

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アメリカ留学で言語に興味を持ち日本語教師に。その後、自分が「音声学」に猛烈に惹かれることに気づく。一般的には学ばない「日本語の音声」を学ぶことで英語の発音を習得し、独自の英語の発音習得メソッドを持つ。>>ヨスについて詳しくはこちら
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