「第二言語習得(SLA)」について

第二言語習得(SLA)とは
サト

執筆者

TOEIC990点(満点)。ELSA認定アンバサダー。インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。話せる言語は英語のほかにインドネシア語、中国語。→ サトについてはこちら

最近、オンライン英会話の宣伝や、英語の学習本でよく「第二言語習得」ということばを目にします。

日本語教師として働いているわたしにとっては身近な言葉ですが、「第二言語習得」とはどういう意味なのでしょうか?

日本語を教えるときに「第二言語習得」の研究成果をもとに作られた教材を授業で使っているので。

この記事では「第二言語習得」のエッセンスを3つのポイントに絞って解説します。

第二言語習得(SLA)について

では、第二言語習得とは何なのでしょうか。

第二言語習得(SLA)とは?

第二言語習得(SLA)」というのは、人間が第二言語(外国語など)を身につけるプロセスを研究している分野のことです。

サト

言い換えると、「誰にでも効果がある外国語の学習方法を研究している」とも言えますね!

「SLA」と呼ばれることもありますが、これは「第二言語習得」を英語にした「Second Language Acquisition」の頭文字を取っています。

以下、「第二言語習得」を「SLA」と略します。

誰にでも効果がある外国語の学習方法

誰にでも効果がある英語(外国語)の学習方法」と聞くと「そんなバカな?」と思うかもしれませんね。

ご存じのように、英語の学習方法は数え切れないほどあります。

たとえば、わたしは学生時代に英語の例文を覚えるのが好きで、英語が得意科目になりました。

サト

でも、この学習方法が合う人もいれば、合わない人もいます。……ってかほとんどの人には合わない?

SLAは、このような一部の人に合った学習方法ではなく、個人差を超えて、
万人に効果がある学習方法を研究しているわけです。


SLAで言われる「英語学習で大切な3要素」

では、SLAでは研究の結果、具体的にどのようなことがわかっているのでしょうか。

こちらの3つが重要な要素だと言われています。

「インプット」について

まず、SLAではインプットが大切ということがわかっています。

インプットというのは、次の2つの活動です。

インプットとは?

  • 聞く
  • 読む

「聞く・読む」が大切だとは言っても、何でも聞いたり読んだりすればいいわけではありません。

こちらの2点が重要です。

インプットの重要点

  • だいたいわかるレベルの教材を使う
  • 大量に読む、聞く
サト

つまり、だいたいわかるレベルのものを大量に聞いたり読んだりする必要があります。

ちなみに、こういう活動を「多聴」「多読」と言います。

インプットについてはこちらに詳しく書いているのでご参考に。

「アウトプット」について

言語習得に「インプット」だけではダメで、「話す」「書く」という活動も必須です。

これらの活動は、「インプット」に対して「アウトプット」と呼びます。

「インプット」「アウトプット」をここで整理しておきましょう。

「インプット」と「アウトプット」
インプット アウトプット
聞く 話す
読む 書く

「アウトプット」も、やみくもに話したり書いたりすればいいわけではありません。

何かを棒読みしたり、書き写すようなことではなく、自分が表現したい内容を「話す」「書く」というのが「アウトプット」なのです。

オンライン英会話で自分が伝えたいことを話すのも、立派なアウトプットですね。

アウトプットについてはこちらに詳しく書いているのでご参考に。

【重要】インプットとアウトプットのバランス

ここまでの話をまとめると、インプットもアウトプットも必要ということになります。

ではインプットとアウトプットをやみくもにすればいいのかというと、少し違います。

インプットのほうが大切

実はインプットとアウトプットのバランスも大切なのです。

スティーブ・カウフマン氏も、先ほどの動画のまとめとして、次のようにおっしゃっています。

カウフマン氏の動画から

  • アウトプットの前にインプットを行うこと
  • アウトプットより多くインプットを行うこと
サト

あくまで、インプットのほうが大切ということですね。

インプットとアウトプットの割合はどのくらい?

では、具体的にどれぐらいの割合でインプット・アウトプットを行えばいいのでしょうか。

スティーブ・カウフマン氏は、動画で次のとおり述べています。

インプットとアウトプットの量
インプット 毎日数時間
アウトプット 週に数時間

これをそのまま数字にすると、割合は次のとおりになります。

2つの活動の割合

インプット7

        対
アウトプット1

と言っても、この割合については「9:1」とか「7:3」とかいろいろな説があります。

ただ、どの説にしてもアウトプットは思ったより少ないな、という印象ではないでしょうか。

とにかく、インプット多めで学習していきましょう。



まとめ

この記事では、「第二言語習得(SLA)」のエッセンスを3つのポイントに絞って解説しました。

まとめると、次の3点です。

SLAのまとめ

  1. インプットはだいたいわかるレベルのものを大量に「聞く」「読む」
  2. アウトプットは自分が伝えたいことを「話す」「書く」
  3. 大量のインプットと少量のアウトプットが大切
サト

ぜひ、英語学習にお役立てくださいね!

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サト
英語びより編集長。独学でTOEIC980点をマーク(2023年9月)。インドネシアで日本語学校を運営している。>>サトについて詳しくはこちら
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