英語の音節(シラブル)とは?英単語を例にどこよりもわかりやすく解説

音節(シラブル)とは?
エレナ(作田 Elena 洋子)

執筆者

英検1級。英語の発音矯正講師として延べ5,000人以上にオンラインで教える。メキシコで生まれ、スペイン・フランス・日本で過ごし、オーストラリア・アメリカ・イギリス・中国で働く。

英語の勉強を続けていると「音節(シラブル)」という言葉を耳にします。

この「音節」がどういうものかを理解すると、英語の発音がよくなることをご存じでしょうか?

本記事では音節とはどういうものか、そして音節の調べ方英語で音節を区切るときのルール英語に存在する音節構造の種類音節数別の単語例を詳しく紹介します。

音節(シラブル)とは?

英語の発音をよくするために必須なのが「音節」という概念です。英語では「syllable(シラブル)」と呼ばれています。

「音節」をひとことで言うと、英語を発音するときにリズムの単位として機能する「音のひとまとまり」です。

「音のひとまとまり」とは?

音節=音のひとまとまり」とはどういう意味でしょうか?

たとえば「犬」という言葉を聞いたとき、日本人なら」と「」に分かれていると認識しますよね?

「犬」は「い」+「ぬ」と認識
「犬」は「い」+「ぬ」と認識

この認識を、専門的には「イ」と「ヌ」という「音節」で理解していると言います。

我々が「イ」を1つの音のまとまり、「ヌ」を1つの音のまとまり、つまり「音節」として認識しているのです。

まだよくわかっていなくても大丈夫です。もっと詳しく紹介します♪

音節の特徴について

では、音節(シラブル)の特徴についてお話ししましょう。

まず基本として覚えてほしいのは、音節の中心が母音だということです。

そして、母音×1 で音節を作れますが、子音×1 では作れません。

音節の特徴

  1. 1つの音節には必ず1つの母音が含まれる
  2. 母音1つで音節を作ることができる
  3. 子音だけで音節を作ることはできない(例外アリ)

詳しくは、本記事を読んでいけばわかるようになっています♪

この3つの特徴は、日本語にも英語にも、どの言語にも共通する音節の考え方です。

日本語・英語の音節の基本形は?

では、日本語、そして英語の音節の基本形を見ていきましょう。

日本語の音節の基本形は「CV」

まずは「日本語の音節構造」から紹介します。

先述したように「犬」と聞けば、「イ( i )」+「ヌ(nu)」の2つの音、つまり「2音節である」と認識するはずです。

「犬」は「い」+「ぬ」と認識
「犬」は「い」+「ぬ」と認識

なぜでしょうか?

2文字だからじゃね?

そうです。「ひらがな(カタカナ)」の1文字と音節が一致しているからですよね。

日本語では、基本的にひらがな(カタカナ)1文字が1音節なんです!

1つの音節に1つの母音がある

では、さきほど紹介した「音節の特徴」に日本語を照らし合わせてみましょう。

「イヌ」を音節に分けると次のような構造になります。

i(イ)nu(ヌ)
母音 /i/子音 /n/+母音 /u/
「イヌ」の音節

このように、それぞれの音節に母音がありますよね。この点が「音節」を理解するうえで重要です。

母音1つにつき1つの音節」という基本ルールを覚えておいてくださいね。

日本語の音節構造は「CV」が基本

ほかの日本語の例にも目を向けてみましょう。

「ミケネコ(三毛猫)」なら、次のようにすべての音節が子音+母音の形ですよね。

mi(ミ)ke(ケ)ne(ネ)ko(コ)
子音+母音子音+母音子音+母音子音+母音
「ミケネコ」の音節

このように、日本語の音節構造は「C(子音:Consonant)+ V(母音:Vowel)」が基本だと言えます。イメージにすると次のとおりです。

【日本語】音節の基本は「CV」
【日本語】音節の基本は「CV」

母(母音)である「 a 」の上に、子ども(子音)の「 k 」が乗って、常にセットになっているイメージですね。

本記事では、この日本語の音節構造を「CV」というふうに表記します。

参考:子音は「音」母音は「声」ということを知るだけで英語の発音が上達する

【英語】音節の基本形は「CVC」

今度は英語の音節構造を見てみましょう。

たとえば「tap(軽くたたく)」の音節は次のようになります。

tap
子音+母音+子音
「tap」の音節

え? まさか「tap」で1つの音節ってこと?

そうです。複数の音節に分かれておらず「tap」で1音節になるのです。

基本は「母音」の両脇に「子音」が2つ

英語の音節は、次の図のように1つの「母音」が、2つの「子音」を両脇で抱っこしているイメージになります。

【英語】音節の基本は「CVC」
【英語】音節の基本は「CVC」

だから「tap」は1音節なんですね。

英語では「tap」のように「C(子音)+ V(母音)+ C(子音)」という構造がもっとも多く、この「CVC」が英語の音節の基本形です。

日本語だと母音1つにつき、子音1つなので、英語は音節の基本が根本的に違いますね。

発音記号で確認する

上の図解では「tap」のスペルを使って表現しましたが、正しくはこちらになります。

発音記号でチェック
発音記号でチェック

さきほどの「tap」の「 a 」が「 æ 」に置き換わっていますよね?

これは発音記号です。英語の音節を見るときは「スペル」ではなく、「発音記号」で音素(1つずつの音)を見ていきましょう。

「tap」のスペルと発音記号をまとめたのが次の表です。

スペルtap
発音記号/t//æ//p/
「tap」のスペルと発音記号

スペルではなく「発音記号」を見るべき理由

では、なぜスペルではなく発音記号を見る必要があるのでしょうか?

なぜなら、スペルと発音が一致しない単語がたくさんあるから。

例として「tap」の末尾に「 e 」を追加した「tape」の音節を見てみましょう。

たとえば「tape(テープ)」を文字として見ると「子音+母音+子音+母音」になり、母音が2つあるように見えます。

でも発音記号にすると /teɪp/ で「CVC(子音+母音+子音)」という構造に!

つまり、母音が1つなので「tap」と同じく1音節になるのです。

「tape」の音節構造
「tape」の音節構造

「tap」のように、母音の「eɪ」が前にある子音「 t 」と、後ろにある子音「 p 」を両脇にかかえているイメージです。

以下の表で「tape」のスペルと発音記号を見くらべてみましょう。

スペルtape
発音記号/t/
(子音)
/eɪ/
(母音)
/p/
(子音)
ナシ
上段はスペル・下段は発音記号

「tape」は4文字ありますが最後の「 e 」は発音しないので、スペルと発音が一致していないというわけです。

なので、音節を調べるときは必ず「発音記号」でチェックするようにしましょう。

/eɪ/ は2つの母音に見えますが、1つの母音という扱いです(参考:二重母音とは?)。

言語ごとにある「音節習慣」について

ここまで見てきたように、日本語と英語では基本の音節構造が違います

そのため日本人が英文を読むときには、どうしても日本語の「音節習慣」で発音してしまう。

音節習慣の違いが、日本語っぽい英語の発音の原因になるわけです。

では日本語と英語の「音節習慣」を「mother(母)」を例に紹介しましょう。

日本語話者の場合は「mo」と「ther」で区切りたくなる

ほとんどの日本語話者は「mother」を「mo」と「ther」の2つの音節に区切りたくなるのではないでしょうか?

これは日本式の発音では「mother」を「マザー /mazaː/」と読むからです。

日本語では音節の基本形が「CV」であるため、そのルールに引きづられ「mo」と「ther」に分けたくなるんですね。

英語話者の場合は「moth」と「er」で区切る

それに対して英語の場合はどうでしょうか?

実は英語でも「mother」は2音節です。ただし、区切る場所が違っていて、英語話者は「moth /mʌð/」と「er /ɚ/」に区切りたいと感じるのです。

その理由は、英語の音節の基本が「CVC」であるから。だから「moth」と「er」に分けるのです。

ちなみに「mother」の「th」は2文字ですが、発音は1つの子音 /ð/ だけです(参考:[ ð ]の発音)。

以下に日本語と英語での音節の区切り方、つまり音節習慣を比較してみました。

日本語と英語の「音節」を比較
日本語と英語の「音節」を比較

このように「ここで区切りたい」と感じる位置は言語ごとに異なり、音節習慣が違うんですね。

日本語では「CV」、英語では「CVC」という音節構造が多いため、これが「音節習慣」になるのです。

でも英語の発音を向上するためには、英語の音節習慣を身につけなければなりません。

英語の音節の調べ方

では、英語でどのように音節を数えるのかについて紹介していきましょう。

つまり「ここからここまでが1つの音節だよ」ということを、どうやって判断するのかについてですね!

英語の音節習慣を「知識」として知る

まずは知識として、先述した「英語の音節習慣」を知りましょう。知らないことにははじまりません。

日本語と英語の音節習慣の違いを、もう一度ご覧ください。

日本語と英語の「音節」を比較
日本語と英語の「音節」を比較

このように英語には「CVC」という音節で区切りたくなるという「音節習慣」があることを理解してください。

辞書で単語ごとに「音節」を調べる

音節習慣はすぐには身に付かないので、慣れるまでは辞書で音節を調べるようにします。

その際にはケンブリッジ大学が運営するオンライン英英辞典「Cambridge Dictionary」をオススメ。

「Cambridge Dictionary」はオンライン辞典の中で唯一、発音記号に音節の境界線を明記してくれている辞書です。

スペルに音節の切れ目を表記している辞書はありますが、単語によってはスペルの切り方と発音記号の切り方が異なるのでオススメしません。

たとえば「Cambridge Dictionary」で「mother」の発音記号は次のように記載されています。

「mother」の発音記号

/ˈmʌð.ɚ/

発音記号の間にピリオド( . )が見えますね? これは音節を区切る「音節境界」と呼ばれる記号です。

また、「ˈ」は「強勢記号」で「ˈ」と「.」に挟まれた部分は強く発音(強形)します。

記号意味
.(音節境界)音節を区切る印
ˈ(強勢記号)強く発音する印
(「ˈ」と「.」に挟まれた母音を強く発音する)
記号の意味について

「.」と「ˈ」のおかげで1番目の音節は /mʌð/ で、2番目の音節は/ ɚ / だとわかりますね。

さらに mʌð.ɚ/ の赤文字部分は強く、黒文字部分は弱く発音するということもわかります。

強勢記号がついていない部分は弱く発音(弱形)します。

ここで注意することは、音節境界「 . 」で音を切らないことです。

音節は「ひとまとまりの音」であるけれども、音節と音節の切れ目で切って発音するということではありません。

「/ˈmʌð/ が第1音節 /ɚ/ が第2音節だな」と意識しながらも、発音するときは /mʌðɚ/ と滑らかに繋げて発音してくださいね。

英語の音節習慣に沿って練習

音節の区切りがわかったら、実際に英語の音節習慣に沿った発音を意識的に練習しましょう。

そうすることで、じょじょに「CVC」という英語の音節習慣に慣れていくはずです。

この音節習慣こそが英語の「リズム」の根幹を形成するものですよ。

英語で音節を区切るときのルール

では、英語で音節を区切るときのルールを詳しく紹介します。

前後の子音を吸着する

まずは、英語の音節の基本として知っておきたいのは「母音が前後の子音を吸着する」という特徴です。

たとえば「cat」なら、次のように母音 /æ/ に /k/ と /t/ が吸着します。

【「cat」の例】母音 /æ/ に /k/ と /t/ が吸着する
【「cat」の例】母音 /æ/ に /k/ と /t/ が吸着する

これは本記事でも何度か紹介していますよね。

では、例を見てみましょう。

スペル発音記号説明
cat
(ネコ)
/kæt/母音 /æ/ に /k/ と /t/ が吸着
big
(大きい)
/bɪɡ/母音 /ɪ/ に /b/ と /g/ が吸着
cut
(〜を切る)
/kʌt/母音 /ʌ/ に /k/ と /t/ が吸着
bed
(ベッド)
/bɛd/母音 /ɛ/ に /b/ と /d/ が吸着
put
(〜を置く)
/pʊt/母音 /ʊ/ に /p/ と /t/ が吸着
meet
(会う)
/mt/長母音 /iː/ に /m/ と /t/ が吸着
roof
(屋根)
/rf/長母音 /uː/ に /r/ と /f/ が吸着
cart
(カート)
/kɑrt/R音性母音 /ɑr/ に /k/ と /t/ が吸着
surf
(サーフィンする)
/sɝf/R音性母音 /ɝ/ に /s/ と /f/ が吸着
time
(時間)
/tm/二重母音 /aɪ/ に /t/ と /m/ が吸着
cake
(ケーキ)
/kk/二重母音 /eɪ/ に /k/ と /k/ が吸着
coat
(コート)
/kt/二重母音 /oʊ/ に /k/ と /t/ が吸着
【1音節の単語】「強くて短い母音」が前後の子音を吸着する

上の例にあるように、母音とは言っても普通の母音(短母音)だけでなく、長母音やR音性母音、二重母音も含まれます。

強い母音が前後の子音を吸着する

英語の音節の基本として知っておきたい2つ目の特徴は「強い母音が前後の子音を吸着する」です。

「強い母音」とは?

そもそも「強い母音」というのはどういう意味でしょうか?

これはシンプルに「ストレス(アクセント)のある母音」だと思ってください。

たとえば「city(町)」を例にあげましょう。「city」の発音記号は /ˈsɪt.i/ で、第一音節の /ɪ/ にストレスがあります。

先述したように「 ˈ 」と「 . 」に囲まれた母音にストレスがきますよ。

そのため、最初の母音 /ɪ/ が次の図解のように前後の子音を吸着するのです。

【「city」の例】母音 /ɪ/ に /s/ と /t/ が吸着し、残った /i/ で1つの音節に
【「city」の例】母音 /ɪ/ に /s/ と /t/ が吸着し、残った /i/ で1つの音節に

なぜなら /ɪ/ にストレスがあるから、つまり強い母音だから。

残った母音で第2音節を作る

第1音節の /ɪ/ が2つの子音を吸着させると、母音 /i/ があまりますよね?

この /i/ はどうすればいいの?

1つの音節につき母音は1つしか置けないので、この /i/ は第2音節目になります

もう一度さきほどの図解を見てみましょう。

【「city」の例】母音 /ɪ/ に /s/ と /t/ が吸着し、残った /i/ で1つの音節に
【「city」の例】母音 /ɪ/ に /s/ と /t/ が吸着し、残った /i/ で1つの音節に

このように、/i/ だけで2つ目の音節になりますよ。

音声としては「sit(座る)/sɪt/」の発音の後ろに /i/ の発音がくっついているという解釈になるんですね。

ほかの例も見てみましょう。

スペル発音記号説明
city/ˈsɪt.i/【第1音節】
/ɪ/ に /s/ と /t/ が吸着される

【第2音節】
残った /i/ で1つの音節を作る
money/ˈmʌn.i/【第1音節】
/ʌ/ に /m/ と /n/ が吸着される

【第2音節】
残った /i/ で1つの音節を作る
happy/ˈhæp·i/【第1音節】
/æ/ に /h/ と /p/ が吸着される

【第2音節】
残った /i/ で1つの音節を作る
音節の区切り方

「第2音節にある母音」が前後の子音を吸着する例

では、今度は第2音節の母音が前後の子音を吸着する例を見てみます。

たとえば「begin(始まる)」などがそうです。ストレスが後ろの母音にあるため、/g/ と /n/ が第2音節にある /ɪ/ に吸着します。

「begin」の音節構造
「begin」の音節構造

そのため第1音節は、あまった /b/ と /ɪ/ で作られ、/bɪ/ になるわけです。

ほかには次のような単語が第2音節の母音に吸着しますよ。

スペル発音記号説明
begin/bɪˈɡɪn/【第2音節】
/ɪ/ に /ɡ/ と /n/ が吸着される

【第1音節】
/ɪ/ に /b/ が吸着される
adaptˈdæpt/【第2音節】
/æ/ に /d/ と /pt/ が吸着される

【第1音節】
/ə/ だけで音節を形成する
aboveˈbʌv/【第2音節】
/ʌ/ に /b/ と /v/ が吸着される

【第1音節】
/ə/ だけで音節を形成する
第2音節の母音が前後の子音を吸着する例

このように、ストレスのある母音が後ろにある場合は、その母音が前後の子音を吸着しますよ。

「長い母音」は後ろの子音を吸着しない

そして、3つ目の音節のルールは「長い母音」は後ろの子音を吸着しないことです。

「長い母音」とは?

そもそも「長い母音」とはなんのことでしょうか?

その名のとおり、発音として長い /ɑː/ /iː/ /uː/ や /aɪ/ /aʊ/ などの母音のことです。

「アー」「イー」のように長く聞こえる母音で、これらを「長母音」と呼びます。

たとえば「father(父)」だと /ˈfɑː.ðɚ/ の /ɑː/ の部分が長母音です。

そのため、後続の /ð/ が吸着されず、子音 /ð/ は後ろの母音 /ɚ/ に吸着されます。

長母音の場合は後ろの子音を吸着しない
長母音の場合は後ろの子音を吸着しない

ほかの単語の例も見てみましょう。

スペル発音記号説明
father/ˈfɑː.ðɚ/【第1音節】
/ɑː/ に /f/ が吸着されるが、後ろの /ð/ は吸着されない

【第2音節】
/ɚ/ に /ð/ が吸着される
movie/ˈm.vi/【第1音節】
/uː/ に /m/ が吸着されるが、後ろの /v/ は吸着されない

【第2音節】
/i/ に /v/ が吸着される
open·pən/【第1音節】
/oʊ/ に、後ろの /p/ は吸着されない

【第2音節】
/ə/ に /p/ と /n/ が吸着される
「長い母音」は後ろの子音を吸着しない例

両側の子音を吸着させるのは「強くて短い母音」

では、前項で紹介した「両側の子音を吸着させる」のはどういう場合だったのかをもう一度見てみましょう。

実は次のような「強くて短い母音」だったのです。

スペル発音記号説明
city/ˈsɪt.i/【第1音節】
/ɪ/ に /s/ と /t/ が吸着される

【第2音節】
残った /i/ で1つの音節を作る
money/ˈmʌn.i/【第1音節】
/ʌ/ に /m/ と /n/ が吸着される

【第2音節】
残った /i/ で1つの音節を作る
happy/ˈhæp·i/【第1音節】
/æ/ に /h/ と /p/ が吸着される

【第2音節】
残った /i/ で1つの音節を作る
音節の区切り方

さきほど見た「長い母音」である /aː/ とは違い、「発音が長くない母音=短い母音」ですよ。

「mother」と「father」の音節の違い

ここで「mother」と「father」の音節の区切りをくらべてみましょう。

「mother」と「father」の音節の違い
「mother」と「father」の音節の違い

「mother」の場合は強くて短い母音 /ʌ/ が使われているので前後にある子音が吸着します。

つまり、母音 /ʌ/ が前の子音 /m/ と後ろの子音 /ð/ を吸着し /mʌð/ という音節に。

それにくらべ「father」の母音は「アー /ɑː/」で、長い母音ですよね。そのため、後ろの子音は吸着せずに2番目の音節になります。

隣接する母音に分かれて吸着される

4つ目の音節のルールは、母音と母音の間に子音が2つあるとき、隣接する母音に分かれて吸着されることです。

これは2音節の単語に適応されます。

では単語「basket(バスケット)」を例に見てみましょう。

「basket /ˈbæs.kət/ 」にある母音 /æ/ と /ə/ の間に隣接する2つの子音 /s/ と /k/ があります。

そこで次のように子音が吸着し、音節を作ります。

「basket」の音節の考え方

  1. 第1音節の母音 /æ/ に /b/ と /s/ が吸着される
  2. 第2音節の母音 /ə/ に /k/ と /t/ 吸着される

ここでのポイントは、2つの母音の間にある2つの子音が平等に分割されることです。

2つの子音が母音に囲まれると平等に分かれる
2つの子音が母音に囲まれると平等に分かれる

図解にすると次のようになりますよ。

「basket」の音節構造
「basket」の音節構造

母音に挟まれた場所に子音が隣接していたら、平等に分けられるんですね。

ほかの例も見てみましょう。

スペル発音記号説明
basket/ˈbæs.kət/【第1音節】
/s/ は第1音節の母音 /æ/ に吸着される

【第2音節】
/k/ は第2音節の母音 /ə/ に吸着される
monkey/ˈmʌŋ.ki/【第1音節】
/ŋ/ は第1音節の母音 /ʌ/ に吸着される

【第2音節】
/k/ は第2音節の母音 /i/ に吸着される
/doctor//ˈdɑːk.tɚ/【第1音節】
/k/ は第1音節の母音 /ɑː/ に吸着される

【第2音節】
/t/ は第2音節の母音 /ɚ/ に吸着される
隣接する母音に分かれて吸着される例

破擦音は1つの子音としてカウントされる

5つ目の音節のルールは、破擦音1つの子音としてカウントされることです。

破擦音というのは、たとえば /t͡ʃ/ /d͡ʒ/ /t͡s/ /d͡z/ のように、2つの子音で表記される子音です。

実はこれらの発音は音としては1つになります。

簡単に説明すると、/t͡ʃ/ は /t/ と /ʃ/ の発音が合体したようなものなので2つをくっつけて書くんです。

そのため、母音に吸着するときも切り離さないでくださいね。

スペル発音記号説明
attachment/əˈtæt͡ʃ.mənt/【第1音節】
/t͡ʃ/ は強母音 /æ/ に吸着される

【第2音節】
残った /m/ は弱母音 /ə/ に吸着される
judgment /ˈd͡ʒʌd͡ʒ.mənt/【第1音節】
/d͡ʒ/ は強母音 /ʌ/ に吸着される

【第2音節】
残った /m/ は弱母音 /ə/ に吸着される
Portsmouth/pˈɔɚt͡s.məθ/【第1音節】
/t͡s/ は強母音 /ɔɚ/ に吸着される

【第2音節】
残った /m/ は弱母音 /ə/ に吸着される。
God's gift/ˌɡɑːd͡z ˈɡɪft/【第2音節】
/g/ は第1強勢の強母音 /ɪ/ に吸着され、る

【第1音節】
残った /d͡z/ は第2強勢の強母音 /ɑː/ に吸着される
破擦音のある音節の区切り方

本メディアでは破擦音を /t͡ʃ/ のように弧線を付けて表記していますが、一般的な辞書では /tʃ/ のように表記され、わかりづらいです。ご注意ください。

【補足】音節主音的子音について

ただし、子音だけで音節を構成できる「音節主音的子音(syllabic consonant)」という例外があります。

次のように語尾にくる /m/ /n/ /l/ は子音だけで音節を構成できます。

スペル発音記号説明
prism/ˈprɪz.əm/子音の /m/ だけで音節を作っている
lesson/ˈles.ən/子音の /n/ だけで音節を作っている
table/ˈt.bəl/子音の /bl/ だけで音節を作っている
sample/ˈsæm.pəl/子音の /pl/ だけで音節を作っている
音節主音的子音の例

「音節主音的子音」の発音記号を「Cambridge Dictionary」では、小さな /ə/ で表現しています。わかりやすいのでその表記を採用しました。

厳密な発音記号としては「音節主音的子音」を /m̩/ /n̩/ /l̩/ のようにアルファベットの下に細長い点を入れ /ˈprɪz./ /ˈlɛs./ /ˈteɪ.b/ /sæm.p/ と表記します。

英語に存在する音節構造の種類

英語の音節構造の基本形は「CVC」だと紹介しましたが、そのほかにもさまざまな音節構造があります。

一般的な1音節の単語を例にあげ、英語の音節構造の種類を紹介していきましょう。

音節構造「V」の英単語

まずは、音節構造が「V(母音のみ)」の英単語を紹介します。

単語発音記号
a
(1つの)
//(強形)
/ə/(弱形)
I
(私は)
//
eye
(目)
//
awe
(畏れ)
/ɑː/
音節構造「V」の英単語

数は多くありませんが、このように「母音」1つだけで、1つの音節を構成する英単語があります。

eye」も「awe」も語末に「 e 」がありますが、これは発音しません。そのため、どちらも1音節になりますよ。

音節構造「CV」の英単語

2つ目に紹介する英語の音節構造は「CV(子音+母音)」です。

単語発音記号
the
(その)
/(強形)
ə/(弱形)
go
(行く)
/
sea
(海)
/s/
show
(〜を見せる)
/
音節構造「CV」の英単語

「CV」の音節構造は、日本語の音節構造と同じなので発音しやすいはず!

音節構造「VC」の英単語

3つ目に紹介するのは「CV(子音+母音)」とは逆の音節構造である「VC(母音+子音)」です。

単語発音記号
as
(〜として)
/æz/(強形)
/əz/(弱形)
it
(それは)
/ɪt/
oak
(オークの木)
/k/
out
(外へ)
/t/
音節構造「VC」の英単語

語尾が子音で終わる単語の語尾に、日本語のように母音をつけてしまうのはNGです。

たとえば次のように読んでしまうと、母音が2つになり2音節になってしまいます

NGの例(語尾に母音をつけている)

  • as → asu(アズ)
  • it → itto(イット)
  • oak → oaku(オーク)

大切なポイントは、1つの音節をひとまとまりの音として発音することですよ。

「out」も1音節です。「アウト」と読んでしまうと母音が3つになるので3音節になってしまいます!

音節構造「CVC」の英単語

そして4つ目に紹介する音節構造は、本記事で何度か紹介している「CVC(子音+母音+子音)」です。

単語発音記号
cat
(ネコ)
/kæt/
big
(大きい)
/bɪɡ/
cut
(〜を切る)
/kʌt/
bed
(ベッド)
/bɛd/
put
(〜を置く)
/pʊt/
音節構造「CVC」の英単語

これらの単語もすべて「1音節」なので「ひとまとまりの音」として発音してくださいね。

どれも語末は「子音」で終わっています。日本語のくせで母音をつけないようにしましょう!

音節構造「CVCC」の英単語

5つ目に紹介する英語の音節構造は「CVCC(子音+母音+子音+子音)」です。

単語発音記号
best
(goodの最上級)
/best/
build
(〜を建てる)
/bɪld/
tent
(テント)
 /tent/
fast
(はやい)
/fæst/
milk
(牛乳)
/mɪlk/
音節構造「CVCC」の英単語

今まで説明してきたのは「母音1つ」が「子音2つ」を両脇に抱えるイメージでしたが、今回は次のようなイメージになります。

「best」の音節構造
「best」の音節構造

基本形「CVC」の後に、さらにもう1つ「C(子音)」が追加された構造ですね。

「best」も母音をはさんで「ベスト」と読まないように気をつけましょう。「best」は1音節です!

音節構造「CCVC」の英単語

6つ目に紹介する英語の音節構造は「CCVC(子音+子音+母音+子音)」です。

単語発音記号
skate
(スケートをする)
/skt/
plate
(皿)
/plt/
smoke
(タバコを吸う)
/smk/
snake
(ヘビ)
/snk/
spoke
(speakの過去形)
/spk/
音節構造「CCVC」の英単語

基本形「CVC」の前に、「C(子音)」が1つだけ追加された構造です。

これも「skate」が「スケイト」と読むと、4音節になってしまいます。あくまで1音節ですよ。

どの単語にも共通するのは、語末に「発音しない『 e 』」がついていることですね!

音節構造「CCVCC」の英単語

7つ目に紹介する英語の音節構造は「CCVCC(子音+子音+母音+子音+子音)」です。

単語発音記号
slept
(sleepの過去形)
/slept/
crisp
(パリッとした)
/krɪsp/
twist
(〜をねじる)
/twɪst/
stamp
(切手)
/stæmp/
brand
(ブランド)
/brænd/
音節構造「CCVCC」の英単語

基本形「CVC」の前と後に1つずつ「C(子音)」が追加されています。

「slept」の音節構造
「slept」の音節構造

これも母音を増やしたりせず、1音節として発音してくださいね。

【参考】音節構造「CCCVCCCC」の英単語

最後におまけとして、英語の音節で子音が最大限にくっついた単語を紹介します。

それは「CCCVCCCC」です。

母音の前に子音が最大3個、母音の後に子音が最大4個がくっついています(笑)。

それでは、この構造に当てはまる単語「strengths(強さ)」を発音記号で詳しくみてみましょう。

strɛŋkθs








「イヌ」の音節

このように /strɛŋkθs/ で「CCCVCCCC」の形になっていますよね?

こんなに長いスペルですが「strengths」はあくまで1音節です。

くれぐれも、「ス」「ト」「レ」「ン」「ク」「ス」のように、6つの音(6音節)で発音しないようにしてくださいね!

ちなみに /k/ は発音しない人もいて、その場合は /strɛŋθs/ になるので「CCCVCCC」になります。これでも十分多いですが。

「音節」を学ぶときに1音節につき1回、手をたたいて読むのもオススメです。

音節の中心である「母音」のタイミングで手をたたくようにすれば、リズムがとりやすくなりますよ。

音節数別の単語例

前章では1音節の単語を紹介し、音節の組み合わせの種類を見てきました。

では2音節以上の単語はどのようなものがあるのでしょうか?

たとえば3音節の単語の例として、日本語の「ゴリラ」と英語の「gorilla」の音節をくらべてみます。

日本語の「gorira」と英語の「gorilla」の音節の違い
日本語の「gorira」と英語の「gorilla」の音節の違い

どちらも3音節ですね。日本語では「CV(子音+母音)」の繰り返しですよね?

それに対し、英語の場合は「gə(子音+母音)」+「rɪl(子音+母音+子音)」+「ə(母音)」のように、バラバラです(詳しいルールは後述)。

さきほど紹介した音節構造のどれかが合体し、2音節以上の単語になります。

それでは、音節の構造や組み合わせが、どれほど日本語と違うのかを音節数別の単語一覧表で見てみましょう。

5音節以上の単語もたくさんありますが、複雑になりすぎるため省略します。

1音節の単語

まず紹介するのは「V(母音)」が1つだけで成り立っている1音節の単語です。

これは前章で紹介しているので、復習としてサラっと見てください。

単語発音記号音節構造
a
(1つの)
//V
the
(その)
/CV
as
(〜として)
/æz/VC
cat
(ネコ)
/kæt/CVC
best
(goodの最上級)
/best/CVCC
skate
(スケートする)
/skt/CCVC
twist
(〜をねじる)
/twɪst/CCVCC
1音節の単語

長いスペルのものもありますが、どの単語にも母音は1つしか入っていません

つまり、どの単語も1音節だということです。

1音節の単語だけでもこれだけの種類があるんですね。

2音節の単語

次に紹介するのは2音節の英単語です。

単語発音記号音節構造
over
(〜を超える)
.vɚ/V+CV
about
(〜について)
/əˈbt/V+CVC
donut
(ドーナッツ)
/ˈd.nʌt/CV+CVC
courage
(勇気)
/ˈkɝː.ɪd͡ʒ/CV+VC
perfect
(完璧な)
/ˈpɝː.fekt/CVC+CVCC
language
(言語)
/ˈlæŋ·ɡwɪd͡ʒ/CVC+CCVC
Christmas
(クリスマス)
/ˈkrɪs·məs/CCVC+CVC
treasure
(宝)
/ˈtreʒ.ɚ/CCVC+V
basket
(バスケット)
/ˈbæs.kət/CVC+CVC
visit
(訪問する)
/ˈvɪz.ɪt/CVC+VC
happy
(幸せな)
/ˈhæi/CVC+V
party
(パーティー)
/ˈpɑːr.ti/CVC+CV
water
(水)
/ˈwɑː.tɚ/CV+CV
2音節の単語

それぞれの単語に2つずつ母音があり、2つの音節を作っています。

日本語の場合はほとんどが「CV+CV」「V+CV」「CV+V」だけですが、英語にはかなりのバリエーションがありますね。

3音節の単語

今度は3音節の単語をご覧ください。

単語発音記号音節構造
solution
(解決策)
/səˈlən/CV+CV+CVC
internal
(内部の)
/ɪnˈtɝː.nəl/VC+CV+CVC
victory
(勝利)
/ˈvɪk.tɚ.i/CVC+CV+V
tomato
(トマト)
/təˈm.t/CV+CV+CV
melody
(メロディー)
/ˈmel.ə.di/CVC+V+CV
3音節の単語

各単語に3つずつ母音があり、3音節を作っていますよ。

4音節の単語

そして4音節の単語を紹介します。

単語発音記号音節構造
information
(情報)
ɪn.fɚˈmən/VC+CV+CV+CVC
animation
(アニメーション)
æn.əˈmən/VC+V+CVC+CVC
relaxation
(気晴らし)
/ˌr.lækˈsən/CV+CVC+CV+CVC
reservation
(予約)
/ˌrez.ɚˈvən/CVC+V+CV+CVC
America
(アメリカ)
/əˈmer.ɪ.kə/V+CVC+V+CV
4音節の単語

まとめ

本記事では英語の音節(シラブル)について、初心者の方でもわかるように詳しく紹介しました。

英語は「CVC」が基本形、日本語は「CV」が基本形でしたね。

音節の構造を理解し、身に付けることがリズム感の土台となります。

発音をよくするためには、発音そのものと同じぐらい音節は大切なので、理解しておいてくださいね。

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だったら、「英語の発音のコツのカテゴリ」を要チェックだね♪

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エレナ
英語の発音矯正の専門家として延べ5,000人以上に発音を指導。メキシコで生まれ、幼少期をスペイン・フランス・日本で過ごす。大人になってからはオーストラリアに1年滞在し、アメリカ・イギリス・中国で2年ずつ働く。英検1級。
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