
こんにちは! 発音マニアのヨスです。
わたしは言語について語るのが大好きです。そんなマニアになった大きな理由の1つが発音記号です。
正式には「国際音声記号」と呼びますが、あらゆる言語の音声を再現できるように国際音声学会が定めた音声を表現する世界共通の記号です。
これが英語の勉強をするときに、すさまじく合理的なんですよ!
ということで、今回は「国際音声記号」って何なのか?について熱く語ります!
国際音声記号ってなに?
発音記号(国際音声記号)というのは、言葉を発音するための記号です。……と言われてもピンと来ないと思うので、わかりやすく説明しますね。
日本語で言う「よみがな」が、ある意味で「発音記号」の役目をしています。
ほら、難しい漢字に遭遇すると読み方がわかりませんよね。たとえば……
これ読めますか?
贔屓
これってなんて読むんでしょうか?
でも「よみがな」という「発音記号」があれば大丈夫!
「よみがな」は発音記号
贔屓

いやー、「ひらがな」って素晴らしいですねぇ!
こんな感じで、「ひらがな」があれば漢字の読み方がわからなくてもどう発音すればいいかがわかるんですね。
英語にも「よみがな」がほしいよね
さて、日本語の漢字には「よみがな」があるのでいいんですが、英語には「よみがな」がないですよね?
なので日本人の場合、カタカナを英語の「よみがな」として使うのですが、これがいろいろと不都合があるんです。
たとえば……
- light
- right
この2つをカタカナで書いてみてください。
こうなりますよね?
カタカナを発音記号として
- light
- right
どういうことかというと、「 L 」と「 R 」の発音は全然違うのに、日本語にはこの発音の区別がありません。
そのため、どちらも「ラ」を当てはめる以外、表記する方法がないんです。日本語の「ライト」だと、「 L 」なのか「 R 」なのか、どちらの発音をすればいいのかわからないんですよ。
さらに言えば、最後に来る「 t 」も日本語では子音だけの発音はできないため、「ライト」になっています。
つまり……

「カタカナ」は、英語の発音を表記するためには不十分すぎます!!
国際音声記号で書いてみる
では先ほどの国際音声記号で書いてみるとどうなるのでしょうか?
- light [ láit ]
- right [ ɹáit ]
こんなふうに「 L 」と「 R 」の発音はバッチリ区別できます。ちなみに発音記号「 ɹ 」は英語の「 R 」の本来の発音記号です。
辞書などではわかりやすいため「 r 」で書いていますが、「 ɹ 」が正しい表記なんですね。ややこしいので、このブログでも基本的には「 r 」で表記していますが。
厳密に言うと「 r 」は音声記号として正式にはイタリア語などにある「巻き舌」の発音になります。
ついでに日本語の「ライト」を音声記号にすると……
日本語の「ライト」の発音記号
ライト [ ɾaito ]
こちらも見たことのない「 ɾ 」という発音記号が出てきましたね。これが日本語「ら行」子音の正式な発音記号です。
ということで英語の「 L 」「 R 」と日本語の「ら行」の発音の違いを表記するには発音記号しかないということですね。
発音記号だと、この4つの発音の違いがちゃんと表現できるわけです。
4つの「ら」のような発音
- ɾ …… 日本語の「ら行」子音
- ɹ …… 英語の「 R 」
- l …… 英語の「 L 」
- r …… イタリア語などの巻き舌の「 R 」
2種類の発音があっても?
もう1つ、今度は違う例を見てみます。英語のアルファベット「 c 」の発音ですが、実は2つあるんですよね。
「c」の発音は2種類
- city
- cat
上側の「 c 」は「 s 」の発音、下側の「 c 」は「 k 」の発音と、同じアルファベットなのに2つの発音があります。

これは英語の勉強を始めたばかりのころ、ややこしかったですよね……。
そこで登場するのは、やっぱり「発音記号」です。「city」と「cat」を発音記号にしてみましょう。
「city」と「cat」の発音記号
- síti (「city」の発音記号)
- kǽt (「cat」の発音記号)
こんな感じで、1つの発音記号に対応する音声はぜったいに1つなので、この記号さえあればどんな発音でもわかるということです。
ちなみにこのブログタイトル「英語びより」を国際音声記号で書くとこうなります。
「えいごびより」を発音記号で
e:ŋobijoɾi
発音記号を覚えよう!
ということで、長くなりましたが、英語の発音をマスターするには「国際音声記号(発音記号)」を覚えるのが効果的ということ。
発音記号の「 s 」と書いていたら、どこの国の人が読んでも「 s 」なわけです。「 s 」の発音をするときの口の中の地図はこちら。

発音記号の「 s 」の発音は……
「s」の発音の仕方
- 舌先を歯茎(上前歯の根本あたり)にくっつけて、
- 見た目ではわからないレベルの「ほんの少しのスキマ(上あごと舌先の間)」を作り出し、
- スキマ風のような音を作り出す
こんなふうに作り出す音だと完全に決まっていますから。
もちろん、国際音声記号を全部覚えるのは大変です。そんな方のためにこのブログの記事が参考になればと思っています!
今回は「国際音声記号」がどういう存在かについて語りました。
英語の発音をカタカナでよみがなをしていては、いつになってもカタカナ英語から抜け出せません。
ぜひ、国際音声記号を発音とともに覚えてください! ハマると楽しいですし(笑)。
あ、余談ですが、このブログのドメインは「https://ipa-mania.com/」です。そう、「ipa-mania」、つまりIPA(International Phonetic Alphabet)です。
「発音記号のマニア」なのでこんなドメイン名にしたんでした(笑)。
ちなみにこちらは英語にある国際音声記号の一覧(子音)です。ぜひご覧ください。
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