TOEICのスコアは何点からがすごいの? 就職に有利なスコア・スコアアップの方法なども解説!

TOEICの点数は何点から凄いの?
サト

執筆者

TOEIC980点。ELSA認定アンバサダー。インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。話せる言語は英語のほかにインドネシア語、中国語。→ サトについてはこちら

TOEICのスコアについて、いろいろ疑問をお持ちかと思います。

たとえば就職活動の準備をしているなら、どれぐらい点数があればいいのかとか、スコアアップの方法も気になりますよね。

この記事では、TOEICのスコアについて基本情報をおさらいした上で、TOEICは何点からが「すごい」のか就職・昇進に有利なスコアは何点かスコアアップにおすすめの方法は何かなどを解説します。

なお、この記事で扱う「TOEIC」は、次の2つです。

この記事で扱う「TOEIC」

  • TOEIC Listening & Reading(以下、「TOEIC L&R」)
  • TOEIC Speaking & Writing(以下、「TOEIC S&W」)

「TOEIC L&R」は、リスニングや読解問題を延々と解いていくやつ。わたしが980点を取ったのも、「TOEIC L&R」です。

「TOEIC S&W」は、その名の通り、話すちからや書くちからを測る試験ですね。

TOEICのスコアについての基本情報

まずは、TOEICののスコアについての基本情報をおさらいしておきましょう。

TOEIC L&R」と「TOIEC S&W」に分けて解説します。

「TOEIC L&R」のスコアについての基本情報

「TOEIC L&R」のスコアについて、次の3つに分けて解説します。

順に見ていきましょう。

「TOEIC L&R」のスコアの範囲

まず、「TOEIC L&R」のスコアの範囲です。

「TOEIC L&R」の「L&R」が示しているとおり、この試験は「Listening」セクションと「Reading」セクションに分かれています。

各セクションのスコアの範囲を表にまとめました。

セクションスコアの範囲
Listening5〜495点
Reading5〜495点
合計10〜990点(5点刻み)
「TOEIC L&R」のスコアの範囲

Listening(リスニング)とReading(リーティング)のそれぞれで5点〜495点のスコアが出ます。

合計だと10点〜990点になりますね。

最低点が10点だから、どんなに勉強してなくても0点が取れないんだね!(ほっ)

「TOEIC L&R」のスコアの決まり方

「TOEIC L&R」のスコアの決まり方について、公式サイトには次のとおり書いてあります。

このスコアは正答数そのままの素点(Raw Score)ではなく、スコアの同一化(Equating)と呼ばれる統計処理によって算出された換算点(Scaled Score)です。

IIBC(TOEICを運営する団体)公式サイト

ちょっと難しい説明ですが、とにかく1問あたり何点という配点ではないことがわかればOKです!

ちなみに、TOEICの公式問題集では、正解数に応じてスコアの換算ができるようになっています。

ただし、正答数は同じでもスコアには大きな差があってビックリしました。

次の表は、リスニングセクションの換算表の一部を抜粋したものです(太字はサトによる)。

リスニングセクションは全部で100問なので、「正答数」も最大で100です。

素点(正答数)換算点範囲(スコアの範囲)
96〜100475〜495
91〜95435〜495
(途中省略)(途中省略)
11〜155〜70
6〜105〜60
1〜55〜50
05〜35
リスニングセクションの換算表
公式TOEIC® Listening & Reading 問題集 9

表の上のほうを見ると、正答数が「96〜100」でも「91〜95」でも、495点(満点)の可能性があることがわかります。

さらに下の方を見てわかるのは、正答数が「11〜15」でも「0」でも5点(最低点)が出る場合があること。

それだけ、正答数とスコアがきっちりとリンクしていないわけですね。

日本での「TOEIC L&R」の平均スコア

公式サイトによると、2022年に日本で行われた「TOEIC L&R」の平均スコアは、561点でした。

内訳は、リスニングが309点でリーティングが252点。

リスニングの方がいいというのは、意外だね!

ただ、561点は「初級」に毛が生えた程度のレベルです(後述します)……。

日本の平均点をアジアの平均点と比べると、次のとおり。

セクション日本アジア
Listening309点331点
Reading252点269点
合計561点600点
日本とアジアの「TOEIC L&R」平均スコア(2022年)
TOEIC L&R 2022 Report on Test Takers Worldwid

日本、がんばってほしいなあと思います。

「TOEIC S&W」のスコアについての基本情報

「TOEIC S&W」のスコアについても、次の3つに分けて解説します。

スコアの範囲から解説しますね。

「TOEIC S&W」のスコアの範囲

まず、「TOEIC S&W」のスコアの範囲です。

「TOEIC S&W」は「Speaking」セクションと「Writing」セクションに分かれています。

各セクションのスコアの範囲は、次の表のとおりです。

セクションスコアの範囲
Speaking0〜200点
Writing0〜200点
合計0〜400点(10点刻み)
「TOEIC S&W」のスコアの範囲

Speaking(スピーキング)とWriting(ライティング)、それぞれ0点〜200点の範囲でスコアが出ます。

「TOEIC S&W」のスコアの決まり方

「TOEIC L&R」がマークシート式なのに対し、「TOEIC S&W」では実際に話したり書いたりした結果を採点します。

採点するのはAIではなく、「ETS」という団体の認定を受けた採点者

「ETS」は、TOEICの開発や採点を行う団体です。

採点方法について、公式サイトには次のとおり。それぞれの「スケール」の基準まではわからないのですが、ご参考までに。

TOEIC Speakingには5つの問題形式があります。

  • はじめの4つの問題形式(Question 1から10)の採点には0~3のスケール
  • 最後の問題形式(Question 11)の採点には0~5のスケール

が与えられます。
各項目のスケールの合計に統計的処理を施し、0点~200点のスコアに変換します。

(中略)

TOEIC Writingには3つの問題形式があり、

  • 最初の問題形式(Question 1から5)の採点には0~3のスケール
  • 2番目の問題形式(Question 6から7)の採点には0~4のスケール
  • 3番目の問題形式(Question 8)の採点には0~5のスケール

が与えられます。
各項目のスケールの合計に統計的処理を施し、0点~200点のスコアに変換します。

IIBC(TOEICを運営する団体)公式サイト

日本での「TOEIC S&W」の平均スコア

日本での「TOEIC S&W」の平均スコアは、どれぐらいなのでしょうか。

2021年度の結果をまとめると、次の表のとおりになります。

平均点
Speaking127.8
Writing144.8
「TOEIC S&W」の平均点(2021年度)

200点満点なので、得点率はSpeaking(スピーキング)は6割程度で、Writing(ライティング)は7割程度ということになります。

書くより話す方がニガテなので、この結果は納得できる……。

ちなみに合計点は公式サイトにも載っていませんでした。

というのも、TOEICには「TOEIC Speaking」というスピーキングだけの試験もあり、この試験だけを受けた人のデータも数字に含まれているからです。

その結果、スピーキングの試験を受けた人は、ライティングの試験を受けた人より多くなっています。

なので、それぞれの平均点を単純には足せないわけですね。

また、残念ながら、他国との比較も公式サイトには見当たりませんでした。

TOEICは何点あれば「すごい」の?

TOEICのスコアは何点あれば「すごい」のでしょうか。

「すごい」をどう捉えるかにもよりますが、公式に表彰されるスコアが取れれば「すごい」と言えるでしょう。

TOEICには公式の表彰制度があるんです!

TOEIC公式に表彰されるスコア

表彰されるのに必要なスコアは、次のとおりです。

スコア
Listening375点以上
Reading425点以上
Speaking160点以上
Writing170点以上
表彰されるのに必要なスコア

合計点だけではなく、リスニングとかリーティングとか、技能ごとにスコアが決まっているんですね!

しかもこのスコアを、同じ年の間にマークする必要があります。

たとえば2023年の1月から12月の間に試験を受けて、上記のスコアを達成しなければならないということです。

表彰されるのは年間に600人程度

ちなみに、2022年に表彰された人はたったの600人……。

「TOEIC L&R」だけでも、毎月2万人から7万人ぐらい受験しているので、めちゃくちゃ狭き門です。

かなり高いハードルですが、わたしは2023年に表彰されるのを目標にしています!

TOEICのスコアと英語のレベルの関係

ここでは、TOEICのスコアと英語のレベルの関係を解説します。

何点までが初級で、何点からが中級・上級なのか、ということですね。

TOEIC L&R」と「TOEIC S&W」に分けて見ていきましょう。

「TOEIC L&R」のスコアと英語のレベルの関係

まず、「TOEIC L&R」のスコアと英語のレベルの関係です。

実は「TOEIC L&R」でどれぐらいのスコアを取れば初級・中級・上級なのか、公式サイトでは明示されていません

明らかなのは、表彰される条件が800点以上であることぐらいです。

ただ、公式の教材に目標スコア別のものがあり、こちらがヒントになりそうです。

教材は次の3つです。

目標スコア別の公式教材

  1. 『公式TOEIC® Listening & Reading 800+』
  2. 『公式TOEIC® Listening & Reading 650+』
  3. 『公式TOEIC® Listening & Reading 500+』

各タイトルの最後にある「800点」「650点」「500点」がレベルを分けるスコアと考えていいでしょう。

実際、教材の宣伝文句を見ると、それぞれ「上級」「中級」「初級」に対応すると考えられます。表にまとめると、次のとおりです。

教材の目標スコア宣伝文句英語のレベル(推定)
800点3部構成で、難問に対応できる高度なリスニング力・リーティング力が身につく!上級
650点過去のテスト結果から中級レベルの必答問題を多数収録!中級
500点過去のテスト結果から初級者が必ず正解したい問題を厳選!初級
教材の目標スコアと対応レベル

800点は表彰されるのに必要なスコアですし、いちばん上に据えているのも納得できますね。

今後、900点以上を目指すための教材が出なければな。

「TOEIC S&W」のスコアと英語のレベルの関係

次に、「TOEIC S&W」のスコアと英語のレベルの関係です。

と言っても「TOEIC L&R」と同じく、「TOEIC S&W」の合計スコアについても、公式ではハッキリとレベル分けをしていません

「TOEIC S&W」の公式の教材も、目標スコア別のものはありませんし……。

ただ、「スピーキング」で160点以上、「ライティング」で170点以上の合計330点以上を取れば「上級」と言えそうです。

根拠にしたのは、表彰されるスコア。

もう一度、表彰されるのに必要なスコアを表で見てみましょう。

スコア
Listening375点以上
Reading425点以上
Speaking160点以上
Writing170点以上
表彰されるのに必要なスコア

さきほども考察したとおり、「TOEIC L&R」では合計800点以上(表彰されるスコア)が「上級」レベルと考えられます。

「TOEIC S&W」でも、表彰されるスコアを取れば「上級」と考えて問題ないでしょう。

今後、「TOEIC S&W」でも、公式のスコア別の教材が出れば、初級や中級のスコアもわかるかもしれません。

就職・昇進に有利なTOEICのスコア

ここまでで、一般的に「すごい」スコアはわかりました。

では、就職や昇進に有利なスコアはどれぐらいなのでしょうか。

IIBC(TOEICを運営している団体)による「英語活用実態調査2019」では、次の結果が出たそうです。

いずれも、「TOEIC L&R」のスコアです。

新卒採用英語を使用する部署の中途採用
545620
採用時に要件・参考にするスコアの平均
係長・主任課長部長役員
515530565600
昇進・昇格時に要件・参考にするスコアの平均
英語活用実態調査2019

新卒採用の場合でも、545点は取っておいたほうがよさそうです。

初級と中級の間ぐらいの点数ですね。

ところで、さきほどの調査結果を見て、個人的には「あれ?」と思いました。

新卒採用時に求められる「545点」が、課長昇進時の「530点」より高いからです。

すでに社内にいる人には、現実的なスコアを設定しているのでしょうか……。

これから入ってくる人には、高いスペックを求めたがるんだな。

おすすめのTOEICスコアアップの方法

ハイスコアを取って「すごい」と言われたい場合も、就職や昇進したい場合も、スコアアップの方法を知っておくことは大切です。

ここでは、おすすめのTOEICスコアアップの方法を「TOEIC L&R」と「TOEIC S&W」に分けて解説します。

「TOEIC L&R」のスコアアップの方法

おすすめの「TOEIC L&R」スコアアップの方法は、次の3つです。

「TOEIC L&R」スコアアップの方法

  • 多読多聴をする
  • 公式問題集を解く
  • TOEICならではのテクニックを学ぶ

「多読・多聴」は、だいたいわかるレベルの英語をたくさん読んだり聞いたりする活動ですね。

「多読・多聴」をメインと捉え、あとの2つはオマケ程度に考えています。

なんかTOEIC対策っぽくないんだけど……。

……と思われたかもしれませんね。

なぜこのような方法をおすすめしているかというと、英語力を上げた結果、TOEICのスコアも上がるのが理想だから。

で、英語力を上げるのに効果的なのが多読・多聴なんです!

これはわたしが言っているのではなく、「第二言語習得(SLA)」の研究の結果、わかっていることです。

多読・多聴をして公式問題集を解いた結果

わたしも「TOEIC L&R」に申し込み、ぼちぼち準備をしていますが、毎日やっているのは多読と多聴だけです。

それでも、試しに公式問題集をやってみたら、200問中194問正解でした。

公式問題集には、本番と同じ形式の「TOEIC L&R」が収録されています。

長い間、TOEICに特化した勉強はまったくしていなかったのに、正答率は97%だったわけです。

自分でもビビりましたよ……!

いろいろ手を出すより、引き続き多読・多聴をメインにして本番を迎えるつもりです。

心配なら参考書を使うのもアリ

多読・多聴をメインにするのが、個人的にはおすすめです。

それでも心配なら、公式問題集を解いたあとで参考書で学習してもいいでしょう。

参考書も公式のものがたくさん出ているので、そちらから選んでみてください。

市販の教材もクオリティの高いものがありますが、やはり「公式」に勝る教材はありません。

「中の人」が作っているわけですからね。

「TOEIC S&W」スコアアップの方法

わたしは「TOEIC S&W」を2023年10月に(生まれて初めて)受験する予定です。

なので、スコアアップの方法も、今のところ手探り状態……。

ぼちぼち試している方法は、次のとおりです。

「TOEIC S&W」スコアアップの方法

  • 多読多聴をする
  • 公式の教材で学習する
  • 英語で考える
  • 英語で考えた内容をAIに添削してもらう
  • アプリで発音を鍛える

メインはやはり多読・多聴です。また、公式の教材を見ることも大切。

それに加え、ときどき何かを考えるときに英語を使うようにしています。

とはいえ、自分が発する英語は、評価してもらったほうが安心ですよね。

というわけで、考えた内容を「Grammarly」というサイトに打ち込んで、AIに添削してもらっています。

また、「発音」は「ELSA SPEAK」というアプリで鍛え中。こちらも発音をAIが判定してくれます。

AIを活用しつつ、賢く対策していきたいと思います!

よくある質問

TOEICのスコアについて、よくある質問をまとめました。

大学生はTOEICで何点ぐらい取ればいいの?

TOEICを運営するIIBCが実施した「英語活用実態調査2019」によると、次のとおりです。

TOEIC L&RTOEIC Speaking TestTOEIC Writing Test
入学時395点88点93点
卒業時591点136点145点
大学(短期大学含む)側が「学生に最低限必要だと思うスコア」の平均

この表では、大学(短期大学含む)側が「学生に最低限必要だと思うスコア」の平均をまとめました。

ちなみに、企業側が新卒採用時に求める「TOEIC L&R」のスコアは平均545点です。

TOEICで自慢できる点数は何点?

公式に表彰される点数(次の表のとおり)を取れば自慢できるでしょう。

スコア
Listening375点以上
Reading425点以上
Speaking160点以上
Writing170点以上
表彰されるのに必要なスコア

まとめ

この記事では、TOEICのスコアについて、基本情報をおさらいした上で、何点からが「すごい」か就職・昇進に有利なスコアは何点かスコアアップにおすすめの方法は何かなどを解説しました。

この記事がスコアアップや就職・昇進などに役に立てば、これほどうれしいことはありません。

わたしも、公式に表彰されるようがんばります!

海外留学で英語で学ぼう!

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サト
インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。独学でTOEIC980点をマークした秘密が受験英語が好きだったという特異体質。オンライン英会話や電子書籍を試すことにハマっている。>>サトについて詳しくはこちら
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