TOEIC 800点のメリットは?勉強時間・おすすめの勉強方法も紹介

TOEICで800点とるにはどのくらいかかるの?
サト

執筆者

TOEIC980点。ELSA認定アンバサダー。インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。話せる言語は英語のほかにインドネシア語、中国語。→ サトについてはこちら

大学時代は800点台で、そこから少しずつ伸ばしていきました。

800点を取るのはけっこう大変ですが、大きなメリットもあります!

この記事では、TOEICで800点を取るメリット必要な英語力勉強時間おすすめの勉強方法おすすめの本などをシェアします。

この記事の「TOEIC」は、基本的に「TOEIC L&R」を指しています。リスニングや文法・読解の問題を延々と解いていく試験ですね。

TOEICで800点を取る3つのメリット

まずはTOEICで800点を取るメリットとして、次の3つを紹介します。

順に見ていきましょう。

表彰される

TOEICの800点は、表彰されるレベルです。

誰に表彰されるの……?

……と思ったかもしれませんね。

実は、日本でTOEICを運営しているIIBCという団体が表彰してくれるんです!

IIBCのツイートを見てみましょう。

ただし、表彰されるには、TOEICで800点を取るだけでは不十分です。

どういうことか、説明しましょう。

TOEICはマークシート方式の「TOEIC L&R」のほかに、会話と作文の力を測る「TOEIC S&W」もあります。

そして、「L&R」と「S&W」の両方で基準以上のスコアを取ってはじめて表彰されることになっています!

「L&R」は「Listening & Reading」、「S&W」は「Speaking & Writing」の略です。

基準となるスコアを含め、表彰される条件は次のとおり。

TOEICで表彰される条件

  • 「TOEIC L&R」のリスニング375点以上・リーディング425点以上(合計800点以上)
  • 「TOEIC S&W」のスピーキング160点以上・ライティング170点以上(合計330点以上)
  • 同じ年の1月から12月の間に上記のスコアをマーク

「TOEIC L&R」の800点も、単に合計で800点を取ればいいわけではなく、リスニングとリーディングでそれぞれ最低点があるんですね。

また、マークシートの「TOEIC L&R」だけでなく、実際に話したり書いたりする「TOEIC S&W」でも好成績を収めないといけません。

「TOEIC S&W」はスピーキング・ライティングそれぞれ200点満点なので、160点とか170点とかはハードル高い……。

さらにこのハイスコアを、同じ年の1月から12月の間にマークする必要があります!

いろいろ厳しい条件が揃っていますが、だからこそ表彰されるわけですね。

就職に有利になる

次に、TOEICで800点を取っておくと、就職に有利になります。

わたしが新卒の就職活動をしていたとき、「TOEIC800点台」を履歴書に書いたところ、書類選考はすべてクリアできました。

さらに、TOEICの高得点が効いたのか、ほかの学生はグループ面接だったのに、わたしだけ面接官とマンツーマンということも!

また、楽天グループのように、入社までにTOEIC800点の取得を義務づけている会社もあります。

同社の公式サイトには、次のとおり書いてありました。

TOEICスコアのみで選考結果を判断することはなく、選考結果につきましては総合的に判断させていただいております。ただし、ご入社までに800点を取得いただくことが必要です。

楽天グループ株式会社 公式サイト

楽天グループも、就職試験の際にTOEIC800点を求めているわけではありません。

それでも「総合的に判断」と書いてある以上、TOEICのスコアも判断基準のひとつになると考えて間違いなさそうです。

報奨金や手当てがもらえる

会社によっては、TOEIC800点以上で報奨金や手当てがもらえる場合もあります。

IIBCが行った「英語活用実態調査2019」によると、TOEIC800点以上で次の報奨金や手当てを出す会社があるんだとか!

報奨金・手当ての例

  • 報奨金:5,000円〜100,000円
  • 手当て:2,000円〜30,000円/月

会社にこのような制度があれば、800点を目指すモチベーションになりますね!

TOEICで800点を取るのに必要な英語力

TOEICで800点を取るには、どれぐらいの英語りょくが必要なのでしょうか。

TOEICはリスニングとリーディングがあるため、それぞれ分けて考えたほうがよさそうです。

そこで参考になるのが、IIBCに表彰されるスコア。

リスニング375点以上・リーディング425点以上で、合計800点以上でしたね。

当然ですが、かなりのハイレベルです。

IIBCの公式サイトに、リスニング375点以上リーディング425点以上の詳細がそれぞれ載っているので、見てみましょう。

リスニングセクションで375点以上を取る人の英語力

IIBCによると、リスニングセクションで375点以上を取る人は、英語りょくに次の長所と弱点があるとのことです。

スコアStrength(長所)Weakness(弱点)
495~375一般的に以下の長所が認められます。

・短い会話において、応答が間接的だったり、または簡単に予測できないようなものであっても、幅広い語彙(あまり使われない語彙、あるいは様々なトピックで用いられる語彙)を使用した話の主旨、目的、基本的な文脈が推測できる。

(後略)
一般的に、このレベルのスコアを取得する受験者には、解答する際に、あまり使用されない文法や語彙が出てくるときにのみ、弱点が認められます。
IIBC公式サイト

ざっくりいうと、「よっぽどマニアックな文法や語彙が使われない限りは問題ない」ということですね。

やっぱりレベル高い……。

IIBC公式サイトには、「長所」についてさらにいろいろ載っているので、興味があれば見てみてください。

リーディングで425点以上を取る人の英語力

同じくIIBCの公式サイトには、リーディングセクションで425点以上を取る人は、英語りょくに次の長所と弱点があると書いてあります(太字はサトによる)。

スコアStrength(長所)Weakness(弱点)
495~425一般的に以下の長所が認められます。

・文章の主旨や目的が推測できる。詳細が推測できる。

・意味を読み取ることができる。言い換えがあっても、事実に基づく情報が理解できる

(後略)
一般的に、このレベルのスコアを取得する受験者には、解答する際に、多くの考えや複雑な考えが、少ない単語もしくは複雑な方法で表現されている場合、または難解な語彙が出てくる場合にのみ、弱点が見られます。
IIBC公式サイト

読解力については、推測ができる・言い換えが理解できる点が長所。弱点もかなり限られたケースでしか見られないということになります。

ここまで来たら最強っぽいですね……。

リーディングセクションも「長所」はまだいろいろあるので、IIBC公式サイトをご参照ください。

TOEICで800点を取るのに必要な勉強時間

TOEICで800点を取るのに、どれぐらい勉強すればいいのでしょうか。

結論から言うと、トータルで4,000時間から5,000時間ぐらいが必要です。

途方もない数字に見えますが、小中高や大学での勉強時間も含むので、ご安心ください。

「4,000時間から5,000時間」は、坂田 浩氏・福田 スティーブ氏による論文「日本人の英語学習時間について」にあった数字です。

厳密には、この論文ではTOEIC「785点」を取るのに必要な時間として、次のとおり述べています。

「日本人の英語学習時間について」のポイント

  • ごく一般的な家庭環境の場合、大学卒業までの英語学習時間は約2,200時間
  • 【大学卒業後、英会話学校などの教育機関で学びながら自習する場合】
    TOEIC785点レベル到達に必要な学習時間:+約1,870時間
  • 【大学卒業後、自習のみ行う場合】
    TOEIC785点レベル到達に必要な学習時間:+約2,805時間

大学までで2,200時間勉強し、その後、英会話学校を活用しながら自習する場合はプラス1,870時間。2,200+1,870で、4,070時間が必要です。

一方、大学卒業後、自習だけでがんばる場合はプラス2,805時間が必要……! 2,200+2,805で、5,005時間も勉強に費やす必要があるんですね。

TOEICで800点を取るために必要な学習時間
TOEICで800点を取るために必要な学習時間

あくまで「785点」レベル到達に必要な時間なので、プラスアルファは必要ですが、そんなに遠くない数字のはずです。

4,000時間から5,000時間ということは、毎日3時間を勉強に使ったとしても、ざっくり3年半から4年半が必要な計算です。

大学卒業までに800点を目指すなら、在学中から計画的に勉強しておきましょう!

わたしは大学受験のときにアホみたいに勉強しました。まあ、楽しかったんですけど。

TOEIC800点を取るのにおすすめの勉強方法

TOEICで800点を取るのに、おすすめの勉強方法が3つあります。次のとおりです。

この方法、実は目標スコアに関係なくおすすめできます。

TOEIC満点を取るのに必要な時間や語彙数は?勉強方法なども紹介」という記事でも紹介しています。

詳しく解説しましょう。

多読・多聴をする

まず、多読・多聴です。

多読」は、「だいたいわかるレベルの英語」をたくさん読む活動ですね。

多聴」も同じように、「だいたいわかるレベルの英語」をたくさん聴く活動です。

なぜこの2つがおすすめかというと、人間が外国語を学ぶのに理にかなった方法だから。

これ、わたしが勝手に言っているのではありません!

第二言語習得」という分野の研究でわかったことなんです。

さらに、多読・多聴は、やっていて単純に楽しいのもメリット。

わたしは英語の小説で多読をしていますが、毎日、続きが気になって決めた時間をオーバーしてしまいます。

多読・多聴は遠回り?

でも、英語を読んだり聴いたりって、遠回りなのでは……?

……と思われたかもしれませんね。

たしかに、TOEICでハイスコアをマークしたいだけなら、もっと近道があるかもしれません。

でも、それは同時に「英語の知識はあるけど実際には使えない」人への道でもあります。

(かつてのわたしのように……)

英語力が上がった結果、TOEICでもハイスコアが取れるのが理想的です。

TOEICの問題集における多読・多聴の効果

わたしもTOEICに特化した対策はもう何年もやっていません。

でも、多読・多聴を続けているおかげか、久しぶりにTOEICの問題(本番と同じ形式)を解いたら200問中194問が正解でした。

自分でもびっくりしましたよ……。

今度、ひさびさにTOEICを受けるのですが、多読・多聴以外はほぼ何もしていません。

どんな結果が出るか、楽しみです。

TOEICの問題を解く→弱点を参考書(単語集含む)でつぶす

次は、TOEICの問題を解いて、弱点を参考書でつぶす勉強方法です。

たとえば、わたしはTOEICの公式問題集を解きました。

本番と同じ形式の問題に、本番と同じ時間で取り組みました!

200問中194問が正解でしたが、間違えた問題はもちろん、自信がなかった(でも正解だった問題も、解説をしっかり読んで反省。

「次に同じ問題をやったら満点を取る!」ぐらいの意気込みで解説を読みました。

わたしの場合、疑問点は問題集だけで解決できましたが、自信がない場合は、さらに参考書などを読むといいでしょう。

問題を先に解く勉強法については、「参考書は問題を解くまで読むな! 問題集→参考書の順で勉強すると効率が上がる理由とは?」をご参照ください。

TOEICで点を取るノウハウを少し学ぶ

最後に、TOEICで点を取るノウハウを学ぶのもスコアアップには効果的です。

ノウハウはインターネットでも学べますが、情報が多すぎるので、本で学ぶのがおすすめです。

たとえば『英語がニガテで高校時代に「E判定」だったボクが超有名大学へ進学しカリスマ英語講師になってTOEIC(R) L&Rテストで満点を89回もとった 超効率! 英語勉強法 』という本には、次のようなノウハウが載っています。

TOEICで点を取るノウハウ

  • 各Partのパターンとは?
  • リスニングで聞きとれる単語と聞き取れない単語の違いは?
  • リーディングセクションで戦略的に捨てる問題パターンとは?
  • リーディングセクションの攻略テクニックとは?
  • リーディングセクションの時間配分は?

同書の書評も書いているので、ご参考までに!

ただ、ノウハウに頼りまくって、実力をはるかに上回るスコアを取っても意味がないことは頭の片隅にでも置いておきましょう。

TOEIC800点を目指すのにおすすめの本

TOEIC800点を目指すのにおすすめの本は、何と言っても公式のもの。

市販の本は星の数ほどあり、書店でもTOEICコーナーの占めるスペースはえげつないほど……。

そんな中から本を探すのも楽しいものですが、公式本に絞って勉強をするのもひとつの手です。

TOEICで800点を目指すなら、次の2点は押さえておきたいですね。

それぞれ、かんたんに説明します。

『公式TOEIC® Listening & Reading 問題集』

まず、『公式TOEIC® Listening & Reading 問題集』です。

2023年10月発刊の最新版!

最大の特徴は、本番と同じ形式の問題が2回分収録されていること。

リスニングの音声も、付属のCDかダウンロードサイトで手に入ります。

「公式」が作った問題なので、形式だけでなく、問題のクオリティも本番と同じと考えていいでしょう。

さらに、ざっくりですが、正答数からだいたいのスコアが算出できます。

わたしがこの問題集に取り組んだところ、次の結果が出ました。

正答数換算スコア
リスニング96問475〜495
リーディング98問460〜495
合計194問935〜990
正答数と換算スコア

935点〜990点と、スコアにかなり幅があります。

ただ、TOEICのスコアは1問ごとに配点が決まっているわけではないので、仕方ないですね。

とにかく、この問題集を本番と同じ時間で解くことが、最高のシミュレーションになります!

『公式TOEIC® Listening & Reading 800+』

もう1点、800点を目指すなら、『公式TOEIC® Listening & Reading 800+』もおすすめです。

タイトルの「800」は、もちろん800点の「800」ですよ!

この本の特徴は、次の3点。

『公式TOEIC® Listening & Reading 800+』の特徴

  1. 過去の問題から正答率の低い問題を厳選して収録
  2. 本番と同じ形式の問題を1回分収録
  3. 別冊の単語集に難易度の高い単語(220語)を収録

正答率の低い問題を解きまくるだけでも、めちゃくちゃ効果がありそうですよね。

わたしはこの本は持っていないのですが、3つの特徴を書き出しているうちに、欲しくなってきました……。

よくある質問

TOEICで800点を取るには、何時間ぐらい勉強すればいいの?

合計で4,000時間から5,000時間が必要です。一般的には大学を出るまでに2,200時間ほど勉強するので、大学を出てからだと1,800時間から2,800時間ほど必要になります。

大学生でTOEIC800点を取っている人はすごいの?

はい、「すごい」のひと言です。

一般的には大学を出るまでに2,200時間ほど英語を勉強しますが、800点に到達するには、プラス1,800時間から2,800時間が必要だからです。

「1,800時間から2,800時間」は、大学までで勉強する時間(2,200時間)と同じぐらいか、それ以上の時間ですね。

IIBCが実施した「英語活用実態調査2019(大学・高校)」を見ても、大学4年生のTOEIC平均スコアは国公立で526点、私立で518点となっています。

やはり大学生でTOEIC800点を取っている人は、「すごい」で片付けられないぐらいすごいと言えます。

まとめ

この記事では、TOEICで800点を取るメリット必要な英語力勉強時間おすすめの勉強方法おすすめの本などをシェアしました。

TOEICで800点を取るのはかんたんではありませんが、それだけに大きなメリットがあります。

TOEICで800点を目指すなら、一緒にがんばりましょう!

わたしも表彰されることを目指して、TOEIC L&RとS&Wの両方を受けます!

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サト
インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。独学でTOEIC980点をマークした秘密が受験英語が好きだったという特異体質。オンライン英会話や電子書籍を試すことにハマっている。>>サトについて詳しくはこちら
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