英語は「語順」が大切! それに対し日本語は語順が自由である理由

英語の語順は大切
サト

執筆者

TOEIC990点(満点)。ELSA認定アンバサダー。インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。話せる言語は英語のほかにインドネシア語、中国語。→ サトについてはこちら

英語を勉強していて、初心者のころにつまるのが「語順」です。

英語と日本語では語順が全然違いますから。

日本語の語順は自由度が高いのですが、英語では語順をしっかり押さえないと、意味が伝わらないどころか文を作ることすらできないのです。

この記事では、英語と日本語の語順についてご紹介します。

日本語と英語の「語順」の比較(第3文型の場合)

日本語は語順の自由度が高いのですが、英語は逆に語順の自由度が低いのです。

これはどういうことなのでしょうか。次の例(英語の第3文型)をご覧ください。

【語順の比較】例文その1
日本語 英語
)わたしはニンジンが好き。 (✕)I carrots like.
)わたしは好き、ニンジンが。 )I like carrots.
)ニンジンがわたしは好き。 (✕)Carrots I like.
)ニンジンが好き、わたしは。 (✕)Carrots like I.

日本語の文を左に、英語の文を右に書いて紹介します(英語の語順は日本語の語順に合わせています)。

こうやって比べてみると、日本語では4とおりの語順を使って表現できるのに、英語だとたった1つの語順でしか表現できません

サト

日本語の方はそれぞれ微妙にニュアンスが違ってきますが、主な内容は同じということでお許しください(笑)

日本語と英語の「語順」の比較(第4文型の場合)

では続いて、英語の第四文型に該当する日本語を使って、日本語と英語の語順を見てみましょう。

【語順の比較】例文その2
日本語 英語
)わたしは 君に ニンジンを あげる。 (✕)I you a carrot give.
)わたしは ニンジンを あげる、君に。 (✕)I a carrot give you.
)わたしは 君にあげる、ニンジンを。 (✕)I you give a carrot.
)わたしは あげる、ニンジンを 君に。 )I give a carrot to you.
)わたしは あげる、 君にニンジンを。 )I give you a carrot.

日本語では5つともOKなのですが、英語でOKなのは2つあります。

ただし、英語の4つ目の例文は、「to」を追加しているため、「語順の変更だけ」というルールでは適応されません。

サト

日本語の方の「わたしは」を他のところに持ってくれば、まだまだ例はあるのですが、これぐらいで十分でしょう……。

日本語と英語の「語順」の比較(第5文型の場合)

最後の例は、英語の第五文型に該当する日本語で、日本語と英語の語順を比較しています。

【語順の比較】例文その3
日本語 英語
)君は わたしを サトと 呼ぶ。  (✕)You me Sato call.
)君は わたしを 呼ぶ、サトと。 (✕)You me call Sato
)君は 呼ぶ、わたしを サトと。 )You call me Sato.
)君は サトと 呼ぶ、わたしを。 (✕)You Sato call me.
)サトと 呼ぶ、君は わたしを。 (✕)Sato call you me.

こちらも、英語は1つしか文として成り立っていないという結果です。

サト

語順については、日本語の自由さ、英語の不自由さが浮き彫りになっていますね!

英語の語順の例外である「倒置」について

英語の語順は、今まで説明したように、
自由度が極めて低いです。

ところが、英語でも通常とは違った語順になることもあります。それが倒置(とうち)」と呼ばれる技法です。

わたしも英語の小説を毎日読んでいるのですが、「倒置」を使って語順が入れ替わるパターンをけっこう見かけます

「倒置」というのは、たとえば次のような例ですね。

英文の倒置の例

Once upon a time, there lived an old man and his wife.

(昔々、おじいさんとおばあさんが住んでいました)

これは、次のように、「there」と「lived」の語順が入れ替わっていると考えることができます。

語順の入れ替わり

  • Once upon a time, an old man and his wife lived there.
  • Once upon a time, there lived an old man and his wife.

ですが、先ほど例を読んでいただいたとおり、何でもかんでも入れ替えられるわけではありません。

この「倒置」はあくまで「例外」という認識でいてください。

5文型をマスターしよう

英語の語順の大切さ、おわかりいただけたと思います。

でも、どうやって「語順」に慣れ親しんでいけばよいのでしょうか?

そこでオススメするのが、5つの文型です。

サト

くわしくは、5つの文型まとめという記事をご覧くださいね。

【参考】日本語の助詞

日本語は英語に比べて語順の自由度が高いわけですが、これには「助詞が正しく使えていれば」という前提条件があります。

試しに助詞を入れ替えたり、省略したりして遊んでみましょう。

まず、助詞を入れ替えてみると、こちらのように意味が変わってしまいます。

助詞を入れ替えた例(1)

  •  わたし サトと 呼ぶ。
  •  わたし サトと 呼ぶ。

上の例では、「サト」と呼ばれる人が変わってしまいました。

もうひとつ、違う例を見てみましょう。

助詞を入れ替えた例(2)

  •  わたし サトと 呼ぶ。
  •  わたし サトと 呼ぶ。

うーん、よくわからない文になってしまいましたね……。

また、助詞を省略できる場合もありますが、全部が全部省略できるわけでもありません。

次のような場合なら、まだわかります。

助詞をなくした例(1)

  • わたし ニンジン 好き。
  • ニンジン わたし 好き。

「ニンジンがわたしのことを好き」というのはファンタジーの世界なので、「ニンジン わたし 好き」の語順でもOKです。

でも、次の文はどうでしょうか。

助詞をなくした例(2)

  • わたし 君 サト 呼ぶ。
  • 君 わたし サト 呼ぶ。

助詞がないと、「サト」と呼ぶのが誰か、呼ばれるのが誰か、がはっきりしませんよね。

日本語は語順の自由度は高いのですが、それは「助詞」に意味がしっかりと込められているからなのです。

まとめ

この記事では、英語と日本語の語順についてご紹介しました。

やっぱり英語の語順って大切ですね。

めんどくさい……と思ったら、まずは5文型をしっかり身につけるところから始めましょう!

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サト
英語びより編集長。独学でTOEIC980点をマーク(2023年9月)。インドネシアで日本語学校を運営している。>>サトについて詳しくはこちら
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