お子さんの英語力を上げる方法はいろいろあるのですが、わたしがオススメするのは、英語絵本の読み聞かせです。
親御さんが「お子さんに英語絵本を読んで聞かせる」という活動ですね。
この記事では、英語絵本の読み聞かせのメリットとデメリット、そしてちょっとした「コツ」もご紹介します。
英語絵本の読み聞かせのメリット
では、英語絵本の読み聞かせのメリットをご紹介しましょう。
まず、メリットは2点あります。
順番に見ていきましょう。
英語絵本の読み聞かせは外国語学習に対して合理的
まずは、英語絵本の読み聞かせは、理にかなっているということ。
なぜかと言うと、第二言語習得の研究結果に沿ったやり方で英語を学べるからです。
第二言語習得というのは、人間がどのように第二言語(外国語など)を身につけるのかを研究したものですね。
かんたんに言うと、誰にでも効果のある外国語の学習方法を研究しているわけです。
この第二言語習得の研究結果によると、外国語を身につけるのに大切なのは、たくさん読んだり聞いたりすること。
もちろん書いたり話したりという活動も必要ですが、それよりも「読む」「聞く」という活動のほうが大切なんです。
そういう意味で、英語の読み聞かせは、理にかなったやり方と言えます。
「読んだり聞いたりする活動を重視しているかどうか」が、無数にある英語教材の良し悪しを見分けるポイントにもなりそうですね。
英語絵本の読み聞かせは多読の前段階としても最適
それから、「多読」の前段階としても最適である点。
多読は、かんたんに言うと、分かるレベルの英語をどんどん読んでいくという活動ですね(参考: 多読とは?)。
わたし自身、「英語の多読」を何年も実践しているのですが、当初は英語の絵本を読んでいました。
絵本にある英語でも、知らない単語がけっこう出てくるんですよ。
わかる英語や絵から単語の意味を推測して、どんどん読み進めていきました。
そして、今は主に英語の小説(ハリーポッターとか)を楽しめるまでになりました。
まあ、全部わかるわけではありませんが、楽しめればいいかと思っています。
こんなふうに、英語の絵本を読んで聞かせていたら、「将来的にはひとりで小説が読めるようになる」と、わたし自身の体験から確信しています。
親側の英語力もUPする
英会話を話せるようになるには、必ず口に出して発音する必要があります。
でも子どもがいると、日常生活のなかでそういう時間を取るのが難しい人も多いかもしれませんよね。
そこで、子どもへの英語の絵本読み聞かせの時間を「自分の英語の勉強の時間」としても兼ねるのです。
一石二鳥ですね!
ちなみにオンライン英会話を使えば、「自宅で毎日25分」のように「場所にも時間にも束縛されないレッスン」ができ、オススメです。
英語絵本の読み聞かせのデメリット
メリットの次は、英語の絵本の読み聞かせによるデメリットですね。次の2点です。
1点ずつご説明しますね。
単語を効率よく覚えるのには不向き
まず、単語を効率よく覚えるのには不向きである点。
そもそも、読み聞かせの次の段階である「多読」でも、単語の暗記は必要ないとされています。
多読を広めるために設立された「多言語多読」というNPOの公式サイトに、次のようなQAがあるんです(太字はサトによる)。
Q.単語を暗記する必要はないのでしょうか?
A.意識的な暗記は必要ありません。(中略)また、どんなに暗記を繰り返しても、暗記して覚えた言葉は、時間の経過とともに忘れてしまいます。(中略)興味のあることに自然に大量に触れることで、なんとなく言葉がたまっていき、いずれ身につきます。さらに、多読で身についた言葉は、そう簡単には忘れないことがわかっています。(後略)
Q.単語を暗記する必要はないのでしょうか? | 英語多読|多読・Tadokuの知りたいことすべてより引用しました。
覚えようと思わなくても、いつの間にか身につくということですね。
とは言え、「いつの間にか」なので……短期間で単語を効率よく覚えたいということであれば、たとえば『DUO 3.0』のような単語帳を使った方がいいでしょう。
ただ、先程のQ&Aにあるとおり、多読を続けていくと、頭に残る単語や表現もありますし、なかなか忘れません。
この点は、わたしも実感しています!
もちろん時間はかかりますが、楽しみながら気長にやっていきましょう!
わたしも多読を継続中です。
絵本を1冊1冊買っているとお金もかかる
それから、絵本を買っているとお金がかかる点。
まあ、どんな学習をするにしても、ある程度お金はかかってしまうのですが……。
絵本を次から次に読んでいくと、際限がなくなるのは事実ですね。
ここは次のようなものを利用して、うまく節約しながら読み聞かせを実践していきましょう。
節約のアイディア
- 図書館
- 古本
- 電子書籍の読み放題サービス
古本は、古本屋で探してもいいのですが、効率よく探したいならメルカリやヤフオクなどを利用するといいでしょう。
ちなみに売るときの「値付けの相場」は、「オークファン」というサイトで調べると便利です!
電子書籍の読み放題サービスについては、次の項で触れています。
英語絵本読み聞かせのコツ
では、ここで英語絵本読み聞かせの、ちょっとしたコツをご紹介しましょう。
英語絵本読み聞かせのコツ
オーストラリアで長年にわたり日本語教育に携わっているはつさんにもお話を聞いて、まとめています。
では、1点ずつ見ていきましょう。
英語絵本の読み聞かせはタブレットなどを使う
英語絵本の「読み聞かせ」は、紙の本で行うという前提です。
たとえば、わたしがオススメしている本『親子で楽しめる 絵本で英語を始める本』ではこんなことが書かれています。
だれかといっしょに感じた本の重さや、紙の質感が、そのとき過ごした時間の思い出や本を読んでもらった幸福感とともに、子どもの身体の中に刻み込まれていく
『親子で楽しめる 絵本で英語を始める本』より引用しました。
「質感」のように「紙の絵本にしかない良さ」はもちろんあると思うので、これには同意です。
「やらない」ぐらいならタブレットで読み聞かせをしたほうがいい
でも、紙の絵本にはこんな問題点もありますよね。
紙の絵本の問題
- 絵本を置いておくスペースがない
- 絵本にそんなにお金を使えない
これは個人的な意見ですが、英語力アップのことだけを考えれば、タブレットを使っても問題ないと思います。
スペースやお金などの理由で「読み聞かせをしない」ぐらいなら、タブレットででも読み聞かせをしたほうが絶対いいに決まっていますから。
また、わたし自身、英語の多読を毎日しているのですが、利用しているのは電子書籍です。そして、効果を実感できています。
もっと言うと、第二言語習得の研究結果をベースに作られた日本語の教科書があるのですが、中にはそもそも紙バージョンがなく、PDFの配布のみという場合もあります。
なので、少なくとも
英語力向上にはタブレットなどを使ってもいいでしょう。
【補足】「『少なくとも』タブレットを使ってもいい」と書いた理由
わたしが「少なくとも」と書いた理由をご説明します。
『親子で楽しめる 絵本で英語を始める本』では、英語絵本の読み聞かせには、感性を磨くというメリットも紹介されています。
この点においてタブレットが不利になるのかどうかは、正直わかりません。
ただ、英語力向上のことだけを考えるなら、タブレットなどを使っても問題ないという意味です。
YouTubeを利用する
次に、YouTubeを利用するという裏技です。
「英語の絵本を読み聞かせる」と聞くと、「そんなの無理!」と、ひるんでしまいそうになる気持ち、わかります。
そんな場合でも、YouTubeを利用することで解決するのです。
なぜなら、有名な英語の絵本だと本文を読み上げている音声がYouTubeで見られる(聞ける)から。
たとえば、絵本『はらぺこあおむし(THE VERY HUNGRY CATERPILLAR)』をYouTubeで検索すると、次のような読み聞かせ動画が見つかります。
親御さんが英語の発音が苦手だとしても読んで聞かせるメリットもありますが、ネイティブスピーカーの発音を聞くのもいい経験になるはずです。
なじみのある絵本を選ぶ
最後に、なじみのある絵本を選ぶことです。
先ほど紹介した『はらぺこあおむし』を読んだことがあり、気に入っているなら、英語版の『THE VERY HUNGRY CATERPILLAR』を選ぶということですね。
親御さんしか読んだことがなくても大丈夫です。
ご本人にとっても取っ付きやすく、お気に入りの絵本をお子さんに読んで聞かせるチャンスにもなります。
また、お子さんも日本語版の絵本が気に入っているのであれば、英語版にも興味を示してくれるでしょう。
まとめ
この記事では、英語絵本の読み聞かせについて、メリットとデメリット、プラスちょっとしたコツもご紹介しました。
本物の英語力を身につけるための絵本読み聞かせ、ぜひ毎日の生活に取り入れてみてくださいね!
英語絵本の読み聞かせは、『親子で楽しめる 絵本で英語を始める本』という本でも詳しく紹介されているのでご参考に。