「未来形と未来完了形はどう違うの?」と思ったことはありませんか?
未来完了形とは「will + have + 過去完了形」と習いますが、どういうときに使うのでしょうか。
未来完了形の基本的な形や未来形との違い、そしてよく使う表現など、今回は英語の「未来完了形」について詳しく紹介しますね。
英語の「未来完了形」について
では、英文法に出てくる「未来完了形」とは何かをハッキリさせましょう。
もし現在完了形がよくわかっていない場合はこちらもどうぞ。
英語の「未来完了形」の意味・形
まずは、未来完了形の意味、形から紹介します。
未来完了形の形
未来完了の形は次のとおりです。
未来完了形の形
will+have+過去分詞形 〜
「これが未来完了形の形です」と説明されるより、例文で見たほうがわかりやすいので、こちらをご覧ください。
I will have finished my homework by 5 pm.
(5時には宿題を終えているだろう)
この例だと、動詞「finish(終える)」が過去分詞の「finished」になり、その前に助動詞「will have」がつくことで未来完了形になっています。
だいたいの動詞は「finished」のように、語尾に「ed」を付けるだけで過去分詞になることが多いです(参考: 規則動詞・不規則動詞とは?)。
不規則動詞の場合は、be動詞なら「been」に、一般動詞「do」なら「done」のように変化します。
「未来完了形」の意味
英語の未来完了形とは、名前の通り「未来のある時点で完了する動作」を表すものです。
先ほどの例をもう一度見てみましょう。
I will have finished my homework by 5 pm.
(5時には宿題を終えていると思うよ)
「宿題をする」という動作が「夕方5時」という未来の「ある時点」で完了するだろうと伝えています。
未来形よりも客観的で「5時の時点では、事実として宿題が完了していることになっているだろう」というニュアンスになりますよ。
「未来形」との違いについては、次項で紹介しています。
「未来形」と「未来完了形」との違い
さらに理解を深めるために、未来形と未来完了形を比べておきましょう。
未来完了形の「形」はなんとなくわかっても、未来形との意味の違いがちょっとわかりにくいですよね。
同じ「未来」という言葉が使われていますが、イメージの違いは以下のとおりです。
未来形と未来完了形の違い
- 未来形…… それ以前を意識しない「単なる未来」
- 未来完了形…… 過去から続いてきた未来
これだけでは説明が足りないと思うので、詳しく紹介します。
【未来形】それ以前を意識しない「単なる未来」
まずは「未来形」から見てみます。
例えば未来形で「明日は晴れるだろう」は次のように言います。
The sky will clear up tomorrow.
(明日は晴れるだろう)
未来形は現在の視点から、未来の「ある時点」にだけ焦点を当てています。そのため、現在のことは眼中にありません。
「未来」にしか言及していないため、未来形の文を見ても今現在はどうなっているのかは不明なんですね。
今現在も晴れているのか、もしくは雨が降っているのかは未来形では伝わりません。
未来形についてはこちらも参考になりますよ。
【未来完了形】過去から続いてきた未来
未来形に対して「未来完了形」の「未来」は「過去から続いてきた未来」だと言えます。
たとえば、現在降っている雨の状態を見ながら「明日には止むだろうな」と予測している場合。
こういうときに、「未来完了形」を使って次のように言えます。
The sky will have cleared up by tomorrow.
(明日には晴れるだろうな)
※「by tomorrow」で「明日まで」という意味。
ポイントは、現在の状況を分析して未来を判断しているということ。
当てずっぽうではないということです!
次の図のように「現在(もしくは過去)未来」へのつながりがあるときに未来完了形が使われます。
「未来形」では現在の天気は謎でしたが、未来完了形では「晴れていない」という現状を通して未来を予測しています。
未来形は「点」、未来完了形は「線・流れ」というイメージですよ。
未来完了を含め、英語の「完了形」という表現は「それ以前より続いてきた動作・状態」というのがポイントです。
未来完了形は「客観的」なニュアンスがある
先述したように、未来完了形は「今の現状」を冷静に分析しながら未来について語ります。
そのため、未来形と比べると「客観的なニュアンス」があり「確実性が高い」ように感じられます。
未来形と未来完了形を比較しながら説明しますね。
2つを比較
「未来形」は主観的
まず、通常の「未来形」の場合は、現在のことは見ずに、未来だけを直視しながら予想するようなイメージです。
次の例をご覧ください。
I will finish my homework by 5 pm.
(5時には宿題を終えます)
現状はともかく、話者が主観で「終えます」と言っているニュアンスです(「will」の大もとの意味は「意志がある」)。
「未来完了形」は客観的
それに対して、未来完了形の場合は現状を分析して、それを通して未来の予測をしています。
I will have finished my homework by 5 pm.
(5時には宿題を終えているだろう)
この例だと、現状の宿題の終わり具合や時間配分を分析した上で「5時には終わることになっているだろう」と予測しているのです。
つまり、そのことが未来に起こるという予測に「客観性」があると言えますね。
「未来完了形」の作り方
意味・形がわかったところで、実際に作ってみましょう。
基本的な肯定文・否定文・疑問文の作り方に加えて、未来完了進行形や受動態も紹介しますね。
「未来完了形」の肯定文
まず、未来完了形の作り方の基本を解説します。
未来完了の形はもれなく「will + have + 過去分詞」で、作り方は以下の2ステップでOKですよ。
現在完了形の作り方
- 主語を言ったらwill haveを置く
- haveの直後に使いたい動詞を過去分詞形で置く
主語を言ったら「will have」を置く
たとえば、「彼は来年で、そこに住んで10年になる」という文を未来完了形にしてみましょう。
主語の「He(彼)」の直後に、「will have」を置きます。
「will have」を置く
He will have 〜.
(彼は〜を持っているだろう)
助動詞「will」のあとの「have」が「has」や「had」になることは決してありませんよ!
とにかく「have」の形は「have」のままでいいので楽ちんです(笑)。
「have」の直後に「過去分詞形」を置く
1で置いた「will have」の後ろには動詞「live(住む)」が来ます。
「live」を過去分詞形にして「lived」の形にすればOKです。
He will have lived there for 10 years next year.
(彼は来年で、そこに住んで10年になるよ)
「彼がそこに9年住んでいる」という現状を分析して「来年になると10年目になる」という未来を予測していますね。
これは英文法では完了形の継続用法と呼ばれますよ。
ちなみに過去分詞形は、動詞によって活用の形がバラバラです。
でも一定のルール・覚え方があるので、詳しくは「英語の過去分詞とは?」をご覧ください。
「未来完了形」の否定文
では、未来完了形を否定文にしてみましょう。
未来完了形の否定文はただ「will」の後に「not」を入れるだけで大丈夫です。
He will not have lived there for 10 years next year.
(彼は来年で、そこに住んで10年にはならないよ)
「will not」は、通常は短縮形「won't」で言われることがほとんどです。
「未来完了形」の疑問文
未来完了形の疑問文の作り方もかんたんです。
「Will」を文の最初に置いて「Will + 主語 + have + Vpp〜」の形にしてください。
先ほどの例文を疑問文にすると以下のようになります。
Will he have lived there for 10 years next year ?
(彼は来年で、そこに住んで10年になるの?)
【応用】「未来完了進行形」や「受動態」
基本がわかったところで、ちょっと応用です。
「未来完了」には「進行形」や「受動態」の文も存在します。
未来完了進行形
まず、進行形は「will + have + been + Ving〜」の形になりますよ。
以下のような具合です。
I will have been playing video games until tomorrow morning.
(明日の朝までずっとゲームしていると思うよ)
ウサギさん……。
ゲームをする・本を読むなど、継続する動作のときに使われる表現です。
未来完了の「受動態」
未来完了には進行形だけでなく、受動態もありますよ。
例えば以下のように、受動態の未来完了形は「will + have + been + Vpp〜」の形で表現されます。
My iPhone will have been repaired by next month.
(僕のiPhone、来月までには修理されると思うよ)
人ではなくモノや動物が主語の場合ですね。
少し複雑になっても、未来完了ならば絶対に「will」と「have」はあると覚えておいてくださいね!
未来完了形でよく使われる表現
作り方もわかったところで、あとはよくある表現を見ておきましょう。
未来完了形を作りやすい動詞、そしてよく一緒に使う時間・条件・回数などの表現をまとめて紹介しておきますね。
未来完了形を作りやすい動詞
まず、未来完了形でよく使われる動詞から見ていきましょう。
実際のところ、どんな動詞も未来完了形で使うわけではなく、見かける動詞は意外と決まっています。
以下の動詞が未来完了形を作りやすいですよ!
be | 〜である・〜にいる |
---|---|
do | する |
finish | 終わる・終える |
live | 住む |
marry | 結婚する |
play | する・遊ぶ |
see | 見る・会う |
wait | 待つ |
意外と少ないのでホッとしましたね!
未来完了形で使われる「時間・条件・回数」などの表現
あとは未来完了形でよく使われる「時間・条件・回数」などの表現も紹介しておきますね。
if | 〜ならば |
---|---|
before | 〜より前に |
by | 〜までに |
by the time | 〜の時までに |
for | 〜の間 |
again | 再び |
〜 times | 〜回 |
未来完了形では、このように一緒に使われるお決まり表現が決まっています。
例えば「if」と「〜 times」を使うと、次のような表現ができます。
If I play this game again, I will have played it 1,000 times.
(もう1度このゲームをやったら、もう1,000回目になるよ)
ちなみに、この場合の「if」は仮定法ではなく「時・条件の副詞節」という扱いです。
「if節」のほうには決して「will」を付けちゃダメですよ!
まとめ
最後に、未来完了形についてまとめます。
未来完了形のまとめ
会話ではあまり使わないかもしれませんが、文章では使うシーンも出てくるはずです。
ぜひ正しい使い方を覚えておいてくださいね。