学校で英語を習ったとき、かんたんそうな動詞の「現在形」が意外と理解しづらくありませんでしたか?
実は現在形って、「現在」を表すだけじゃないんです!
今回は動詞「原形」との違いから、現在形の4つの用法まで、動詞の「現在形」を詳しく紹介します。
動詞の現在形とは?
まず、「現在形」とは何なのかをかんたんに紹介しますね。
現在形の基本は「現在の話題で使う形」
英語の現在形(present tense)は、基本的には「現在の話題で使う形」という意味です。そのまんまですね(笑)
現在形だけを紹介するよりも、過去形や未来形と比較するとよく分かるので、以下の例文をご覧ください。
現在形と過去形の比較
1現在形
Hey, you don’t look well today. What’s the matter ?
(ねぇ、今日は元気がないみたいだけど。何かあったの?)
2過去形
To tell the truth, I lost my wallet yesterday.
(実を言うと、昨日サイフ無くしちゃったんだ)
現在形と未来形の比較
1現在形
It's (It is) fine today.
(今日はいい天気だねー)
2未来形
Yup, I hope it'll (it will) be sunny tomorrow.
(うん、明日も晴れるといいなー)
このように「現在」の時制で使う動詞の形を「現在形」と言います。
でも、現在の話でも「まさに今していること」を表したいときは「現在進行形」という形を使うのでちょっとややこしいです(現在進行形は後で紹介しますね)。
現在形 =「習慣」「気持ち」
上では「現在」の時制で使う動詞の形を「現在形」と書きましたが、さっそく矛盾したことを言います。
現在形の内容が「過去のことも含んでいる」場合もあるのです。
現在形が「過去のこと」も含んでいる?!
「現在形の内容が過去のことも含んでいる」という場合はどんな場合でしょうか。
例えば、職業や住所の話がそうです。
I work for a computer company.
(私はコンピュータ会社に勤めています)
この場合、現在だけじゃなくて昨日や一昨日も勤めていますよね?(日本語に引きつられ、「I am working〜」と言いたくなりますが、現在形の「work」を使います)
他には「自己紹介」もそうですね。
I am a wolf.
(僕はオオカミです)
もちろん去年も「オオカミ」だし、何十年先もず~っと「オオカミ」ですよね。
そうなんです。
「現在形は現在のことだけ」と捉えることは、ちょっと無理があるんです。
現在形は「習慣や気持ち」を表すもの
そこで、現在形は「習慣や気持ち」を表すものと理解するのがオススメですよ。
英語の現在形とは?
習慣や気持ちを表すもの
誤解が生じやすいので、「現在形」って名前がイマイチなんですよね~。
「いつもの習慣形」とか「ふだんの自分形」とか「現在の気持ち形」とか言ったほうが適切です(笑)。
具体的な現在形の用法については、あとで詳しく紹介しますね!
「現在形」と「原形」の違い
英語を学んでいて、多くの方が混同してしまうのが「現在形」と「原形」の違いです。
その違いについて紹介しますね。
時制を持っていない形=原形
現在形が基本的に「現在の気持ち」を表すときに使うのに対して、「時制を持っていない」場合に使うのが原形です。
英語の原形とは?
「時制」のない動詞の形のこと
現在形が基本的に「現在の気持ち」を表すときに使うのに対して、原形は「時制を持っていない」場合に使う。
例えば以下のような場合ですね。
To play online games is my hobby.
(オンラインゲームをすることが趣味なんだ)
この「オンラインゲームをすること(To play online games)」って、いつの出来事とは言えないですよね?
こういった「時制がない場合」に使うのが原形という形です。
英語には「原形」に当たる言葉がない?!
ただ、例えば「私はオオカミです(I am a wolf.)」の場合も時制がないので、「現在形」と「原形」の線引きは曖昧なのが正直なところです。
それもそのはず。実は英語には「原形」に当たる言葉は無いんです! な、なんと~!!
英語の時制(tense)は「現在(present)」「過去(past)」「未来(future)」の3つしかありません。
学校で習った「原形」は、日本の「英文法独特の考え方」なんですよ。
なので、そういうものだと思っておいてください(笑)。
ややこしくなりましたが、結論としてまとめます。
……というふうに思っておいたほうが英語の実際の感覚に近くて分かりやすいですよ!
現在の話題をするときは、主語が「私」「あなた」「複数」「主語なし」の時は原形を使ってください(つまり、原形 = 現在形)。ほかの場合は次の項目で紹介しています!
三人称単数形の「 s 」
上の項目で、主語が下記のような場合は「現在形(原形)」を使うと紹介しました。
現在形を使うときの主語
- 私( I )
- あなた(you)
- 複数形(we, they, dogs ……など)
では、ほかの場合……つまり、下記のような主語の場合は、どうするのでしょうか?
三人称単数形の例
- 彼(he)
- 彼女(she)
- それ(it)
これらの主語(私・あなた以外の単数)を「三人称単数」と呼びます。
三人称単数の現在形には「s」が付く
そして、三人称単数が主語の場合の動詞は、原形に「 s 」を付けた形が「現在形」になるんです。
通常の動詞の現在形と、主語が三人称単数であるときの動詞の現在形を比べてみましょう。
通常の現在形
- I open the window.
- You open the window.
- We open the window.
- Open the window.
主語が「三人称単数」の場合
- He opens the window.
- She opens the window.
- John opens the window.
※ ちなみに上の例文ですが「I open the window every morning.(毎朝、その窓を開ける習慣がある)」というふうに解釈してください。長くなるので省略してます!
これを通称「三単現の『 s 』」と言います!
be動詞は「現在形」「原形」の形が違う
ちなみに、動詞の中でも「be動詞」は「現在形」と「原形」でハッキリと形が変わるので、区別しやすいですよ!
be動詞の現在形・原形
- 現在形 …… am, are, is
- 原形 …… be
くわしくは下記の記事をどうぞ。
動詞の「現在形」の使い方
では、現在形の具体的な使い方を見てみましょう。
用法は全部で4種類ありますよ。
現在形の4つの用法
- 現在の状態・気持ち
- 習慣
- 不変の事実、普遍の真理、ことわざ・格言
- 予定
現在の状態・気持ち
まずは「現在の状態・気持ち」を表すときです。
I feel tired.
(僕、疲れちゃったよ)
Oh, I think you work too hard.
(あー、君は働きすぎだと思うよ)
「have(持っている)」や「like・love(好き)」や「know(知っている)」などの動詞がよく使われますよ。
例文で「疲れちゃったよ」というふうに日本語として自然なように訳していますが、原文の「feel tired」は過去形ではありません。直訳すると「疲れていると感じる」です。
習慣
続いては「習慣」を表す場合です。
I get up at 4 am every morning.
(毎朝4時に起きてるんだ)
Really ? You are in shape!
(マジで!? 健康的だね!)
「週に1回(once a week)」や「1日おきに(every second day)」といった表現と一緒に使うことが多いですね。
不変の事実・普遍の真理・ことわざ・格言
3つ目は「不変の事実・普遍の真理・ことわざ・格言」です。
例えば、自己紹介で自分のことを話すような「不変の事実」には全て現在形が使われます。
普遍の事実
Hi, my name is Naruto. I live in Tokyo. I am Japanese, but don’t like sushi. Ha, ha, ha !
(やあ、僕はナルト。東京に住んでいるよ。僕は日本人だけど、スシは好きじゃないんだ。はっはっは!)
...
他には、「太陽は東から昇る」のような「普遍の真理」も現在形です。
普遍の真理
Well... which way is east ?
(えっと、どっちが東だっけ?)
Don’t you know the sun rise in the east?
(太陽は東から昇るって知らないのかい?)
「光陰矢の如し」のような「ことわざ・格言」も現在形が基本ですよ。
ことわざ・格言
What !? Do you think I did it ?
(はぁ?! ソレを私がやったと思ってんの?)
"There is no smoke without fire."
(火のない所に煙は立たない)
予定
そして4つ目は「予定」を表す場合です。
「あらかじめ決まっている予定」のときは未来形よりも現在形を使うんですよ。
予定
What time do we meet up tomorrow ?
(明日、何時に待ち合わせようか?)
The show starts at 8 pm. So, how about half past 7 ?
(ショーは8時から始まるね。じゃあ、7時半はどう?)
以下のような「始まり」や「終わり」を表す動詞のときは現在形で話してみてくださいね。
現在形で話してみて!
- start(始まる)
- finish(終わる)
- arrive(到着する)
- leave(出発する)
- open(開く)
- close(閉まる)
現在進行形や現在完了との違い
最後に、「現在」という名前が付く2つの表現についても紹介しますね。
それはこちらです。
「現在」のつく2つの表現
- 現在進行形
- 現在完了形
現在進行形(be動詞 + ing)
「まさに今こうしています」という動作の時は、現在形ではなく「現在進行形」という表現を使います。
現在進行形は「be動詞 + ing」の形です。
チャットや電話の状況で
What are you doing now ?
(今何してるの?)
I’m watching Youtube videos while eating snacks.
(おやつ食べながらユーチューブ観てるよ~ん)
ツイッターでおなじみの「~なう」の場合ですね!
現在完了形(have + 過去分詞形)
もう一つは「現在完了形」という表現です。
単純に現在のことではなく、「過去から続いていることの結果、現在こうなった」という場合は現在完了形になります。
形は「have + 過去分詞形」で作ってくださいね。
Hey, you look so happy. What happened ?
(おいおい、ずいぶん嬉しそうだね。何かいいことあった?)
I've fisnihed my homework. I'm free !!!
(宿題が終わったんだ。僕は自由だ~!!)
この場合、1時間前や昨日から取り組んでいた宿題がやっと「現在」に終わったという状況ですよね?
こういったシチュエーションのときは現在形ではなく「現在完了形」を使うんだと覚えておいてください。
まとめ
さて、今回は動詞の現在形についてまとめました。
「現在形」と呼ばれていますが、「習慣や気持ち」を表すものと理解するのがおすすめです。
あと、あらかじめ決まっている予定にも現在形を使うというのも覚えておいてくださいね。